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第4章 飄々
8 火消はいらない?
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私は言葉を失っているテオルド卿に構わず、言を進める。
「まあただ逆に言えば、私だからこの程度で済んでいるのであって、
人によっては自殺してもおかしくない事…。
そのことだけはしっかりと、当事者たちには意識させる必要があり
ます。
あと自分のやった結果何を招くか、わからせ責任を取らせる意味でも
報復はしっかりと行っていますけどね」
「は…はい…」
あ、顎はまった。
良かった。
「ここからが重要な所ですが…私がテオルド卿とご家族にどう償ってほしいかを
言ってもよろしいですか?」
「も、もちろんです!!」
身ぃ乗り出してきた。
まあ、一番聞きたかったところだろーね。
「次の機会を大切にして欲しいです」
「次の…?機会…?」
ん~、わからんか。
「自分のしたことが、ともすれば惨事を招いたことであると認識すること。
同じことを二度とやらない事、やろうとしている人間がいたら、できるだけ
止められる人間になること…ですね」
「そ、そんなことで良いのですか?」
「大切なことでしょう?」
「し…しかし…」
「しかしもかかしもないです。
先ほども言いましたが、私、自殺もしていなければ、深手を負ってもいません。
私が望むのは、先ほど言ったことだけですよ」
フェイラ嬢とルイーズ嬢に関しては、そーとーこっぴどくテオルド卿に締め
上げられてるだろーからね。
「テオルド卿…今年の建国記念パーティーでの、テラスの一件…覚えて
いらっしゃいますか?」
「もちろんです!!」
「あの時…あなたは自分の失態を、さも楽しそうに笑っていましたが…、なぜ
笑ったのですか?」
「え…それは…。
失敗はいくつなってもしてしまうものだし、たいした損失もなく失敗がわかれば、
次に生かせるし…あ!!」
うん、いいね。
水を向けるだけで気づいてくれて、楽やわー。
「テオルド卿はご自身でしっかりと、わかってらっしゃるんだから、今度は同じ
ことを、子供たちに教えて差し上げてください」
「し…しかし、あの時は私だけの事でした。
今回は、オルフィリア嬢に多大なご迷惑を…」
ついでにいい人やわー。
「それはそうですが、私は望むことをしっかり話しましたよね?
そして損失なんて、私は対して被っていませんよ」
むしろ、テオルド卿がリタイヤしちゃう方が、私やギリアムにとって痛手だっつーの。
しっかし、ここまで言って素直に聞けんのかい。
返事が無いぞ~。
「あの~、テオルド卿は剣を初めて持つ、小さな子供がうまく持てなかったら、
何で持てないんだって、頭ごなしに怒鳴りますか?」
「は?
とんでもない。
丁寧に教えますよ。
初めてじゃ、できなくて当然です」
「だったら子供さんたちにも、その精神で話してくださいよ」
「え…」
「世間一般で当たり前と認識されていることでも…、人はそれを違えたり、実行する
のが難しいときがあります。
この施設の人たちの事例が、まさにそれ。
だから怒らず、頭ごなしにならず、とことん話してください。
そしてどんなバカバカしい理由でも、その人にとっては大切な理由かもしれないと、
常に頭においてください」
「わかり…ました…」
テオルド卿は、かなりスッキリした顔になった。
まあ、とりあえずどうすればいいのかわからないってのが、人間一番答えるからねぇ。
辛くても、指針が決まれば…ね。
よっしゃよっしゃ。
……っと、もう一つ大事なこと!!
と、私が思った時、
「改めて感謝いたします、オルフィリア嬢…」
と言う、嬉しいお言葉。
「なら…もう一つお願いを聞いていただいても?」
「なんなりと?」
「ここいらでそろそろ…折れてくださいませんか?」
「は?」
まあ、これだけじゃわからないよね。
「火消しをさせてください…ということです」
「それは…」
顔曇ったか…やっぱ。
「勘違いしないでください!!
火消しは事実を曲げることでも、無くすことでもありません!!」
「それは…わかっています…」
だよねぇ…。
自分たち家族の方針は方針として、世間一般には責められてもしょうがない
ってのは、変わらんのね。
……けどさ、テオルド卿。
潔さも、時として毒になるってこと、わかってる?
その毒は…関係ない人間にも及ぶってさぁ…。
「今日この施設で、テオルド卿が訂正したような間違った情報が…今、
巷にはあふれてしまっているんです!!」
「なんと…」
やっぱりわかってなかったか~。
まあ、市勢に敏感なタイプじゃないからなー、ホント。
「でもここの人たちのように、それが必ずしも悪意でそうしているワケでは
ない場合もあるのです!!
そう言ったことを判断し、間違いを修正させてくださいと、申し上げている
のです!!」
「……」
黙りこくっちゃったね。
この頑固さが…いい所でもあるんだけど。
「テオルド卿!!
潔いことは、大変良いことです!!
しかしこのままこの現状を放置すれば…、場合によってこの施設の人たちだけ
ではなく…、あなたの恩師にまで、被害が行くかもしれませんよ!!」
「何をバカな!!
あの方はだいぶ前に、一線を退いている!!」
「誹謗中傷する人間にとって、元か現かは関係ない!!」
「!!」
「テオルド卿…あなたがそこまで慕う方である以上、何を言われても、その方は
毅然としているのでしょうけれど…」
私はワザと、言を切る。
「毅然としていられることと、痛くないことは、同義ではありません!!」
「……」
「あなたの恩師はだいぶご高齢なのでしょう?
もしこの誹謗中傷のせいで、体調を崩されて、お亡くなりになったら?
そしてそれが、あなたに何とか恩義を返そうとしている、人たちだとしたら?」
「そ…それは…」
「そしてその人たちが…後で自分たちの罪を知り、あなたに申し訳なく思い、
自ら命を絶ったら?」
「そ…そんなことは」
「あり得ます!!」
私はこれだけはハッキリ断言した。
「だって、この世の中…色んな人がいますから…。
って、こんなこと、王立騎士団で日々いろんな犯罪者、被害者に接していれば
わかりますよね?」
「……」
「アナタが今、張っている意地は、そんな状態を作ってまで、張り通さねばならない
意地ですか?」
「……」
「どうなんですか!!
テオルド卿!!」
「そんな事…」
やっと絞り出したような、小さな声。
「望んでいるワケないじゃないですか…」
ようやっと…崩れてきたね。
よっしゃ、もう一押し!
「だったら…」
私は真剣な目を向け、
「アナタを好きな人たちと…とことん話をしてください」
「は…なし…」
「私はお茶会の後、王立騎士団に足を踏み入れてはいませんが…、おそらくあなたは
火消しは要らないの一言意外、殆ど言葉を発しない、話もしていないのではないですか?」
「そ…それは…」
やっぱ図星かい。
「でもそれでは…みんながここの人たちのように、本当にあなたの為を思って、あなたが
嫌だと思うことを、してしまうかもしれませんよ?」
「……」
「今回の件…火消しを含めて、する必要が無いと判断した、あなたの潔さは称賛に価します。
しかし…アンタの傷つく姿を見て、心を痛める人は意外と多いんです、テオルド卿」
かく言う私も、その一人だよ。
「どうかその人たちを助けるために…ほんの少しだけでいいんです。
折れてくださいませんか?」
テオルド卿は
「私…は…」
とだけ言って、また黙る。
だ~~~~~~!!
これでもダメかい!!
けど、ヘドネちゃんは諦めないよ!!
「まあただ逆に言えば、私だからこの程度で済んでいるのであって、
人によっては自殺してもおかしくない事…。
そのことだけはしっかりと、当事者たちには意識させる必要があり
ます。
あと自分のやった結果何を招くか、わからせ責任を取らせる意味でも
報復はしっかりと行っていますけどね」
「は…はい…」
あ、顎はまった。
良かった。
「ここからが重要な所ですが…私がテオルド卿とご家族にどう償ってほしいかを
言ってもよろしいですか?」
「も、もちろんです!!」
身ぃ乗り出してきた。
まあ、一番聞きたかったところだろーね。
「次の機会を大切にして欲しいです」
「次の…?機会…?」
ん~、わからんか。
「自分のしたことが、ともすれば惨事を招いたことであると認識すること。
同じことを二度とやらない事、やろうとしている人間がいたら、できるだけ
止められる人間になること…ですね」
「そ、そんなことで良いのですか?」
「大切なことでしょう?」
「し…しかし…」
「しかしもかかしもないです。
先ほども言いましたが、私、自殺もしていなければ、深手を負ってもいません。
私が望むのは、先ほど言ったことだけですよ」
フェイラ嬢とルイーズ嬢に関しては、そーとーこっぴどくテオルド卿に締め
上げられてるだろーからね。
「テオルド卿…今年の建国記念パーティーでの、テラスの一件…覚えて
いらっしゃいますか?」
「もちろんです!!」
「あの時…あなたは自分の失態を、さも楽しそうに笑っていましたが…、なぜ
笑ったのですか?」
「え…それは…。
失敗はいくつなってもしてしまうものだし、たいした損失もなく失敗がわかれば、
次に生かせるし…あ!!」
うん、いいね。
水を向けるだけで気づいてくれて、楽やわー。
「テオルド卿はご自身でしっかりと、わかってらっしゃるんだから、今度は同じ
ことを、子供たちに教えて差し上げてください」
「し…しかし、あの時は私だけの事でした。
今回は、オルフィリア嬢に多大なご迷惑を…」
ついでにいい人やわー。
「それはそうですが、私は望むことをしっかり話しましたよね?
そして損失なんて、私は対して被っていませんよ」
むしろ、テオルド卿がリタイヤしちゃう方が、私やギリアムにとって痛手だっつーの。
しっかし、ここまで言って素直に聞けんのかい。
返事が無いぞ~。
「あの~、テオルド卿は剣を初めて持つ、小さな子供がうまく持てなかったら、
何で持てないんだって、頭ごなしに怒鳴りますか?」
「は?
とんでもない。
丁寧に教えますよ。
初めてじゃ、できなくて当然です」
「だったら子供さんたちにも、その精神で話してくださいよ」
「え…」
「世間一般で当たり前と認識されていることでも…、人はそれを違えたり、実行する
のが難しいときがあります。
この施設の人たちの事例が、まさにそれ。
だから怒らず、頭ごなしにならず、とことん話してください。
そしてどんなバカバカしい理由でも、その人にとっては大切な理由かもしれないと、
常に頭においてください」
「わかり…ました…」
テオルド卿は、かなりスッキリした顔になった。
まあ、とりあえずどうすればいいのかわからないってのが、人間一番答えるからねぇ。
辛くても、指針が決まれば…ね。
よっしゃよっしゃ。
……っと、もう一つ大事なこと!!
と、私が思った時、
「改めて感謝いたします、オルフィリア嬢…」
と言う、嬉しいお言葉。
「なら…もう一つお願いを聞いていただいても?」
「なんなりと?」
「ここいらでそろそろ…折れてくださいませんか?」
「は?」
まあ、これだけじゃわからないよね。
「火消しをさせてください…ということです」
「それは…」
顔曇ったか…やっぱ。
「勘違いしないでください!!
火消しは事実を曲げることでも、無くすことでもありません!!」
「それは…わかっています…」
だよねぇ…。
自分たち家族の方針は方針として、世間一般には責められてもしょうがない
ってのは、変わらんのね。
……けどさ、テオルド卿。
潔さも、時として毒になるってこと、わかってる?
その毒は…関係ない人間にも及ぶってさぁ…。
「今日この施設で、テオルド卿が訂正したような間違った情報が…今、
巷にはあふれてしまっているんです!!」
「なんと…」
やっぱりわかってなかったか~。
まあ、市勢に敏感なタイプじゃないからなー、ホント。
「でもここの人たちのように、それが必ずしも悪意でそうしているワケでは
ない場合もあるのです!!
そう言ったことを判断し、間違いを修正させてくださいと、申し上げている
のです!!」
「……」
黙りこくっちゃったね。
この頑固さが…いい所でもあるんだけど。
「テオルド卿!!
潔いことは、大変良いことです!!
しかしこのままこの現状を放置すれば…、場合によってこの施設の人たちだけ
ではなく…、あなたの恩師にまで、被害が行くかもしれませんよ!!」
「何をバカな!!
あの方はだいぶ前に、一線を退いている!!」
「誹謗中傷する人間にとって、元か現かは関係ない!!」
「!!」
「テオルド卿…あなたがそこまで慕う方である以上、何を言われても、その方は
毅然としているのでしょうけれど…」
私はワザと、言を切る。
「毅然としていられることと、痛くないことは、同義ではありません!!」
「……」
「あなたの恩師はだいぶご高齢なのでしょう?
もしこの誹謗中傷のせいで、体調を崩されて、お亡くなりになったら?
そしてそれが、あなたに何とか恩義を返そうとしている、人たちだとしたら?」
「そ…それは…」
「そしてその人たちが…後で自分たちの罪を知り、あなたに申し訳なく思い、
自ら命を絶ったら?」
「そ…そんなことは」
「あり得ます!!」
私はこれだけはハッキリ断言した。
「だって、この世の中…色んな人がいますから…。
って、こんなこと、王立騎士団で日々いろんな犯罪者、被害者に接していれば
わかりますよね?」
「……」
「アナタが今、張っている意地は、そんな状態を作ってまで、張り通さねばならない
意地ですか?」
「……」
「どうなんですか!!
テオルド卿!!」
「そんな事…」
やっと絞り出したような、小さな声。
「望んでいるワケないじゃないですか…」
ようやっと…崩れてきたね。
よっしゃ、もう一押し!
「だったら…」
私は真剣な目を向け、
「アナタを好きな人たちと…とことん話をしてください」
「は…なし…」
「私はお茶会の後、王立騎士団に足を踏み入れてはいませんが…、おそらくあなたは
火消しは要らないの一言意外、殆ど言葉を発しない、話もしていないのではないですか?」
「そ…それは…」
やっぱ図星かい。
「でもそれでは…みんながここの人たちのように、本当にあなたの為を思って、あなたが
嫌だと思うことを、してしまうかもしれませんよ?」
「……」
「今回の件…火消しを含めて、する必要が無いと判断した、あなたの潔さは称賛に価します。
しかし…アンタの傷つく姿を見て、心を痛める人は意外と多いんです、テオルド卿」
かく言う私も、その一人だよ。
「どうかその人たちを助けるために…ほんの少しだけでいいんです。
折れてくださいませんか?」
テオルド卿は
「私…は…」
とだけ言って、また黙る。
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