4 / 43
第一章 観劇
3 テオルド卿とリグルド卿の悩みに対して
しおりを挟む
デイビス卿は、自分の知っている情報は、本当に全部話してくれた。
え?
それ話していいの?
と思うようなことまで、全部。
本当にこの人、潔くて良い人やね。
テオルド卿同様、味方にしとかんとね。
「わかりました。
では仮面舞踏会の前に、奥様とお目通りさせてください。
あくまで奥様の体調が良いときに…」
「わかりました」
「…しっかし本当にかなりひどいな、ルベンディン侯爵家」
ローカス卿、ある程度は情報を知っていたのだろうが、それにしても…と
言いたげだ。
まあ、私もそう思ったがね。
「ええ、私も妻と血がつながっているのが、信じられないんですよ」
まあ、親子は似やすいと言うだけで、中には全く似てないのもいるからね。
「それじゃあ、デイビス卿の件はそれでいいですね」
一人不満げなギリアムに、
「イ・イ・デ・ス・ネ?」
頭に青筋立てながら、静かにのたまう、わたくし。
ギリアムはもの凄い仏頂面で、ようやく首を縦に振った。
あ~、疲れた。
そして皆様からの、感嘆の眼…もう慣れたけど。
「あ、そうそう、テオルド卿、リグルド卿」
「は?はい」
二人は急に呼ばれて、あっけにとられる。
「先ほどの話、途中で止まってしまったので…改めて私の考えを言います。
私はリグルド卿の意見に、半分賛成で半分反対です」
「は?」
「まず、本人たちが家から出たくないと言っているのでなければ、親しい人間が
主催のお茶会や舞踏会は出席した方が良いと思います。
しかし、希望したとしても、大規模な物はお勧めしません」
「…理由をお聞きしても?」
「テオルド卿、私の第一の希望は、私に謝るとか迷惑をかけないとかでなく、
二度と同じことをしない事です。
それさえ守れそうなら、むしろ親しい人間とは会わせてあげた方が、良い刺激に
なると思います」
「しかしまた、あなたを悪く言う可能性も…」
「それを止めるのは、原則無理ですよ」
テオルド卿、眉間にしわ寄っちゃったね。
「先ほどギリアム様に言った話と被りますが、人によって考え方や大切なものは
違います。
だから、私が嫌いなら嫌いでいいです。
しかし彼女たちが深い考えを持たずにやったことは、一歩間違えれば大惨事に
なること…。
そのことをしっかり受け止めて、二度としなければ私は良いです」
「しかし…」
「それに相手がその悪口に同調するなら、私と仲良くしたくない人なのだと
判断できますので、むしろ手間が省けていいです。
逆にもし、付き合っている人が良い人なら、案外諭してくれたりするかもしれません。
家族より他人に言われた方が、心の中にスッと入る場合もあります」
「えっと…大規模な物は反対と言うのは…」
言葉を失ったテオルド卿の代わりに、リグルド卿が問う。
「大規模な物だと、かなり不特定多数の人がいるので…。
場合によって物見遊山的に蒸し返したり、ファルメニウス公爵家の好感を買おうと
して、誇張し悪しざまに罵る可能性があるからです」
「なるほど…」
リグルド卿、納得したね。
「なんだか…」
テオルド卿、
「申し訳ないです…そこまで配慮してくださっているのに…」
声ちっさいね。
「配慮できるのは、私にとって、それだけ傷が軽いからですよ。
だからお気になさらず」
「しかし…」
また しかし かい!!
しゃーない。
これはあまり題材にしたくないんだけど、ギリアムには後でたっぷりサービスして
あげよう!!
「これでは堂々巡りなので、話を少々変えます。
テオルド卿はギリアム様のお父様の代から、王立騎士団にいましたよね?」
「え? ええ…」
「ギリアム様の代になって、一定数の貴族及び平民が、王立騎士団を出ましたが…
あなたはその人たちすべてが、悪人だと思っていますか?」
するとテオルド卿は、途端に慌てて、
「とんでもない!!
確かにしょーもない奴もいましたが、やむにやまれぬ事情でやめた者も多い」
そこまで言ったテオルド卿は、ハッとした顔になる。
うん、いいね。
優秀な人は、水を向けるだけで分かってくれるから、楽やわ~。
「……そうですね、残念ながら善良でも、万人に好かれるわけでも、受け入れ
られるわけでもない」
「その通りです。
そして、受け入れられなかった人間が、悪人かと言えば、必ずしもそうでは
ありません」
「……」
「まあ、自分の好きになった人間を、同じように好きになって欲しいというのは、
わかります。
でもギリアム様の父母を間近で見たことがあるなら、わかると思います。
親と子は、元来、別の人間なんです」
師団長の面々とローカス卿に、ピインと緊張が走った。
ああ、やっぱりか。
親しい人間の間でも、ギリアムの前でギリアムの父母の話は禁忌なんやね。
「ギリアム様、フォルト、エマに聞いた限りで、完全な階級至上主義者です。
私は今、ギリアム様にもファルメニウス公爵家の使用人にも、ここにいる皆さん
にも気に入ってもらっていますが…。
ギリアム様のお父様とお母様は、私をゴミを見るような目でしか見なかったで
しょうね。
私の人柄などは一切考慮せず、私が名ばかり貴族の男爵令嬢だという理由だけで」
「そんなことをしたら、私が彼らを殺します!!」
ギリアムが机をたたき、怒鳴った。
みんなびくりとしていたが、私はひるまんよ。
想定内やし。
「ギリアム様、もうお亡くなりになっているとはいえ、ご自身の父母をそのように
言うのは、おやめください」
「嫌です!!私は…」
「私はあなたの父母に対し、尊敬はしていませんが、感謝はしていますよ」
「え…?」
ギリアムの顔が、呆けたようになった。
「だってそうでしょう?
あなたという存在を、この世に生み出してくれた人たちなのですから」
私がにこやかーに言うと、ギリアムは毒気を抜かれたような顔になる。
しかし、やっぱり納得いかんと言いたげに、じっとこちらを見る。
まさしく、拗ねたワンコのよう。
「そんな顔しないでください。
好きなわけではなく、感謝はしていると言っているだけです。
自分をさげずむとわかっている人間を、好きにはなれません。
でもあなたを生んでくれたことは事実ですから」
そう…私の前世の両親…。
生んでくれたことにだけは感謝しているけれど、やはり尊敬はできないし
好きにもなれない。
だって私を…最後までおもちゃにした人たちだから。
それでもやっぱり拗ねているので、私はギリアムの頭をよしよしと
撫でてやった。
「アナタには…本当にかなわない…」
そう言って、ギリアムは少し笑った。
良かった良かった。
…………………………………って。
あかん。
皆様の目玉がどこぞへ旅立ってしまった。
――――――――間―――――――――――
「まあだから、テオルド卿にとっては不本意かもしれませんが、私を好きか
嫌いかはまず頭から切り離してください。
そのことと、やってはいけないことをわかっているかどうかは、全く別物
ですから」
「はあ…」
まだ不満げやなぁ。
「アナタに好き嫌いがあるように、彼女らにも好き嫌いがあります。
それが残念ながら一緒とは限りません。
悪事に手を染めるわけでないなら、その自由は認めてあげてください」
「……わかりました、もう一度一から話をしてみます」
「そうしてください。
そして…」
「はい?」
「すぐに解決しようとすることも、やめることをお勧めします。
気持ちの問題と言うのは、長い期間がかかることが多いですから」
私はようやっと、本心で笑えた。
とりあえず、ルイザーク伯爵家はこれでいったん終了。
後は…。
「デイビス卿、奥様との顔合わせをいつにするかは…」
「オルフィリア嬢さえよければ、仕事が終わった後、我が家に来ていただき
たいです」
「え…?
そんな急で大丈夫ですか?」
「ええ、妻が非常に不安になっているので…。
むしろそうしていただけると、落ち着くと思います」
「だから、勝手に決めるなと…」
「わかりました。
では、お仕事が終わるまでお待ちしますね。
ギリアム様は…」
「当然一緒に行きます!!
いいな?デイビス卿!!」
「はい…こうなった以上、団長にも来ていただきたいです」
そうして私は、二人の仕事終わりを待ち、一路ホッランバック伯爵家に向かう
のだった。
え?
それ話していいの?
と思うようなことまで、全部。
本当にこの人、潔くて良い人やね。
テオルド卿同様、味方にしとかんとね。
「わかりました。
では仮面舞踏会の前に、奥様とお目通りさせてください。
あくまで奥様の体調が良いときに…」
「わかりました」
「…しっかし本当にかなりひどいな、ルベンディン侯爵家」
ローカス卿、ある程度は情報を知っていたのだろうが、それにしても…と
言いたげだ。
まあ、私もそう思ったがね。
「ええ、私も妻と血がつながっているのが、信じられないんですよ」
まあ、親子は似やすいと言うだけで、中には全く似てないのもいるからね。
「それじゃあ、デイビス卿の件はそれでいいですね」
一人不満げなギリアムに、
「イ・イ・デ・ス・ネ?」
頭に青筋立てながら、静かにのたまう、わたくし。
ギリアムはもの凄い仏頂面で、ようやく首を縦に振った。
あ~、疲れた。
そして皆様からの、感嘆の眼…もう慣れたけど。
「あ、そうそう、テオルド卿、リグルド卿」
「は?はい」
二人は急に呼ばれて、あっけにとられる。
「先ほどの話、途中で止まってしまったので…改めて私の考えを言います。
私はリグルド卿の意見に、半分賛成で半分反対です」
「は?」
「まず、本人たちが家から出たくないと言っているのでなければ、親しい人間が
主催のお茶会や舞踏会は出席した方が良いと思います。
しかし、希望したとしても、大規模な物はお勧めしません」
「…理由をお聞きしても?」
「テオルド卿、私の第一の希望は、私に謝るとか迷惑をかけないとかでなく、
二度と同じことをしない事です。
それさえ守れそうなら、むしろ親しい人間とは会わせてあげた方が、良い刺激に
なると思います」
「しかしまた、あなたを悪く言う可能性も…」
「それを止めるのは、原則無理ですよ」
テオルド卿、眉間にしわ寄っちゃったね。
「先ほどギリアム様に言った話と被りますが、人によって考え方や大切なものは
違います。
だから、私が嫌いなら嫌いでいいです。
しかし彼女たちが深い考えを持たずにやったことは、一歩間違えれば大惨事に
なること…。
そのことをしっかり受け止めて、二度としなければ私は良いです」
「しかし…」
「それに相手がその悪口に同調するなら、私と仲良くしたくない人なのだと
判断できますので、むしろ手間が省けていいです。
逆にもし、付き合っている人が良い人なら、案外諭してくれたりするかもしれません。
家族より他人に言われた方が、心の中にスッと入る場合もあります」
「えっと…大規模な物は反対と言うのは…」
言葉を失ったテオルド卿の代わりに、リグルド卿が問う。
「大規模な物だと、かなり不特定多数の人がいるので…。
場合によって物見遊山的に蒸し返したり、ファルメニウス公爵家の好感を買おうと
して、誇張し悪しざまに罵る可能性があるからです」
「なるほど…」
リグルド卿、納得したね。
「なんだか…」
テオルド卿、
「申し訳ないです…そこまで配慮してくださっているのに…」
声ちっさいね。
「配慮できるのは、私にとって、それだけ傷が軽いからですよ。
だからお気になさらず」
「しかし…」
また しかし かい!!
しゃーない。
これはあまり題材にしたくないんだけど、ギリアムには後でたっぷりサービスして
あげよう!!
「これでは堂々巡りなので、話を少々変えます。
テオルド卿はギリアム様のお父様の代から、王立騎士団にいましたよね?」
「え? ええ…」
「ギリアム様の代になって、一定数の貴族及び平民が、王立騎士団を出ましたが…
あなたはその人たちすべてが、悪人だと思っていますか?」
するとテオルド卿は、途端に慌てて、
「とんでもない!!
確かにしょーもない奴もいましたが、やむにやまれぬ事情でやめた者も多い」
そこまで言ったテオルド卿は、ハッとした顔になる。
うん、いいね。
優秀な人は、水を向けるだけで分かってくれるから、楽やわ~。
「……そうですね、残念ながら善良でも、万人に好かれるわけでも、受け入れ
られるわけでもない」
「その通りです。
そして、受け入れられなかった人間が、悪人かと言えば、必ずしもそうでは
ありません」
「……」
「まあ、自分の好きになった人間を、同じように好きになって欲しいというのは、
わかります。
でもギリアム様の父母を間近で見たことがあるなら、わかると思います。
親と子は、元来、別の人間なんです」
師団長の面々とローカス卿に、ピインと緊張が走った。
ああ、やっぱりか。
親しい人間の間でも、ギリアムの前でギリアムの父母の話は禁忌なんやね。
「ギリアム様、フォルト、エマに聞いた限りで、完全な階級至上主義者です。
私は今、ギリアム様にもファルメニウス公爵家の使用人にも、ここにいる皆さん
にも気に入ってもらっていますが…。
ギリアム様のお父様とお母様は、私をゴミを見るような目でしか見なかったで
しょうね。
私の人柄などは一切考慮せず、私が名ばかり貴族の男爵令嬢だという理由だけで」
「そんなことをしたら、私が彼らを殺します!!」
ギリアムが机をたたき、怒鳴った。
みんなびくりとしていたが、私はひるまんよ。
想定内やし。
「ギリアム様、もうお亡くなりになっているとはいえ、ご自身の父母をそのように
言うのは、おやめください」
「嫌です!!私は…」
「私はあなたの父母に対し、尊敬はしていませんが、感謝はしていますよ」
「え…?」
ギリアムの顔が、呆けたようになった。
「だってそうでしょう?
あなたという存在を、この世に生み出してくれた人たちなのですから」
私がにこやかーに言うと、ギリアムは毒気を抜かれたような顔になる。
しかし、やっぱり納得いかんと言いたげに、じっとこちらを見る。
まさしく、拗ねたワンコのよう。
「そんな顔しないでください。
好きなわけではなく、感謝はしていると言っているだけです。
自分をさげずむとわかっている人間を、好きにはなれません。
でもあなたを生んでくれたことは事実ですから」
そう…私の前世の両親…。
生んでくれたことにだけは感謝しているけれど、やはり尊敬はできないし
好きにもなれない。
だって私を…最後までおもちゃにした人たちだから。
それでもやっぱり拗ねているので、私はギリアムの頭をよしよしと
撫でてやった。
「アナタには…本当にかなわない…」
そう言って、ギリアムは少し笑った。
良かった良かった。
…………………………………って。
あかん。
皆様の目玉がどこぞへ旅立ってしまった。
――――――――間―――――――――――
「まあだから、テオルド卿にとっては不本意かもしれませんが、私を好きか
嫌いかはまず頭から切り離してください。
そのことと、やってはいけないことをわかっているかどうかは、全く別物
ですから」
「はあ…」
まだ不満げやなぁ。
「アナタに好き嫌いがあるように、彼女らにも好き嫌いがあります。
それが残念ながら一緒とは限りません。
悪事に手を染めるわけでないなら、その自由は認めてあげてください」
「……わかりました、もう一度一から話をしてみます」
「そうしてください。
そして…」
「はい?」
「すぐに解決しようとすることも、やめることをお勧めします。
気持ちの問題と言うのは、長い期間がかかることが多いですから」
私はようやっと、本心で笑えた。
とりあえず、ルイザーク伯爵家はこれでいったん終了。
後は…。
「デイビス卿、奥様との顔合わせをいつにするかは…」
「オルフィリア嬢さえよければ、仕事が終わった後、我が家に来ていただき
たいです」
「え…?
そんな急で大丈夫ですか?」
「ええ、妻が非常に不安になっているので…。
むしろそうしていただけると、落ち着くと思います」
「だから、勝手に決めるなと…」
「わかりました。
では、お仕事が終わるまでお待ちしますね。
ギリアム様は…」
「当然一緒に行きます!!
いいな?デイビス卿!!」
「はい…こうなった以上、団長にも来ていただきたいです」
そうして私は、二人の仕事終わりを待ち、一路ホッランバック伯爵家に向かう
のだった。
55
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
望まぬ結婚をさせられた私のもとに、死んだはずの護衛騎士が帰ってきました~不遇令嬢が世界一幸せな花嫁になるまで
越智屋ノマ
恋愛
「君を愛することはない」で始まった不遇な結婚――。
国王の命令でクラーヴァル公爵家へと嫁いだ伯爵令嬢ヴィオラ。しかし夫のルシウスに愛されることはなく、毎日つらい仕打ちを受けていた。
孤独に耐えるヴィオラにとって唯一の救いは、護衛騎士エデン・アーヴィスと過ごした日々の思い出だった。エデンは強くて誠実で、いつもヴィオラを守ってくれた……でも、彼はもういない。この国を襲った『災禍の竜』と相打ちになって、3年前に戦死してしまったのだから。
ある日、参加した夜会の席でヴィオラは窮地に立たされる。その夜会は夫の愛人が主催するもので、夫と結託してヴィオラを陥れようとしていたのだ。誰に救いを求めることもできず、絶体絶命の彼女を救ったのは――?
(……私の体が、勝手に動いている!?)
「地獄で悔いろ、下郎が。このエデン・アーヴィスの目の黒いうちは、ヴィオラ様に指一本触れさせはしない!」
死んだはずのエデンの魂が、ヴィオラの体に乗り移っていた!?
――これは、望まぬ結婚をさせられた伯爵令嬢ヴィオラと、死んだはずの護衛騎士エデンのふしぎな恋の物語。理不尽な夫になんて、もう絶対に負けません!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる