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第一章 観劇
7 いざ、ルベンディン侯爵家の仮面舞踏会へ ※
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さて…いよいよルベンディン侯爵家の仮面舞踏会当日がやって来た。
レイチェルはといば、やはり当日が近づくにつれて、体調がすこぶる悪くなって
しまったが、さりとていかないという選択肢はないらしく、私と一緒に馬車に
揺られている。
でもやっぱり具合悪そうで、背中をさすっていると、
「申し訳ありません、オルフィリア嬢…。
私なんかのために…」
「また、それ!!」
私は少し大きめの声を出す。
「私なんか…は、やめるように言ったよね!!
あなたは少なくとも、人をないがしろにしたり、いじめたり、貶めたりした
ことはないでしょう?
だったら、毅然としていていいし、私はあなたが好きだよ」
「は…はい…」
これ言うと、最初は随分驚いていたけど、最近はちょっと笑ってくれるように
なったんだよね…。
気弱なうえに、自己肯定感めっちゃ低いんだよな~。
まあ、ちょっとずつやるしかないね。
そうこうしているうちに、馬車はルベンディン侯爵家に着いた。
一緒に来ているエマとフォルトはここまで。
「どうかお気お付けて、フィリー様」
「お気をつけて」
本当に心配そうやね。
「心配しないで…って言っても無理だと思うけど、世の中危険はどんな所にも
あるわ。
逃げてばかりいるわけにもいかないから、なるようにするしかない」
そう言って、レイチェルを連れ立って入っていった。
招待状を見せると、滞りなく衣裳部屋に通された。
用意された衣装は…一言でいえば、まあ、通常の令嬢や夫人が着る物とは
一線を画すものだった。
しかし私から見れば、所詮飾りや形が奇抜だというだけの、ただのロングドレスと一緒。
まあ、いくら何でもバニーガールみたいなカッコ、させるわけにはいかんよね。
一応、私ら貴族やし。
私はルベンディン侯爵家が用意した使用人に、ドレスの着替えを手伝ってもらった
のだが…ちょっといい意味で驚いた。
「これ…着脱がすごくしやすいですね」
「はい…今日着ていただくものは、ブライト・ルベンディン小侯爵様が、自ら
デザインしたドレスとなっております」
ふーん、何にしてもありがたい。
お貴族様のドレスって、手伝ってもらわないと着脱が不可能なものが、多いんだよね。
そして顔を半分以上覆う仮面をつければ、本当に文字通り、誰が誰やら…という
カンジだ。
しかし私はもう一つ気になった。
このドレスの素材…おそらくサバクアシだ。
サバクアシは安価なため、庶民にはかなり好かれているが、お貴族様の高級感を出さねば
ならないドレスには不向き…と、一般的には言われているが…。
これはだいぶいい感じで作ってある。
まさに夏になるこの季節、うってつけと言えばうってつけだな。
もし貴族にも好まれるものが作れれば、また更に飛躍的に伸びるだろう。
「オ…オルフィリア嬢…」
レイチェルの震えはいよいよ大きくなってきたが、
「大丈夫よ、私がついているわ」
私はレイチェルの背中をゆっくりさする。
それでだいぶ、落ち着いた。
やはりファルメニウス公爵家に来てもらって、正解だった。
なるべく話をしたおかげで、かなり打ち解けて、私に対して警戒心を解いて
くれたから。
そして会場内に入れば、かなりの多人数がすでにいた。
ざっと見た限り、男:女=7:3ってとこか…。
通常はみんなであいさつし合うから、身分の低い者から順に入る…と言うルールが
あるが、この会場はやはり、そういうのが一切ないようだ。
無礼講…と言えば、聞こえはいいが、正体を隠して悪さしたい奴には、うってつけだな。
まさに私がギリアムと出会った、仮面舞踏会もそんなだった。
あ、一応言っとくけど、まっとうな仮面舞踏会もちゃんとあるからね。
ただこの会場に漂う空気は…ハッキリ言って以前の仮面舞踏会よりも悪いって、
私の勘が言っている。
私が会場内を見渡せば、舞踏会と称されてはいるが、踊っている人間など一人もいない。
まず、中央のダンスホールには、巨大な舞台が設置されている。
高さこそ1mぐらいだろうが、上にのぼるための階段には、立ち入り禁止の文字が。
だいたいの人間は、歓談するか、飲み食いするかのどちらか。
そして私たちを囲むような視線と、ひそひそ声…。
やっぱりね…。
おそらく特定の人物だけ、それとわかるようなサインが、服に仕込まれているんだ
ろうな。
悪趣味って聞いていくつか思い浮かぶけど…、まあ不特定多数で痛めつけるってな
最もポピュラーだ。
ただそれとは別のものが…私を見る複数の視線に交じっている…。
何だろう…。
どこか懐かしいような、視線なんだけど…。
そんなことを考えていると、
「失礼、麗しきレディーたち。
こちらへ来て、ゲームに興じませんか?」
3人の男が近寄ってきた。
出で立ちから、中肉中背なのは何とかわかるが、歳や正体は全く分からない。
「どのようなゲームでしょうか?」
「はは…、それを言っては興ざめと言うもの」
あそ、なら…。
「では、お断りいたします」
私の後ろで震えているレイチェルを引っ張って、立ち去ろうとすると、
「まあまあ、そう言わずに…今まで体験したことのない世界を、体験できますよ」
強引に私の手を掴んできた。
しかもかなり強く。
他二人は、自然と私とレイチェルが逃げられないように、進路をふさいでいる。
前世の経験からわかる…。
こいつら完全に欲情してるし、あまり断られると思っていない。
そこでピンときた。
脱がせやすい服と、私に向けられる視線…。
この二つは、私の前世の記憶を彷彿とさせるものだ…。
私の唇の端が、抑えようとしても吊り上がる。
なるほどね…。
主催者側が私に着せたこの衣装は…この仮面舞踏会における、
娼婦
の衣装ってわけか…。
これで会場に入ると同時に、私に集まった感じ覚えのある視線と、この男たちの
行動の辻褄があう。
そしてサバクアシのドレスを使えば、汚れようが、破けようが、変えはいくらでも
きく。
主催者側の負担はかなり少ないってのも、あるんだろうな…。
抜け目ねぇことで。
ただ問題は…。
レイチェルにも同じ衣装を着せているってことだ…。
それに今世の私は、娼婦でも何でもない、一介の男爵令嬢…。
私の吊り上がった唇は、途端にへの字になった上、強くかみしめた。
つまりてめぇらはよ!!
フツーのご令嬢やご夫人に、騙して娼婦の役目をさせようとしてるってことか!!
あ?!!
娼婦なめんじゃねぇ!!!!
前世の私はこの手のパーティーに、かなりの数、娼婦として雇われた。
本当に色々なものがあった…。
もちろん中には質の悪いものもあり、かなり嫌な気分になったりしたもん
だが…。
…………………………………ありがとうなんて言わねぇぞ。
これ以上更新したくもない嫌なパーティーランキングの、ダントツ一位を
更新してくれやがったんだからな。
娼婦をやってるって言えば、人に奇異の眼で見られたり、一部蔑まれたりする
ってのは、よくわかってるよ。
けどよ。
そんなことを言う連中に聞きてぇよ。
娼婦って仕事は、有史以前…最も古い職業だって言われてて、現代に
至るまで残ってるうえ、なくなる気配すらねぇことを、どう説明する気だ?
あ?
まあ、マトモな答えを返せた奴は、一人もいねぇけどな。
私は少なくとも、先人たちがそうであったように、己の体一つで、己のできることを
精一杯やって、人を楽しませて来た、誇りがあるぜ。
磨きに磨いたプロの技と知恵でな。
たまーにそれをただで貰おうってバカがいたから、そういう奴らは残らずやり込めて
やったよ。
こちとら素人にゃぁ、真似できないようなテクを、ちゃんと磨いてんだ。
対価として金をもらうのは、当たり前だろうが!!
まあ、ちと話はそれたが、主催者よぉ。
お前のその行動…。
娼婦じゃない女を娼婦に仕立て、しかも本人たちには何も伝えず、男の相手をさせ
ようとする…。
それがどれだけ娼婦を貶め、辱めているか、わかってるのか?
まあ、わかってねぇからやるんだろうな。
娼婦は汚い者、だから令嬢や夫人をその汚い者に仕立て、皆で弄び、嘲笑う。
つまりは娼婦って言う存在を、弄んで嘲笑ってんだよ!!
てめぇの行為自体が、もう、そう言ってるんだよ!!
…………………………………。
いいだろう!!
このヘドネ。
男をその気にさせる話術は大得意だが…、同時に男をなえさせる話術も大得意だぞ、
コラ!!
娼婦を舐めくさって、バカにしくさりやがってよ。
その上金払いが悪いどころか、無償で働かそうなんて、質が最悪のオーナーには…
きっちりお灸をすえてやらんとね。
てめぇの上客たち…このヘドネが、見事に粉砕してお見せしよう。
私の仮面の下で、静かに燃え上がる闘志に、気づく者は誰もいなかった…。
レイチェルはといば、やはり当日が近づくにつれて、体調がすこぶる悪くなって
しまったが、さりとていかないという選択肢はないらしく、私と一緒に馬車に
揺られている。
でもやっぱり具合悪そうで、背中をさすっていると、
「申し訳ありません、オルフィリア嬢…。
私なんかのために…」
「また、それ!!」
私は少し大きめの声を出す。
「私なんか…は、やめるように言ったよね!!
あなたは少なくとも、人をないがしろにしたり、いじめたり、貶めたりした
ことはないでしょう?
だったら、毅然としていていいし、私はあなたが好きだよ」
「は…はい…」
これ言うと、最初は随分驚いていたけど、最近はちょっと笑ってくれるように
なったんだよね…。
気弱なうえに、自己肯定感めっちゃ低いんだよな~。
まあ、ちょっとずつやるしかないね。
そうこうしているうちに、馬車はルベンディン侯爵家に着いた。
一緒に来ているエマとフォルトはここまで。
「どうかお気お付けて、フィリー様」
「お気をつけて」
本当に心配そうやね。
「心配しないで…って言っても無理だと思うけど、世の中危険はどんな所にも
あるわ。
逃げてばかりいるわけにもいかないから、なるようにするしかない」
そう言って、レイチェルを連れ立って入っていった。
招待状を見せると、滞りなく衣裳部屋に通された。
用意された衣装は…一言でいえば、まあ、通常の令嬢や夫人が着る物とは
一線を画すものだった。
しかし私から見れば、所詮飾りや形が奇抜だというだけの、ただのロングドレスと一緒。
まあ、いくら何でもバニーガールみたいなカッコ、させるわけにはいかんよね。
一応、私ら貴族やし。
私はルベンディン侯爵家が用意した使用人に、ドレスの着替えを手伝ってもらった
のだが…ちょっといい意味で驚いた。
「これ…着脱がすごくしやすいですね」
「はい…今日着ていただくものは、ブライト・ルベンディン小侯爵様が、自ら
デザインしたドレスとなっております」
ふーん、何にしてもありがたい。
お貴族様のドレスって、手伝ってもらわないと着脱が不可能なものが、多いんだよね。
そして顔を半分以上覆う仮面をつければ、本当に文字通り、誰が誰やら…という
カンジだ。
しかし私はもう一つ気になった。
このドレスの素材…おそらくサバクアシだ。
サバクアシは安価なため、庶民にはかなり好かれているが、お貴族様の高級感を出さねば
ならないドレスには不向き…と、一般的には言われているが…。
これはだいぶいい感じで作ってある。
まさに夏になるこの季節、うってつけと言えばうってつけだな。
もし貴族にも好まれるものが作れれば、また更に飛躍的に伸びるだろう。
「オ…オルフィリア嬢…」
レイチェルの震えはいよいよ大きくなってきたが、
「大丈夫よ、私がついているわ」
私はレイチェルの背中をゆっくりさする。
それでだいぶ、落ち着いた。
やはりファルメニウス公爵家に来てもらって、正解だった。
なるべく話をしたおかげで、かなり打ち解けて、私に対して警戒心を解いて
くれたから。
そして会場内に入れば、かなりの多人数がすでにいた。
ざっと見た限り、男:女=7:3ってとこか…。
通常はみんなであいさつし合うから、身分の低い者から順に入る…と言うルールが
あるが、この会場はやはり、そういうのが一切ないようだ。
無礼講…と言えば、聞こえはいいが、正体を隠して悪さしたい奴には、うってつけだな。
まさに私がギリアムと出会った、仮面舞踏会もそんなだった。
あ、一応言っとくけど、まっとうな仮面舞踏会もちゃんとあるからね。
ただこの会場に漂う空気は…ハッキリ言って以前の仮面舞踏会よりも悪いって、
私の勘が言っている。
私が会場内を見渡せば、舞踏会と称されてはいるが、踊っている人間など一人もいない。
まず、中央のダンスホールには、巨大な舞台が設置されている。
高さこそ1mぐらいだろうが、上にのぼるための階段には、立ち入り禁止の文字が。
だいたいの人間は、歓談するか、飲み食いするかのどちらか。
そして私たちを囲むような視線と、ひそひそ声…。
やっぱりね…。
おそらく特定の人物だけ、それとわかるようなサインが、服に仕込まれているんだ
ろうな。
悪趣味って聞いていくつか思い浮かぶけど…、まあ不特定多数で痛めつけるってな
最もポピュラーだ。
ただそれとは別のものが…私を見る複数の視線に交じっている…。
何だろう…。
どこか懐かしいような、視線なんだけど…。
そんなことを考えていると、
「失礼、麗しきレディーたち。
こちらへ来て、ゲームに興じませんか?」
3人の男が近寄ってきた。
出で立ちから、中肉中背なのは何とかわかるが、歳や正体は全く分からない。
「どのようなゲームでしょうか?」
「はは…、それを言っては興ざめと言うもの」
あそ、なら…。
「では、お断りいたします」
私の後ろで震えているレイチェルを引っ張って、立ち去ろうとすると、
「まあまあ、そう言わずに…今まで体験したことのない世界を、体験できますよ」
強引に私の手を掴んできた。
しかもかなり強く。
他二人は、自然と私とレイチェルが逃げられないように、進路をふさいでいる。
前世の経験からわかる…。
こいつら完全に欲情してるし、あまり断られると思っていない。
そこでピンときた。
脱がせやすい服と、私に向けられる視線…。
この二つは、私の前世の記憶を彷彿とさせるものだ…。
私の唇の端が、抑えようとしても吊り上がる。
なるほどね…。
主催者側が私に着せたこの衣装は…この仮面舞踏会における、
娼婦
の衣装ってわけか…。
これで会場に入ると同時に、私に集まった感じ覚えのある視線と、この男たちの
行動の辻褄があう。
そしてサバクアシのドレスを使えば、汚れようが、破けようが、変えはいくらでも
きく。
主催者側の負担はかなり少ないってのも、あるんだろうな…。
抜け目ねぇことで。
ただ問題は…。
レイチェルにも同じ衣装を着せているってことだ…。
それに今世の私は、娼婦でも何でもない、一介の男爵令嬢…。
私の吊り上がった唇は、途端にへの字になった上、強くかみしめた。
つまりてめぇらはよ!!
フツーのご令嬢やご夫人に、騙して娼婦の役目をさせようとしてるってことか!!
あ?!!
娼婦なめんじゃねぇ!!!!
前世の私はこの手のパーティーに、かなりの数、娼婦として雇われた。
本当に色々なものがあった…。
もちろん中には質の悪いものもあり、かなり嫌な気分になったりしたもん
だが…。
…………………………………ありがとうなんて言わねぇぞ。
これ以上更新したくもない嫌なパーティーランキングの、ダントツ一位を
更新してくれやがったんだからな。
娼婦をやってるって言えば、人に奇異の眼で見られたり、一部蔑まれたりする
ってのは、よくわかってるよ。
けどよ。
そんなことを言う連中に聞きてぇよ。
娼婦って仕事は、有史以前…最も古い職業だって言われてて、現代に
至るまで残ってるうえ、なくなる気配すらねぇことを、どう説明する気だ?
あ?
まあ、マトモな答えを返せた奴は、一人もいねぇけどな。
私は少なくとも、先人たちがそうであったように、己の体一つで、己のできることを
精一杯やって、人を楽しませて来た、誇りがあるぜ。
磨きに磨いたプロの技と知恵でな。
たまーにそれをただで貰おうってバカがいたから、そういう奴らは残らずやり込めて
やったよ。
こちとら素人にゃぁ、真似できないようなテクを、ちゃんと磨いてんだ。
対価として金をもらうのは、当たり前だろうが!!
まあ、ちと話はそれたが、主催者よぉ。
お前のその行動…。
娼婦じゃない女を娼婦に仕立て、しかも本人たちには何も伝えず、男の相手をさせ
ようとする…。
それがどれだけ娼婦を貶め、辱めているか、わかってるのか?
まあ、わかってねぇからやるんだろうな。
娼婦は汚い者、だから令嬢や夫人をその汚い者に仕立て、皆で弄び、嘲笑う。
つまりは娼婦って言う存在を、弄んで嘲笑ってんだよ!!
てめぇの行為自体が、もう、そう言ってるんだよ!!
…………………………………。
いいだろう!!
このヘドネ。
男をその気にさせる話術は大得意だが…、同時に男をなえさせる話術も大得意だぞ、
コラ!!
娼婦を舐めくさって、バカにしくさりやがってよ。
その上金払いが悪いどころか、無償で働かそうなんて、質が最悪のオーナーには…
きっちりお灸をすえてやらんとね。
てめぇの上客たち…このヘドネが、見事に粉砕してお見せしよう。
私の仮面の下で、静かに燃え上がる闘志に、気づく者は誰もいなかった…。
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