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第一章 観劇
12 最悪に悪趣味なメインディッシュスタート
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淑女についてのうんぬんを、一番語っちゃいかんだろうと思う男につらつらと
語られて、正直拍子抜けもいい所だ。
もっとましな、なじりの言葉とか、皮肉とか、出てこんのかね?
私は呆けた顔を、ブライトに向け、
「はぁ…そうなんですねぇ…」
ちょっと横向きながら、どーでもいい感満載で言ってみる。
もちろんやる気はないよ、うん、バカバカし。
「なぜ何もしないのです!!」
ブライトは完全にヒステリーを起こしたようになっている。
しょーもないなぁ。
「へ?いや…、何かしなきゃいけないんですかぁ、私…」
下着姿を隠しもせずに、棒読みする。
「もういい!!」
ブライトは自らの懐から、短剣を取り出す。
「下着までなくなっても…その余裕が続くかな…?」
素っ裸ぁ?
余裕ですが、何か?
しかし、どうするかな…。
相手は短剣持ってるし…、下着はがされている時か後に、隙を伺って…。
などと考えていたら…。
私のすぐそばまで来たブライトが、一気に舞台の外まで吹っ飛んだ。
見れば私の体のすぐ横から、デカい足が。
「まず…」
聞き覚えのある、太くて重い声。
「下着姿の女性に、上着一枚貸さず、さらにはぎ取ろうとするような…
人間の屑が、淑女を語るな!!」
ベンズ卿だ。
因みに吹っ飛んだブライトは、もちろん気絶している。
やれやれだ。
どこぞの身分だけが無駄に高いバカ女が、歯噛みしているのが手に取るように
わかる。
私は改めてあたりを見回すと…あの、シルクハットの男がいないことに気付く。
しかし、今はレイチェルとフェイラ、ルイーズの安全が最優先。
「ベンズ卿!!
ひとまず、会場を出ましょう。
これ以上とどまって、いいことは無いですから」
「そうですね…、今はそれが最優先でしょう」
そしてベンズ卿は、気絶したままのレイチェルを抱き上げてくれた。
その最中、私には聞こえない位置で、
「まったく…ただの小悪党だとは思っていたが…ここまで使えないとはな…」
呟く声。
「まあいい…ショーの本番はこれからだ!!」
そのつぶやきと共に…。
会場の至る所から、
「おい…なんだが喉がおかしいんだが…」
「私も…なんだか体が熱い…」
「おい、お前の皮膚、変色してるぞ」
「そういうお前だって、顔にぶつぶつが…」
人々の困惑する声が、聞こえてきた。
そして…。
「失礼いたします!!司会進行役がのびてしまったので、わたくしが変わらせて
いただきます」
声は聞こえど、姿は見えず…。
「この舞踏会のフィナーレを締めくくる劇は…皆様全てに、出演者となって
いただきます!!」
あ?どういうこった?
「今皆さまは、全員が毒に侵されております。
すぐに死ぬようなものではございませんので、その点はご安心ください」
いや、言ってることの意味が分からん。
だが確かに…舞台上にいる私ら以外の人間は、ほぼ苦しむか、何らかの変化が
起きているようだ。
しかし、対して私らの体には、何の異変もない。
まさか!!
「あの…ここにいる皆さんは、会場内の食べ物を口にしましたか?」
「いえ!!
そもそもこんな怪しいパーティーで出されるものなんて、頼まれても食べません」
ベンズ卿とジュリアは、ちゃんと警戒していたわけか。
「わ…私たちは会場入りがだいぶ遅くなってしまって…入ってすぐにあの男たちに
絡まれたので…、何も口にしていません」
なるほどね。
会場内のあまりの異様さで見落としてた。
私たちは会場入りした時、招待時間に余裕をもって来たってのに、大多数の人数が
すでに会場で飲み食いしてた。
つまり私達だけ、招待時間が遅く設定されていたんだ。
ただ、通常の舞踏会やお茶会と違って、身分を隠してきているから、入る順番が
逆転したところで、それ自体を咎める者はいなかったってわけだ。
「皆様の体を犯す毒の、解毒剤は…大変分かりやすい所にありますので、どうぞ
取りに行ってください」
ますます、訳が分からん。
「その解毒剤とは…」
シルクハットの男の言葉が一瞬止まり、
「舞台上にいる、人間達の血です!!」
はああああぁ!!
悪趣味もここまでくると、芸術品だなオイィ!!!
「その証拠に、舞台上にいる人間達は、あなた方のような症状が一切出ていない。
その血に、解毒の成分が含まれている、何よりの証拠!!」
オイオイオイ、待て、コラ!!!
完全にこじつけだろうが!!
単純に私らは、毒を飲んでないだけじゃ、アホ!!
しかし…、
「毒…解毒…解毒剤…」
周りにいた人間が、殺気に満ちた目を、こちらに向ける…。
ヤバい!!
人は自分が死ぬかもと思えば、なりふり構わない。
思考能力だって、低下する。
もちろん身分や、その後のことなど、考えられない…。
「オルフィリア嬢!!自分の後ろに!!」
ベンズ卿がいるとはいえ…人数が多すぎる。
男も女も入り乱れて、私達めがけて突進してくる様は、まるでB級映画の
ゾンビのようだ。
…………………………………って、言ってる場合じゃない。
飛び掛かって来た連中数人を、近くにあった棒を拾って一気に叩き伏せる
ベンズ卿…やっぱ、強ぇ!!
でも…。
雑魚ゾンビって、一体一体はだいたい弱いんだけど、集団になられると
かなり強いんだよね。
対してこっちは普段、戦闘とは無縁の女性ばっかだし。
せめてレイチェルが起きてくれれば、走って逃げることも…いや、起きてすぐ
動けないか…。
「きゃあぁぁあぁ!!」
私の横から悲鳴。
見れば一人の男が、フェイラとルイーズに襲い掛かろうとしていた。
やはりベンズ卿でも、この人数を一人で相手にするのは、無理があるか…。
第一、マトモな武器もないし。
腕の立つ奴も、いるかもしれないし!!
「ちっ!!」
私は男の脇腹を思い切り蹴っ飛ばす。
しかし、男は倒れず、ぐるりと向きを変え、持っていた食事用のナイフで、
私の鎖骨のあたりを、一直線に切り裂いた。
私のタンクトップの肩布が裂け、血がにじみ出す。
「血…血…」
男はナイフに付いた血を舐めているところで、ベンズ卿にけり倒された。
ああもう、正気じゃないな…。
毒の中に、精神を錯乱させるものでも入っていたのかも…。
「オルフィリア嬢!!」
「かすり傷です…それより!!」
私はベンズ卿に、作戦を話す。
「それは…危険です。
自分がやります!!」
「ダメです!!
気絶したままのレイチェルを、抱きかかえて連れて行ってくれる人が必要です。
私にそれは出来ません!!」
「くっ…」
いくら軽いって言っても、人ひとり抱き上げるのは、至難の業だ。
「わかりました!!
でも、無理はしないでください!!」
「もちろん!!
死にたくはありませんから」
私は舞台上に落ちている短剣を拾い上げ、まず自分の髪を肩の上あたりで
バッサリ切った。
キビキビ動きたいときは、本当に邪魔なのよ、髪。
最も切ったのは、それだけが理由じゃないけど。
ベンズ卿はレイチェルを抱き上げ、他3人にはここから逃げないと、本当に
殺されるかもしれない旨伝え、道を開くから、とにかく全速力で走るよう告げる。
さあて…正面突破じゃ!!
私は自分の鎖骨から流れる血を、髪の毛につけた。
「私たちの血が欲しいんでしょ!!
この髪の毛に、たくさんついているわよ!!
命が惜しいなら、頑張って拾いなさい!!」
私は髪の束をいくつかに分け、そのうちの二つを舞台上から左右に向かって投げた。
思ったとおりだ…。
人波が二つに割れる。
私の髪は、赤毛も混じっているから、本物の血以外も結構ついているように見えて
くれる。
「行きますよ!!」
そうして私たちは、舞台上から駆け出すのだった。
語られて、正直拍子抜けもいい所だ。
もっとましな、なじりの言葉とか、皮肉とか、出てこんのかね?
私は呆けた顔を、ブライトに向け、
「はぁ…そうなんですねぇ…」
ちょっと横向きながら、どーでもいい感満載で言ってみる。
もちろんやる気はないよ、うん、バカバカし。
「なぜ何もしないのです!!」
ブライトは完全にヒステリーを起こしたようになっている。
しょーもないなぁ。
「へ?いや…、何かしなきゃいけないんですかぁ、私…」
下着姿を隠しもせずに、棒読みする。
「もういい!!」
ブライトは自らの懐から、短剣を取り出す。
「下着までなくなっても…その余裕が続くかな…?」
素っ裸ぁ?
余裕ですが、何か?
しかし、どうするかな…。
相手は短剣持ってるし…、下着はがされている時か後に、隙を伺って…。
などと考えていたら…。
私のすぐそばまで来たブライトが、一気に舞台の外まで吹っ飛んだ。
見れば私の体のすぐ横から、デカい足が。
「まず…」
聞き覚えのある、太くて重い声。
「下着姿の女性に、上着一枚貸さず、さらにはぎ取ろうとするような…
人間の屑が、淑女を語るな!!」
ベンズ卿だ。
因みに吹っ飛んだブライトは、もちろん気絶している。
やれやれだ。
どこぞの身分だけが無駄に高いバカ女が、歯噛みしているのが手に取るように
わかる。
私は改めてあたりを見回すと…あの、シルクハットの男がいないことに気付く。
しかし、今はレイチェルとフェイラ、ルイーズの安全が最優先。
「ベンズ卿!!
ひとまず、会場を出ましょう。
これ以上とどまって、いいことは無いですから」
「そうですね…、今はそれが最優先でしょう」
そしてベンズ卿は、気絶したままのレイチェルを抱き上げてくれた。
その最中、私には聞こえない位置で、
「まったく…ただの小悪党だとは思っていたが…ここまで使えないとはな…」
呟く声。
「まあいい…ショーの本番はこれからだ!!」
そのつぶやきと共に…。
会場の至る所から、
「おい…なんだが喉がおかしいんだが…」
「私も…なんだか体が熱い…」
「おい、お前の皮膚、変色してるぞ」
「そういうお前だって、顔にぶつぶつが…」
人々の困惑する声が、聞こえてきた。
そして…。
「失礼いたします!!司会進行役がのびてしまったので、わたくしが変わらせて
いただきます」
声は聞こえど、姿は見えず…。
「この舞踏会のフィナーレを締めくくる劇は…皆様全てに、出演者となって
いただきます!!」
あ?どういうこった?
「今皆さまは、全員が毒に侵されております。
すぐに死ぬようなものではございませんので、その点はご安心ください」
いや、言ってることの意味が分からん。
だが確かに…舞台上にいる私ら以外の人間は、ほぼ苦しむか、何らかの変化が
起きているようだ。
しかし、対して私らの体には、何の異変もない。
まさか!!
「あの…ここにいる皆さんは、会場内の食べ物を口にしましたか?」
「いえ!!
そもそもこんな怪しいパーティーで出されるものなんて、頼まれても食べません」
ベンズ卿とジュリアは、ちゃんと警戒していたわけか。
「わ…私たちは会場入りがだいぶ遅くなってしまって…入ってすぐにあの男たちに
絡まれたので…、何も口にしていません」
なるほどね。
会場内のあまりの異様さで見落としてた。
私たちは会場入りした時、招待時間に余裕をもって来たってのに、大多数の人数が
すでに会場で飲み食いしてた。
つまり私達だけ、招待時間が遅く設定されていたんだ。
ただ、通常の舞踏会やお茶会と違って、身分を隠してきているから、入る順番が
逆転したところで、それ自体を咎める者はいなかったってわけだ。
「皆様の体を犯す毒の、解毒剤は…大変分かりやすい所にありますので、どうぞ
取りに行ってください」
ますます、訳が分からん。
「その解毒剤とは…」
シルクハットの男の言葉が一瞬止まり、
「舞台上にいる、人間達の血です!!」
はああああぁ!!
悪趣味もここまでくると、芸術品だなオイィ!!!
「その証拠に、舞台上にいる人間達は、あなた方のような症状が一切出ていない。
その血に、解毒の成分が含まれている、何よりの証拠!!」
オイオイオイ、待て、コラ!!!
完全にこじつけだろうが!!
単純に私らは、毒を飲んでないだけじゃ、アホ!!
しかし…、
「毒…解毒…解毒剤…」
周りにいた人間が、殺気に満ちた目を、こちらに向ける…。
ヤバい!!
人は自分が死ぬかもと思えば、なりふり構わない。
思考能力だって、低下する。
もちろん身分や、その後のことなど、考えられない…。
「オルフィリア嬢!!自分の後ろに!!」
ベンズ卿がいるとはいえ…人数が多すぎる。
男も女も入り乱れて、私達めがけて突進してくる様は、まるでB級映画の
ゾンビのようだ。
…………………………………って、言ってる場合じゃない。
飛び掛かって来た連中数人を、近くにあった棒を拾って一気に叩き伏せる
ベンズ卿…やっぱ、強ぇ!!
でも…。
雑魚ゾンビって、一体一体はだいたい弱いんだけど、集団になられると
かなり強いんだよね。
対してこっちは普段、戦闘とは無縁の女性ばっかだし。
せめてレイチェルが起きてくれれば、走って逃げることも…いや、起きてすぐ
動けないか…。
「きゃあぁぁあぁ!!」
私の横から悲鳴。
見れば一人の男が、フェイラとルイーズに襲い掛かろうとしていた。
やはりベンズ卿でも、この人数を一人で相手にするのは、無理があるか…。
第一、マトモな武器もないし。
腕の立つ奴も、いるかもしれないし!!
「ちっ!!」
私は男の脇腹を思い切り蹴っ飛ばす。
しかし、男は倒れず、ぐるりと向きを変え、持っていた食事用のナイフで、
私の鎖骨のあたりを、一直線に切り裂いた。
私のタンクトップの肩布が裂け、血がにじみ出す。
「血…血…」
男はナイフに付いた血を舐めているところで、ベンズ卿にけり倒された。
ああもう、正気じゃないな…。
毒の中に、精神を錯乱させるものでも入っていたのかも…。
「オルフィリア嬢!!」
「かすり傷です…それより!!」
私はベンズ卿に、作戦を話す。
「それは…危険です。
自分がやります!!」
「ダメです!!
気絶したままのレイチェルを、抱きかかえて連れて行ってくれる人が必要です。
私にそれは出来ません!!」
「くっ…」
いくら軽いって言っても、人ひとり抱き上げるのは、至難の業だ。
「わかりました!!
でも、無理はしないでください!!」
「もちろん!!
死にたくはありませんから」
私は舞台上に落ちている短剣を拾い上げ、まず自分の髪を肩の上あたりで
バッサリ切った。
キビキビ動きたいときは、本当に邪魔なのよ、髪。
最も切ったのは、それだけが理由じゃないけど。
ベンズ卿はレイチェルを抱き上げ、他3人にはここから逃げないと、本当に
殺されるかもしれない旨伝え、道を開くから、とにかく全速力で走るよう告げる。
さあて…正面突破じゃ!!
私は自分の鎖骨から流れる血を、髪の毛につけた。
「私たちの血が欲しいんでしょ!!
この髪の毛に、たくさんついているわよ!!
命が惜しいなら、頑張って拾いなさい!!」
私は髪の束をいくつかに分け、そのうちの二つを舞台上から左右に向かって投げた。
思ったとおりだ…。
人波が二つに割れる。
私の髪は、赤毛も混じっているから、本物の血以外も結構ついているように見えて
くれる。
「行きますよ!!」
そうして私たちは、舞台上から駆け出すのだった。
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