22 / 48
第4章 旅行
6 温泉郷見物2
しおりを挟む
さてさて…翌日行われたクイズ大会は、今回の視察の目玉…と言う事では全くなくて。
単純に…この街の皆に、楽しんでもらおう…という、催しだったんだけど…。
こじんまりしていたはずだったんだけど…。
どこでどうしてそうなったのか、ガルドベンダが参加する…とのことで、他の人もこぞって
参加する…と言うより、見物したがり、結局…けっこうな規模の見世物となってしまった…。
お三方に関しても、どこかで耳に入れたようで、自分達にも見せろと…。
しょーがないから、私とギリアムも参加して…けっこうな人数となったのさ。
出題数は20問。そのうち…3問を子供が考えた。残りは大人。
大人が考えたのは…この国の歴史だったり、各地の特産品についてだったり、山や川や池の名前など、
地理的なものだったり…分野がとにかく入れ食い。
でも…そんな分野入れ食い状態でも、ガルドベンダは揺るがない。
筆記用具がサラサラと、よどみなく動いていた。
そして…時間が終了し、解答用紙が回収され、採点される。
結果は…。
満点取れたの、ギリアム一人…。
「またテメェかぁ―――――――――――っ!!ふざけんな!!」
ステファンがめっちゃギリアムに食って掛かるが、ギリアムは意にも介さない。
「まあ…いいじゃないか。3問以外は全問正解だぞ、キミも…」
何を隠そうガルドベンダの面々は…全員がほぼ、子供が考えた3問で引っかかり…。
満点を逃しましたとさ…。
「そもそもあの3問…問題って言えるのか?」
「立派な問題だ。だいたい…子供の遊びの延長程度の催しだったのに、事を大きくしたのは
キミたちじゃないか」
「オレはお父様に言われて、出ただけだ!!」
歯を食いしばっていがみ顔を向けるステファンに、ギリアムが揺らぐことなどない。
「ギリアム公爵閣下…」
そんな中、ツァリオ閣下が、
「ひとまず解答の発表をしてください…」
正解できなかったからなのか、微妙に勢いがない。
「そうですね…。では…、作った本人たちに、説明してもらいましょう」
ギリアムが手を叩くと…ば~っと子供たちが出てきた。
「第一問を作ったのは、誰だい?」
「は~い、オレ!!」
ちょっと生意気なガキ大将と言った感じの、子供が出てきた。
ちなみにこの子が考えた問題は…。
虫って何歳ですか?…だ。
「虫ってだけじゃ、わからないだろうがよ。
数日で死んじまう奴もいれば、十年近く…生きる奴もいるんだからさ!!
あ~、でも…化石の岩の隙間から、生きた虫が出てきたって記述も…」
「なんだ、兄ちゃんも頭悪いんだな」
「なんだとぉ――――――――――――――――っ!!」
「虫って言われたら、64歳に決まってんじゃん。馬鹿だな…」
「……」
一瞬…空気が氷に包まれた。
「なんだそりゃ――――――――――――――――――――――――――――っ!!」
絶叫するステファンをほっといて、
「キミは…頭が柔軟で、とてもいいな。これからもその柔軟さを大事にしなさい」
「はーい、ギリアム様!!」
ギリアムに褒められて、すっごく喜んでいた。
「じゃあ、第二問目は…」
「ボクら~」
彼らが作ったのは…縦4×横8列の…アルファベットが書いてある○の羅列…。
その一番端っこに、スタートと書かれたごくごくシンプルな物。
そして注意書きには…2つになったら右…とだけ。
それで…書かれた言葉は何ですか?
……ワケわからんという感じだろうな。
子供の心理からすれば…簡単なんやけど。
「これはね!!けんけんぱって、すればいいんだよ!!」
「ぱの所が、右のアルファベットを使って…」
「正解は、これ!!」
種明かししてみれば、単純なんだけどね…。
「けんけんぱなんて…知るか―――――――――――――――っ!!」
ギリアムだけが満点取ったのが悔しいらしく、さっきから絶叫気味のステファン。
民間じゃよくあるけど…貴族の子供がやってるのは、見たことないってギリアム言ってたからな。
「最後は…」
「は~い、アタシ達!!」
おお、お久しぶりだね双子ちゃんズ。
「問題は~。おばあちゃんがお風呂に入る時に、必ずする音は?」
ド庶民の私は、なんとなくわかった。
「答え~。ばっちゃん」
「……」
ああ、ガルドベンダの面々が白くなってら…。
そして春なのに…木枯らしが吹いているのが…見える。
「そもそもどうして、お前はこんな問題がわかるんだぁ―――――――――――――――っ!!」
ステファンがくっていき方を変えたようだ。
「ん?私は…フィリーと共に、足繁く太陽の家には行っているからな。
その子たちが…よく、老齢のご婦人を…ばっちゃんと呼んでいたのを、聞いていたのさ。
他の子供たちの問題だって、子供の相手をしていれば、そんな話はよく耳にする。
それを覚えていただけさ…」
「フザケンナ―――――――っ!!ホントにお前は…」
「見苦しいぞ、ステファン…」
いつの間にやら後ろに来たツァリオ閣下が…ステファンの頭をがしっと掴み…。
「人はな…自分が世界の全てを知っている…そんな、傲慢な考えを持つようになった時…。
破滅の道に踏み込んでいるものなんだ。
わしはアイリンが病気になった時…それをいやと言うほど思い知った!!
だから…お前がギリアム公爵閣下に勝てなかったのは、お前の傲慢さが招いたこと!!
それが嫌なら、教えを乞え!!子供たちにな…」
そしてズルズルとステファンを引きずっていくと、
「バドセット!!」
「は…」
スッと出てきたバドセットに、
「アカデミーの方がひと段落したら…家族そろって、太陽の家に教えを乞いに行く!!
しっかりと予定に入れておけ!!」
「わかりました」
「え…オレも~(ステファン)」
「オレもですか?お父様…(アルフレッド)」
「がきんちょの相手なんて、いや~(メイリン)」
「私は…ちょっと興味があるから、行ってみたいわ(アイリン)」
「……(ヴィネラェ)」
「え~。今更子供の相手など…(ツァルガ)」
皆さま困惑気味だけど…他家の事だから、ほっとく。
「オルフィリア公爵夫人」
声をかけられたので振り向けば…コウドリグス侯爵家一家が。
「この度は…素敵な旅行に家族でご招待いただき、ありがとうございました。
主人も…持ち回りで時間が空きますから、家族で楽しんでおります」
すると…子供たちがひょいっと出てきて、
「僕たち、最後の3問できたよ」
「できたよ」
この子たちは…太陽の家でたまに、子供同士で遊んでるって聞いたからな…。
「あらそう!!頭がいいのねぇ…」
私は素直に撫でてあげた。
「本当にそうだな…。あっちのおじちゃんたちは、殆どできなかったのに…」
ギリアムが…ガルドベンダの面々を指して、ちょっと大げさな仕草をする。
「そーなの?」
3歳の子が、ぽてぽてと…興味しんしんに近づいて行ったから、
「ん?そうじゃ。まあ…おじちゃんたちも、精進が必要という事さ」
潔く負けを認めたツァリオ閣下だったが…。
「そっか~、じゃあ、おじちゃんて、ぼくよりばかなんだね」
「……」
ああ…コウドリグス夫妻がどんな顔してるか…見なくてもわかる。
ベンズが…素早く子供をセバスチャンに渡すと、
「ももも、申し訳ございません!!ツァリオ閣下!!」
もちろん夫婦で平謝り…。
「気にするな…。子供の言ったことに、いちいち目くじらは立てん…。本当の事だし…」
なんか最後の方…ぼそぼそとして、聞こえなかった。
それでもやっぱり…コウドリグス夫妻は…起き上がりこぼしのように、ずっと頭を上げては
下げを繰り返すのだった。
そして一人勝ちしたギリアムから、お言葉…。
「え~、優勝者には…フィリアム商会の商品を、景品としてお出しする予定だった。
だが…くしくも私が優勝したので…」
「テストにご参加の皆様全員に!!カタログ掲示板から!!
お好きな商品を一つ、プレゼントさせていただく!!
今後とも…フィリアム商会をよろしく頼む!!」
これには…大歓声が上がったことは、言うまでもない。
カタログ掲示板ってのは、私の発案でさ。
カタログギフトっての、作りたかったんだけど…。
この世界は兎に角、紙が貴重…。
貴族用は採算取れるから、普通につくれたんだけど…。
民間は…どうしてもカタログ自体が高価になってしまったから、一般庶民は手が出ない。
だから…フィリアム商会の掲示板に、商品の絵と説明書きと共に張り出して、それを見てもらう
形にした。
送りたい人に引換券を渡し、もらった人が番号を書いてフィリアム商会に出すと、商品が貰える
仕組み。
自分で好きなの選べるから…えらい好評だった。
…ああ、剣山が痛い。
単純に…この街の皆に、楽しんでもらおう…という、催しだったんだけど…。
こじんまりしていたはずだったんだけど…。
どこでどうしてそうなったのか、ガルドベンダが参加する…とのことで、他の人もこぞって
参加する…と言うより、見物したがり、結局…けっこうな規模の見世物となってしまった…。
お三方に関しても、どこかで耳に入れたようで、自分達にも見せろと…。
しょーがないから、私とギリアムも参加して…けっこうな人数となったのさ。
出題数は20問。そのうち…3問を子供が考えた。残りは大人。
大人が考えたのは…この国の歴史だったり、各地の特産品についてだったり、山や川や池の名前など、
地理的なものだったり…分野がとにかく入れ食い。
でも…そんな分野入れ食い状態でも、ガルドベンダは揺るがない。
筆記用具がサラサラと、よどみなく動いていた。
そして…時間が終了し、解答用紙が回収され、採点される。
結果は…。
満点取れたの、ギリアム一人…。
「またテメェかぁ―――――――――――っ!!ふざけんな!!」
ステファンがめっちゃギリアムに食って掛かるが、ギリアムは意にも介さない。
「まあ…いいじゃないか。3問以外は全問正解だぞ、キミも…」
何を隠そうガルドベンダの面々は…全員がほぼ、子供が考えた3問で引っかかり…。
満点を逃しましたとさ…。
「そもそもあの3問…問題って言えるのか?」
「立派な問題だ。だいたい…子供の遊びの延長程度の催しだったのに、事を大きくしたのは
キミたちじゃないか」
「オレはお父様に言われて、出ただけだ!!」
歯を食いしばっていがみ顔を向けるステファンに、ギリアムが揺らぐことなどない。
「ギリアム公爵閣下…」
そんな中、ツァリオ閣下が、
「ひとまず解答の発表をしてください…」
正解できなかったからなのか、微妙に勢いがない。
「そうですね…。では…、作った本人たちに、説明してもらいましょう」
ギリアムが手を叩くと…ば~っと子供たちが出てきた。
「第一問を作ったのは、誰だい?」
「は~い、オレ!!」
ちょっと生意気なガキ大将と言った感じの、子供が出てきた。
ちなみにこの子が考えた問題は…。
虫って何歳ですか?…だ。
「虫ってだけじゃ、わからないだろうがよ。
数日で死んじまう奴もいれば、十年近く…生きる奴もいるんだからさ!!
あ~、でも…化石の岩の隙間から、生きた虫が出てきたって記述も…」
「なんだ、兄ちゃんも頭悪いんだな」
「なんだとぉ――――――――――――――――っ!!」
「虫って言われたら、64歳に決まってんじゃん。馬鹿だな…」
「……」
一瞬…空気が氷に包まれた。
「なんだそりゃ――――――――――――――――――――――――――――っ!!」
絶叫するステファンをほっといて、
「キミは…頭が柔軟で、とてもいいな。これからもその柔軟さを大事にしなさい」
「はーい、ギリアム様!!」
ギリアムに褒められて、すっごく喜んでいた。
「じゃあ、第二問目は…」
「ボクら~」
彼らが作ったのは…縦4×横8列の…アルファベットが書いてある○の羅列…。
その一番端っこに、スタートと書かれたごくごくシンプルな物。
そして注意書きには…2つになったら右…とだけ。
それで…書かれた言葉は何ですか?
……ワケわからんという感じだろうな。
子供の心理からすれば…簡単なんやけど。
「これはね!!けんけんぱって、すればいいんだよ!!」
「ぱの所が、右のアルファベットを使って…」
「正解は、これ!!」
種明かししてみれば、単純なんだけどね…。
「けんけんぱなんて…知るか―――――――――――――――っ!!」
ギリアムだけが満点取ったのが悔しいらしく、さっきから絶叫気味のステファン。
民間じゃよくあるけど…貴族の子供がやってるのは、見たことないってギリアム言ってたからな。
「最後は…」
「は~い、アタシ達!!」
おお、お久しぶりだね双子ちゃんズ。
「問題は~。おばあちゃんがお風呂に入る時に、必ずする音は?」
ド庶民の私は、なんとなくわかった。
「答え~。ばっちゃん」
「……」
ああ、ガルドベンダの面々が白くなってら…。
そして春なのに…木枯らしが吹いているのが…見える。
「そもそもどうして、お前はこんな問題がわかるんだぁ―――――――――――――――っ!!」
ステファンがくっていき方を変えたようだ。
「ん?私は…フィリーと共に、足繁く太陽の家には行っているからな。
その子たちが…よく、老齢のご婦人を…ばっちゃんと呼んでいたのを、聞いていたのさ。
他の子供たちの問題だって、子供の相手をしていれば、そんな話はよく耳にする。
それを覚えていただけさ…」
「フザケンナ―――――――っ!!ホントにお前は…」
「見苦しいぞ、ステファン…」
いつの間にやら後ろに来たツァリオ閣下が…ステファンの頭をがしっと掴み…。
「人はな…自分が世界の全てを知っている…そんな、傲慢な考えを持つようになった時…。
破滅の道に踏み込んでいるものなんだ。
わしはアイリンが病気になった時…それをいやと言うほど思い知った!!
だから…お前がギリアム公爵閣下に勝てなかったのは、お前の傲慢さが招いたこと!!
それが嫌なら、教えを乞え!!子供たちにな…」
そしてズルズルとステファンを引きずっていくと、
「バドセット!!」
「は…」
スッと出てきたバドセットに、
「アカデミーの方がひと段落したら…家族そろって、太陽の家に教えを乞いに行く!!
しっかりと予定に入れておけ!!」
「わかりました」
「え…オレも~(ステファン)」
「オレもですか?お父様…(アルフレッド)」
「がきんちょの相手なんて、いや~(メイリン)」
「私は…ちょっと興味があるから、行ってみたいわ(アイリン)」
「……(ヴィネラェ)」
「え~。今更子供の相手など…(ツァルガ)」
皆さま困惑気味だけど…他家の事だから、ほっとく。
「オルフィリア公爵夫人」
声をかけられたので振り向けば…コウドリグス侯爵家一家が。
「この度は…素敵な旅行に家族でご招待いただき、ありがとうございました。
主人も…持ち回りで時間が空きますから、家族で楽しんでおります」
すると…子供たちがひょいっと出てきて、
「僕たち、最後の3問できたよ」
「できたよ」
この子たちは…太陽の家でたまに、子供同士で遊んでるって聞いたからな…。
「あらそう!!頭がいいのねぇ…」
私は素直に撫でてあげた。
「本当にそうだな…。あっちのおじちゃんたちは、殆どできなかったのに…」
ギリアムが…ガルドベンダの面々を指して、ちょっと大げさな仕草をする。
「そーなの?」
3歳の子が、ぽてぽてと…興味しんしんに近づいて行ったから、
「ん?そうじゃ。まあ…おじちゃんたちも、精進が必要という事さ」
潔く負けを認めたツァリオ閣下だったが…。
「そっか~、じゃあ、おじちゃんて、ぼくよりばかなんだね」
「……」
ああ…コウドリグス夫妻がどんな顔してるか…見なくてもわかる。
ベンズが…素早く子供をセバスチャンに渡すと、
「ももも、申し訳ございません!!ツァリオ閣下!!」
もちろん夫婦で平謝り…。
「気にするな…。子供の言ったことに、いちいち目くじらは立てん…。本当の事だし…」
なんか最後の方…ぼそぼそとして、聞こえなかった。
それでもやっぱり…コウドリグス夫妻は…起き上がりこぼしのように、ずっと頭を上げては
下げを繰り返すのだった。
そして一人勝ちしたギリアムから、お言葉…。
「え~、優勝者には…フィリアム商会の商品を、景品としてお出しする予定だった。
だが…くしくも私が優勝したので…」
「テストにご参加の皆様全員に!!カタログ掲示板から!!
お好きな商品を一つ、プレゼントさせていただく!!
今後とも…フィリアム商会をよろしく頼む!!」
これには…大歓声が上がったことは、言うまでもない。
カタログ掲示板ってのは、私の発案でさ。
カタログギフトっての、作りたかったんだけど…。
この世界は兎に角、紙が貴重…。
貴族用は採算取れるから、普通につくれたんだけど…。
民間は…どうしてもカタログ自体が高価になってしまったから、一般庶民は手が出ない。
だから…フィリアム商会の掲示板に、商品の絵と説明書きと共に張り出して、それを見てもらう
形にした。
送りたい人に引換券を渡し、もらった人が番号を書いてフィリアム商会に出すと、商品が貰える
仕組み。
自分で好きなの選べるから…えらい好評だった。
…ああ、剣山が痛い。
24
あなたにおすすめの小説
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
勝手にしろと言われたので、勝手にさせていただきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
子爵家の私は自分よりも身分の高い婚約者に、いつもいいように顎でこき使われていた。ある日、突然婚約者に呼び出されて一方的に婚約破棄を告げられてしまう。二人の婚約は家同士が決めたこと。当然受け入れられるはずもないので拒絶すると「婚約破棄は絶対する。後のことなどしるものか。お前の方で勝手にしろ」と言い切られてしまう。
いいでしょう……そこまで言うのなら、勝手にさせていただきます。
ただし、後のことはどうなっても知りませんよ?
* 他サイトでも投稿
* ショートショートです。あっさり終わります
【完結】お父様の再婚相手は美人様
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
シャルルの父親が子連れと再婚した!
二人は美人親子で、当主であるシャルルをあざ笑う。
でもこの国では、美人だけではどうにもなりませんよ。
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
嫌われ公女に転生したけど、愛されたい願望を捨てたら全員がデレてきた
桃瀬さら
恋愛
嫌われ公女ナディアは、婚約破棄され学園で孤立し、家族からも見放されていた。
どれほど努力しようが周囲からは「嫌われ公女」と蔑まれ、誰も味方なんていない。
「もういい。愛されたいなんて、くだらない」
そう心に誓った瞬間から、状況が一変した。
第二王子が婚約破棄を撤回し跪き、寡黙な騎士団長が「君を守りたい」と熱く迫ってくる。
そして、冷ややかな兄まで「婚約など認めない。家を出ることは許さない」と……。
愛されることを諦めた途端、なぜか執着される。
プロローグでケリをつけた乙女ゲームに、悪役令嬢は必要ない(と思いたい)
犬野きらり
恋愛
私、ミルフィーナ・ダルンは侯爵令嬢で二年前にこの世界が乙女ゲームと気づき本当にヒロインがいるか確認して、私は覚悟を決めた。
『ヒロインをゲーム本編に出さない。プロローグでケリをつける』
ヒロインは、お父様の再婚相手の連れ子な義妹、特に何もされていないが、今後が大変そうだからひとまず、ごめんなさい。プロローグは肩慣らし程度の攻略対象者の義兄。わかっていれば対応はできます。
まず乙女ゲームって一人の女の子が何人も男性を攻略出来ること自体、あり得ないのよ。ヒロインは天然だから気づかない、嘘、嘘。わかってて敢えてやってるからね、男落とし、それで成り上がってますから。
みんなに現実見せて、納得してもらう。揚げ足、ご都合に変換発言なんて上等!ヒロインと一緒の生活は、少しの発言でも悪役令嬢発言多々ありらしく、私も危ない。ごめんね、ヒロインさん、そんな理由で強制退去です。
でもこのゲーム退屈で途中でやめたから、その続き知りません。
王妃ですが都からの追放を言い渡されたので、田舎暮らしを楽しみます!
藤野ひま
ファンタジー
わたくし王妃の身でありながら、夫から婚姻破棄と王都から出て行く事を言い渡されました。
初めての田舎暮らしは……楽しいのですが?!
夫や、かの女性は王城でお元気かしら?
わたくしは元気にしておりますので、ご心配御無用です!
〔『仮面の王と風吹く国の姫君』の続編となります。できるだけこちらだけでわかるようにしています。が、気になったら前作にも立ち寄っていただけると嬉しいです〕〔ただ、ネタバレ的要素がありますのでご了承ください〕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる