暗殺少女の学園日記

あおい

文字の大きさ
7 / 20

4.編入

しおりを挟む


職員室についた僕達はあまりの大きさにしばらく固まっていて

はっと我に返えりどっちが声をかけるかというあまりにも子供っぽい議論となっていた。


「おい、声かけろよ」

「なんで僕が?そ~いうのは言い出しっぺがやるべきだと思うなー」

「いやいや、俺はサポートで来ただけだから。本命はお前だろ!」

「それを言うなら、紅がサポートなんだからそういう雑用みたいのは紅がやってよ」

「それじゃおれはただのパシリみたいだろ!」



「え?…ちがうの?」



「は?……おまっ当たり前だろ!なに!パシリだと思ってたのか?!」


「っっふ…っふふ…本気にしすぎ。冗談だよ。」


「ッ!……おまっ!このやろー」


ちょっとからかっただけなのに、本気にしてる反応がかわいくて任務中だというのに思わず、素で笑ってしまった。



「っふふ、ふふ!ごめんごめん!」

そのとき私は嫌いな相手だということも忘れて、楽しい気分で満面の笑顔になっていた。



「………あーもう!ずるいよなー」



「ん?なにが?」


ずるいと言われるような覚えもなく、首を少し傾げながらなぜかと聞くと 何でもない とはぐらかされてしまった。





「ちょっと君たち!」

「生徒じゃないよね。制服は誰かに借りたのかな?部外者は学園には入っちゃダメだよ。どこの高校だい?」


突然そう言って話しかけてきたのは、細身で身長は見た感じ175cm前後の20代前半くらいの男性だった。

おそらくこの学園の先生なのだろう。僕達が他校の高校生だと思って注意しに来たようだ。


「えーとすみません。今日からこちらの高校に編入する清水珀久と申します。」




「……え、あ、ごめんね。編入生だったんだ。今確認してくるね。」



そういって少し慌てたように男の先生は職員室へ入っていった。


そういえば私達、ここが職員室の前ってこと忘れてた。


……うるさかったかな?


申し訳ないな……




「あ、ごめんね。確認取れて、理事長室に案内してって事だったから今連れて行くね。」


「あ、はい。ありがとうございます。」


おそらく、ボスが事前に連絡してくれていたんだろう。着いて早々私達は理事長に会うこととなってしまった。

職員室から広い廊下を通って理事長室へ行く途中、何人かこの学校の生徒らしき人にあったがみんな、お嬢様、お坊ちゃんって感じがあり歩き方とかが全然違ってこの学園での生活が少し不安になった。

場違い感すごいなー…

以前も、豪華客船での暗殺任務があったがそれはせいぜい一週間ほどだった。

今回はどのくらいかかるかが分からない。

私は早く終わるといいなと思いながら、先生が ここが理事長室です。というのを聞き、中へと入っていった。




       ✽     ✽



紅玉side



職員室の前で琥珀の冗談に本気で返してしまったおれは、はじめこそイラッときたものの、そのあとの琥珀の笑みに思わず見惚れてしまった。

琥珀のことが嫌いなはずなのに、あいつの笑みを見るとドキッと胸が鳴り、もっと笑ってほしいと思う。






この感情の名をおれはまだ知らない…














いや、ホントはただ認めたくなかっただけなのかもしれない…













しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

愛はリンゴと同じ

turarin
恋愛
学園時代の同級生と結婚し、子供にも恵まれ幸せいっぱいの公爵夫人ナタリー。ところが、ある日夫が平民の少女をつれてきて、別邸に囲うと言う。 夫のナタリーへの愛は減らない。妾の少女メイリンへの愛が、一つ増えるだけだと言う。夫の愛は、まるでリンゴのように幾つもあって、皆に与えられるものなのだそうだ。 ナタリーのことは妻として大切にしてくれる夫。貴族の妻としては当然受け入れるべき。だが、辛くて仕方がない。ナタリーのリンゴは一つだけ。 幾つもあるなど考えられない。

処理中です...