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5.理事長
しおりを挟む理事長室へと入った二人は理事長の机の前で立っていた。
理事長はボスと同じくらいの年齢で割と細身だった。でも、鍛えてはいるようでいわゆる細マッチョというやつらしかった。
「君たちのことはボスから聞いているよ。俺はここで理事長をやっている菖蒲迅(あやめじん)だ。君たちのボスとは同級生でいわゆる腐れ縁ってやつかな。
…あとはい、これ、一応彼に関する資料。まあ事前に色々調べているとは思うから、役に立つかどうかは分からないけどね」
資料はいくらあっても困らない。
むしろ多い方が今後動きやすいから有難い。
「あ、いえ。ありがとうございます!」
「うん。まあ、使えそうなら良かった。で、本題なんだけどね。」
そう言って理事長は、この学校のことを話し始めた。
「その学校はね。Cクラスが庶民、Sクラス、AからBクラスまでがご子息、ご令嬢のクラスで、上のクラスであればあるほど家柄や、頭がいいクラスとなっている。まあもちろん庶民でも才能があるものは上のクラスにも上がれるよ。
でも、特に例の男子生徒がいるSクラスは頭一つぬけていてね。執事や従者をつけることを義務づけているよ。
そう考えると、彼らに害をもたらすかもしれない君たちをこの学園に入れるかは迷ったんだけどね。
君たちのボスにおどさ……んんっ……説得されてね、しょうがなく認めることにしたんだ。」
「あの、Sクラス、AからCクラスまでが…ってことは、それ以外のクラスもあるんですよね。…こちらで調べたらEクラスまであるということだったのですが…」
「……えーと、もうEクラスのことまで知ってる感じ?」
「……一応は」
「おれは、初めて知りましたよ。Eクラスなんてどこにも書いてなかったが…」
ふと疑問に思って資料の中で気になっていたことを聞いてみたら、紅は知らなかったようだ。
……本当に視察来たんだろうか…
「……まあ、一応Eクラスの存在は学校で秘蔵されてるから、知っている人間はこの学校の生徒だけで、情報管理も行ってるんだけど、やっぱ穴はあるかぁ。」
……え、秘密だったの?
裏からちょちょっとやったら普通にかいてあったんだけど…
この学校の情報管理大丈夫か?…
「まあとりあえず、この件は置いといてDクラスとEクラスの説明をするね。
Dクラスは、執事・従者のクラスで男子しかいないよ。だいたいが、AクラスからCクラスの生徒に付いているよ。主人がいない生徒もいるけど、それはよほどすごい人かな。
このクラスは主人が偉ければ偉いほどその人に対する周りの態度が良くなるからね。だから、すごく優秀じゃないと…まあ良くないんだけど……いじめとかあるからね。
Eクラスは、それよりもっと下。いわゆる落ちこぼれの庶民クラスだよ。入学試験で受かってもそのあとうまく点が伸びなくなってしまった子たちだね。だから、やっぱり差別とかあるし、この学校では肩身の狭い子たちだと思うよ。
で、君たちにはEクラスに入ってもらおうと思う。」
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