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8.西園寺椿樹
しおりを挟むそう、実は僕はさっき理事長室で監視対象「1年 Sクラス 西園寺 椿樹(さいおんじ つばき)」と接触しやすいようにと理事長から彼宛の用事を頼まれていた。
中庭で食べるのは今回無理かもしれないが、次からも彼と接触をしていくためにほんの少しでも繋がりを作らなくては……
その繋がりは良くても悪くてもいい…
ただ何かしらの繋がりを…
そんなことを考えながら私と紅は中庭へと続く廊下を歩いていた。
「いやー、見事にAとSクラスの人達しかいないねー。」
「…だな。」
中庭の近くの廊下ともなるともう周りには上位クラスの人達しかおらず、なぜEクラスがこんなところに、と囁かれていた。
中庭は結構な広さでやはりそこにもAとSクラスの人たちしか居らず、皆、優雅にご飯を食べていた。
その中の隅の方に、一際目を引く人たちがいた。そのテーブルには美男子が数人ですわっており花に囲まれ、横には小川が流れており、バルコニーのようになっていた。そしてその近くの席は、空いているにもかかわらず誰も座る気配が無く、そこだけが切り離された空間のようだった。
だか、その席には目的の人物は居らず、そこから少し離れたところに(恐らく)友人とすわっていた。しかし、そのバルコニーに見知った顔があったのは恐らく他人の空似だろう思う。
そしてそのままあたりを見回し、目的の人物へと声をかけた。
「すみませんが、西園寺さんですか?」
私が(上のクラスらしいので一応敬語で)話しかけると彼はゆっくりとこちらを向き、最初に私の顔を見て、そのままネクタイ(の色)を見ると顔しかめた。
「……Eクラスが何の用だ。…」
うぁー明らかに機嫌悪そー
まあ、私のせいだろうけど
振り返った顔は資料と同じで割と整った顔をしていた。普段から眼つきが悪いのか、私に話しかけられたのが嫌なのか、眉間にはしわがよっていた。
やっぱプライド高いよね、 こういう人達って。「Eクラスの分際でSクラスに話しかけんじゃねえ」って顔かいてあるよー
面倒そーだなあ……
同じ席にいた人達はEクラスがここにいるのが珍しいのか、しげしげと私たちをみていた。しかしその眼差しには軽蔑が混ざっており、やはりここは差別が多いところだなと実感した。
「私達は本日この学園に編入したのですが、その際理事長から西園寺先輩へと預かり物を致しまして…」
「預かり物だと?……Eクラスがか?」
「……すみませんが、私は今は編入したてのためEクラスですがいずれは上のクラスへと上がるつもりなので。それにEクラス関係なく預かり物くらいは届けられますが。」
いかにも、Eクラスが届け物できるのかと言いたげだったので、少し挑発するようなことを言ってしまった。
こいつ短気そうなのに…
怒るかな…
面倒いな……
「そういう問題ではない。Eクラス如きがSクラスの荷物を届けるということがだめだ。今後はDクラスの執事をとうせ。いいな。分かったらもういけ。」
「あ、すみませんでした。今後はそう致します。では、失礼します。」
これは、見逃してくれたのかな?
結構あっさりしてたな
でも、無駄に偉そうな奴が嫌いな私にとっては結構思うところがあった。
なにがEクラス如きがーだよ
届けてやった奴にその態度はどーかと思う。
少しは感謝ぐらいしろ
まあそんな事、間違っても声にはしないし、1ミリだって表情にも出さない。
だが、これでは終らない。
「おい、珀也早く食べよーぜ」
そう言って紅が西園寺の隣のテーブルにお弁当を広げ始めた。
そう、中庭のSクラスの隣に…
………………………………………………
申し訳ございません。
EクラスがすべてDクラスになっていました。他の話も今後直していきますので、間違えているところがありましたら、ご指摘よろしくお願い致します。
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