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第四章 冒険編 オークと子供達
アウトク村
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“オーク”別名──緑色の巨人と呼ばれる魔族。体長は約二メートル半と高く、引き締まった筋肉と黄緑色の肌が特徴的だ。知性は魔物よりはいいが、あまり賢いとは言えない。服装はゴブリンと同じ、腰蓑一枚である。主な武器はその鍛えぬかれた肉体による拳、もしくは棍棒のような鈍器を扱う。性格はとても狂暴で、同じ種族に対しても襲い掛かる程だ……これが、フォルスの知っている“オーク”の基本的な情報になる。
「あの、拐われたって……詳しく教えて頂けませんか?」
真緒が助けを求めている二人に、事情を聞くことにした。
「はい……あれは我々が畑仕事を終えて、自宅へと帰る時でした」
「けたたましい叫び声がしたかと思うと、突如オークが、このアウトク村を襲って来たのです!」
「必死で応戦したのですが、非力な我々では敵う筈も無く、子供達が拐われるのをただ見ているだけでした」
「そんな……どうして食らいつこうとは思わなかったんですか!?」
敵わないとしても、拐われるのを見ていただけの村人に、真緒は怒りを示す。
「我々だって命は惜しいんです!」
「子供の為なら死ねるのが、親なんじゃないんですか!?」
「「!!」」
真緒の正論が胸に突き刺さる。
「マオ、その辺にしておけ……」
「フォルスさん!でも!」
フォルスが真緒の肩に手を置き、宥めようとする。
「この人達だって分かっているんだ……。自分の子供を守りきれなかった事に後悔している。だから、こうして助けを求めているんだ」
「……分かりました」
フォルスの言葉に落ち着きを取り戻す真緒。
「何の騒ぎですか?」
「ああ、村長」
「来てくださったんですね」
真緒と村人の騒ぎを聞きつけ、村の奥から年配の女性が、近づいて来た。
「この人は?」
「ご紹介しましょう。村長のネキツさんです」
「村長のネキツです」
ネキツ村長は、礼儀正しく深々と頭を下げた。
「村長、この方々に子供達を救い出して貰いましょう!」
「……いつも言ってますでしょ、村で起こった事は、村の者が解決するのです」
村人が村長に提案するも、認めようとしない。
「そんな悠長な事を言ってる場合ですか!?」
「駄目なものは駄目です!この問題は、私達の手で解決しなければなりません」
「村長……」
頑なに認めようとしない。その時真緒は、ふとした疑問を投げ掛ける。
「あの……拐われた子供達はどうなるのですか?」
「分かりません……しかし、噂によるとオークは、人間の肉を好むと聞きます。女子供の柔らかい肉は特に……」
「酷い……」
拐われた理由の残酷さに、吐き気がする真緒達。
「さぁ二人とも、もういいでしょう。これから村の皆で、子供達について話し合いますから来てください。」
「……はい」
「分かりました……」
二人の村人は、悔しい表情を浮かべながら、ネキツについていこうとする。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
真緒達は、お互いに目配せをする。そして……。
「……あの、ネキツさん」
真緒に声を掛けられ、振り向くネキツ。
「子供達の救出を、私達にさせて頂けませんか?」
「……気を使って頂き、ありがとうございます。しかし、これは私達の問題なのです」
「それは分かっています。ですがこちらも、目の前に困っている人がいるのに、見過ごす訳にはいきません」
真緒は、ネキツに申し出を断られるが、食い下がる。
「……そうですか、分かりました。そこまで言ってくださるのなら、皆様に頼む事にしましょう。ほら、あなた達も旅の方々にお礼しなさい」
「ありがとうございます!」
「我々を助けてくださる救世主様。本当にありがとうございます!」
「そんな、救世主だなんて!……」
何とか説得に成功した真緒達は、村人二人から救世主として祭り上げられ、少し照れてしまう。
「では、皆様も会議に出席していただけますか?」
子供達を救出するとなれば、真緒達にも村の会議に出席してもらう必要がある。
「ええ、もちろんいいですよ。あ、私の名前は佐藤 真緒っていいます」
「オラはハナコっで言うだぁ」
「私はリーマです」
「フォルスだ」
「ど~も初めまして“道楽の道化師”エジタスと申しま~す」
「改めましてよろしくお願いします。私はネキツと申します。会議は私の家で行いますので、ついてきてください」
真緒達はネキツの後についていく。
***
「どうぞー、どうぞー、食べてください」
アウトク村、村長の家。真緒達は今、豪華な料理が振る舞われている。
「そんな気を使わないでください」
子供達を救出させてほしいと言った事から、村人全員が真緒達に是非お礼として、食事を振る舞いたいとの申し出があった。
「皆様は我々の救世主なのです。これぐらいのことはさせてください」
「あ、ありがとうございます」
人からのおもてなしを無下にも出来ず、それぞれ対応していく真緒達。当然の事ながら、ハナコは目の前の料理を無我夢中で食べていく。……だがここで、フォルスが行動を起こした。
「なぁ、少しいいか?」
「はい、なんでしょうか?」
「オークに襲われた時の状況を詳しく知りたいから、この村を見て廻りたいんだが……」
「勿論、いいですよ」
「ありがとう、じゃあ少し見てくるからな」
フォルスは真緒達を置いて村長の家を出ていくと、村の中を歩き始める。
「…………」
しかし、見渡す限りの荒れ地に、簡易的な小屋以外何もなかった。そんな中、フォルスは一つの小屋の前で止まる。
「なぁ……」
「どうしました?」
フォルスは近くにいた村人に話し掛ける。
「この小屋の内装は、他の小屋と同じなのか?」
「そうですね……基本的には同じです」
「そうか……」
予想通りの返答が返ってきた、フォルスは小屋に入る。
「…………」
中に入ると、あるのは椅子と机。それと就寝用と思われる布が、一枚折り畳まれている。
「成る程……」
フォルスは、ある程度見終わると真緒達の場所に戻った。
***
「早かったですね、何か分かりましたか?」
真緒は戻ってきたフォルスに、問いかける。
「ん、ああ、まぁ色々分かった」
「そうですか、では早く子供達を助けに行きましょう。ネキツさん、オークがいる場所は分かりますか?」
真緒は、ネキツにオークの居場所を聞く。
「それでしたら、ここから東に二日間程歩いた所にある洞窟に、オークが入るのを見ました」
「よし、あとは私達に任せてください」
場所が分かればこっちの物である。真緒達が村長の家を出ると、村人全員が見送りに来ていた。
「頑張ってください!」
「必ずオークを倒して、子供達を救ってください!」
「お願いします、救世主様!」
「救世主様!」
「救世主様!」
「救世主様!」
村人の救世主コールが響き渡る。そして、真緒達が村の外へと出るタイミングで、村長のネキツが近づいてくる。
「マオさん……」
ネキツが真緒の手を取る。
「どうか……どうか……子供達を救出し、このアウトク村をお救いください!」
ネキツが真緒の手を強く握る。
「任せてください!必ず、子供達を助け出して見せます!」
「ありがとうございます……」
真緒がネキツの手を強く握り返す。
「では、行って参ります」
そう言って、真緒達はオークがいるという東の洞窟に向かうのであった。
「あの、拐われたって……詳しく教えて頂けませんか?」
真緒が助けを求めている二人に、事情を聞くことにした。
「はい……あれは我々が畑仕事を終えて、自宅へと帰る時でした」
「けたたましい叫び声がしたかと思うと、突如オークが、このアウトク村を襲って来たのです!」
「必死で応戦したのですが、非力な我々では敵う筈も無く、子供達が拐われるのをただ見ているだけでした」
「そんな……どうして食らいつこうとは思わなかったんですか!?」
敵わないとしても、拐われるのを見ていただけの村人に、真緒は怒りを示す。
「我々だって命は惜しいんです!」
「子供の為なら死ねるのが、親なんじゃないんですか!?」
「「!!」」
真緒の正論が胸に突き刺さる。
「マオ、その辺にしておけ……」
「フォルスさん!でも!」
フォルスが真緒の肩に手を置き、宥めようとする。
「この人達だって分かっているんだ……。自分の子供を守りきれなかった事に後悔している。だから、こうして助けを求めているんだ」
「……分かりました」
フォルスの言葉に落ち着きを取り戻す真緒。
「何の騒ぎですか?」
「ああ、村長」
「来てくださったんですね」
真緒と村人の騒ぎを聞きつけ、村の奥から年配の女性が、近づいて来た。
「この人は?」
「ご紹介しましょう。村長のネキツさんです」
「村長のネキツです」
ネキツ村長は、礼儀正しく深々と頭を下げた。
「村長、この方々に子供達を救い出して貰いましょう!」
「……いつも言ってますでしょ、村で起こった事は、村の者が解決するのです」
村人が村長に提案するも、認めようとしない。
「そんな悠長な事を言ってる場合ですか!?」
「駄目なものは駄目です!この問題は、私達の手で解決しなければなりません」
「村長……」
頑なに認めようとしない。その時真緒は、ふとした疑問を投げ掛ける。
「あの……拐われた子供達はどうなるのですか?」
「分かりません……しかし、噂によるとオークは、人間の肉を好むと聞きます。女子供の柔らかい肉は特に……」
「酷い……」
拐われた理由の残酷さに、吐き気がする真緒達。
「さぁ二人とも、もういいでしょう。これから村の皆で、子供達について話し合いますから来てください。」
「……はい」
「分かりました……」
二人の村人は、悔しい表情を浮かべながら、ネキツについていこうとする。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
真緒達は、お互いに目配せをする。そして……。
「……あの、ネキツさん」
真緒に声を掛けられ、振り向くネキツ。
「子供達の救出を、私達にさせて頂けませんか?」
「……気を使って頂き、ありがとうございます。しかし、これは私達の問題なのです」
「それは分かっています。ですがこちらも、目の前に困っている人がいるのに、見過ごす訳にはいきません」
真緒は、ネキツに申し出を断られるが、食い下がる。
「……そうですか、分かりました。そこまで言ってくださるのなら、皆様に頼む事にしましょう。ほら、あなた達も旅の方々にお礼しなさい」
「ありがとうございます!」
「我々を助けてくださる救世主様。本当にありがとうございます!」
「そんな、救世主だなんて!……」
何とか説得に成功した真緒達は、村人二人から救世主として祭り上げられ、少し照れてしまう。
「では、皆様も会議に出席していただけますか?」
子供達を救出するとなれば、真緒達にも村の会議に出席してもらう必要がある。
「ええ、もちろんいいですよ。あ、私の名前は佐藤 真緒っていいます」
「オラはハナコっで言うだぁ」
「私はリーマです」
「フォルスだ」
「ど~も初めまして“道楽の道化師”エジタスと申しま~す」
「改めましてよろしくお願いします。私はネキツと申します。会議は私の家で行いますので、ついてきてください」
真緒達はネキツの後についていく。
***
「どうぞー、どうぞー、食べてください」
アウトク村、村長の家。真緒達は今、豪華な料理が振る舞われている。
「そんな気を使わないでください」
子供達を救出させてほしいと言った事から、村人全員が真緒達に是非お礼として、食事を振る舞いたいとの申し出があった。
「皆様は我々の救世主なのです。これぐらいのことはさせてください」
「あ、ありがとうございます」
人からのおもてなしを無下にも出来ず、それぞれ対応していく真緒達。当然の事ながら、ハナコは目の前の料理を無我夢中で食べていく。……だがここで、フォルスが行動を起こした。
「なぁ、少しいいか?」
「はい、なんでしょうか?」
「オークに襲われた時の状況を詳しく知りたいから、この村を見て廻りたいんだが……」
「勿論、いいですよ」
「ありがとう、じゃあ少し見てくるからな」
フォルスは真緒達を置いて村長の家を出ていくと、村の中を歩き始める。
「…………」
しかし、見渡す限りの荒れ地に、簡易的な小屋以外何もなかった。そんな中、フォルスは一つの小屋の前で止まる。
「なぁ……」
「どうしました?」
フォルスは近くにいた村人に話し掛ける。
「この小屋の内装は、他の小屋と同じなのか?」
「そうですね……基本的には同じです」
「そうか……」
予想通りの返答が返ってきた、フォルスは小屋に入る。
「…………」
中に入ると、あるのは椅子と机。それと就寝用と思われる布が、一枚折り畳まれている。
「成る程……」
フォルスは、ある程度見終わると真緒達の場所に戻った。
***
「早かったですね、何か分かりましたか?」
真緒は戻ってきたフォルスに、問いかける。
「ん、ああ、まぁ色々分かった」
「そうですか、では早く子供達を助けに行きましょう。ネキツさん、オークがいる場所は分かりますか?」
真緒は、ネキツにオークの居場所を聞く。
「それでしたら、ここから東に二日間程歩いた所にある洞窟に、オークが入るのを見ました」
「よし、あとは私達に任せてください」
場所が分かればこっちの物である。真緒達が村長の家を出ると、村人全員が見送りに来ていた。
「頑張ってください!」
「必ずオークを倒して、子供達を救ってください!」
「お願いします、救世主様!」
「救世主様!」
「救世主様!」
「救世主様!」
村人の救世主コールが響き渡る。そして、真緒達が村の外へと出るタイミングで、村長のネキツが近づいてくる。
「マオさん……」
ネキツが真緒の手を取る。
「どうか……どうか……子供達を救出し、このアウトク村をお救いください!」
ネキツが真緒の手を強く握る。
「任せてください!必ず、子供達を助け出して見せます!」
「ありがとうございます……」
真緒がネキツの手を強く握り返す。
「では、行って参ります」
そう言って、真緒達はオークがいるという東の洞窟に向かうのであった。
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