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番外編 動き出す者達
蹂躙
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「い、いったい何が起こったんだ…………?」
「わ、分からねぇ…………」
それぞれの部族の代表は現在、信じられない光景を目の当たりにしていた。元々部族同士の争いを、四天王の一人であるシーラに茶化された事が切っ掛けだった。それまで争っていた部族同士が一時的に手を組み、シーラを殺そうとした。
「こ、こんなのあり得ない……」
総勢千人の戦力があれば、さすがの四天王も手も足も出ないと思ったのだ。事実、シーラは魔王城に引き返した。それが部族達を調子づかせてしまった。これなら、自分達でも勝てるんじゃないか?…………と。
「夢なら覚めてくれ…………」
魔王城に近づくと、城壁の上から小さな少女が飛び降りて来た。部族達は何の脅威も感じずに、その少女に襲い掛かった。そして……一瞬にしてミンチとなってしまった。
「や、約五百人が……死んだ……」
約五百人の部族達は、サタニアの体から発生した黒い物体が波紋の様に広がり、胴体がミンチになって死に絶えた。
「うん!久し振りの魔法で少し不安だったけど、今でも十分に使えるね」
サタニアは、魔法の調子を部族達の死体を見つめて確かめた。
「ぞ、族長!!ど、どうしましょう!?」
「う、狼狽えるな!!こっちにはまだ約五百人の戦力が残っている!!」
「相手に攻撃の隙を与えるな!!連続して仕掛けろ!!」
「「「「うぉおおおお!!!」」」」
サタニアに攻撃の隙を与えまいと、間髪入れずに襲い掛かる。
「…………えい!」
「ぶべっ…………!」
するとサタニアが、襲い掛かる部族の一人の顔面を殴ると弾け散った。
「えっ……?」
突然の出来事に部族達は、動きを止めてしまった。
「うん!やっぱり魔法より肉弾戦の方がしっくり来る!」
部族の頭を吹き飛ばし、血まみれになった拳を見つめて納得した。
「…………」
「それじゃあ、始めようか?」
「ぎぃ……ぎぃやぁあああ!!!」
誰かが発した叫び声を切っ掛けに、次々と逃げ始める部族達。
「こら!!逃げるな戦え!!」
「この臆病者!!」
その時、二人の間を目にも止まらぬ早さで何かが通り過ぎた。
「「えっ?」」
振り返ると、目線の先には先程逃げ出した部族達が、サタニアに殴り殺されていた。
「ほっ!はっ!よっと!」
「ひぃ!た、助け…………!」
「許し……!」
一人、また一人とその命が儚く散って行く。正拳突き、後ろ蹴り、肘打ち、かかと落とし、攻撃の種類は違うものの全て的確に相手の顔面に叩き込まれ、弾け散っていた。
「お、俺達は……いったい何と戦っているんだ…………?」
「こんな……こんな事が本当にあっていいのかよ…………」
惨劇を目の当たりにした二人は、必死に意識を保とうとする。目の前の出来事が現実であると受け入れる為に。
「よし!残るはそこの二人だけだね」
「「な、何!?」」
二人が辺りを見回すと、そこには最早誰も残っておらず、そこら中死体の山だった。
「二人一緒に掛かって来てもいいよ。それとも、最後に言い残したい事でもある?」
「「…………」」
震えが止まらない。頭から足の爪先に掛けて、休まる事を知らない様に震えていた。
「く……くそー……短い人生だったな……」
「やり残した事が沢山あるって言うのに…………」
二人はぶつぶつと独り言の不満を喋りながら、持っていた武器を構える。
「…………どうしたの、掛かって来ないの?」
「「…………う、うぉおおおお!!」」
彼らは知っていた。自分がもうすぐ死ぬ事を……圧倒的な存在を前に、勝ち目の無い戦いを挑む。そして部族達のそれぞれの代表が同時に襲い掛かる。
「!!」
「「ごっ!?がぁ……あ……あ……!!」」
サアニアが、襲い掛かる二人を睨み付けると、二人の体は徐々に膨れ上がって来た。
「「……あ……」」
そして二人供、全身が破裂して死んでしまった。
「ふぅー、これで取り敢えず全部かな?」
サタニアは、全身に返り血を浴びながら生き残りがいないか確かめる。
「サタニア様、素晴らしかったです」
「魔王ちゃん、さすがね」
「ありがとうクロウト、アルシア。血を洗い流して来るね」
下に降りて来たクロウトとアルシアに褒められたサタニアは、一言お礼を述べると返り血を洗い流す為、城内へと戻って行く。
「うーん、肩慣らし位にはなったかな?」
ボソリと、そんな言葉を漏らしながら城内へと戻った。
「…………見事に全滅しているわね」
「…………」
アルシア達がある程度辺りを見渡すと、最後に破裂して死んだ二人のいた場所に目を向けた。
「“魔力譲渡”自身の魔力を、相手に渡す事が出来る補助専門の魔法。だけど、それはあくまで一般的な解釈」
「各々、魔力には容量が存在します。個人差はあるものの、その限界を越えると体の方が耐えきれず、膨れ上がり最後には破裂してしまう」
「でも本来、体を破裂させる程の魔力を送る事など出来ない。そこまでの容量を持つ人がいないから…………魔王ちゃんを除いてね」
「サタニア様の魔力容量は計りしれません。二人位なら簡単に破裂させられるでしょう」
「それこそが魔王ちゃんだけが使える“魔法譲渡”の応用技、“魔力爆発”いつ見ても恐ろしいわね…………」
“魔力爆発”魔力の容量が桁外れなサタニアだからこそ、出来る芸当である。
「五十八秒」
「…………」
「一分掛からなかったわね?」
総勢千人の部族達。その始末にサタニアが掛けた時間は、五十八秒と一分掛かっていなかった。
「さすがはサタニア様です。私の予想を軽く越えました」
「…………これから来るであろう勇者達がどんな奴らかは知らないけど、これだけは言える…………決して生半可な気持ちで勝てる程、甘くは無いってね」
勇者達との戦いでクロウトとアルシアの二人は、サタニアの勝利を確信している。
「魔王ちゃんがその気になれば、世界なんか簡単に手に入れられるでしょうね…………」
「しかし、争いを好まないサタニア様は絶対に手に入れようとはしないでしょう……」
「そうよね……それに、今はエジタスちゃんの心を手に入れるのに必死みたいだからね」
「…………」
アルシアがエジタスの話題を持ち掛けた途端、不機嫌な表情を浮かべるクロウト。
「…………やっぱり、クロウトちゃんはエジタスちゃんの事が嫌い?」
「はい、嫌いです」
「どうして?エジタスちゃんは、魔王ちゃんの恩人でしょ?」
クロウトは、躊躇いながらも口を開いた。
「勿論……サタニア様を助けて頂いた事は感謝しております……しかし、それ以前にあの人は不気味というか、素性が全く掴めないのです!!」
「そっか……確かに今まで気にした事無かったけど、あたし達エジタスちゃんの事を何も知らないのよね」
改めて考える事となったエジタスの謎。種族や出身など、その殆どが分かっていなかった。
「今度帰って来た時に聞きましょう。きっと気軽に答えてくれるわよ!」
「だと……いいのですが……」
「さぁ、そろそろあたし達も城に戻りましょう?急いで勇者達に備えて準備しないと!」
「そうですね。急ぎましょう」
そう言いながら、アルシア達は一ヶ月以内に来るであろう勇者達を迎え撃つ準備を整える為に、城内へと戻って行った。
「わ、分からねぇ…………」
それぞれの部族の代表は現在、信じられない光景を目の当たりにしていた。元々部族同士の争いを、四天王の一人であるシーラに茶化された事が切っ掛けだった。それまで争っていた部族同士が一時的に手を組み、シーラを殺そうとした。
「こ、こんなのあり得ない……」
総勢千人の戦力があれば、さすがの四天王も手も足も出ないと思ったのだ。事実、シーラは魔王城に引き返した。それが部族達を調子づかせてしまった。これなら、自分達でも勝てるんじゃないか?…………と。
「夢なら覚めてくれ…………」
魔王城に近づくと、城壁の上から小さな少女が飛び降りて来た。部族達は何の脅威も感じずに、その少女に襲い掛かった。そして……一瞬にしてミンチとなってしまった。
「や、約五百人が……死んだ……」
約五百人の部族達は、サタニアの体から発生した黒い物体が波紋の様に広がり、胴体がミンチになって死に絶えた。
「うん!久し振りの魔法で少し不安だったけど、今でも十分に使えるね」
サタニアは、魔法の調子を部族達の死体を見つめて確かめた。
「ぞ、族長!!ど、どうしましょう!?」
「う、狼狽えるな!!こっちにはまだ約五百人の戦力が残っている!!」
「相手に攻撃の隙を与えるな!!連続して仕掛けろ!!」
「「「「うぉおおおお!!!」」」」
サタニアに攻撃の隙を与えまいと、間髪入れずに襲い掛かる。
「…………えい!」
「ぶべっ…………!」
するとサタニアが、襲い掛かる部族の一人の顔面を殴ると弾け散った。
「えっ……?」
突然の出来事に部族達は、動きを止めてしまった。
「うん!やっぱり魔法より肉弾戦の方がしっくり来る!」
部族の頭を吹き飛ばし、血まみれになった拳を見つめて納得した。
「…………」
「それじゃあ、始めようか?」
「ぎぃ……ぎぃやぁあああ!!!」
誰かが発した叫び声を切っ掛けに、次々と逃げ始める部族達。
「こら!!逃げるな戦え!!」
「この臆病者!!」
その時、二人の間を目にも止まらぬ早さで何かが通り過ぎた。
「「えっ?」」
振り返ると、目線の先には先程逃げ出した部族達が、サタニアに殴り殺されていた。
「ほっ!はっ!よっと!」
「ひぃ!た、助け…………!」
「許し……!」
一人、また一人とその命が儚く散って行く。正拳突き、後ろ蹴り、肘打ち、かかと落とし、攻撃の種類は違うものの全て的確に相手の顔面に叩き込まれ、弾け散っていた。
「お、俺達は……いったい何と戦っているんだ…………?」
「こんな……こんな事が本当にあっていいのかよ…………」
惨劇を目の当たりにした二人は、必死に意識を保とうとする。目の前の出来事が現実であると受け入れる為に。
「よし!残るはそこの二人だけだね」
「「な、何!?」」
二人が辺りを見回すと、そこには最早誰も残っておらず、そこら中死体の山だった。
「二人一緒に掛かって来てもいいよ。それとも、最後に言い残したい事でもある?」
「「…………」」
震えが止まらない。頭から足の爪先に掛けて、休まる事を知らない様に震えていた。
「く……くそー……短い人生だったな……」
「やり残した事が沢山あるって言うのに…………」
二人はぶつぶつと独り言の不満を喋りながら、持っていた武器を構える。
「…………どうしたの、掛かって来ないの?」
「「…………う、うぉおおおお!!」」
彼らは知っていた。自分がもうすぐ死ぬ事を……圧倒的な存在を前に、勝ち目の無い戦いを挑む。そして部族達のそれぞれの代表が同時に襲い掛かる。
「!!」
「「ごっ!?がぁ……あ……あ……!!」」
サアニアが、襲い掛かる二人を睨み付けると、二人の体は徐々に膨れ上がって来た。
「「……あ……」」
そして二人供、全身が破裂して死んでしまった。
「ふぅー、これで取り敢えず全部かな?」
サタニアは、全身に返り血を浴びながら生き残りがいないか確かめる。
「サタニア様、素晴らしかったです」
「魔王ちゃん、さすがね」
「ありがとうクロウト、アルシア。血を洗い流して来るね」
下に降りて来たクロウトとアルシアに褒められたサタニアは、一言お礼を述べると返り血を洗い流す為、城内へと戻って行く。
「うーん、肩慣らし位にはなったかな?」
ボソリと、そんな言葉を漏らしながら城内へと戻った。
「…………見事に全滅しているわね」
「…………」
アルシア達がある程度辺りを見渡すと、最後に破裂して死んだ二人のいた場所に目を向けた。
「“魔力譲渡”自身の魔力を、相手に渡す事が出来る補助専門の魔法。だけど、それはあくまで一般的な解釈」
「各々、魔力には容量が存在します。個人差はあるものの、その限界を越えると体の方が耐えきれず、膨れ上がり最後には破裂してしまう」
「でも本来、体を破裂させる程の魔力を送る事など出来ない。そこまでの容量を持つ人がいないから…………魔王ちゃんを除いてね」
「サタニア様の魔力容量は計りしれません。二人位なら簡単に破裂させられるでしょう」
「それこそが魔王ちゃんだけが使える“魔法譲渡”の応用技、“魔力爆発”いつ見ても恐ろしいわね…………」
“魔力爆発”魔力の容量が桁外れなサタニアだからこそ、出来る芸当である。
「五十八秒」
「…………」
「一分掛からなかったわね?」
総勢千人の部族達。その始末にサタニアが掛けた時間は、五十八秒と一分掛かっていなかった。
「さすがはサタニア様です。私の予想を軽く越えました」
「…………これから来るであろう勇者達がどんな奴らかは知らないけど、これだけは言える…………決して生半可な気持ちで勝てる程、甘くは無いってね」
勇者達との戦いでクロウトとアルシアの二人は、サタニアの勝利を確信している。
「魔王ちゃんがその気になれば、世界なんか簡単に手に入れられるでしょうね…………」
「しかし、争いを好まないサタニア様は絶対に手に入れようとはしないでしょう……」
「そうよね……それに、今はエジタスちゃんの心を手に入れるのに必死みたいだからね」
「…………」
アルシアがエジタスの話題を持ち掛けた途端、不機嫌な表情を浮かべるクロウト。
「…………やっぱり、クロウトちゃんはエジタスちゃんの事が嫌い?」
「はい、嫌いです」
「どうして?エジタスちゃんは、魔王ちゃんの恩人でしょ?」
クロウトは、躊躇いながらも口を開いた。
「勿論……サタニア様を助けて頂いた事は感謝しております……しかし、それ以前にあの人は不気味というか、素性が全く掴めないのです!!」
「そっか……確かに今まで気にした事無かったけど、あたし達エジタスちゃんの事を何も知らないのよね」
改めて考える事となったエジタスの謎。種族や出身など、その殆どが分かっていなかった。
「今度帰って来た時に聞きましょう。きっと気軽に答えてくれるわよ!」
「だと……いいのですが……」
「さぁ、そろそろあたし達も城に戻りましょう?急いで勇者達に備えて準備しないと!」
「そうですね。急ぎましょう」
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