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第九章 冒険編 雲の木の待ち人
王冠の行方と立ち込める暗雲
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「何か……とても不思議な話でしたね……」
世界の始まりが記されている伝記を読み終えた真緒達は、何とも言えない感覚を感じていた。
「……“ワールドクラウン”、分けられた六つの王冠か……」
フォルスは伝記について、顎に指を当てて考え込んだ。
「それってもしかして……」
リーマも思う所があったのか、フォルスに声を掛けた。
「あぁ、十中八九俺達が出会って来た王冠で、間違い無いだろう……」
水の都にある人魚の町で、女王に取り返して欲しいと頼まれた水の王冠、フォルスの故郷である里で、村長が持っていた風の王冠、そして洞窟の奥深くにあるアンダータウンで、スゥーが持っていた炎の王冠。真緒達がクラウドツリーに来るまで、計三つの王冠に出会っている。
「そうなりますと、残り三つの王冠もこの世界の何処かにあるという事でしょうか?」
「そうだな……もし、王冠が魔法の属性と関わっているのだとしたら、残るは土、光、闇の三つになるな」
王冠の種類と魔法属性の種類、奇しくも数は一致している。
「もしかして、場所も何か関係しているんじゃ無いですか?」
「どういう事だ?」
真緒はフォルスの問いに答える為、伝記のページをめくっていく。
「ほら、ここに『長男は地下深くに王国を建設した。次男は海の近くに王国を建設した。三男は気候が暖かい場所に王国を建設した。四男は天高き場所に王国を建設した』これって、今まで王冠と出会った場所に似ていませんか?」
フォルス、ハナコ、リーマは真緒が指差すページを覗き込む。
「確か……炎の王冠がアンダータウンで……」
「水の王冠が人魚の町だぁ……」
「そして、風の王冠はフォルスさんの里であるヘルマウンテンの麓……そう言われたら、確かに場所も似ている気がします!」
伝記と現在の王冠の行方を照らし合わせる真緒達。
「数え切れない程の歴史が経って、王国が滅んだとしても王冠だけは、その場所に残ったんだな……」
「となると……この土塊の王冠というのは“土の王冠”の事で、この予想が当たっているのだとしたら、“天高き場所”に今も存在しているって事ですね」
真緒達はしばらくの間、考え込んだ。すると何かに気がついたのか、真緒が伝記を読み返す。
「“女性を見渡せる天高き場所”…………これってこのクラウドツリーなんじゃないですか?」
「「「えっ!?」」」
真緒のまさかの言葉に、三人は驚きの声をあげた。
「“天高き場所”って事は、言い換えれば“雲よりも高い場所”とも取れるよね?そうなると、雲よりも高い場所はこのクラウドツリー以外無いと思うんだ!」
「「「!!!」」」
その言葉を切っ掛けに、真緒達はアーメイデの方に顔を向けた。
「な、何!?」
「アーメイデさん、実は土の王冠を持っていたりしませんか?」
「はぁー、黙って聞いていたけど…………何でそう言う考えに至るのよ!?」
あまりに早計した考えに、呆れて溜め息が出てしまうアーメイデ。
「それは……今までの王冠の場所がこの伝記と似ていたから……」
「だからってね、ここが天高き場所に似ているからあるだろうって事にはならないでしょ!?」
最もな意見に、真緒達は段々自信が無くなって来た。
「それじゃあアーメイデさんは、土の王冠を……」
「持っている訳が無いでしょ!」
「そう……ですよね……」
当たり前の答えに、分かりやすく落ち込んでしまう真緒。
「…………というか、どうして王冠なんかを見たいと思ったのよ?」
「……実は私、異世界から来た人間なんです」
「どういう事!?」
「マオさんは、勇者として異世界から転移して来たんです……」
真緒の代わりに、リーマがアーメイデに説明をしてくれた。
「異世界には存在しない、こうした魔法は見るだけでも凄く気持ちが舞い上がって、嬉しくなるんです……それで、出来れば他の王冠も見てみたいなと思っていまして…………」
「だから、マオぢゃんとオラ達はいろんな場所を巡っで、ぞごの文化に触れでだり、体験じだりじでごの世界の事をもっど知ろうど思っでいるんだぁ」
「そうだったの、世界の事を…………あいつにそっくりだわ」
「あいつ?」
「ううん、何でも無いわ」
アーメイデが呟いた言葉が気になった真緒だったが、軽く流されてしまった。
「それより!見てみたいって言うけど、土の王冠を見る事が出来たとして、残りの二つはどうするつもりなのよ?」
「そ、それは…………」
光と闇については、何も考えていなかった。
「でも確かに、土の王冠よりもこっちの光の王冠と、闇の王冠の行方が気になりますね…………」
「光がこことは別の世界で、闇は魔族達が住まう暗い森の中か…………さっぱり分からんな」
他の四つと比べても、明らかに情報が少なく特定は出来なかった。しかし、フォルスの言葉にアーメイデが伝記を持ち上げて黙読し始める。
「うーん、光の方は分からないけど……闇の方はもしかして、“魔王城”の事じゃないかな?」
「「「「ま、魔王城!?」」」」
アーメイデが出した答えは、真緒達にとって衝撃的だった。
「魔族が住まう森という事は、少なくとも魔族の誰かが持っているんじゃないかな?そうなると、必然的に魔族の長である魔王が闇の王冠を持っていると思うよ」
「魔王が闇の王冠を…………」
衝撃的な言葉に驚いていると、真緒が思い詰めた表情で固まってしまった。
「マオぢゃん……どうじだだぁ?」
「マオさん?」
「マオ、大丈夫か?」
仲間達が心配する中、真緒はゆっくりと口を開いた。
「…………お願いしたら、拝ませてくれるかな…………?」
「……いや、さすがに無理だろ……」
「ですよね!あはははは!!」
「もぉー、マオさんったら……あははは!!」
「「「「あはははは!!!」」」」
真緒の冗談に一緒に笑っていると、突然とてつもない爆音と地響きが伝わった!!!
「な、何!!?」
「い、いったい何が起こったんだ!?」
「じ、地震だがぁ!?」
「じ、地震というよりも……爆発に近かった様な……」
「まさか…………!!」
突然の出来事で真緒達が混乱していると、アーメイデが慌てて外へと飛び出した。
「アーメイデさん!?」
「追いかけよう!!」
外へと飛び出したアーメイデの後を、急いで追い掛ける真緒達。
***
「こんな……どうして……今になって……」
「どうしたんですかアーメイデさん、急に飛び出し……て…………」
アーメイデの後を追い掛け外に出た真緒達だったが、その目線の先には信じがたい光景があった。
「な、何ですか!!あの“巨大な生き物”は!!?」
その生き物はクラウドツリーから離れている為、正確な大きさは分からないが、上半身が雲を突き抜けておりクラウドツリーと同じ位の大きさだった。雲から突き出ている上半身から分かる様に二足歩行で、色は真っ黒だがそれは皮膚や鱗では無く丸い粒であった。そんな真っ黒な丸い粒が体を覆っていた。その為顔はよく見えず、二つの赤い光だけが確認出来た。
「どうして……あいつは確かに“封印”した筈なのに……」
アーメイデの呟きは、無情にも空の彼方へと吸い込まれ、あるのは巨大な生き物がゆっくりとこちらに近づく現実だけだった。
世界の始まりが記されている伝記を読み終えた真緒達は、何とも言えない感覚を感じていた。
「……“ワールドクラウン”、分けられた六つの王冠か……」
フォルスは伝記について、顎に指を当てて考え込んだ。
「それってもしかして……」
リーマも思う所があったのか、フォルスに声を掛けた。
「あぁ、十中八九俺達が出会って来た王冠で、間違い無いだろう……」
水の都にある人魚の町で、女王に取り返して欲しいと頼まれた水の王冠、フォルスの故郷である里で、村長が持っていた風の王冠、そして洞窟の奥深くにあるアンダータウンで、スゥーが持っていた炎の王冠。真緒達がクラウドツリーに来るまで、計三つの王冠に出会っている。
「そうなりますと、残り三つの王冠もこの世界の何処かにあるという事でしょうか?」
「そうだな……もし、王冠が魔法の属性と関わっているのだとしたら、残るは土、光、闇の三つになるな」
王冠の種類と魔法属性の種類、奇しくも数は一致している。
「もしかして、場所も何か関係しているんじゃ無いですか?」
「どういう事だ?」
真緒はフォルスの問いに答える為、伝記のページをめくっていく。
「ほら、ここに『長男は地下深くに王国を建設した。次男は海の近くに王国を建設した。三男は気候が暖かい場所に王国を建設した。四男は天高き場所に王国を建設した』これって、今まで王冠と出会った場所に似ていませんか?」
フォルス、ハナコ、リーマは真緒が指差すページを覗き込む。
「確か……炎の王冠がアンダータウンで……」
「水の王冠が人魚の町だぁ……」
「そして、風の王冠はフォルスさんの里であるヘルマウンテンの麓……そう言われたら、確かに場所も似ている気がします!」
伝記と現在の王冠の行方を照らし合わせる真緒達。
「数え切れない程の歴史が経って、王国が滅んだとしても王冠だけは、その場所に残ったんだな……」
「となると……この土塊の王冠というのは“土の王冠”の事で、この予想が当たっているのだとしたら、“天高き場所”に今も存在しているって事ですね」
真緒達はしばらくの間、考え込んだ。すると何かに気がついたのか、真緒が伝記を読み返す。
「“女性を見渡せる天高き場所”…………これってこのクラウドツリーなんじゃないですか?」
「「「えっ!?」」」
真緒のまさかの言葉に、三人は驚きの声をあげた。
「“天高き場所”って事は、言い換えれば“雲よりも高い場所”とも取れるよね?そうなると、雲よりも高い場所はこのクラウドツリー以外無いと思うんだ!」
「「「!!!」」」
その言葉を切っ掛けに、真緒達はアーメイデの方に顔を向けた。
「な、何!?」
「アーメイデさん、実は土の王冠を持っていたりしませんか?」
「はぁー、黙って聞いていたけど…………何でそう言う考えに至るのよ!?」
あまりに早計した考えに、呆れて溜め息が出てしまうアーメイデ。
「それは……今までの王冠の場所がこの伝記と似ていたから……」
「だからってね、ここが天高き場所に似ているからあるだろうって事にはならないでしょ!?」
最もな意見に、真緒達は段々自信が無くなって来た。
「それじゃあアーメイデさんは、土の王冠を……」
「持っている訳が無いでしょ!」
「そう……ですよね……」
当たり前の答えに、分かりやすく落ち込んでしまう真緒。
「…………というか、どうして王冠なんかを見たいと思ったのよ?」
「……実は私、異世界から来た人間なんです」
「どういう事!?」
「マオさんは、勇者として異世界から転移して来たんです……」
真緒の代わりに、リーマがアーメイデに説明をしてくれた。
「異世界には存在しない、こうした魔法は見るだけでも凄く気持ちが舞い上がって、嬉しくなるんです……それで、出来れば他の王冠も見てみたいなと思っていまして…………」
「だから、マオぢゃんとオラ達はいろんな場所を巡っで、ぞごの文化に触れでだり、体験じだりじでごの世界の事をもっど知ろうど思っでいるんだぁ」
「そうだったの、世界の事を…………あいつにそっくりだわ」
「あいつ?」
「ううん、何でも無いわ」
アーメイデが呟いた言葉が気になった真緒だったが、軽く流されてしまった。
「それより!見てみたいって言うけど、土の王冠を見る事が出来たとして、残りの二つはどうするつもりなのよ?」
「そ、それは…………」
光と闇については、何も考えていなかった。
「でも確かに、土の王冠よりもこっちの光の王冠と、闇の王冠の行方が気になりますね…………」
「光がこことは別の世界で、闇は魔族達が住まう暗い森の中か…………さっぱり分からんな」
他の四つと比べても、明らかに情報が少なく特定は出来なかった。しかし、フォルスの言葉にアーメイデが伝記を持ち上げて黙読し始める。
「うーん、光の方は分からないけど……闇の方はもしかして、“魔王城”の事じゃないかな?」
「「「「ま、魔王城!?」」」」
アーメイデが出した答えは、真緒達にとって衝撃的だった。
「魔族が住まう森という事は、少なくとも魔族の誰かが持っているんじゃないかな?そうなると、必然的に魔族の長である魔王が闇の王冠を持っていると思うよ」
「魔王が闇の王冠を…………」
衝撃的な言葉に驚いていると、真緒が思い詰めた表情で固まってしまった。
「マオぢゃん……どうじだだぁ?」
「マオさん?」
「マオ、大丈夫か?」
仲間達が心配する中、真緒はゆっくりと口を開いた。
「…………お願いしたら、拝ませてくれるかな…………?」
「……いや、さすがに無理だろ……」
「ですよね!あはははは!!」
「もぉー、マオさんったら……あははは!!」
「「「「あはははは!!!」」」」
真緒の冗談に一緒に笑っていると、突然とてつもない爆音と地響きが伝わった!!!
「な、何!!?」
「い、いったい何が起こったんだ!?」
「じ、地震だがぁ!?」
「じ、地震というよりも……爆発に近かった様な……」
「まさか…………!!」
突然の出来事で真緒達が混乱していると、アーメイデが慌てて外へと飛び出した。
「アーメイデさん!?」
「追いかけよう!!」
外へと飛び出したアーメイデの後を、急いで追い掛ける真緒達。
***
「こんな……どうして……今になって……」
「どうしたんですかアーメイデさん、急に飛び出し……て…………」
アーメイデの後を追い掛け外に出た真緒達だったが、その目線の先には信じがたい光景があった。
「な、何ですか!!あの“巨大な生き物”は!!?」
その生き物はクラウドツリーから離れている為、正確な大きさは分からないが、上半身が雲を突き抜けておりクラウドツリーと同じ位の大きさだった。雲から突き出ている上半身から分かる様に二足歩行で、色は真っ黒だがそれは皮膚や鱗では無く丸い粒であった。そんな真っ黒な丸い粒が体を覆っていた。その為顔はよく見えず、二つの赤い光だけが確認出来た。
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