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最終章 笑顔の絶えない世界
本気のエジタス(後編)
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「……これでも……私の事を愛せますか?」
掴み掛けた勝利から一変、全滅という敗北を味わった九人。エジタスは、側で倒れている真緒とサタニアに、これでも愛せるかどうか問い掛ける。
「「……大……好きです……」」
「!!!」
返答を聞いたエジタスは、倒れている二人の腹部を蹴り飛ばした。蹴り飛ばされた二人は、一直線に吹き飛ばされて壁に激突した。激突した影響で壁の一部が崩れ落ち、瓦礫による土煙が上がる。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
エジタスは息を切らしながら、胸に爪を立てて動悸を抑える。
“……愛してるわ……エジタス……あなたなら………きっと……………”
エジタスの脳裏に、過去の出来事がフラッシュバックする。
「……愛は……幻想だ……愛は所詮、脳への伝達物質だ……」
俯きながら、ぶつぶつと独り言を発するエジタス。
「……愛で腹は満たされない……愛で虐めは無くならない……愛で戦争は終わらない……愛で世界は救えない!!」
すると、エジタスは指をパチンと鳴らして、両手にそれぞれ五本ずつの食事用のナイフを転移させた。
「愛など……何の意味も無い!!」
そう言いながらエジタスは、持っていた計十本のナイフを、真緒とサタニア目掛けて投げ付けた。真緒とサタニアの周りでは未だに土煙が上がっている。しかし、二人の場所は見えていた。
「消えてしまえ!!無意味な愛と共に!!」
「……“クリスタルシールド”!!」
「!!?」
投げ付けたナイフが、真緒とサタニアに突き刺さろうとした瞬間、二人の目の前に巨大な結晶型の盾が生成された。
「いい加減にしなさい!!エジタス!!」
「……まだ死んでいなかったんですか……アーメイデさん」
上がっていた土煙が完全に取れると、真緒とサタニアの側には、アーメイデが立っていた。間一髪の所で、アーメイデが助けに来てくれていた。
「……ア、アーメイデさん……」
「無理して喋らないで……今、回復させてあげる……“オールライフ”」
二人の周りをピンクのドーム状が包み込んだ。そして瞬く間に、二人が負っていた傷が塞がり回復した。
「アーメイデさん、ありがとうございます」
「助かったよ」
「礼はいらないよ。それより悪かったね、“他の奴等”を回復させていたら、遅くなってしまったよ」
「“他の奴等”……まさか!?」
エジタスが慌てて辺りを見回すと、先程重症を負わせた筈の者達が、完全回復を果たしていた。
「皆!!……良かった……」
「ゴルガ……シーラ……アルシア……無事で良かった……」
仲間の無事に、ホッと一安心する真緒とサタニア。ある者は手を振り、ある者は力こぶを見せて元気なのをアピール。そして何よりも全員、二人に笑顔を見せていた。
「成る程……私が、マオさんとサタニアさんの二人に視線を向けている間、密かに倒れた人達の回復を行っていたのですね……」
「怒りで、周りが見えていなかった様ね」
「…………っ!!」
図星を突かれたのか、舌打ちをするエジタス。
「でも、二人には悪い事をしたわね。無断でこんな囮をさせてしまって……」
「いえ、気にしていませんので大丈夫ですよ。寧ろ皆を助けて下さって、ありがとうございました」
「ちゃんと僕達の回復もしてくれたからね。全然気にしていないよ」
「そう……なら……良かっ……た……」
「「!!?」」
すると突然アーメイデは、前のめりに倒れ込んでしまった。
「アーメイデさん!?どうしたんですか!?」
「……ちょっと……回復魔法を多用し過ぎた様でね……もうMPが残っていないんだよ……」
「そんな……それってつまり……」
「もう二度と戦闘に参加する事は、出来ないという訳ですね~」
停止魔法の影響により、MPを回復する事が出来ない。アーメイデが最も恐れていた事態が起こってしまったのだ。
「でも……後悔はしていない……だって、あなた達がエジタスを倒してくれるって信じているから……」
「アーメイデさん……」
「行きなさい……そして、エジタスを倒しなさい……あなた達なら……必ずやり遂げられる……」
「……行こうマオ……僕達の手で、エジタスを救い出すんだ!!」
「……はい!!」
アーメイデの想いを引き継ぎ、真緒とサタニアの二人は、エジタスに向けて歩き出す。加えて、残りの六人もそれぞれエジタスを取り囲む様に歩き出した。
「……いいでしょう……それならもう一度、あなた方を全滅に追い込んで見せましょう……」
「先手必勝!!“ウォーターキャノン”!!」
「食らえエジタス!!スキル“スコールスピア”!!」
エジタスを取り囲んだ八人、リーマとシーラの二人が先制攻撃を仕掛ける。目の前からは巨大な水の塊、そして真上からは雨の如く無数の槍が、エジタス目掛けて襲い掛かる。
「…………」
しかし、当たる直前に転移を使ってその場から姿を消した。そして瞬く間に、リーマの背後へと姿を現した。
「リーマ!!ウシロダ!!」
「!!!“土の鎧”!!」
ゴルガの呼び掛けによって、寸前の所で気が付いたリーマは、咄嗟に“土の鎧”を唱えた。途端に、リーマの全身を土塊が覆い隠すと鎧の様に硬く変化した。これによって、エジタスの攻撃を防ぐ事が出来た。
「……っ!!」
「今だ!!転移は連続して使えない!!今の内に攻撃を叩き込むんだ!!」
「スキル“ロストブレイク”!!」
「スキル“ブラックアウト”!!」
「“三連弓”!!」
「スキル“インパクト・ベア”!!」
「スキル“大炎熱地獄”!!」
「“炎の槍”!!」
「スキル“ワイバーン”!!」
「ウォオオオオオ!!!」
シーラの合図と共に、八人が一斉に攻撃を仕掛ける。一人のエジタス目掛けて八人の攻撃が襲い掛かる。
「…………」
けたたましい爆発音が、玉座の間に鳴り響く。周囲に煙が立ち込める。
「倒した!?」
「いや、浅い!!」
「手応えが感じられない!!」
立ち込めた煙が晴れると、エジタスは先程いた場所から少し後ろへと離れていた。当たる直前に床を強く蹴り飛ばし、後方へと吹き飛ぶ事で本来受けるダメージを軽減したのだ。
「…………ごふっ!!」
しかしあくまでも軽減しただけ、エジタスは口から血反吐を吐く程度のダメージを負っていた。
「よし!!確実に効いてるぞ!!」
「行けるぞ……このまま押し切るんだ!!」
「…………“迷彩”」
するとエジタスの体が徐々に薄くなり始め、その場から消えてしまった。
「転移……いや、透明になった!!」
「シーラちゃん!!」
「分かってる!!」
エジタスが透明になった瞬間、シーラは目を瞑って感覚神経を研ぎ澄ました。
「…………そこだ!!魔王様の目の前にいる!!」
「!!!スキル“ブラックアウト”!!」
シーラの呼び掛けと同時に、サタニアは渾身のスキルを目の前に放った。
「…………!!!」
しかし、エジタスはシーラの呼び掛けを逆手に取って、スキルが放たれる直前に真横へと移動していた。そしてサタニアの腕を掴むと、その姿を現した。
「がはぁ!!?」
「魔王ちゃん!!」
不意を突かれたサタニアは、腕を掴まれながら、エジタスの蹴りをまともに食らってしまった。腕を掴まれている為、吹き飛ぶ事が出来ない。逃げ場の無いダメージが、直接サタニアを傷つける。
「マオウサマヲ……ハナセ!!」
するとゴルガが、エジタス目掛けて巨大な拳を降り下ろした。
「あなた程度のゴーレム……二千年前に沢山いましたよ……」
「!!!」
しかし、ゴルガの拳はエジタスには当たらず、床を殴っていた。転移を使ってその場から姿を消したエジタスは、瞬く間にゴルガの懐へと姿を現した。
「よいしょっと!!」
「グハァアアアアア!!」
代わりに、エジタスの拳を食らってしまったゴルガは、数メートル先まで吹き飛んだ。
「ゴルガ!!くそっ!!転移直後なら攻撃が出来る!!スキル“ワイバーン”!!」
「スキル“一点集中”……貫け!!」
再び転移直後のエジタスを狙って、シーラとフォルスは、エジタス目掛けてスキルを放った。シーラの鋭い槍と、フォルスの矢がエジタスに迫る。
「二人なら……対処は簡単ですね!!」
「「な、何!!?」」
するとエジタスは、食事用のナイフを取り出すとフォルスが放った矢を、迫り来るシーラ目掛けて弾き返した。
「しまっ……ぐっ……がはぁ!!」
「シーラ!!」
「次はあなたの番ですよ……」
「しまった!!」
シーラの安否を心配するフォルスの背後に、エジタスが転移を使って来ていた。
「ぐわぁあああ!!!」
気づくのが遅れてしまったフォルスは、そのままエジタスに蹴り飛ばされた。
「フォルスちゃん!!………エジタス……俺は本気で怒ったぞ!!」
その光景に、アルシアは激怒した。口調が男勝りになりながら、エジタスに向かって走り出した。
「スキル“黒縄地獄”!!」
その瞬間、エジタスの影が動き出してエジタス自身を拘束した。
「捕らえたぞ!!」
「…………」
しかし、捕らえたのも束の間。エジタスは転移を使って、アルシアの黒縄地獄から脱出した。
「…………そこだ!!」
するとアルシアは、背後に転移して来たエジタスを逸早く察知すると、両刀でエジタスの蹴りを防いだ。
「…………ふん!!」
「ぐはぁあああああ!!!」
しかし、攻撃を防いだと同時にもう片方の足で顔面を蹴り飛ばされた。
「他愛も無いですね~」
「準備完了!!いつでも大丈夫だよ!!」
「?」
アルシアを蹴り飛ばした後、声のする方向に顔を向けると、そこには真緒とサタニアが並んで立っており、その後ろではハナコが両腕を引いていた。
「ぞれじゃあ……行ぐだよぉ……スキル“インパクト・ベア”!!」
「「!!!」」
ハナコのスキルによって、背中から押し出された真緒とサタニアは、その勢いのままエジタス目掛けて飛んで行く。
「……懐かしいですね……マオさん達と戦った……あの頃を思い出しますよ……」
「師匠!!覚悟!!」
「これで終わりだよ!!エジタス!!」
「確かに……転移は連続で使えない……迷彩を使っても……間に合わない……ですが……」
するとエジタスは、驚異的な跳躍をして見せた。
「「!!!」」
「転移や迷彩などを使わなくても、そんな一直線の攻撃なら、簡単に避けられます…………」
エジタスの跳躍によって、真緒とサタニアは勢いのまま、その下を通り過ぎてしまった。
「残念でしたね……決定的なチャンスを逃して……「そうでもありませんよ」……何?」
「リ、リーマ!!?」
真緒とサタニアが通り過ぎてしまったその先には、リーマが鼻から大きく息を吸い込んで待っていた。
「お二人供、耳を塞いで下さい……きゃあああああああああ!!!!」
「「!!!」」
音魔法。リーマの叫び声に、慌てて耳を塞いだ真緒とサタニア。すると音魔法による衝撃波が、二人をエジタスのいる空中目掛けて吹き飛ばした。
「ありがとう!!リーマ!!」
「行ける!!空中なら逃げ場は無い!!確実に倒せる!!」
リーマの衝撃波によって、吹き飛ばされた二人は、勢いのままエジタス目掛けて飛んで行く。
「師匠、今度こそ終わりです!!」
「もう逃げられないよ!!」
「……そうですね……逃げられませんね……」
「「!!!」」
そう言いながらエジタスは、右手の親指と中指をくっ付けていた。
「…………ふっ」
鼻で笑うと、嫌みを込めて指をパチンと鳴らした。そして瞬く間に、その場から姿を消した。
「時間を掛け過ぎですよ……」
気がつくと、エジタスは足を組んで玉座に座っていた。強者として余裕な態度を醸し出しながら、空中を飛んで行く真緒とサタニアを眺めていた。
「そんな……間に合わなかった……皆……ごめん……」
「まだ……諦めちゃ駄目だよ!!」
諦めそうになる真緒に対して、サタニアはまだ諦めていなかった。
「今なら転移直後、更には玉座に座っているから避ける事は不可能。僕がマオをスキルで飛ばす……止めは任せたよ」
「そ、そんな……私よりもサタニアの方が……「君しかいないんだ!!」……えっ?」
「……僕はエジタスの攻撃をまともに食らって……上手く動く事が出来ない……もう君しかいないんだ!!このチャンスを逃したら、二度とエジタスを救う事は出来なくなる!!」
「サタニア…………」
「弟子である君が……師匠であるエジタスに引導を渡してくれ……」
「…………分かりました」
すると真緒は、サタニアに背を向ける。そしてサタニアは、真緒目掛けてスキルを放つ準備をする。
「行くよ……僕の想い……君に託したよ……」
「はい!!!」
「スキル“ブラックアウト”!!!」
「!!!」
サタニアの想いが乗った渾身の一撃、真緒を瀕死に追い込む程の一撃、意識が遠退くのを耐えながら、真緒は玉座に座っているエジタス目掛けて飛んで行く。
「な、何!!?」
エジタスは呆気に取られた。ハナコの一撃とリーマの一撃、ここまではエジタスも読んでいた。しかしまさか、ここでサタニアの一撃を加えるとは想像もしていなかった。仮に加えたとしても、真緒のHPが持たずに死に絶える。そう考えていた。
「正気ですか!!?」
しかし、実際真緒は生き残った。三人からの一撃を受けながらも、ギリギリのところで踏み留まり、エジタスに捨て身の攻撃を仕掛ける。
「これで……本当に最後です!!師匠!!」
「こんな……馬鹿な……!!」
「スキル“ロストブレイク”!!」
「“私”が負ける!?そんな……止めろ……止めろぉおおおおおおお!!!」
真緒とサタニア。二人の想いが乗った渾身の一撃が、エジタスの顔面に叩き付けられる。その衝撃でお互いが、後方へと吹き飛ばされる。
「マオ!!大丈夫か!?」
「あ……フォルスさん……ありがとう……ございます……」
吹き飛ばされた真緒を、フォルスが受け止める。フォルスが安否を心配すると、辛うじて生きていた。
「マオ!!大丈夫!?」
「マオぢゃん!!」
「マオさん!!」
「サタニア……それに……皆も……」
フォルスに抱き抱えられながら、その周りに仲間達が集まって来る。
「やったわね……マオ」
「アーメイデさん……私だけの力じゃありません……皆のお陰です……」
「……そうだね……皆のお陰だね……」
「そうだ!!肝心のエジタスはどうなったんだ!?」
全員が玉座に顔を向ける。玉座は、エジタスが吹き飛ばされた影響でボロボロに崩れていた。すると、その瓦礫の中からエジタスが這い出て来た。
「おいおい……マジかよ……」
「あれだけの攻撃を食らって……まだ立てるのか……」
「…………とんでもない事をしでかしましたね…………皆さん」
「「!!!」」
その時、エジタスの明確な変化に、その場にいる全員が驚きの表情を浮かべた。エジタスがいつも付けている仮面に、大きなひびが入っていたのだ。
「あなた方は……取り返しのつかない事をした……引いてはいけない引き金を引いたんだ…………」
仮面に入った大きなひびは、次第に広がりそして遂に真っ二つに割れて落ちたのだった。
掴み掛けた勝利から一変、全滅という敗北を味わった九人。エジタスは、側で倒れている真緒とサタニアに、これでも愛せるかどうか問い掛ける。
「「……大……好きです……」」
「!!!」
返答を聞いたエジタスは、倒れている二人の腹部を蹴り飛ばした。蹴り飛ばされた二人は、一直線に吹き飛ばされて壁に激突した。激突した影響で壁の一部が崩れ落ち、瓦礫による土煙が上がる。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
エジタスは息を切らしながら、胸に爪を立てて動悸を抑える。
“……愛してるわ……エジタス……あなたなら………きっと……………”
エジタスの脳裏に、過去の出来事がフラッシュバックする。
「……愛は……幻想だ……愛は所詮、脳への伝達物質だ……」
俯きながら、ぶつぶつと独り言を発するエジタス。
「……愛で腹は満たされない……愛で虐めは無くならない……愛で戦争は終わらない……愛で世界は救えない!!」
すると、エジタスは指をパチンと鳴らして、両手にそれぞれ五本ずつの食事用のナイフを転移させた。
「愛など……何の意味も無い!!」
そう言いながらエジタスは、持っていた計十本のナイフを、真緒とサタニア目掛けて投げ付けた。真緒とサタニアの周りでは未だに土煙が上がっている。しかし、二人の場所は見えていた。
「消えてしまえ!!無意味な愛と共に!!」
「……“クリスタルシールド”!!」
「!!?」
投げ付けたナイフが、真緒とサタニアに突き刺さろうとした瞬間、二人の目の前に巨大な結晶型の盾が生成された。
「いい加減にしなさい!!エジタス!!」
「……まだ死んでいなかったんですか……アーメイデさん」
上がっていた土煙が完全に取れると、真緒とサタニアの側には、アーメイデが立っていた。間一髪の所で、アーメイデが助けに来てくれていた。
「……ア、アーメイデさん……」
「無理して喋らないで……今、回復させてあげる……“オールライフ”」
二人の周りをピンクのドーム状が包み込んだ。そして瞬く間に、二人が負っていた傷が塞がり回復した。
「アーメイデさん、ありがとうございます」
「助かったよ」
「礼はいらないよ。それより悪かったね、“他の奴等”を回復させていたら、遅くなってしまったよ」
「“他の奴等”……まさか!?」
エジタスが慌てて辺りを見回すと、先程重症を負わせた筈の者達が、完全回復を果たしていた。
「皆!!……良かった……」
「ゴルガ……シーラ……アルシア……無事で良かった……」
仲間の無事に、ホッと一安心する真緒とサタニア。ある者は手を振り、ある者は力こぶを見せて元気なのをアピール。そして何よりも全員、二人に笑顔を見せていた。
「成る程……私が、マオさんとサタニアさんの二人に視線を向けている間、密かに倒れた人達の回復を行っていたのですね……」
「怒りで、周りが見えていなかった様ね」
「…………っ!!」
図星を突かれたのか、舌打ちをするエジタス。
「でも、二人には悪い事をしたわね。無断でこんな囮をさせてしまって……」
「いえ、気にしていませんので大丈夫ですよ。寧ろ皆を助けて下さって、ありがとうございました」
「ちゃんと僕達の回復もしてくれたからね。全然気にしていないよ」
「そう……なら……良かっ……た……」
「「!!?」」
すると突然アーメイデは、前のめりに倒れ込んでしまった。
「アーメイデさん!?どうしたんですか!?」
「……ちょっと……回復魔法を多用し過ぎた様でね……もうMPが残っていないんだよ……」
「そんな……それってつまり……」
「もう二度と戦闘に参加する事は、出来ないという訳ですね~」
停止魔法の影響により、MPを回復する事が出来ない。アーメイデが最も恐れていた事態が起こってしまったのだ。
「でも……後悔はしていない……だって、あなた達がエジタスを倒してくれるって信じているから……」
「アーメイデさん……」
「行きなさい……そして、エジタスを倒しなさい……あなた達なら……必ずやり遂げられる……」
「……行こうマオ……僕達の手で、エジタスを救い出すんだ!!」
「……はい!!」
アーメイデの想いを引き継ぎ、真緒とサタニアの二人は、エジタスに向けて歩き出す。加えて、残りの六人もそれぞれエジタスを取り囲む様に歩き出した。
「……いいでしょう……それならもう一度、あなた方を全滅に追い込んで見せましょう……」
「先手必勝!!“ウォーターキャノン”!!」
「食らえエジタス!!スキル“スコールスピア”!!」
エジタスを取り囲んだ八人、リーマとシーラの二人が先制攻撃を仕掛ける。目の前からは巨大な水の塊、そして真上からは雨の如く無数の槍が、エジタス目掛けて襲い掛かる。
「…………」
しかし、当たる直前に転移を使ってその場から姿を消した。そして瞬く間に、リーマの背後へと姿を現した。
「リーマ!!ウシロダ!!」
「!!!“土の鎧”!!」
ゴルガの呼び掛けによって、寸前の所で気が付いたリーマは、咄嗟に“土の鎧”を唱えた。途端に、リーマの全身を土塊が覆い隠すと鎧の様に硬く変化した。これによって、エジタスの攻撃を防ぐ事が出来た。
「……っ!!」
「今だ!!転移は連続して使えない!!今の内に攻撃を叩き込むんだ!!」
「スキル“ロストブレイク”!!」
「スキル“ブラックアウト”!!」
「“三連弓”!!」
「スキル“インパクト・ベア”!!」
「スキル“大炎熱地獄”!!」
「“炎の槍”!!」
「スキル“ワイバーン”!!」
「ウォオオオオオ!!!」
シーラの合図と共に、八人が一斉に攻撃を仕掛ける。一人のエジタス目掛けて八人の攻撃が襲い掛かる。
「…………」
けたたましい爆発音が、玉座の間に鳴り響く。周囲に煙が立ち込める。
「倒した!?」
「いや、浅い!!」
「手応えが感じられない!!」
立ち込めた煙が晴れると、エジタスは先程いた場所から少し後ろへと離れていた。当たる直前に床を強く蹴り飛ばし、後方へと吹き飛ぶ事で本来受けるダメージを軽減したのだ。
「…………ごふっ!!」
しかしあくまでも軽減しただけ、エジタスは口から血反吐を吐く程度のダメージを負っていた。
「よし!!確実に効いてるぞ!!」
「行けるぞ……このまま押し切るんだ!!」
「…………“迷彩”」
するとエジタスの体が徐々に薄くなり始め、その場から消えてしまった。
「転移……いや、透明になった!!」
「シーラちゃん!!」
「分かってる!!」
エジタスが透明になった瞬間、シーラは目を瞑って感覚神経を研ぎ澄ました。
「…………そこだ!!魔王様の目の前にいる!!」
「!!!スキル“ブラックアウト”!!」
シーラの呼び掛けと同時に、サタニアは渾身のスキルを目の前に放った。
「…………!!!」
しかし、エジタスはシーラの呼び掛けを逆手に取って、スキルが放たれる直前に真横へと移動していた。そしてサタニアの腕を掴むと、その姿を現した。
「がはぁ!!?」
「魔王ちゃん!!」
不意を突かれたサタニアは、腕を掴まれながら、エジタスの蹴りをまともに食らってしまった。腕を掴まれている為、吹き飛ぶ事が出来ない。逃げ場の無いダメージが、直接サタニアを傷つける。
「マオウサマヲ……ハナセ!!」
するとゴルガが、エジタス目掛けて巨大な拳を降り下ろした。
「あなた程度のゴーレム……二千年前に沢山いましたよ……」
「!!!」
しかし、ゴルガの拳はエジタスには当たらず、床を殴っていた。転移を使ってその場から姿を消したエジタスは、瞬く間にゴルガの懐へと姿を現した。
「よいしょっと!!」
「グハァアアアアア!!」
代わりに、エジタスの拳を食らってしまったゴルガは、数メートル先まで吹き飛んだ。
「ゴルガ!!くそっ!!転移直後なら攻撃が出来る!!スキル“ワイバーン”!!」
「スキル“一点集中”……貫け!!」
再び転移直後のエジタスを狙って、シーラとフォルスは、エジタス目掛けてスキルを放った。シーラの鋭い槍と、フォルスの矢がエジタスに迫る。
「二人なら……対処は簡単ですね!!」
「「な、何!!?」」
するとエジタスは、食事用のナイフを取り出すとフォルスが放った矢を、迫り来るシーラ目掛けて弾き返した。
「しまっ……ぐっ……がはぁ!!」
「シーラ!!」
「次はあなたの番ですよ……」
「しまった!!」
シーラの安否を心配するフォルスの背後に、エジタスが転移を使って来ていた。
「ぐわぁあああ!!!」
気づくのが遅れてしまったフォルスは、そのままエジタスに蹴り飛ばされた。
「フォルスちゃん!!………エジタス……俺は本気で怒ったぞ!!」
その光景に、アルシアは激怒した。口調が男勝りになりながら、エジタスに向かって走り出した。
「スキル“黒縄地獄”!!」
その瞬間、エジタスの影が動き出してエジタス自身を拘束した。
「捕らえたぞ!!」
「…………」
しかし、捕らえたのも束の間。エジタスは転移を使って、アルシアの黒縄地獄から脱出した。
「…………そこだ!!」
するとアルシアは、背後に転移して来たエジタスを逸早く察知すると、両刀でエジタスの蹴りを防いだ。
「…………ふん!!」
「ぐはぁあああああ!!!」
しかし、攻撃を防いだと同時にもう片方の足で顔面を蹴り飛ばされた。
「他愛も無いですね~」
「準備完了!!いつでも大丈夫だよ!!」
「?」
アルシアを蹴り飛ばした後、声のする方向に顔を向けると、そこには真緒とサタニアが並んで立っており、その後ろではハナコが両腕を引いていた。
「ぞれじゃあ……行ぐだよぉ……スキル“インパクト・ベア”!!」
「「!!!」」
ハナコのスキルによって、背中から押し出された真緒とサタニアは、その勢いのままエジタス目掛けて飛んで行く。
「……懐かしいですね……マオさん達と戦った……あの頃を思い出しますよ……」
「師匠!!覚悟!!」
「これで終わりだよ!!エジタス!!」
「確かに……転移は連続で使えない……迷彩を使っても……間に合わない……ですが……」
するとエジタスは、驚異的な跳躍をして見せた。
「「!!!」」
「転移や迷彩などを使わなくても、そんな一直線の攻撃なら、簡単に避けられます…………」
エジタスの跳躍によって、真緒とサタニアは勢いのまま、その下を通り過ぎてしまった。
「残念でしたね……決定的なチャンスを逃して……「そうでもありませんよ」……何?」
「リ、リーマ!!?」
真緒とサタニアが通り過ぎてしまったその先には、リーマが鼻から大きく息を吸い込んで待っていた。
「お二人供、耳を塞いで下さい……きゃあああああああああ!!!!」
「「!!!」」
音魔法。リーマの叫び声に、慌てて耳を塞いだ真緒とサタニア。すると音魔法による衝撃波が、二人をエジタスのいる空中目掛けて吹き飛ばした。
「ありがとう!!リーマ!!」
「行ける!!空中なら逃げ場は無い!!確実に倒せる!!」
リーマの衝撃波によって、吹き飛ばされた二人は、勢いのままエジタス目掛けて飛んで行く。
「師匠、今度こそ終わりです!!」
「もう逃げられないよ!!」
「……そうですね……逃げられませんね……」
「「!!!」」
そう言いながらエジタスは、右手の親指と中指をくっ付けていた。
「…………ふっ」
鼻で笑うと、嫌みを込めて指をパチンと鳴らした。そして瞬く間に、その場から姿を消した。
「時間を掛け過ぎですよ……」
気がつくと、エジタスは足を組んで玉座に座っていた。強者として余裕な態度を醸し出しながら、空中を飛んで行く真緒とサタニアを眺めていた。
「そんな……間に合わなかった……皆……ごめん……」
「まだ……諦めちゃ駄目だよ!!」
諦めそうになる真緒に対して、サタニアはまだ諦めていなかった。
「今なら転移直後、更には玉座に座っているから避ける事は不可能。僕がマオをスキルで飛ばす……止めは任せたよ」
「そ、そんな……私よりもサタニアの方が……「君しかいないんだ!!」……えっ?」
「……僕はエジタスの攻撃をまともに食らって……上手く動く事が出来ない……もう君しかいないんだ!!このチャンスを逃したら、二度とエジタスを救う事は出来なくなる!!」
「サタニア…………」
「弟子である君が……師匠であるエジタスに引導を渡してくれ……」
「…………分かりました」
すると真緒は、サタニアに背を向ける。そしてサタニアは、真緒目掛けてスキルを放つ準備をする。
「行くよ……僕の想い……君に託したよ……」
「はい!!!」
「スキル“ブラックアウト”!!!」
「!!!」
サタニアの想いが乗った渾身の一撃、真緒を瀕死に追い込む程の一撃、意識が遠退くのを耐えながら、真緒は玉座に座っているエジタス目掛けて飛んで行く。
「な、何!!?」
エジタスは呆気に取られた。ハナコの一撃とリーマの一撃、ここまではエジタスも読んでいた。しかしまさか、ここでサタニアの一撃を加えるとは想像もしていなかった。仮に加えたとしても、真緒のHPが持たずに死に絶える。そう考えていた。
「正気ですか!!?」
しかし、実際真緒は生き残った。三人からの一撃を受けながらも、ギリギリのところで踏み留まり、エジタスに捨て身の攻撃を仕掛ける。
「これで……本当に最後です!!師匠!!」
「こんな……馬鹿な……!!」
「スキル“ロストブレイク”!!」
「“私”が負ける!?そんな……止めろ……止めろぉおおおおおおお!!!」
真緒とサタニア。二人の想いが乗った渾身の一撃が、エジタスの顔面に叩き付けられる。その衝撃でお互いが、後方へと吹き飛ばされる。
「マオ!!大丈夫か!?」
「あ……フォルスさん……ありがとう……ございます……」
吹き飛ばされた真緒を、フォルスが受け止める。フォルスが安否を心配すると、辛うじて生きていた。
「マオ!!大丈夫!?」
「マオぢゃん!!」
「マオさん!!」
「サタニア……それに……皆も……」
フォルスに抱き抱えられながら、その周りに仲間達が集まって来る。
「やったわね……マオ」
「アーメイデさん……私だけの力じゃありません……皆のお陰です……」
「……そうだね……皆のお陰だね……」
「そうだ!!肝心のエジタスはどうなったんだ!?」
全員が玉座に顔を向ける。玉座は、エジタスが吹き飛ばされた影響でボロボロに崩れていた。すると、その瓦礫の中からエジタスが這い出て来た。
「おいおい……マジかよ……」
「あれだけの攻撃を食らって……まだ立てるのか……」
「…………とんでもない事をしでかしましたね…………皆さん」
「「!!!」」
その時、エジタスの明確な変化に、その場にいる全員が驚きの表情を浮かべた。エジタスがいつも付けている仮面に、大きなひびが入っていたのだ。
「あなた方は……取り返しのつかない事をした……引いてはいけない引き金を引いたんだ…………」
仮面に入った大きなひびは、次第に広がりそして遂に真っ二つに割れて落ちたのだった。
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