笑顔の絶えない世界~道楽の道化師の軌跡~

マーキ・ヘイト

文字の大きさ
274 / 300
最終章 笑顔の絶えない世界

希望の光が灯される

しおりを挟む
 「“ス、スキル無効”!?そんなの聞いた事が無い!!」



 「俺は骨肉魔法を扱える。だが、それはあくまで魔法に限った話、スキルにおいて俺は“スキル無効”を扱う事が出来るのさ」



 真緒が放った渾身のスキルは、エジタスのスキル無効によって防がれてしまった。



 「……コウスケの“物理無効”……魔王サタニアの“魔法無効”……そして、エジタスの“スキル無効”……こんな……こんな偶然が本当にあり得ると言うの!?」



 出来過ぎている。この世界に存在する全ての攻撃方法を無効化出来るなど、あまりにも都合が良すぎる。



 「お前のポーションと同じさ、アーメイデ。お前が二千年間、魔法の研究に着手していた間、俺はこの世界を笑顔の絶えない世界にしようと、ずっと裏で暗躍し続けた。それぞれの王冠の場所、王国での手回し、時間稼ぎ用の部下集め、そして万が一計画が妨害された時の為に、力を蓄えて来た。その集大成がこの姿さ!!見ろ!!この化け物の姿を!!恐怖し、絶望するがいい!!」



 エジタスが大きく両腕を広げると、それに合わせてコウスケは左、魔王サタニアは右、それぞれの腕を同様に広げた。



 「……そして今現在、計画は妨害された……ワールドクラウンが六つに分かれるのだったら……まだ許す事が出来た……再び長い時間を掛けて、集め直せば良い話だからな……だが、あろう事かワールドクラウンは、砕け散ってしまった……もう、ワールドクラウンはこの世に存在しない……もう世界を、笑顔の絶えない世界にする事が出来ない……これも全て……お前らのせいだぁああああああああああああああああああ!!!」



 「!!!」



 するとエジタスは、怒りの叫び声を上げて自身の右腕を巨大化させる。そして、目の前にいる真緒目掛けて巨大化した右腕を叩き込んだ。真緒は咄嗟の判断で、持っていた純白の剣を盾にした。



 「うっ……うぅ……!!」



 「何故平和を望まない!?何故幸せを望まない!?何故笑顔になる事を望まないんだぁあああああああああ!!!」



 剣を盾にした真緒に、エジタスは自身の左腕も巨大化させる。そして何度も何度も剣を盾にしている真緒目掛けて、巨大化した拳を叩き込んだ。凄まじい衝撃が、剣を伝って響いて来る。



 「ぐぅ……きゃあああああ!!!」



 「マオぢゃん!!」



 「マオさん!!」



 「マオ!!」



 「「「くっ……!!!」」」



 巨大化した拳に何度も叩かれ、衝撃に耐えられなくなった真緒は、勢い良く後方へと吹き飛ばされた。そんな吹き飛ばされてしまった真緒をハナコ、リーマ、フォルスの三人が受け止めてくれたお陰で、大した怪我はしなかった。



 「あ、ありがとう……皆……」



 「気にするな……だがなマオ、一人で突っ走るな。お前の気持ちも分かるが、俺達だってエジタスさんを止めたいんだ」



 「そうですよマオさん。私達皆で、エジタスさんを止めましょう」



 「オラ達が力を合わぜれば、今まで敵わない敵はいながっだだぁ」



 「皆……そうだね……私は一人で戦っている訳じゃない……皆で力を合わせて、師匠を止めましょう!!」



 「“フレイムバースト”」



 「「「「!!?」」」」



 決意を新たに、四人が結束を固めていると、エジタスの左側から生えているコウスケが腕を突き出し、掌から炎の玉を生成して真緒達目掛けて放った。



 「ウォオオオオオ!!!」



 するとゴルガが、飛んで来る火の玉から真緒達を身を呈して守った。当たった瞬間、火の玉は弾けて広範囲に広がる。しかし、ゴルガが身を呈して守ったお陰で真緒達には届かなかった。



 「ゴ、ゴルガさん!?」



 「ヨソミスルナ!!」



 「ゴルガの言う通りだ。仲が良いのは結構だけど、気を緩めるな。相手は“あの”エジタスだぞ」



 「シーラ……そうだったな、少しでも気を休めた俺が悪かった。ここからが正念場だ!!」



 シーラに喝を入れられ、真緒達はエジタスの方へと顔を向けた。



 「はぁ……“友情”……実にくだらない……この世で最もくだらない物の一つだ。“愛”、“友情”、“信頼”、何の意味も無い。これら全ては幻想だ」



 「それは違うわよエジタスちゃん」



 エジタスが、声のした方向に顔を向けると、そこにはアルシアが両刀を構えながら、ゆっくり歩いて来ていた。



 「確かに、愛や友情や信頼は目に見えない。争いが絶えない今の世界を考えれば、幻想と言えるかもしれない。でもね、目に見えないだけでちゃんと皆の心の中に存在しているのよ。かつてあたしは、自分が何者か全く分からなかった。だけど、魔王ちゃんが名前を与えてくれたお陰であたしの人生は、意味のある人生へと変わった。その時はっきりと分かった……正直、言葉事態に意味なんかは無い。大事なのは、その言葉をどこまで信じられるか。目に見えない物を信じる事が、意味のある物へと繋がる。エジタスちゃんは、愛や友情や信頼を幻想だと言うけれど、単に信じきれていないからじゃないの?」



 「…………」



 アルシアの言葉に対して、エジタスは俯き黙り込んでしまった。アルシアはゆっくりとエジタスの元へ歩み寄る。



 「まずは、信じる事から始めて見ない?信じる事で、新しい景色が見えてくるかもしれないわ」



 「…………二千年……」



 「…………えっ?」



 「二千年の間……多くの生と死を見届けて来た……中には裏切りや、大いなる愛によって命を落とす者もいた。それらを見届ける中、時折考えた。信じて見ても良いかなって……」



 「それじゃあ……「だが」……?」



 「それと同時に、こんな世界で信じて見た所で、裏切られる可能性が無くなる訳では無い。考えれば考える程に不安が募る。そして導き出した答え。不安分子を全て取り除いた世界、笑顔の絶えない世界になってから信じてみようと。だからこそ、その機会を潰したお前達を…………」



 「!!!」



 雰囲気が変わった。今まで俯いていたエジタスが顔を上げる。それに対応する様に、アルシアはエジタスの元へと駆け寄る。そして両刀を構えた。



 「スキル“大炎熱地獄”!!」



 説得失敗。穏便に止めるのを止め、強引な手段でエジタスを止める事にしたアルシアは、エジタス目掛けてスキルを放った。



 「……スキル“スキル無効”」



 「っ!!!やっぱり駄目な様ね!!」



 しかし、アルシアのスキルはエジタスのスキル無効によって防がれてしまった。



 「アルシア!!一旦、戻って来て!!」



 「そうさせて貰うわ!!」



 サタニアの助言に、アルシアは素直に従い、後方へと跳躍してエジタスから距離を取った。



 「ごめんなさい。何とか平和的な解決をしようと試みたんだけど……思った以上に、エジタスちゃんの心には根が張っているみたい……」



 「エジタスを止めるには、どうにかして勝たないといけない訳だね」



 「で、でもどうするんですか!?見た通り、全ての攻撃を無効化されてしまうんですよ!?そんな無敵の相手に、いったいどうやって勝つと言うんですか!?」



 「そ、それは…………」



 物理、魔法、スキル。徹底したエジタスの無効化に、一同は言葉が詰まってしまった。



 「……方法が……無い訳じゃ無いわ………」



 「ほ、本当ですか!?」



 そんな中、アーメイデが静かに口を開いた。皆の視線が、アーメイデに注がれる。



 「弱点があるとすれば、それはエジタスのスキル“スキル無効”」



 「どう言う事ですか?」



 「スキル無効は、文字通りありとあらゆるスキルを無効にする事が出来る。ここで問題なのが、コウスケの“物理無効”やサタニア一世の“魔法無効”、どちらもスキルのカテゴリーに分類されている。つまり、エジタスがスキル無効を発動している間は、他のスキルである無効を発動する事が出来ない……」

 「「「「「「「「!!」」」」」」」」



 目から鱗。アーメイデの話は筋が通っていた。もし、その可能性が当たっていれば、勝つ事も夢では無い。全員の心に、希望の光が灯される。



 「試して見る価値はあるんじゃない?」



 「そうだな、問題は誰がスキルをぶつけるか……」



 「私がやるよ」



 「…………マオ」



 エジタスに、攻撃を無効化される担当を真緒が名乗り出た。



 「いいのか?お前の手で、エジタスの奴を止めるんじゃなかったのか?」



 「……最初は、そのつもりでした。だけど、分かったんです。大事なのは、私が師匠を止める事じゃない……また師匠と一緒に旅を続ける事です!!目先の願いより、後先の願いの方が大切ですから!!」



 「マオ……僕もやるよ」



 「サタニア!?」



 真緒の言葉に、サタニアも一緒に行くと名乗り出た。



 「マオの言う通りだ。僕はエジタスを止めたいという、目先の願いに囚われていた。でも、今のマオの言葉でハッキリした。僕も後先の願いの方が大切だ!!僕はエジタスと一緒に、この魔王城で毎日楽しく過ごしたい!!」



 「サタニア……行こう!!一緒に!!」



 「うん!!」



 「決まったな……それじゃあ、残りの者は物理と魔法担当という事で……いいな!!」



 「「「「「おぉ!!!」」」」」



 作戦は決まった。一同は、残された最後の希望を胸に、エジタスに戦いを挑むのであった。



 「「うぉおおおおお!!!」」



 先方。真緒とサタニアの二人が、エジタス目掛けて走り出した。



 「作戦会議は終わったか?まぁ、何をしようとも無駄だがな」



 その瞬間、エジタスの右側から生えている魔王サタニアが、虚ろな目で走って来る二人を見つめながら、右手を突き出した。



 「…………“ダーク・ファンタジア”」



 「「!!?」」



 魔王サタニアが魔法を唱えると、二人を囲う様に無数の黒い玉が生成された。黒い玉は、まるで踊っているかの様に二人を中心に、上下に揺れながら回り始めた。更に無数の黒い玉は、二人を覆い隠す様に包み込み始めた。最終的に、無数の黒い玉はドーム状の檻を作り出した。



 「こ、これって!?」



 「僕の……“ブラック・ファンタジア”の上位互換…………!?」



 「当たり前だ……こっちは一世、そっちは三世……力の差は歴然だ」



 真緒とサタニアの二人は、無数の黒い玉が作り出したドーム状の檻によって、動きを封じられてしまった。



 「何を企んでいたのか……まぁ、こうなってしまえば、知らなくても大丈夫そうだな……それじゃあ、死んで貰おうか」



 「そ、そんな…………」



 「ここまでか……」



 「“三連弓”!!」



 「「「!!?」」」



 その時、何処からともなく三本の矢が連続して飛んで来た。飛んで来た三本の矢は、無数の黒い玉の一つに当たると、跡形も無く消滅した。



 「フォルスさん!!」



 「二人供、行け!!ここは俺に任せろ!!」



 「ありがとうございます!!行こう、サタニア!!」



 「うん!!」



 フォルスは外側から、黒い玉目掛けて矢を放つ。矢が当たる事によって、黒い玉が次々と消滅していく。いくつもの黒い玉が消滅した事で、隙間が生まれた。その隙間を通って、真緒とサタニアはエジタスの元へと走り出した。



 「出来損ないの小鳥が……余計な事をしてるんじゃねぇよ!!」



 エジタスが大声を上げると、残っている黒い玉が全てフォルス目掛けて襲い掛かって来た。



 「おぉっと、急降下!!」



 対してフォルスは、急降下する事で飛んで来た黒い玉を華麗に避けた。



 「危ない危ない。エジタスさん、俺ばかりに注意を向けていたら駄目ですよ」



 「…………っ!!」



 「「はぁああああああ!!!」」



 視線を下ろすと、いつの間にか真緒とサタニアの二人が、近くまで走って来ていた。エジタスは軽い舌打ちをすると、自身の両腕を突き出して、迫り来る真緒とサタニアに向けて掌を向けた。



 「はぁあああああ!!!スキル“ロストブレイク”!!」



 「はぁあああああ!!!スキル“ブラックアウト”!!」



 「無駄だと言うのが、分からないのか!!スキル“スキル無効”!!」



 その瞬間、エジタスの体は半透明な膜に覆われた。そして作戦通り、真緒とサタニアのスキルは防がれた。



 「これで分かっただろう……どんな攻撃をしようと……「「今だ!!」」……何!?」



 真緒とサタニアの掛け声を合図に、両端からハナコ、リーマ、ゴルガ、シーラ、アルシアの五人が飛び出して来た。



 「どりゃあああああ!!!」



 「“ウォーターキャノン”!!!」



 「ウォオオオオオ!!!」



 「食らえぇえええええ!!!」



 「おんどりゃあああああ!!!」



 物理と魔法。それぞれの攻撃が、両端からエジタス目掛けて襲い掛かる。



 「「行けぇえええええ!!!」」



 「そう言う事か……俺が“スキル無効”を発動している間、他の無効化であるスキルは発動出来ない……見事だ」



 歓喜。無敵と思われた無効化の穴を突き、エジタスに見事と言わせた。その場にいる全員が勝利を確信した。



 「……よし、普通に避けるか」



 「「…………えっ?」」



 その瞬間、エジタスの姿が消えた。



 「き、消えた……?」



 「違う!!皆、上だ!!」



 空中にいるフォルスが大声を上げる。その声に従い、全員が見上げるとそこにはエジタスが跳んでいた。



 「そ、そんな!?」



 「ここから、あの空中まで移動したというのか!?」



 「お前達は、大事な事を見落としている……俺の“構築”は、その者が生前覚えていたステータス、魔法、スキルを共有する事が出来る……そうつまり、今の俺は初代勇者であるサイトウコウスケと、サタニア・クラウン・ヘラトス一世のステータス……計三人分のステータスを保有しているんだよ!!」



 「そんな……それじゃあ……例え無効化の穴を突いたとしても……」



 「規格外のステータスの差で……全て避けられてしまう……」



 絶望。灯った希望の光は、意図も簡単に掻き消されてしまった。これにより、多くの者の心はポッキリと折れてしまうのであった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】 ・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー! 十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。 そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。 その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。 さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。 柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。 しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。 人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。 そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...