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第五章 冒険編 幸運の巣窟
65万分の1
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「イ、イカサマ!? 何の事ですか!?」
「惚けるな!! ポーカーのルールもろくに知らない小娘がいきなり一発でロイヤルストレートフラッシュを叩き出せる訳が無いだろう!!」
「た、確かに……ロイヤルストレートフラッシュの確率は65万分の1と言われている。それをいきなり叩き出すなんて、イカサマとしか考えられない……」
「そ、そんな!!?」
「残念だよ。君みたいな女の子がイカサマを使うだなんて……」
「違います!! 私やっていません!! 信じて下さい!!」
「往生際が悪いぞ!! ギャブラー、今すぐ警備員を呼んでこのイカサマ女を牢獄に連行するんだ!!」
「そんな……私また疑われるの……」
真緒が追い詰められているその時、VIPルームの扉が勢い良く開かれる。
「マオ!! ここにいたのか!!」
「マオさん!! 大丈夫ですか!!?」
「マオぢゃん!! 見で欲じいだぁ!! オラ、ごんなに儲がっだんだぁ!!」
小太りの男性の大声を聞き付け、仲間達がVIPルームに駆け込んで来る。真緒の安否を心配するフォルスとリーマ。そして満面の笑みを浮かべ、専用の金貨が詰まった袋を抱えたハナコ。
「皆!!」
「な、何だお前らは!!?」
「俺達はマオの仲間だ!! お前らこそ何者だ!! もし、マオに何かしたって言うのなら俺はお前らを全力で叩き潰す!!」
「「「…………」」」
「「「「…………」」」」
一触即発の空気。一同が睨み合う中、何処から途も無く両手を叩く音が響き渡る。
「はいはい、そこまで。オーロカジノで揉め事は起こさないでよ」
「……お前は?」
「フォルスさん……あの人がオーロカジノの総支配人ギャブラーらしいです」
「な、何!?」
「どもー、ギャブラーです!! 見た感じ、あなた達もエジタスから受け取ったこのロストマジックアイテムが欲しい様だね」
ギャブラーは自己紹介をしながら、錆びたコインをフォルス達に見せ付ける。そして親指で弾き、右手の甲に落とすと左手で素早く隠す。
「うーん……裏!!」
隠していた左手を外す。コインの表示は“裏”、見事言い当てた。
「うんうん、今日も絶好調」
「そんなのどうでも良い!! 今重要なのはあの小娘がイカサマしたって事だけだ!!」
「真緒がイカサマ……?」
「私からご説明しましょう」
状況が上手く飲み込めないフォルス達を気遣い、巻き髭の男性がこれまでの経緯を説明する。
「確かに……偶然にしては出来過ぎている……」
「だろ? だったら……「だが」……あ?」
「俺はマオがイカサマする様な奴じゃないと信じている」
「フォルスさん……」
事情を聞いても真緒の無実を信じるフォルス。
「私もマオさんがイカサマするなんて思っていません。マオさんはいつだって正々堂々としています」
「リーマ……」
長年付き添って来た仲間だからこそ、真緒の性格を知っている。
「ぞれにマオぢゃんにイガザマ出来る程の技術は無いだぁ」
「……確かにそうだけど……何故だろう……凄く心が傷つく……」
不器用である事実を突き付けられ、少し傷つく真緒。善意からの言葉な為、怒るに怒れない。
「……だとしてもこうして現実にロイヤルストレートフラッシュが出ているんだ!! イカサマをしているのは明白じゃないか!!」
「証拠は?」
「何?」
「マオがイカサマをしているという証拠はあるのか?」
「いやだから、一発でロイヤルストレートフラッシュが出るのは可笑しい……」
「それだけじゃ、マオがイカサマしたとは言えないんじゃないのか? 本当に偶々ロイヤルストレートフラッシュが出てしまったという可能性もあるんじゃないのか?」
「……確かにそういう可能性もある……だ、だが!!」
「だが……何だ? 物的証拠でもあるのか?」
「うっ……い、いや……無い」
フォルスの威圧に押され、次第に勢いが無くなる小太りの男性。だんだん歯切れが悪くなってきた。
「そ、そうだ身体検査だ!! きっと体の何処かにカードを隠しているに違いない!!」
「……成る程、それなら望み通り身体検査をしようじゃないか。マオ、問題ないか?」
「はい、私は大丈夫です」
「よ、よしそれじゃあ俺が……「待った」……な、何だ?」
両手をわきわきさせながら真緒に近付く小太りの男性。その行く手をフォルスが食い止める。
「まさかと思うがあんたが検査するつもりか?」
「そうだが? 何か問題でも?」
「大アリだ。仮に身体検査と言っても男性と女性、自分の体を他人に触らせるのは社会的に問題がある。それにお前の場合、一方的にマオをイカサマ扱いしている。イカサマしていなくてもしている様にでっち上げるかもしれない」
「それじゃあいったい誰がやるって言うんだ? 言っておくがお前らが検査するのは禁止だ。仲間だからわざと見逃す可能性がある」
すると二人の間に、ギャブラーが割って入って来た。その隣には案内人であるバニースーツを着た女性が立っていた。
「そう言うと思って連れて来ましたよ。彼女ならカジノの案内人として中立の立場として調べてくれる筈です」
「……まぁ、それなら任せる………」
「俺も賛成だ」
「では、よろしくお願いしますね」
「はい、分かりました」
二人の許可を手に入れたギャブラーは、案内人に指示を出す。案内人は真緒の側まで歩み寄る。
「それではマオさん、これから身体検査を始めるので別の部屋に移動しましょうか」
「あっ、はい分かりました」
真緒は案内人に連れられ、部屋を後にする。
「リーマ。念の為、付き添ってくれるか? もしあの案内人が敵とグルだった場合、濡れ衣を着せられるかもしれない」
「分かりました」
リーマを付き添わせようとするフォルスの動きに、小太りの男性が噛みつく。
「おい!! それならこっちも付き添いを出しても構わないよな?」
「あぁ、構わない」
「よし、お前が付き添え!!」
小太りの男性は、若い男性の肩に手を置いて付き添う様に命令した。
「えぇ!? 僕がですか?」
「そうだ、何か文句あるのか?」
「い、いや……分かりました……いってきます……」
小太りの男性の凄みに押され、若い男性は渋々ながらも真緒の後を追い掛ける。
***
それから数十分後、リーマと若い男性を含めた案内人と真緒が戻って来た。
「それでどうだった?」
「結論から申し上げると……白です。イカサマした類いの証拠は見つかりませんでした」
「良がっだだぁ」
「まぁ、当然の結果だな……さて、まだ何か申し出があるか?」
イカサマをしていないという結果に安堵するフォルス達。対して小太りの男性は歯軋りを立てながら、真緒とフォルスを睨み付けていた。
「……ほ、他の仲間に手渡した……」
「往生際が悪いぞ。俺達はついさっきこの部屋に入ったんだ。手渡す余裕は無かった。目の前の現実を受け入れろ」
「ぐぐっ……」
眉間にシワを寄せ、青筋を立てる。怒りで熱が上がったのか、額からは大量の汗が流れ出ている。そんな小太りの男性の様子に、ギャブラーが鼻で笑う。
「無様だな」
「!!!」
最早真緒のイカサマ問題はどうでも良くなっていた。只、自身がイカサマだと断言してしまった以上、それを認めさせないと面子が台無しになってしまう。しかしギャブラーに無様と言われた時点で既に面子は台無しになっている事に気が付いてしまった。
「……っ!!」
小太りの男性は何も言わず、その場から足早に去って行く。
「あっ、ちょ、待ってくれよ!!」
その後を慌てて追い掛ける若い男性。そして巻き髭の男性は真緒達に一度頭を下げると、そのまま若い男性と一緒に小太りの男性を追い掛ける様に部屋を後にした。
「「「「…………」」」」
まるで嵐が過ぎ去ったかの様な静けさが流れる。真緒達が呆気に取られていると、ギャブラーが声を掛けて来る。
「さて、邪魔者もいなくなった事だし、始めようか?」
「始める?」
「勿論、このロストマジックを賭けたギャンブルだよ」
「「「「!!!」」」」
真緒達に休息は与えられ無かった。
「惚けるな!! ポーカーのルールもろくに知らない小娘がいきなり一発でロイヤルストレートフラッシュを叩き出せる訳が無いだろう!!」
「た、確かに……ロイヤルストレートフラッシュの確率は65万分の1と言われている。それをいきなり叩き出すなんて、イカサマとしか考えられない……」
「そ、そんな!!?」
「残念だよ。君みたいな女の子がイカサマを使うだなんて……」
「違います!! 私やっていません!! 信じて下さい!!」
「往生際が悪いぞ!! ギャブラー、今すぐ警備員を呼んでこのイカサマ女を牢獄に連行するんだ!!」
「そんな……私また疑われるの……」
真緒が追い詰められているその時、VIPルームの扉が勢い良く開かれる。
「マオ!! ここにいたのか!!」
「マオさん!! 大丈夫ですか!!?」
「マオぢゃん!! 見で欲じいだぁ!! オラ、ごんなに儲がっだんだぁ!!」
小太りの男性の大声を聞き付け、仲間達がVIPルームに駆け込んで来る。真緒の安否を心配するフォルスとリーマ。そして満面の笑みを浮かべ、専用の金貨が詰まった袋を抱えたハナコ。
「皆!!」
「な、何だお前らは!!?」
「俺達はマオの仲間だ!! お前らこそ何者だ!! もし、マオに何かしたって言うのなら俺はお前らを全力で叩き潰す!!」
「「「…………」」」
「「「「…………」」」」
一触即発の空気。一同が睨み合う中、何処から途も無く両手を叩く音が響き渡る。
「はいはい、そこまで。オーロカジノで揉め事は起こさないでよ」
「……お前は?」
「フォルスさん……あの人がオーロカジノの総支配人ギャブラーらしいです」
「な、何!?」
「どもー、ギャブラーです!! 見た感じ、あなた達もエジタスから受け取ったこのロストマジックアイテムが欲しい様だね」
ギャブラーは自己紹介をしながら、錆びたコインをフォルス達に見せ付ける。そして親指で弾き、右手の甲に落とすと左手で素早く隠す。
「うーん……裏!!」
隠していた左手を外す。コインの表示は“裏”、見事言い当てた。
「うんうん、今日も絶好調」
「そんなのどうでも良い!! 今重要なのはあの小娘がイカサマしたって事だけだ!!」
「真緒がイカサマ……?」
「私からご説明しましょう」
状況が上手く飲み込めないフォルス達を気遣い、巻き髭の男性がこれまでの経緯を説明する。
「確かに……偶然にしては出来過ぎている……」
「だろ? だったら……「だが」……あ?」
「俺はマオがイカサマする様な奴じゃないと信じている」
「フォルスさん……」
事情を聞いても真緒の無実を信じるフォルス。
「私もマオさんがイカサマするなんて思っていません。マオさんはいつだって正々堂々としています」
「リーマ……」
長年付き添って来た仲間だからこそ、真緒の性格を知っている。
「ぞれにマオぢゃんにイガザマ出来る程の技術は無いだぁ」
「……確かにそうだけど……何故だろう……凄く心が傷つく……」
不器用である事実を突き付けられ、少し傷つく真緒。善意からの言葉な為、怒るに怒れない。
「……だとしてもこうして現実にロイヤルストレートフラッシュが出ているんだ!! イカサマをしているのは明白じゃないか!!」
「証拠は?」
「何?」
「マオがイカサマをしているという証拠はあるのか?」
「いやだから、一発でロイヤルストレートフラッシュが出るのは可笑しい……」
「それだけじゃ、マオがイカサマしたとは言えないんじゃないのか? 本当に偶々ロイヤルストレートフラッシュが出てしまったという可能性もあるんじゃないのか?」
「……確かにそういう可能性もある……だ、だが!!」
「だが……何だ? 物的証拠でもあるのか?」
「うっ……い、いや……無い」
フォルスの威圧に押され、次第に勢いが無くなる小太りの男性。だんだん歯切れが悪くなってきた。
「そ、そうだ身体検査だ!! きっと体の何処かにカードを隠しているに違いない!!」
「……成る程、それなら望み通り身体検査をしようじゃないか。マオ、問題ないか?」
「はい、私は大丈夫です」
「よ、よしそれじゃあ俺が……「待った」……な、何だ?」
両手をわきわきさせながら真緒に近付く小太りの男性。その行く手をフォルスが食い止める。
「まさかと思うがあんたが検査するつもりか?」
「そうだが? 何か問題でも?」
「大アリだ。仮に身体検査と言っても男性と女性、自分の体を他人に触らせるのは社会的に問題がある。それにお前の場合、一方的にマオをイカサマ扱いしている。イカサマしていなくてもしている様にでっち上げるかもしれない」
「それじゃあいったい誰がやるって言うんだ? 言っておくがお前らが検査するのは禁止だ。仲間だからわざと見逃す可能性がある」
すると二人の間に、ギャブラーが割って入って来た。その隣には案内人であるバニースーツを着た女性が立っていた。
「そう言うと思って連れて来ましたよ。彼女ならカジノの案内人として中立の立場として調べてくれる筈です」
「……まぁ、それなら任せる………」
「俺も賛成だ」
「では、よろしくお願いしますね」
「はい、分かりました」
二人の許可を手に入れたギャブラーは、案内人に指示を出す。案内人は真緒の側まで歩み寄る。
「それではマオさん、これから身体検査を始めるので別の部屋に移動しましょうか」
「あっ、はい分かりました」
真緒は案内人に連れられ、部屋を後にする。
「リーマ。念の為、付き添ってくれるか? もしあの案内人が敵とグルだった場合、濡れ衣を着せられるかもしれない」
「分かりました」
リーマを付き添わせようとするフォルスの動きに、小太りの男性が噛みつく。
「おい!! それならこっちも付き添いを出しても構わないよな?」
「あぁ、構わない」
「よし、お前が付き添え!!」
小太りの男性は、若い男性の肩に手を置いて付き添う様に命令した。
「えぇ!? 僕がですか?」
「そうだ、何か文句あるのか?」
「い、いや……分かりました……いってきます……」
小太りの男性の凄みに押され、若い男性は渋々ながらも真緒の後を追い掛ける。
***
それから数十分後、リーマと若い男性を含めた案内人と真緒が戻って来た。
「それでどうだった?」
「結論から申し上げると……白です。イカサマした類いの証拠は見つかりませんでした」
「良がっだだぁ」
「まぁ、当然の結果だな……さて、まだ何か申し出があるか?」
イカサマをしていないという結果に安堵するフォルス達。対して小太りの男性は歯軋りを立てながら、真緒とフォルスを睨み付けていた。
「……ほ、他の仲間に手渡した……」
「往生際が悪いぞ。俺達はついさっきこの部屋に入ったんだ。手渡す余裕は無かった。目の前の現実を受け入れろ」
「ぐぐっ……」
眉間にシワを寄せ、青筋を立てる。怒りで熱が上がったのか、額からは大量の汗が流れ出ている。そんな小太りの男性の様子に、ギャブラーが鼻で笑う。
「無様だな」
「!!!」
最早真緒のイカサマ問題はどうでも良くなっていた。只、自身がイカサマだと断言してしまった以上、それを認めさせないと面子が台無しになってしまう。しかしギャブラーに無様と言われた時点で既に面子は台無しになっている事に気が付いてしまった。
「……っ!!」
小太りの男性は何も言わず、その場から足早に去って行く。
「あっ、ちょ、待ってくれよ!!」
その後を慌てて追い掛ける若い男性。そして巻き髭の男性は真緒達に一度頭を下げると、そのまま若い男性と一緒に小太りの男性を追い掛ける様に部屋を後にした。
「「「「…………」」」」
まるで嵐が過ぎ去ったかの様な静けさが流れる。真緒達が呆気に取られていると、ギャブラーが声を掛けて来る。
「さて、邪魔者もいなくなった事だし、始めようか?」
「始める?」
「勿論、このロストマジックを賭けたギャンブルだよ」
「「「「!!!」」」」
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専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
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