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第十章 冒険編 反撃の狼煙
違和感
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「スキル“ロストブレイク”!!」
「おおっと~」
真緒から放たれる強烈な一撃をエジタスは華麗に避ける。二人は二階へと続く階段の丁度中心で戦っていた。
「スキル“明鏡止水”」
「おっと、危ない危ない」
相手の動きを封じ、静かに剣を入れる“明鏡止水”だが、エジタスは体が動かなくなるより前に避けて見せ、不発に終わらせた。
「くっ……」
「甘いですね~、その程度では私を倒す事は出来ませんよ~」
「随分と余裕ですね。まさか、転移魔法を使わないで勝つつもりですか? それはちょっとあまりにも嘗め過ぎですよ」
するとエジタスは顎に右手の親指と人差し指を当て、わざとらしく首を傾げて見せる。
「う~ん、そんなつもりは無いんですけどね~。マオさんが思った以上に弱いので、このままではもしかしたら使わずに終わってしまうかもしれませんね~」
「そうですか……でもそんな考え、すぐに抱かなくなりますよ……」
「?」
「スキル“鋼鉄化(腕)”!!」
「!!?」
その瞬間、背後から両腕を鋼鉄に変化させたハナコが襲い掛かって来た。が、エジタスは間一髪の所でそれを避けた。
「惜しい!!」
「ふふふっ……成る程成る程、一人だけでは弱くても、仲間の力を合わせれば私を倒せると……そう言う訳ですか~? 何とも浅はかですね~」
真緒の考えを読み取ったエジタスは、得意気な雰囲気で分かりやすい挑発を真緒達に告げる。その時、死角からリーマがエジタス目掛けて魔法を放とうとしていた。
「“フレイムジャイアント”!!」
「!!?」
リーマが魔法を唱えると、エジタスの背後にメラメラと燃え上がる炎の巨人が姿を現した。巨人から放たれる巨大な拳が、エジタス目掛けて襲い掛かる。
「くっ!!」
堪らずエジタスは転移魔法を使い、その場から瞬く間に姿を消した。そして次の瞬間、リーマの背後に姿を現した。
「後ろが、がら空きですよ~!!」
そう言いながらエジタスは、リーマの首筋目掛けてナイフを振り下ろそうとする。しかしリーマはこちらを振り返ろうとしない。それに若干の違和感を覚えながらも、エジタスは構わず攻撃を仕掛けた。
「皆さん、今です!!」
「「「「はぁああああ!!!」」」」
「!!?」
リーマを背後から襲い掛かろうとするエジタスに対して、クロウトが仲間達に合図を送る。それにより、数十人が武器を構えながらエジタス目掛けて攻撃を仕掛ける。
このままでは例えリーマを殺す事が出来たとしても、代わりに自分が殺されてしまう。しかもこんな寄せ集めの連中に。それだけは許されないと考え、エジタスは再び転移魔法を唱え、その場から姿を消した。そして次に姿を現したのは、階段の上だった。
「全く……死体に群がるハエの様に鬱陶しい人達ですね~。いくらあなた達が力を合わせようとも、私には指一本触れられませんよ~」
「一年前だったら、そうかもしれませんね」
「!!?」
エジタスは自身の目を疑った。何故なら転移した先の目の前には、真緒が剣を持って待ち構えていたのだ。
「そんな!?」
「スキル“乱激斬”!!」
咄嗟に転移魔法を使おうとするが、それよりも早く真緒のスキルがエジタスに直撃する。無数の斬撃がエジタスの皮膚を斬り裂いて行く。
「がはぁ!!!」
エジタスは痛みに堪えながら何とか転移魔法を使い、その場から姿を消した。そして背後を取られない様にする為か、メインホールの角を背に姿を現した。
「くっ……いやいや、成長しましたね~。一年前は防戦一方だったのに、今や反撃を意図も簡単に繰り出すんですから、驚きですよ~」
流れ出る血を押さえながら、強がるエジタス。仮面を被っている為、分かりづらいが、確実にダメージを負っている事が見て取れる。
「そんな余裕をかましている暇があるんですか? 早く“骨肉魔法”でも何でも使わないと、負けてしまいますよ」
「言うじゃないですか~、マオさん。どうやらこの一年で煽りスキルまで上達したみたいですね~。それもこれも師匠の教えが良かったからですね~」
「(やっぱりおかしい……)」
ここまでの流れで、真緒はエジタスに対して言い知れぬ違和感を感じていた。
「(明らかに弱くなってる。一年前よりもずっと……私が強くなった? いや、それにしても歯応えが無さ過ぎる。それに、村で再会した時と何かが違う気がする。何か足りない……そんな気がする)」
それまでずっと脅威に感じていた筈の存在だが、実際に戦って見るとそうでも無かった事に、少し落胆している自分がいた。
「(……って、今はそんな事を考えている場合じゃない!! せっかくあのエジタスを倒せる絶好の機会!! これを逃す手は無い!!)ここで倒して、これまでの戦いに決着を付ける!!」
気持ちを切り替え、真緒、ハナコ、リーマ、クロウト、そして数百人の仲間達が一斉に武器を構える。対してエジタスは、掌を上に上げて、やれやれというポーズを取る。
「せっかちですね~。ここからが面白いというのに~」
「どう言う意味ですか?」
「ここまでのは只の前座、これから始まる本番に耐えられるかどうかのデモンストレーションという事ですよ~」
するとエジタスは、右手を上げて親指と中指を合わせる。
「不味い!! 何かするつもりですよ!!」
「させません!!」
一番近くにいたクロウトが、止めようと走り出すが、時既に遅し。エジタスは指をパチンと鳴らした。
「“クリエイトメイズ”」
その瞬間、屋敷全体が大きく揺れ始めた。それは真緒達が立っていられない程の大きな揺れだった。
「い、いったい何をしたんですか!?」
「何って、一年前と同じですよ~。魔王城を新魔王城に改築した時と同じですよ~」
「ま、まさか!?」
「さてさてそれでは皆さんには一度、外に出て行って貰いましょうか~」
そう言い終わるとエジタスは、右手を真緒達に向けて突き出し、先程と同じ様に親指と中指を合わせる。
そして真緒達が、何かを喋るよりも前に指をパチンと鳴らした。その瞬間、真緒達はメインホールから姿を消した。
「……これで下準備は完了……ですが、ちょっと遊び過ぎましたかね~」
そうしてエジタスは斬られた傷を押さえながら、転移でその場から姿を消した。そしてその間にも、屋敷の空間は歪んで行くのであった。
「おおっと~」
真緒から放たれる強烈な一撃をエジタスは華麗に避ける。二人は二階へと続く階段の丁度中心で戦っていた。
「スキル“明鏡止水”」
「おっと、危ない危ない」
相手の動きを封じ、静かに剣を入れる“明鏡止水”だが、エジタスは体が動かなくなるより前に避けて見せ、不発に終わらせた。
「くっ……」
「甘いですね~、その程度では私を倒す事は出来ませんよ~」
「随分と余裕ですね。まさか、転移魔法を使わないで勝つつもりですか? それはちょっとあまりにも嘗め過ぎですよ」
するとエジタスは顎に右手の親指と人差し指を当て、わざとらしく首を傾げて見せる。
「う~ん、そんなつもりは無いんですけどね~。マオさんが思った以上に弱いので、このままではもしかしたら使わずに終わってしまうかもしれませんね~」
「そうですか……でもそんな考え、すぐに抱かなくなりますよ……」
「?」
「スキル“鋼鉄化(腕)”!!」
「!!?」
その瞬間、背後から両腕を鋼鉄に変化させたハナコが襲い掛かって来た。が、エジタスは間一髪の所でそれを避けた。
「惜しい!!」
「ふふふっ……成る程成る程、一人だけでは弱くても、仲間の力を合わせれば私を倒せると……そう言う訳ですか~? 何とも浅はかですね~」
真緒の考えを読み取ったエジタスは、得意気な雰囲気で分かりやすい挑発を真緒達に告げる。その時、死角からリーマがエジタス目掛けて魔法を放とうとしていた。
「“フレイムジャイアント”!!」
「!!?」
リーマが魔法を唱えると、エジタスの背後にメラメラと燃え上がる炎の巨人が姿を現した。巨人から放たれる巨大な拳が、エジタス目掛けて襲い掛かる。
「くっ!!」
堪らずエジタスは転移魔法を使い、その場から瞬く間に姿を消した。そして次の瞬間、リーマの背後に姿を現した。
「後ろが、がら空きですよ~!!」
そう言いながらエジタスは、リーマの首筋目掛けてナイフを振り下ろそうとする。しかしリーマはこちらを振り返ろうとしない。それに若干の違和感を覚えながらも、エジタスは構わず攻撃を仕掛けた。
「皆さん、今です!!」
「「「「はぁああああ!!!」」」」
「!!?」
リーマを背後から襲い掛かろうとするエジタスに対して、クロウトが仲間達に合図を送る。それにより、数十人が武器を構えながらエジタス目掛けて攻撃を仕掛ける。
このままでは例えリーマを殺す事が出来たとしても、代わりに自分が殺されてしまう。しかもこんな寄せ集めの連中に。それだけは許されないと考え、エジタスは再び転移魔法を唱え、その場から姿を消した。そして次に姿を現したのは、階段の上だった。
「全く……死体に群がるハエの様に鬱陶しい人達ですね~。いくらあなた達が力を合わせようとも、私には指一本触れられませんよ~」
「一年前だったら、そうかもしれませんね」
「!!?」
エジタスは自身の目を疑った。何故なら転移した先の目の前には、真緒が剣を持って待ち構えていたのだ。
「そんな!?」
「スキル“乱激斬”!!」
咄嗟に転移魔法を使おうとするが、それよりも早く真緒のスキルがエジタスに直撃する。無数の斬撃がエジタスの皮膚を斬り裂いて行く。
「がはぁ!!!」
エジタスは痛みに堪えながら何とか転移魔法を使い、その場から姿を消した。そして背後を取られない様にする為か、メインホールの角を背に姿を現した。
「くっ……いやいや、成長しましたね~。一年前は防戦一方だったのに、今や反撃を意図も簡単に繰り出すんですから、驚きですよ~」
流れ出る血を押さえながら、強がるエジタス。仮面を被っている為、分かりづらいが、確実にダメージを負っている事が見て取れる。
「そんな余裕をかましている暇があるんですか? 早く“骨肉魔法”でも何でも使わないと、負けてしまいますよ」
「言うじゃないですか~、マオさん。どうやらこの一年で煽りスキルまで上達したみたいですね~。それもこれも師匠の教えが良かったからですね~」
「(やっぱりおかしい……)」
ここまでの流れで、真緒はエジタスに対して言い知れぬ違和感を感じていた。
「(明らかに弱くなってる。一年前よりもずっと……私が強くなった? いや、それにしても歯応えが無さ過ぎる。それに、村で再会した時と何かが違う気がする。何か足りない……そんな気がする)」
それまでずっと脅威に感じていた筈の存在だが、実際に戦って見るとそうでも無かった事に、少し落胆している自分がいた。
「(……って、今はそんな事を考えている場合じゃない!! せっかくあのエジタスを倒せる絶好の機会!! これを逃す手は無い!!)ここで倒して、これまでの戦いに決着を付ける!!」
気持ちを切り替え、真緒、ハナコ、リーマ、クロウト、そして数百人の仲間達が一斉に武器を構える。対してエジタスは、掌を上に上げて、やれやれというポーズを取る。
「せっかちですね~。ここからが面白いというのに~」
「どう言う意味ですか?」
「ここまでのは只の前座、これから始まる本番に耐えられるかどうかのデモンストレーションという事ですよ~」
するとエジタスは、右手を上げて親指と中指を合わせる。
「不味い!! 何かするつもりですよ!!」
「させません!!」
一番近くにいたクロウトが、止めようと走り出すが、時既に遅し。エジタスは指をパチンと鳴らした。
「“クリエイトメイズ”」
その瞬間、屋敷全体が大きく揺れ始めた。それは真緒達が立っていられない程の大きな揺れだった。
「い、いったい何をしたんですか!?」
「何って、一年前と同じですよ~。魔王城を新魔王城に改築した時と同じですよ~」
「ま、まさか!?」
「さてさてそれでは皆さんには一度、外に出て行って貰いましょうか~」
そう言い終わるとエジタスは、右手を真緒達に向けて突き出し、先程と同じ様に親指と中指を合わせる。
そして真緒達が、何かを喋るよりも前に指をパチンと鳴らした。その瞬間、真緒達はメインホールから姿を消した。
「……これで下準備は完了……ですが、ちょっと遊び過ぎましたかね~」
そうしてエジタスは斬られた傷を押さえながら、転移でその場から姿を消した。そしてその間にも、屋敷の空間は歪んで行くのであった。
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