10 / 81
友だちの訪問 《有栖》
しおりを挟む
「有栖…何にもないとかいいながら、立派な邸宅…」
遊びにきてくれた華ちゃんと奈緒ちゃんは、門から家を見るなりそう呟いた。
自分の家の印象って自分ではよくわからない。
私は彼女たちを招き入れると、玄関でスリッパを出した。
「ほんとに、でっかいわ……」
華ちゃんが呟くのを聞きながら、リビングに通すべきか自室に通すべきか一瞬悩んで、2階の自室に案内した。
「い、今、お茶を持ってくるね」
竜之介は今日はめずらしく友だちと家で勉強をすると言って出ていった。よかった…また竜之介が変なことを言い出したらと、内心ヒヤヒヤしていたのだ。
「…有栖ってもしかして…いや、もしかしなくても、完全にお嬢様じゃん…」
奈緒ちゃんは部屋を眺めながら興味津々な様子で言う。
「ち、ちがうよ…パパに建築家の友だちがいて…」
私にはなぜか中学の頃の記憶があまりない。
小学生の頃のパパとママがいて…お兄ちゃんと竜之介、そして犬のチャチャがいた頃のことはよく覚えているのに…
中学になってからの記憶はまるで朧げだ。
そんな自分の空白の時間が私自身を不安にさせているに違いない。
その頃の日記もなければ、写真もない…。
兄たちは中学生の頃の私は体調が悪くあまり学校に行けなかったと話している。
「そういえば、竜之介くんの部屋ってどこにあるの?」
奈緒ちゃんがキョロキョロしている。
部屋に友だちを入れた記憶もないからなんだか気はずかしい…。
「ここのとなりだよ」
「なにそれ……なんかやらしい!」
2人は顔を見合わせる
2人にとっては竜之介は同級生の男子校生だから、そんな感覚になるものなのかな?きょうだいならばなんてことはないんだけれど…朝、髪を結んでもらってるなんて、口が裂けても言えないな……
私は唾をのみこむ。
急に華ちゃんが小声になり尋ねてくる。
「ねえ……ところで、今日は大学生のお兄さまはいらっしゃらないのかしら…」
中学の頃のことを覚えていないので女の子の友だちとの付き合い方も慣れなくて、こんな時どうしていいのか戸惑ってしまうけど、みんなでこうして顔を寄せ合っておしゃべりするのはやっぱり楽しい。
「お兄ちゃんは…」と
いいかけたところでタイミングよく、部屋の扉がノックされて、返事を待たずにガチャリと開く。
「ありす、竜之介がどこ行ったか知らないか?」
朝のシャワーからあがったばかりなのか、頭をタオルでごしごし拭きながら。
「……あれ?お友だち?めずらしいね…いらっしゃい」
兄は愛想良い笑みを浮かべて2人にペコっと頭を下げる。
2人はきゃーっと声をあげる。
「お、お、お邪魔してます…!」
2人とも反射的に立ち上がっている。
無理もない。
「お、お兄ちゃん、上、はだか、はだか!」
上半身まだ濡れたままの、下はジーンズを履いていて本当に良かった…の兄は、やっと自分の姿に気づく。
「あ、そうか……だらしねえな、俺」
兄はのんきに笑いながら頭をかいた。
「ごめんね…有栖と仲良くしてやってな…」
兄はたいして恥ずかしくもなさそうににこにこ笑って退場した。
「すごいね、有栖のお兄さま……」
奈緒ちゃんはうっとりしたようにつぶやく。
「芸能人かモデルさんみたいだった…
かっこよすぎる…」
やっぱり兄はかっこいいのか…。
「そ、そうかな……」
私は戸惑いながら、とりあえず紅茶を2人に出しながら、口籠もる。
「有栖は?家のなかに、あんなかっこいいお兄さまがいてなんとも思わないの?」
2人はまだドキドキしているようで、ちらちらと兄が出ていったドアを眺めている。
「なんともって…?」
「だって、あんなにかっこよかったら普通……」
私にとって兄は、いつも優しく頼もしく、ちょっとふざけていて…だけど、私を包み込んで安心させてくれる人…
「彼女とかいないのかな?」
奈緒ちゃんがそわそわした様子で聞いてくる。
私はなぜか先日の電話のことを頭の隅で思い出しながら、さあ…そういう話はしたことないからわからない…と言おうとしたが、彼女たちの興味とおしゃべりは止まることなく、ちょっと竜之介に似てるねとか、竜之介くんも大学生になったらあんな感じかな…竜之介くんのが中性的な感じで、お兄様のがワイルド…とかどんどん話は流れているようだ…
「ところで有栖のお部屋こんなに広いのに、ベッドないんだね、どこで寝てるの?」
ふいに自分に話が戻ってくる。
「あ、えと……私は隣でリュウのベッドで寝るから…」
言ってしまってハッとする。
また、きゃーって言われるかなと咄嗟に身構える。
でも、2人は黙っていた。
華ちゃんは戸惑ったような困惑した顔をしていた。
「有栖、流石に冗談だよね?」
と、伺うように小さな声でそう言った。
え……
冗談と笑えばよかった。
奈緒ちゃんは、なにか気色の悪いものを見るような顔で、
「なにそれ、きょうだいで…一緒に寝るとか…家族なのにキモ…」と一言言った。
それから私はどんな顔をしていたのかわからない…
お茶を飲み終わるか終わらないかのうちに、奈緒ちゃんは、帰る…と呟くと、立ち上がり部屋を出て階段を降りていく。
あれ、もう帰っちゃうの?パンケーキ焼いてるよー?と呑気な兄の声が聞こえてくる。
華ちゃんは、早口で、
「有栖、ごめんね、奈緒は竜之介くんが好きだったんだよ…今日は帰るね…」と言って慌てて奈緒ちゃんのあとを追って出て行った。
私はただ玄関に立ち尽くしていることしかできなかった。カナヅチで頭を殴られたような気分だった。
奈緒ちゃんの言葉が頭の中で繰り返しまわっている。
(そう…だよね….)
いつも穏やかに笑っている兄が私を見るなり顔を曇らせた。
「ありす……どうしたんだ?」
私はそれに答えることができないまま、首を振った。
「なにがあった?兄ちゃんに話せ…」
私はそんなにひどい顔をしているのだろうか。
兄は私の手首をしっかり掴むと、正面からじっと見据える。
その瞳に射抜かれて、私の口は要領を得ないまま、なんとか、しどろもどろに言葉を紡ぐ。
「奈緒ちゃんが……リュウを…好きって……私……なにも知らなくて……」
「おともだちが?竜之介を?」
兄が復唱する。
「悪いこと…言ってしま…って…」
奈緒ちゃん、竜之介が好きだったんだね。
私、知らなくて、ごめんなさい。
「….…わ、わたしたち…キモイって…変なのって……言われて…」
「ありす、落ち着いて…」
私の声がうわずっていたのか、兄は私の背中に手をまわした。
「きょうだいなの…にキモイって……」
私はほとんど無意識に竜之介の部屋のほうをみた。
それで兄は察しがついたのだろう、私の背中にまわした手に力を込めて私を引き寄せた。
「ちがうよ、ありす…わかるだろ…?
家族にも、きょうだいにも、いろいろなかたちがあること…何が正しいとか間違っているとかじゃないんだ……兄ちゃんはありすが大事だよ、竜之介だっておなじきもちだ…その気持ちを、ありすは気持ち悪いと思うのか……」
「う…ううん…う…でも…」
私はまだ呆然としながら兄にしがみついていた。
動転しながらも、自分のなかにひっかかりを感じた。
私がひっかかっているのは何?なぜこんなに動揺しているの?
『家族なのに気持ち悪い』
(前にもこのセリフ聞いたことがある気がする)
どこで?夢のなかで?
何か思い出せそうだったが、頭が痛んだ。
遊びにきてくれた華ちゃんと奈緒ちゃんは、門から家を見るなりそう呟いた。
自分の家の印象って自分ではよくわからない。
私は彼女たちを招き入れると、玄関でスリッパを出した。
「ほんとに、でっかいわ……」
華ちゃんが呟くのを聞きながら、リビングに通すべきか自室に通すべきか一瞬悩んで、2階の自室に案内した。
「い、今、お茶を持ってくるね」
竜之介は今日はめずらしく友だちと家で勉強をすると言って出ていった。よかった…また竜之介が変なことを言い出したらと、内心ヒヤヒヤしていたのだ。
「…有栖ってもしかして…いや、もしかしなくても、完全にお嬢様じゃん…」
奈緒ちゃんは部屋を眺めながら興味津々な様子で言う。
「ち、ちがうよ…パパに建築家の友だちがいて…」
私にはなぜか中学の頃の記憶があまりない。
小学生の頃のパパとママがいて…お兄ちゃんと竜之介、そして犬のチャチャがいた頃のことはよく覚えているのに…
中学になってからの記憶はまるで朧げだ。
そんな自分の空白の時間が私自身を不安にさせているに違いない。
その頃の日記もなければ、写真もない…。
兄たちは中学生の頃の私は体調が悪くあまり学校に行けなかったと話している。
「そういえば、竜之介くんの部屋ってどこにあるの?」
奈緒ちゃんがキョロキョロしている。
部屋に友だちを入れた記憶もないからなんだか気はずかしい…。
「ここのとなりだよ」
「なにそれ……なんかやらしい!」
2人は顔を見合わせる
2人にとっては竜之介は同級生の男子校生だから、そんな感覚になるものなのかな?きょうだいならばなんてことはないんだけれど…朝、髪を結んでもらってるなんて、口が裂けても言えないな……
私は唾をのみこむ。
急に華ちゃんが小声になり尋ねてくる。
「ねえ……ところで、今日は大学生のお兄さまはいらっしゃらないのかしら…」
中学の頃のことを覚えていないので女の子の友だちとの付き合い方も慣れなくて、こんな時どうしていいのか戸惑ってしまうけど、みんなでこうして顔を寄せ合っておしゃべりするのはやっぱり楽しい。
「お兄ちゃんは…」と
いいかけたところでタイミングよく、部屋の扉がノックされて、返事を待たずにガチャリと開く。
「ありす、竜之介がどこ行ったか知らないか?」
朝のシャワーからあがったばかりなのか、頭をタオルでごしごし拭きながら。
「……あれ?お友だち?めずらしいね…いらっしゃい」
兄は愛想良い笑みを浮かべて2人にペコっと頭を下げる。
2人はきゃーっと声をあげる。
「お、お、お邪魔してます…!」
2人とも反射的に立ち上がっている。
無理もない。
「お、お兄ちゃん、上、はだか、はだか!」
上半身まだ濡れたままの、下はジーンズを履いていて本当に良かった…の兄は、やっと自分の姿に気づく。
「あ、そうか……だらしねえな、俺」
兄はのんきに笑いながら頭をかいた。
「ごめんね…有栖と仲良くしてやってな…」
兄はたいして恥ずかしくもなさそうににこにこ笑って退場した。
「すごいね、有栖のお兄さま……」
奈緒ちゃんはうっとりしたようにつぶやく。
「芸能人かモデルさんみたいだった…
かっこよすぎる…」
やっぱり兄はかっこいいのか…。
「そ、そうかな……」
私は戸惑いながら、とりあえず紅茶を2人に出しながら、口籠もる。
「有栖は?家のなかに、あんなかっこいいお兄さまがいてなんとも思わないの?」
2人はまだドキドキしているようで、ちらちらと兄が出ていったドアを眺めている。
「なんともって…?」
「だって、あんなにかっこよかったら普通……」
私にとって兄は、いつも優しく頼もしく、ちょっとふざけていて…だけど、私を包み込んで安心させてくれる人…
「彼女とかいないのかな?」
奈緒ちゃんがそわそわした様子で聞いてくる。
私はなぜか先日の電話のことを頭の隅で思い出しながら、さあ…そういう話はしたことないからわからない…と言おうとしたが、彼女たちの興味とおしゃべりは止まることなく、ちょっと竜之介に似てるねとか、竜之介くんも大学生になったらあんな感じかな…竜之介くんのが中性的な感じで、お兄様のがワイルド…とかどんどん話は流れているようだ…
「ところで有栖のお部屋こんなに広いのに、ベッドないんだね、どこで寝てるの?」
ふいに自分に話が戻ってくる。
「あ、えと……私は隣でリュウのベッドで寝るから…」
言ってしまってハッとする。
また、きゃーって言われるかなと咄嗟に身構える。
でも、2人は黙っていた。
華ちゃんは戸惑ったような困惑した顔をしていた。
「有栖、流石に冗談だよね?」
と、伺うように小さな声でそう言った。
え……
冗談と笑えばよかった。
奈緒ちゃんは、なにか気色の悪いものを見るような顔で、
「なにそれ、きょうだいで…一緒に寝るとか…家族なのにキモ…」と一言言った。
それから私はどんな顔をしていたのかわからない…
お茶を飲み終わるか終わらないかのうちに、奈緒ちゃんは、帰る…と呟くと、立ち上がり部屋を出て階段を降りていく。
あれ、もう帰っちゃうの?パンケーキ焼いてるよー?と呑気な兄の声が聞こえてくる。
華ちゃんは、早口で、
「有栖、ごめんね、奈緒は竜之介くんが好きだったんだよ…今日は帰るね…」と言って慌てて奈緒ちゃんのあとを追って出て行った。
私はただ玄関に立ち尽くしていることしかできなかった。カナヅチで頭を殴られたような気分だった。
奈緒ちゃんの言葉が頭の中で繰り返しまわっている。
(そう…だよね….)
いつも穏やかに笑っている兄が私を見るなり顔を曇らせた。
「ありす……どうしたんだ?」
私はそれに答えることができないまま、首を振った。
「なにがあった?兄ちゃんに話せ…」
私はそんなにひどい顔をしているのだろうか。
兄は私の手首をしっかり掴むと、正面からじっと見据える。
その瞳に射抜かれて、私の口は要領を得ないまま、なんとか、しどろもどろに言葉を紡ぐ。
「奈緒ちゃんが……リュウを…好きって……私……なにも知らなくて……」
「おともだちが?竜之介を?」
兄が復唱する。
「悪いこと…言ってしま…って…」
奈緒ちゃん、竜之介が好きだったんだね。
私、知らなくて、ごめんなさい。
「….…わ、わたしたち…キモイって…変なのって……言われて…」
「ありす、落ち着いて…」
私の声がうわずっていたのか、兄は私の背中に手をまわした。
「きょうだいなの…にキモイって……」
私はほとんど無意識に竜之介の部屋のほうをみた。
それで兄は察しがついたのだろう、私の背中にまわした手に力を込めて私を引き寄せた。
「ちがうよ、ありす…わかるだろ…?
家族にも、きょうだいにも、いろいろなかたちがあること…何が正しいとか間違っているとかじゃないんだ……兄ちゃんはありすが大事だよ、竜之介だっておなじきもちだ…その気持ちを、ありすは気持ち悪いと思うのか……」
「う…ううん…う…でも…」
私はまだ呆然としながら兄にしがみついていた。
動転しながらも、自分のなかにひっかかりを感じた。
私がひっかかっているのは何?なぜこんなに動揺しているの?
『家族なのに気持ち悪い』
(前にもこのセリフ聞いたことがある気がする)
どこで?夢のなかで?
何か思い出せそうだったが、頭が痛んだ。
0
あなたにおすすめの小説
【R18】熱い夜の相手は王太子!? ~婚約者だと告げられましたが、記憶がございません~
世界のボボブラ汁(エロル)
恋愛
激しい夜を過ごしたあと、私は気づいてしまった。
──え……この方、誰?
相手は王太子で、しかも私の婚約者だという。
けれど私は、自分の名前すら思い出せない。
訳も分からず散った純潔、家族や自分の姿への違和感──混乱する私に追い打ちをかけるように、親友(?)が告げた。
「あなた、わたくしのお兄様と恋人同士だったのよ」
……え、私、恋人がいたのに王太子とベッドを共に!?
しかも王太子も恋人も、社交界を騒がすモテ男子。
もしかして、そのせいで私は命を狙われている?
公爵令嬢ベアトリス(?)が記憶を取り戻した先に待つのは── 愛か、陰謀か、それとも破滅か。
全米がハラハラする宮廷恋愛ストーリー……になっていてほしいですね!
※本作品はR18表現があります、ご注意ください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛
ラヴ KAZU
恋愛
村藤潤一郎
潤一郎は村藤コーポレーションの社長を就任したばかりの二十五歳。
大学卒業後、海外に留学した。
過去の恋愛にトラウマを抱えていた。
そんな時、気になる女性社員と巡り会う。
八神あやか
村藤コーポレーション社員の四十歳。
過去の恋愛にトラウマを抱えて、男性の言葉を信じられない。
恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。
そんな時、バッグを取られ、怪我をして潤一郎のマンションでお世話になる羽目に......
八神あやかは元恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。そんな矢先あやかの勤める村藤コーポレーション社長村藤潤一郎と巡り会う。ある日あやかはバッグを取られ、怪我をする。あやかを放っておけない潤一郎は自分のマンションへ誘った。あやかは優しい潤一郎に惹かれて行くが、会社が倒産の危機にあり、合併先のお嬢さんと婚約すると知る。潤一郎はあやかへの愛を貫こうとするが、あやかは潤一郎の前から姿を消すのであった。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さくら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる