篠崎×安西(旧カルーアミルク2)(R-18)

gooneone(ごーわんわん)

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「あ……」
「ん……?諒?」
「ごめんなさい、起こしちゃいましたか」
 目が覚めたのは不快感からだった。下着の濡れた不快感。まさか、と思った。夢精だってこの数年はしていない。最初に勃起をしなくなって、それからしばらくして夢精もしなくなって、尿以外排泄することをやめたのだと思っていたのに。
「どうした?」
 篠崎はショートスリーパーだ。寝起きも抜群にいい。もう声は活動中のそれと変わらない。
「あ……」
 先日の言葉を思い出す。「次下着を汚してしまったら教えてくれないか」篠崎はそう言った。言ってもいいのだろうか。言った方がいいのだろうか。――言ってみたい、と思った。篠崎は下着を洗ってくれると言っていた。甘えてみたい。篠崎の言う「甘えてほしい」の甘えとは違うのかもしれないけれど。
「あの」
「うん?」
「甘えてもいいですか……」
 小さく言うと篠崎は驚いたのかがばりと身を起こした。その勢いにこちらまで驚いてしまう。
 でも、やはり声は優しかった。
「嬉しいよ、どうしたかな、何かしてほしいことが?」
 その様子に笑ってしまった。なんだ、こんなに喜んでもらえるのか。甘え方が分からないなんてそれこそ自分への甘えだった。言い訳だった。
「あの、下着、汚してしまって……洗ってくれますか」
 一瞬の瞠目の後、篠崎はふわ、と笑った。
「!そうか、昨日おちんちんが役割を思い出したからかな」
「ぁ……」
 おちんちん、篠崎はそう呼称することに決めたらしい。子供みたいで恥ずかしい。
「気持ち悪いだろう。シャワーを浴びておいで」
 安西はまだ寝ころんだままだ。身を起こしたら濡れた部分が更に下腹部についてしまう気がして。
 篠崎はそんな安西に覆いかぶさるようにして額にキスを落とした。まるで子供にするみたいに。これが甘やかしなのだろうか。
「ゃ……」
 だったら、篠崎が子供みたいに甘やかしてくれるならもっと甘えてみたい。
「ん?」
「おはようのキス……口、」
「あぁ、額じゃ寂しかったな」
 すまない、そう言って唇を擦りつけるキスをくれた。
「ン……」
「諒くんは唇が弱いな」
「ゃ、だって……」
 すごく気持ちがいいのだ。オナニーは中学生の頃経験があるからその気持ち良さはなんとなく覚えているけれど、唇に触れる感触は初めてだ。ずっと知らずにいた快感。
「うん?」
「気持ちいい……」
「もっとする?」
「して……」
 恥ずかしさを押し殺して素直になってみるだけでこんなに気持ちいいことをしてもらえるなんて。唇の触れ合う快感だけじゃなく、心が満たされていく。心がふわふわと気持ち良くなっていく。
「ぁ……」
 啄むようなキスを何度も受けているとまた下腹部に違和感。もうわかった、もう覚えた、思い出した。違和感じゃなくて、勃起だ。勃起したときの感覚。
「しのざき……」
 なんでこんなに簡単に勃起してしまうのだろう。中学生の頃だってこんなことなかったのに。
「どうした?もっと?」
「……おちんちん……」
 その単語を言うのは恥ずかしかった。けれど篠崎がおちんちんと言う度恥ずかしくて、そして気持ち良くなってしまったことを思い出したら自分も言いたくなってしまったのだ。
「おちんちん、起っちゃった?」
「……はい……」
「可愛い……諒くんはキスでおちんちんが起っちゃうんだな」
「ゃあっ……」
 恥ずかしいのに、おちんちんがぴくぴくと揺れてしまう。感じてしまっている。中学生以来の性的興奮。
「可愛い……きちんと言えていいこだ」
 おちんちんだけじゃない。顔だってきっと感じてしまっている顔をしている。恥ずかしいのに篠崎はじっと見下ろしてくる。
「や、見ないで……」
「だめだよ。感じてる顔が見たい」
「ぁっ……」
 やっぱり感じてるってばれている。感じている顔だと思われている。恥ずかしさに目に涙が滲む。
「……触れたら怖い?」
「え……?」
 篠崎が瞼に唇を寄せた。すり、と擦られる。
「おちんちん、触れたら怖いかな」
 おちんちんに、触れる……?
「久しぶりに勃起できたおちんちんを褒めてあげたいな」
「ぁ…」
 おちんちんを、褒めてもらえる……勃起を……?本当なら当たり前のはずの勃起。性的興奮がなくても生理的に勃起することもあるのに、それほど当たり前のことなのに、それができたことを褒めてくれる……?
「いいこいいこしたいな。怖い?」
「……怖くない」
 いいこいいこされたい。してほしい。褒めてほしい――。
「本当に?」
 篠崎は慎重だった。じっと安西を見つめている。少しの心の揺れも見逃さないように。
「いいこいいこ、して……」
 目を合わせたまま、篠崎が動いた。
 まず頬に触れた。いつもの篠崎の大きい掌。
「諒……」
 あぁ、声がやっぱりいやらしい。でも目は真剣だ。きっと少しでも動揺を見せれば抱きしめられて、大丈夫と落ち着かされて終わるのだろう。
「しの……」
 掌が動く。ゆっくり、篠崎の手の感触を安西に覚えさせるかのように。
 親指が下唇を撫でる。思わず唇を開いてしまった。唇をギリギリまで触れるかのように少しだけ差し込まれ、離したくなくてそっと唇を閉じた。
「……諒」
 篠崎の目が細められる。でも咎められている雰囲気はない。そっと唇を開ける。親指はもう一度下唇を撫で、離れて行った。
 それから首筋を辿り、鎖骨を撫でて行く。手は決して身体から離れることはない。
 そこで理解した。篠崎のしようとしていることに。
 安西の視界の外でおちんちんに触れないようにしているのだ。安西が突然触られたと思わないように。安西に触れる手が篠崎の手だとしっかり分かるように。安西が不安になって昔を思い出してしまわないように。今触れているのは篠崎の手だと擦り込んでくれているのだ。
 篠崎はそれを言わない。言葉にしない。言葉にすれば安西が昔を思い出してしまうから。だから言外に伝えてくれているのだ。大丈夫だよ、と。
「しのざき……すき……」
「愛してる……」
 唇へのキス。けれどすぐ離れてしまう。きっと表情を見逃さないためなのだろう。また見つめられ、手はゆっくりと下がっていく。指先が偶然なのか、乳首に触れた。ピリと電気が流れたような快感。びくりと揺れた身体。
「大丈夫か」
「はい……」
 確認しながら慎重に進んで行く。わき腹。普段ならくすぐったくて笑ってしまいそうなのにそんな気には全くならない。篠崎が辿るように触れた道筋が全て熱を持っている。
「諒……怖かったら言うんだよ」
「……はい」
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