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草薙家のあさ
しおりを挟む窓の外から見える空は今日も澄み渡っている。
ダイニングのカーテンレールを揺らす春風は温かく、何度目かの四季が始まることを穏やかに告げていた。
「ふ~ん、ふふふん♪ふ~ふん♪♪」
草薙家の長女、詩織は朝早いキッチンで鼻歌まじりに朝食の準備をしていた。
週始めの月曜日。
我が家では、昔から月曜の朝ごはんは目玉焼きとサンドイッチに決まっている。五人分の卵を割り、油を引いた鉄のフライパンに手際よく乗せていく。
ジュワッと湯気を立てながら焼かれる簡単なおかずは、みんなの大好物だ。優斗のものには塩を振りかけ、あおいと陽菜のには厚切りのベーコンを添える。ちなみにだが、詩織と流歌はそのままの素朴な味が好きだ。
庭で採れたバジルとトマトでサラダを作り、手のひらで小さく切ったパンを次々とトースターで温める。
チン、という軽快な音が耳に心地よい。
さくっと料理を終え、円卓のテーブルに皿を並べていると二階の廊下から激しい足音が聞こえてきた。
「はぁ、あの二人は今朝も喧嘩したのね」
毎朝変わらぬため息とともに、詩織は拭いた布巾を洗い流す。蛇口を捻ったところで、階段から妹が駆けてきた。盛大に寝癖をつけた姿で、歯を食いしばっている。
「もう詩織姉さん、聞いてよっ!!」
今年で大学三年生になるはずの陽菜は、クマがプリントされたピンク色の半袖に短パンを履いて、ぷりぷりと頬を赤らめていた。
「はいはい、今度はなあに?」
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