1 / 4
一話 元公爵令嬢のはずだけど……今の私は一体誰なの!?
しおりを挟む
私はセラフィーナ・レノックス。
レノックス公爵家の一人娘として生まれ、何不自由ない生活を送っていた。
十歳の頃に王太子の婚約者になってからは、厳しい王妃教育を課されるようになった。それでも、未来の王国を支えるためだと思うとどんなに辛いレッスンも乗り越えられた。
王太子との間に、愛や恋という感情はなかったと思う。私達はあくまで国を支えるためのパートナー。
でも、良い関係を築けていると思っていた。
しかし十八歳の時、学園の卒業パーティーで王太子に突然婚約破棄を言い渡されてしまったのだ。
理由は単純、「運命の人に出会ってしまったから」ですって。しかも私はその運命の人とかいう男爵令嬢に散々嫌がらせをし、挙句の果てには殺人未遂を犯した……なんて謂れのない罪を被せられて……。
最終的には処刑されてしまった。あぁ、私の人生ってなんの意味もなかったんだわ、なんてことを思いながら。
そう、そこで私の人生は終わったはず……だったのだけれど……。
***
「お嬢様、起きてください。いつまで寝ているおつもりですか?」
「……え?」
「全く、本当にだらしのない方ですね。さっさと起き上がってください」
なぜか私は、処刑翌日の朝も目を覚ましてしまった。
しかも、全く見覚えのない侍女に起こされて、だ。
そもそも、ここはどこなの?
どうして私は生きているの!?
混乱しながらも、私はベッドから飛び起きた。公爵令嬢にあるまじき所作だけれど、今はそんなことに構っていられない。
見覚えのない部屋に置いてあった鏡の前まで移動して、自分の姿を確認する。
そこに……映っていた……のは……。
「だ、だれ…………?」
薄紫の長い髪、少しつり目だけれど美しい紫の瞳。陶器のように白い肌。
____私ではない『誰か』が、そこには映っていた。
呆然とする私に、侍女が呆れたように声をかけてきた。
「はぁ……。セシリア様、今度は記憶喪失のフリでもしているんですか?」
「セ、セシリア……?」
「? 遂に自分のお名前までわからなくなってしまったんですか? 貴女はランカスター伯爵令嬢のセシリア様でしょう」
侍女が嫌味っぽく私の名前を呼んだ、その瞬間。
存在しないはずの記憶____いや、この身体に刻まれた記憶が脳内を駆け巡った。
……そうだわ、私の名前はセシリア・ランカスター!
ワガママで、教育もまともに受けずに甘やかされて育った結果、やりたい放題で侍女達から疎まれているルピナス王国の伯爵令嬢!
マナーは最悪、品位なんてどこへやら、男好きの最悪な令嬢が、私……。
……なんだけど……ほんとに一体、これはどういうことなの!?
というか、『ルピナス王国』なんて国の名前、聞いたことがないわ!!
ルピナスって花の名前よね!? 花の名前を国名にするなんて……お花畑すぎないかしら……?
それこそ、まるでファンタジー小説の世界のような……。
……待って、そうだとしたら、私____
「もしかして……異世界、いや……物語の世界に迷い込んじゃったの……?」
もう、本当にどうなっちゃうのよ!!
レノックス公爵家の一人娘として生まれ、何不自由ない生活を送っていた。
十歳の頃に王太子の婚約者になってからは、厳しい王妃教育を課されるようになった。それでも、未来の王国を支えるためだと思うとどんなに辛いレッスンも乗り越えられた。
王太子との間に、愛や恋という感情はなかったと思う。私達はあくまで国を支えるためのパートナー。
でも、良い関係を築けていると思っていた。
しかし十八歳の時、学園の卒業パーティーで王太子に突然婚約破棄を言い渡されてしまったのだ。
理由は単純、「運命の人に出会ってしまったから」ですって。しかも私はその運命の人とかいう男爵令嬢に散々嫌がらせをし、挙句の果てには殺人未遂を犯した……なんて謂れのない罪を被せられて……。
最終的には処刑されてしまった。あぁ、私の人生ってなんの意味もなかったんだわ、なんてことを思いながら。
そう、そこで私の人生は終わったはず……だったのだけれど……。
***
「お嬢様、起きてください。いつまで寝ているおつもりですか?」
「……え?」
「全く、本当にだらしのない方ですね。さっさと起き上がってください」
なぜか私は、処刑翌日の朝も目を覚ましてしまった。
しかも、全く見覚えのない侍女に起こされて、だ。
そもそも、ここはどこなの?
どうして私は生きているの!?
混乱しながらも、私はベッドから飛び起きた。公爵令嬢にあるまじき所作だけれど、今はそんなことに構っていられない。
見覚えのない部屋に置いてあった鏡の前まで移動して、自分の姿を確認する。
そこに……映っていた……のは……。
「だ、だれ…………?」
薄紫の長い髪、少しつり目だけれど美しい紫の瞳。陶器のように白い肌。
____私ではない『誰か』が、そこには映っていた。
呆然とする私に、侍女が呆れたように声をかけてきた。
「はぁ……。セシリア様、今度は記憶喪失のフリでもしているんですか?」
「セ、セシリア……?」
「? 遂に自分のお名前までわからなくなってしまったんですか? 貴女はランカスター伯爵令嬢のセシリア様でしょう」
侍女が嫌味っぽく私の名前を呼んだ、その瞬間。
存在しないはずの記憶____いや、この身体に刻まれた記憶が脳内を駆け巡った。
……そうだわ、私の名前はセシリア・ランカスター!
ワガママで、教育もまともに受けずに甘やかされて育った結果、やりたい放題で侍女達から疎まれているルピナス王国の伯爵令嬢!
マナーは最悪、品位なんてどこへやら、男好きの最悪な令嬢が、私……。
……なんだけど……ほんとに一体、これはどういうことなの!?
というか、『ルピナス王国』なんて国の名前、聞いたことがないわ!!
ルピナスって花の名前よね!? 花の名前を国名にするなんて……お花畑すぎないかしら……?
それこそ、まるでファンタジー小説の世界のような……。
……待って、そうだとしたら、私____
「もしかして……異世界、いや……物語の世界に迷い込んじゃったの……?」
もう、本当にどうなっちゃうのよ!!
42
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?
魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。
彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。
国外追放の系に処された。
そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。
新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。
しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。
夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。
ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。
そして学校を卒業したら大陸中を巡る!
そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、
鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……?
「君を愛している」
一体なにがどうなってるの!?
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる