白雪姫は毒林檎に笑う

白雪

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3.追憶編

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※残酷表現と言うか…胸糞悪いシーンがあります。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー


悲鳴が聞こえる。血の匂いがする。


何が起きたかわからない。
寝ていたら叫び声が聞こえた。ただ事じゃないと両親も僕も慌てて起きた

外にでてみれば、そこは地獄絵図だった。



血を流す村人達。泣き叫ぶ小さい子供や女性達


剣をもった屈強な盗賊達が村を襲っていた
ふらふらと前に進もうとすると父に肩を掴まれ家に押し戻された。


父「いいか、何があっても家から出るな。地下の蔵に隠れていなさい。何があってもだ。父さん達は今からエミリーさんや村長達の無事を確かめてくる。お前は何があっても家からでるんじゃない」


家から出るな、と父さんが何度も繰り返すが、
さっき見た外の光景が忘れられず、ただ呆然とすることしかできなかった。




母「スノリア、大丈夫。きっと大丈夫よ。」


母は涙を流しながら僕を抱きしめた。




2人は僕を抱きしめ蔵に押しやると家から出て行った。




2人が出て行ってどれくらい経ったのだろうか、1時間だろうか半日だろうか、はたまた1分も経っていないのだろうか。混乱していた頭が冷めていく。



みんなが、父さんや母さんが…!!


出るなと言われた蔵を出ようとしたが、蔵入口に重たい物が置いてあり開けれないことに気づいた。


力任せに体当たりしてなんとか蔵から出ると
急いで家から飛び出す。

家の外はさっきと変わらない地獄だった。

なんで、どうして、そんな言葉が頭を埋め尽くしていく


盗賊がうろうろとしていたため、僕は木陰や裏道を使って村の集会場があるところまで行くことにした


走った。ただただ息を殺し、走った。






ふと、見知った家の前を通った時、

その軒先に小さな体が2つ重なるように倒れているのを見つけた。








その小さな体はもう一つの小さな体を守るように覆いかぶさり倒れていた。ピクリとも動かないそれは生きていないことを明白としていた。







その小さな体の正体に気づいた時、僕はその場に膝をついた。











ロードとアランだった。





『ぁあ、そんな…まさか…』



ガクガクと震える膝を奮い立たせ2人の元に走る。





ロードはアランを守るように抱きしめていた。
2人とも息はしていなかった








2人の身体を抱きしめ、涙を溢した。




『どうして…!、ぁぁあ、ロード…、アラ…ン…』





神様。貴方は存在しているのでしょうか。






もしいるのなら、この惨状をご覧になっていたのなら


どうして助けてくださらないのですか。





なぜ。


サファイアの様な瞳から溢れる涙は止まることをしらない。
心優しい小さな命が失われたことが、許せない。

助けられなかった自分も許せない。



ガサッ





いつもなら気づく程の物音は、今の僕には気づけなかった。





ガッッ!!!!






頭に強い衝撃を受け、僕の意識はそこで途切れた。










ーーーーーーーーーーーーーー




倒れた青年の身体を抱き起こした盗賊が口笛を鳴らす


「おい!見ろよ!すっげぇ美人だぜ」

「もしかしてこいつじゃねぇの?蒼玉の瞳のお姫様」

「この村にいるはずなのに、村長のじじいや他の村人共に聞いても、知らないの繰り返しでよぉ、隠れてやがったんだな」

「それにしても、こんなしけた村にこんな美人が紛れ込んでるとはな~」


「いや美人って言うならさっきの夫婦も綺麗な面してやがったぜ。お前が殺さなきゃ美味しくいただけたのによ~。殺すなら野郎だけにしとけよな」


「あの女が悪いんだろ、男の方切ったらいきなり腕に噛み付いてきたんだぜ」


「ざまぁねぇな!」



「んだよ!お前だって小動物みてぇな野郎に蹴飛ばされてたくせによ!!」


「あれは油断したんだよ!!あの後頭かち割ってやったらピクリとも動かなくなったぜ」


「スノリア…!スノリア…!ってぶつぶつ言ってきみが悪かったしよ。かーちゃんの名前でも呼んでたのかねぇ」




ゲラゲラと下品に笑う盗賊達は倒れた青年の身体を弄る


シルクの様に滑らかなその肌に男達は手を這わす


「っにしても本当に人間か?こんな人形みたいな面初めて見たぜ」


盗賊達は青年に目を向ける




黒い絹のようなさらさら髪
白い肌は頬の部分が赤く色づき、泣いたのであろう、涙が伝っていた。薄く潤う赤みのある唇。

閉じられている為瞳を見ることはできないが長い睫が影を落としていた。



「ここで味見したいところだが、とっととこの村から
ずらからねぇとな。国の犬っころが時期に来るだろ」


「しけた村だったが、目的の蒼玉が手に入ったんだから大収穫だぜ」




盗賊は倒れている青年を抱き上げそのまま馬を跨いだ



盗賊達の馬の足音は







人の悲鳴も、叫び声も、





今となっては聞こえないこの小さな村から


消えていった。
 









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