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4.☆しっぽはダメ
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カーテンのおかげで薄暗いけど、端正な顔が怪訝に歪んでいるのはしっかりはっきり認識できる。
しかしそれも気にしない遥花は奏多の両頬を包みこむ。そのままゆっくり近づけた顔は大きな手により阻止されてしまった。
「アホなこと言ってないで出て行きなさい。そのツノもいつものコスプレだろ? 今度はなんのキャラなんだ?」
「ひっどーい! しっぽもあるし、ツノだって本物なんだから! 触ってみてよ」
ほら、とツノを示すと躊躇なく触った奏多は「おお……」と感心した声を出す。すりすり触る指は少しくすぐったい。
「生温かい。すごいな、素材は何だ?」
「言い方……。素材なんてわかんない。あたしの体の一部なんだもん」
作り物だとしたら、こっちが知りたいくらいだ。反論しても奏多は本気にとらえてくれない。
なら、こっちならどうだ。
細いのにごつごつした義兄の指を握り、遥花はしっぽへと誘導する。
どこにもくっつけた跡のないしっぽなら信じてもらえるだろう。
そう思い握らせてみた途端、ぞくりと背中が震えた。
「ひっ……、なに、それ……」
握られたしっぽから伝わるのは性的な快感だった。
自分で触れた時にはここまで明確な感覚はなかったのに。
戸惑う遥花は目を白黒させるけれど、そんな義妹の反応に首を傾げる奏多はよくわかっていないようだ。
「凝ってるな、本物みたいだ。自分で作ったのか?」
「ひゃんっ!」
感触を確かめるよう、奏多は親指の腹で擦り上げる。
それだけの動作なのに頭の先まで強い快感が走って、遥花はびくびくと腰を震わせた。
「遥花?」
「あ、や、だめ、お兄ちゃ……。しっぽ、ヤバ……」
瞳は潤んで、声もやたらと甘ったるい。すがるように奏多のシャツを握る。快感を堪えるよう指に力が入って布地にきつくシワが寄った。
困惑する奏多の目が一瞬熱情を宿したように見えたけれど、すぐに視線は逸らされてしまった。
「あのなぁ、なりきるのはいいけどエロいキャラはやめなさい。そっち方面にいくのも遥花の自由だけど、兄ちゃんは許さないからな」
「ちが……本物だってぇ……。ほらぁ」
力なくしっぽを左右に振ると驚いた奏多の手が離れる。
だけど握られていた感覚は消えない。しっぽの先からじんじん疼いて、体中に伝染していくようだ。
ぱたりと胸に倒れ込んだ遥花の耳に、呆然とした声が届いた
「本物……? まさか、変異化したのか?」
そういや先週部長も猫耳が生えて……、などいらない情報をぶつぶつ呟く奏多にとっても変異化は身近なものだ。
すぐに理解した義兄はもう一度遥花のツノをじっと眺める。
「うん、そうみたい。あたしの体、変わっちゃった。だからね、お兄ちゃんがほしいの。お腹も空いちゃったし、このままじゃあたし死んじゃうよぉ」
「死!?」
大きな声で驚きをあらわにした奏多は、しなだれかかっていた遥花ごと飛び起きる。
大げさに言ってみたけれど空腹を感じるのは本当だし、漫画やラノベで読むサキュバスはたいていそうと決まっている。
なによりしっぽを触れられたせいで完全にスイッチが入ってしまった。
しかしそれも気にしない遥花は奏多の両頬を包みこむ。そのままゆっくり近づけた顔は大きな手により阻止されてしまった。
「アホなこと言ってないで出て行きなさい。そのツノもいつものコスプレだろ? 今度はなんのキャラなんだ?」
「ひっどーい! しっぽもあるし、ツノだって本物なんだから! 触ってみてよ」
ほら、とツノを示すと躊躇なく触った奏多は「おお……」と感心した声を出す。すりすり触る指は少しくすぐったい。
「生温かい。すごいな、素材は何だ?」
「言い方……。素材なんてわかんない。あたしの体の一部なんだもん」
作り物だとしたら、こっちが知りたいくらいだ。反論しても奏多は本気にとらえてくれない。
なら、こっちならどうだ。
細いのにごつごつした義兄の指を握り、遥花はしっぽへと誘導する。
どこにもくっつけた跡のないしっぽなら信じてもらえるだろう。
そう思い握らせてみた途端、ぞくりと背中が震えた。
「ひっ……、なに、それ……」
握られたしっぽから伝わるのは性的な快感だった。
自分で触れた時にはここまで明確な感覚はなかったのに。
戸惑う遥花は目を白黒させるけれど、そんな義妹の反応に首を傾げる奏多はよくわかっていないようだ。
「凝ってるな、本物みたいだ。自分で作ったのか?」
「ひゃんっ!」
感触を確かめるよう、奏多は親指の腹で擦り上げる。
それだけの動作なのに頭の先まで強い快感が走って、遥花はびくびくと腰を震わせた。
「遥花?」
「あ、や、だめ、お兄ちゃ……。しっぽ、ヤバ……」
瞳は潤んで、声もやたらと甘ったるい。すがるように奏多のシャツを握る。快感を堪えるよう指に力が入って布地にきつくシワが寄った。
困惑する奏多の目が一瞬熱情を宿したように見えたけれど、すぐに視線は逸らされてしまった。
「あのなぁ、なりきるのはいいけどエロいキャラはやめなさい。そっち方面にいくのも遥花の自由だけど、兄ちゃんは許さないからな」
「ちが……本物だってぇ……。ほらぁ」
力なくしっぽを左右に振ると驚いた奏多の手が離れる。
だけど握られていた感覚は消えない。しっぽの先からじんじん疼いて、体中に伝染していくようだ。
ぱたりと胸に倒れ込んだ遥花の耳に、呆然とした声が届いた
「本物……? まさか、変異化したのか?」
そういや先週部長も猫耳が生えて……、などいらない情報をぶつぶつ呟く奏多にとっても変異化は身近なものだ。
すぐに理解した義兄はもう一度遥花のツノをじっと眺める。
「うん、そうみたい。あたしの体、変わっちゃった。だからね、お兄ちゃんがほしいの。お腹も空いちゃったし、このままじゃあたし死んじゃうよぉ」
「死!?」
大きな声で驚きをあらわにした奏多は、しなだれかかっていた遥花ごと飛び起きる。
大げさに言ってみたけれど空腹を感じるのは本当だし、漫画やラノベで読むサキュバスはたいていそうと決まっている。
なによりしっぽを触れられたせいで完全にスイッチが入ってしまった。
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