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新たな日常
北の騒乱の終結
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北の町の復興が進むと同時に徐々に盗賊が現れては、ダン達が退治する事が増えていた。
そして今日も二つほど盗賊を潰し、領主軍に引き渡した帰りだった。
「最近盗賊多すぎじゃない?」
「しかたねぇよ、この辺りだと今はここが狙い目だからな」
そう言って軽く肩をすくめるダンにサリーはため息をつきながら
「スポンサーに少し物資の補充を頼まないと、矢と盾がそろそろ不足して来てますよ」
「あ~確かにな、他には何が足りなかったかな」
ダンは適当に馬車の中の木箱を漁るが。
「足りないのは矢が2000、盾が140、傷薬216、塩40キロ、ワイン40樽、ダンさんのタバコが4カートンですね」
サリーが指折り数えると
「おいおい、俺のタバコってなんだよ、皆も適当に買ってるだろう?」
「皆はタバコが無くてもキレないけど、ダンさんは暴れるでしょ」
「う、ちょっとイライラするだけじゃねぇか」
「それで一回馬車をダメにしたよね?
ある意味ダンさんのタバコは必要経費ですからね」
「あ~それを言われると弱えぇな。
じゃあ、旦那に申請しとくわ、紙にメモでもしといてくれ」
そう言うとダンは町で建設している居残り部隊のところに向かって行った。
「まったく、これでよく今までやってこれましたね」
そう言って、何処か嬉しそうにダンの背中を見送った。
北の町の復興はかなり進み、町に活気も戻ってきた。
夕日に映し出される町並みは壊滅前よりも確りとした建物に変わり、道も確りと整備されていた。
怪我人も回復し、商売の活気ある声が町に溢れていた。
この町の住人は逃げる事無く残っていた。逆に兵士のほとんどは一番に逃げ出したため、住民には事欠かないが、守り手が足りない状態が続いていた。
「おい!あいつら戻ってきやがった」
門番の仕事を手伝っていた、住民が怒りの声を上げた。
「ご苦労!わざわざ戻ってきてやったぞ、さっさと受け入れろ!」
煌びやかな鎧を身に纏った騎士が大声を上げるが他の住民も敵意を向けながら
「ふざけんな!一番に逃げ出しやがった野郎どもが、どの面下げてそんな事言いやがる!」
「馬鹿か、高貴なる我らが怪我を負うよりも、貴様ら平民が怪我を追う方が良いに決まっていよう」
騎士達と住民の間に不穏当な空気が張り詰めるが、突如城壁から矢が放たれ煌びやかな鎧を着た騎士の太ももに突き刺さる。
「ふざけんじゃねぇです!民を見捨てて何が騎士ですか!消え去りやがれです」
「ぎゃ~!!お、俺の脚が・・・痛い、痛い、痛い」
サリーは更に声を上げ
「今すぐ立ち去りやがれです、出なければ更に打ちますよ」
「お前ら!あのメスを殺せ!」
そう言って背後にいる騎士をけしかけるが、城門から出てきたダン達盗賊団を見ると、動けず止まってしまう。
「サリー・・・すっかり俺達に染まったな、良い事だ。
まぁそう言う訳だ、とっとと帰えんな。
これ以上ごねるなら盗賊として討伐されてもらうぜ」
そう言って盗賊達が前に出ると、その後ろから民も出てきて横に並ぶ。
「お前達・・・」
「ダンさん、俺達の町だ、あんた達だけにこれ以上守ってもらえねえ。
俺達も闘うよ」
民の言葉にダン達は照れ笑いをして。
「じゃあ、俺達の馬車にある武具を受け取ってきてくれ、今のままだと怪我しちまうぞ」
「わかったよ」
そう言って男達は一旦下がったが、それをチャンスと見た騎士達がいっせいにダン達に殺到する。
城壁から矢が降り注ぎ、それを抜けた騎士達を、ダンを中心とした近接隊が向かえ討つ。
次々と数を減らす騎士達。
ついに、矢が尽きたのを見た最初に矢を受けた騎士が、
「今だ、突っ込むぞ!!」
そう言って突っ込んできた。
ニヤリとダンが笑い、地面をハンマーで叩くと落とし穴が現れ、残った騎士は一気に落とされてしまう。
こうして逃げ出した騎士50人は全員捕らえられ、王都へ護送されていった。
民が戻った時にはすでに決着がついていたので
「もう決着がついたのか?俺達も殴りたかったんだがな~」
そう言って残念がる代表の男をなだめて帰すと、ダンは疲れたように伸びをし、
「サリー、疲れちまったよ、風呂沸かしてくれよ」
そう言って浮かべる笑顔にサリーはドキッとして、赤い顔をしていた。
「仕方ないですね、沸かしてあげますよ」
ハインツの場合
「では、北の脱走騎士の捕縛も終ったということですね」
「そうっす、リーダーがダメンズ伯爵の息子だったみたいで、釈放しろと言ってるっす」
「ダメンズには私から言っておきます、あそこは子供だけは大量に居ますから、文句は言わないでしょう」
そう言って書類に判を押していくハインツの答えに、若干引きつる
「それと、騎士の不始末なので、今回はこれだけの褒章が欲しいんすけど」
「なるほど、ではこれでどうですか?」
トッポの提示金額より2割少ない金額を提示するハインツをチラリと見るトッポは、まるで捨てられた子犬様な目をしていた。
「う、わかりました、満額出しましょう」
「あざっす」
こうして盗賊団への物資も充実して行った。
タバコはトッポも解っていたのか文句も言わなかった。
そして今日も二つほど盗賊を潰し、領主軍に引き渡した帰りだった。
「最近盗賊多すぎじゃない?」
「しかたねぇよ、この辺りだと今はここが狙い目だからな」
そう言って軽く肩をすくめるダンにサリーはため息をつきながら
「スポンサーに少し物資の補充を頼まないと、矢と盾がそろそろ不足して来てますよ」
「あ~確かにな、他には何が足りなかったかな」
ダンは適当に馬車の中の木箱を漁るが。
「足りないのは矢が2000、盾が140、傷薬216、塩40キロ、ワイン40樽、ダンさんのタバコが4カートンですね」
サリーが指折り数えると
「おいおい、俺のタバコってなんだよ、皆も適当に買ってるだろう?」
「皆はタバコが無くてもキレないけど、ダンさんは暴れるでしょ」
「う、ちょっとイライラするだけじゃねぇか」
「それで一回馬車をダメにしたよね?
ある意味ダンさんのタバコは必要経費ですからね」
「あ~それを言われると弱えぇな。
じゃあ、旦那に申請しとくわ、紙にメモでもしといてくれ」
そう言うとダンは町で建設している居残り部隊のところに向かって行った。
「まったく、これでよく今までやってこれましたね」
そう言って、何処か嬉しそうにダンの背中を見送った。
北の町の復興はかなり進み、町に活気も戻ってきた。
夕日に映し出される町並みは壊滅前よりも確りとした建物に変わり、道も確りと整備されていた。
怪我人も回復し、商売の活気ある声が町に溢れていた。
この町の住人は逃げる事無く残っていた。逆に兵士のほとんどは一番に逃げ出したため、住民には事欠かないが、守り手が足りない状態が続いていた。
「おい!あいつら戻ってきやがった」
門番の仕事を手伝っていた、住民が怒りの声を上げた。
「ご苦労!わざわざ戻ってきてやったぞ、さっさと受け入れろ!」
煌びやかな鎧を身に纏った騎士が大声を上げるが他の住民も敵意を向けながら
「ふざけんな!一番に逃げ出しやがった野郎どもが、どの面下げてそんな事言いやがる!」
「馬鹿か、高貴なる我らが怪我を負うよりも、貴様ら平民が怪我を追う方が良いに決まっていよう」
騎士達と住民の間に不穏当な空気が張り詰めるが、突如城壁から矢が放たれ煌びやかな鎧を着た騎士の太ももに突き刺さる。
「ふざけんじゃねぇです!民を見捨てて何が騎士ですか!消え去りやがれです」
「ぎゃ~!!お、俺の脚が・・・痛い、痛い、痛い」
サリーは更に声を上げ
「今すぐ立ち去りやがれです、出なければ更に打ちますよ」
「お前ら!あのメスを殺せ!」
そう言って背後にいる騎士をけしかけるが、城門から出てきたダン達盗賊団を見ると、動けず止まってしまう。
「サリー・・・すっかり俺達に染まったな、良い事だ。
まぁそう言う訳だ、とっとと帰えんな。
これ以上ごねるなら盗賊として討伐されてもらうぜ」
そう言って盗賊達が前に出ると、その後ろから民も出てきて横に並ぶ。
「お前達・・・」
「ダンさん、俺達の町だ、あんた達だけにこれ以上守ってもらえねえ。
俺達も闘うよ」
民の言葉にダン達は照れ笑いをして。
「じゃあ、俺達の馬車にある武具を受け取ってきてくれ、今のままだと怪我しちまうぞ」
「わかったよ」
そう言って男達は一旦下がったが、それをチャンスと見た騎士達がいっせいにダン達に殺到する。
城壁から矢が降り注ぎ、それを抜けた騎士達を、ダンを中心とした近接隊が向かえ討つ。
次々と数を減らす騎士達。
ついに、矢が尽きたのを見た最初に矢を受けた騎士が、
「今だ、突っ込むぞ!!」
そう言って突っ込んできた。
ニヤリとダンが笑い、地面をハンマーで叩くと落とし穴が現れ、残った騎士は一気に落とされてしまう。
こうして逃げ出した騎士50人は全員捕らえられ、王都へ護送されていった。
民が戻った時にはすでに決着がついていたので
「もう決着がついたのか?俺達も殴りたかったんだがな~」
そう言って残念がる代表の男をなだめて帰すと、ダンは疲れたように伸びをし、
「サリー、疲れちまったよ、風呂沸かしてくれよ」
そう言って浮かべる笑顔にサリーはドキッとして、赤い顔をしていた。
「仕方ないですね、沸かしてあげますよ」
ハインツの場合
「では、北の脱走騎士の捕縛も終ったということですね」
「そうっす、リーダーがダメンズ伯爵の息子だったみたいで、釈放しろと言ってるっす」
「ダメンズには私から言っておきます、あそこは子供だけは大量に居ますから、文句は言わないでしょう」
そう言って書類に判を押していくハインツの答えに、若干引きつる
「それと、騎士の不始末なので、今回はこれだけの褒章が欲しいんすけど」
「なるほど、ではこれでどうですか?」
トッポの提示金額より2割少ない金額を提示するハインツをチラリと見るトッポは、まるで捨てられた子犬様な目をしていた。
「う、わかりました、満額出しましょう」
「あざっす」
こうして盗賊団への物資も充実して行った。
タバコはトッポも解っていたのか文句も言わなかった。
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