22 / 87
第二章 自重を知らない回り
料理対決
しおりを挟む
ある日の午後その事件は起きた。
「ブ、ブラウン久しぶり・・・」
「お?レオナじゃないか、元気か?」
ドラゴニアの酒場で久しぶりにレオナと再会したブラウンは、レオナの向かいに腰を下ろすとエールをたのむ。
「ああ、元気だよ、ブラウンは元気だった?」
「おう、元気だ、今日は釣りに行ってきたぞ、大漁だ」
ブラウンは床に置いた篭を指差しレオナはつられて篭を見ると、篭のフタから魚の尾鰭がいくつも飛び出ていた。
クスリとレオナは笑うと軽く考えるように指を顎に当てる。
「これだけ有ると食べきれないね、よ、良かったら何か作ろうか?」
「おお、いいな、前に作ってくれた南蛮?だっけか、あれが良いな」
「わかったよ、早速作るとするかね」
レオナが篭に手を伸ばした所で爆弾が投下された。
もしここが持ち込み調理可能な酒場でなければ、レオナが気楽に料理すると言わなければ、ここで龍姫達が入ってこなければこの騒ぎは起こらなかっただろう。
「料理が上手い嫁さんが居たら幸せだよな、レオナは良い嫁になるな」
入ってきた龍姫達は目を見開き、レオナは顔を赤くして固まる。
「あれ?どうした」
「・・・・・・いやなんでもない」
力なく返事を返すレオナだがブラウンは気にせずエールを一口飲むと、子供のような笑顔をレオナに向けて。
「楽しみだ、エールに良く合うんだよな」
「ブラウン様、料理が上手な方は良いお嫁さんになりますか?」
「そうだな、俺は料理上手な嫁が欲しいな」
「実は私も料理は出来るんだ、作って良いかな?」
「わたくしも出来ますのよ」
3人の龍姫が迫ると、ブラウンは楽しそうに笑いながら「かなり魚はあるから皆で作って食べたら良いと思うぞ」と言ったとたんレオナをふくむ四人は無言で火花を散らした。
そして、猛ダッシュで調理場に駆け込み、見ていた客達も楽しそうに誰が勝つのか賭けを始めた。
そんな中、ブラウンは二杯目のエールに口をつけて、テーブルの上の枝豆を食べながら女性同士仲が良いなと思っていた。
トッポは王都からバンテリンとジャマーを引き連れてドラゴニアまであと少しの所に来ていた。
ジャマーはドラゴニアの開拓従事の罰を受けて、バンテリンはその監視役としてトッポに連れられていた。
捕縛された後、何が悪くてそして、教義に対しての間違いをモンブランに聞かされ、自分の罪を知ったジャマーは時折考え込む時間が出来た、バンテリンと何度も話し合いを重ねた結果、素直に刑に服した。
「もう直ぐドラゴニアの門が見えてくるっすよ」
「ほぉ、かなりの道であったが、ここまで来ると感慨深い物があるのう」
バンテリンが振り返ると山の中腹とはいえ高い位置にあるため遠くまで見渡せる、その絶景だけでもここに来た意味があるように感じていた。
ジャマーは黙ったままバンテリンのまねをして振り返った時頬に一筋の涙が流れた、それはいったい何故流れたのか解らない、だが、心からの涙だとトッポもバンテリンも感じていた。
その日の夕方にはトッポのキャラバンはドラゴニアの門をくぐった。
トッポたちはブラウンが居ると聞いて持ち込み酒場にやってきたが、中から恐ろしい異臭がする。
恐る恐る扉を開けて中を覗くと死屍累々の中、ブラウンはテーブルに突っ伏して眠っていた。
「こ、これはいったい?」
「あら?トッポ丁度良かったわ、私達の料理の判定をしてもらいたい」
奥から四人が出てくるが、3人の手にはなぞの物体が・・・唯一の救いはレオナの手には美味しそうな魚の南蛮が見えることだろうか?
「え?いや、あの、」
チラリとバンテリンやジャマーに目を向けるが、バンテリンは「年寄りには刺激物は」などと言って目を合わせてくれない。
ジャマーが軽くため息をつくと、ズイっと前に出て呆れたように
「たかが料理だろう、二人とも何をしり込みしてやがる」
そう言うとヒョイッとミネルバの皿の黒いなぞの物体を口に入れると、青を通り越して紫の顔色をして
「どうよ、自信作よ」
「な、生臭くて油っぽくて苦い」
その一言に膝を付きうな垂れるミネルバ
ジャマーは誰も居ないテーブルの上にあったエールを煽ると、続いてニンニルの皿の蠢く物体に手を伸ばすと一気に口に入れた。
「新鮮だからその生命力を生かしてみたの、美味しいと思いますわ」
「ゴフ、ぅ動いて食いずらい、あじがない・・・」
「うそ」と残りに手を伸ばそうとすると、料理は猛スピードで逃げ出していった。
さらに震えつつヘーラの更に手を伸ばすといきなり鋭い牙に指を噛み付かれた。
「痛っ」
そのままかぶりつくと噛み合いになり暫く後に食べ終わった。
「どうじゃ?攻撃力を上げて生命力を強化したのじゃ」
「も、もう料理じゃねぇ、甘臭くて痛くて・・・」
今にも倒れそうなジャマーは、最後の気力を振り絞ってレオナの皿に手を伸ばす、その瞬間目を見開いて最後まで食べきる。
ジャマーはあまりの異次元のま不味さに、この苦行は自身への罰の一環だと思っていた、しかし次の料理はまさに至福の味で皿を持つレオナを見つめた
「め、女神だ、う、旨い」
あまりの美味さにジャマーの心はレオナに奪われてしまった。
惚れやすい、いや地獄で至福の味を味わえば惚れるのも無理がないのかもしてない。
レオナを見つめる熱を篭った目をさらりと交わすと
「やはり私の勝ちだな」
と、勝ち誇ったように笑い、三人は悔しそうに下を向く。
その間にトッポは必死にブラウンを起こしにかかっていた。
そのかいあって、ブラウンは寝ぼけ眼で起き上がると「はらへった」と言ってキッチンに向かい、鍋に残っていた全員の料理をたいらげると、「ご馳走さん」と四人の頭を撫でて出て行ってしまった。
四人ともぼーっと見送る中、倒れていたその場に居た者の思いは重なっていた。
「「「何故食って平気なんだ」」」
こうして第一回料理対決?は引き分け?に終ったのだった
「ブ、ブラウン久しぶり・・・」
「お?レオナじゃないか、元気か?」
ドラゴニアの酒場で久しぶりにレオナと再会したブラウンは、レオナの向かいに腰を下ろすとエールをたのむ。
「ああ、元気だよ、ブラウンは元気だった?」
「おう、元気だ、今日は釣りに行ってきたぞ、大漁だ」
ブラウンは床に置いた篭を指差しレオナはつられて篭を見ると、篭のフタから魚の尾鰭がいくつも飛び出ていた。
クスリとレオナは笑うと軽く考えるように指を顎に当てる。
「これだけ有ると食べきれないね、よ、良かったら何か作ろうか?」
「おお、いいな、前に作ってくれた南蛮?だっけか、あれが良いな」
「わかったよ、早速作るとするかね」
レオナが篭に手を伸ばした所で爆弾が投下された。
もしここが持ち込み調理可能な酒場でなければ、レオナが気楽に料理すると言わなければ、ここで龍姫達が入ってこなければこの騒ぎは起こらなかっただろう。
「料理が上手い嫁さんが居たら幸せだよな、レオナは良い嫁になるな」
入ってきた龍姫達は目を見開き、レオナは顔を赤くして固まる。
「あれ?どうした」
「・・・・・・いやなんでもない」
力なく返事を返すレオナだがブラウンは気にせずエールを一口飲むと、子供のような笑顔をレオナに向けて。
「楽しみだ、エールに良く合うんだよな」
「ブラウン様、料理が上手な方は良いお嫁さんになりますか?」
「そうだな、俺は料理上手な嫁が欲しいな」
「実は私も料理は出来るんだ、作って良いかな?」
「わたくしも出来ますのよ」
3人の龍姫が迫ると、ブラウンは楽しそうに笑いながら「かなり魚はあるから皆で作って食べたら良いと思うぞ」と言ったとたんレオナをふくむ四人は無言で火花を散らした。
そして、猛ダッシュで調理場に駆け込み、見ていた客達も楽しそうに誰が勝つのか賭けを始めた。
そんな中、ブラウンは二杯目のエールに口をつけて、テーブルの上の枝豆を食べながら女性同士仲が良いなと思っていた。
トッポは王都からバンテリンとジャマーを引き連れてドラゴニアまであと少しの所に来ていた。
ジャマーはドラゴニアの開拓従事の罰を受けて、バンテリンはその監視役としてトッポに連れられていた。
捕縛された後、何が悪くてそして、教義に対しての間違いをモンブランに聞かされ、自分の罪を知ったジャマーは時折考え込む時間が出来た、バンテリンと何度も話し合いを重ねた結果、素直に刑に服した。
「もう直ぐドラゴニアの門が見えてくるっすよ」
「ほぉ、かなりの道であったが、ここまで来ると感慨深い物があるのう」
バンテリンが振り返ると山の中腹とはいえ高い位置にあるため遠くまで見渡せる、その絶景だけでもここに来た意味があるように感じていた。
ジャマーは黙ったままバンテリンのまねをして振り返った時頬に一筋の涙が流れた、それはいったい何故流れたのか解らない、だが、心からの涙だとトッポもバンテリンも感じていた。
その日の夕方にはトッポのキャラバンはドラゴニアの門をくぐった。
トッポたちはブラウンが居ると聞いて持ち込み酒場にやってきたが、中から恐ろしい異臭がする。
恐る恐る扉を開けて中を覗くと死屍累々の中、ブラウンはテーブルに突っ伏して眠っていた。
「こ、これはいったい?」
「あら?トッポ丁度良かったわ、私達の料理の判定をしてもらいたい」
奥から四人が出てくるが、3人の手にはなぞの物体が・・・唯一の救いはレオナの手には美味しそうな魚の南蛮が見えることだろうか?
「え?いや、あの、」
チラリとバンテリンやジャマーに目を向けるが、バンテリンは「年寄りには刺激物は」などと言って目を合わせてくれない。
ジャマーが軽くため息をつくと、ズイっと前に出て呆れたように
「たかが料理だろう、二人とも何をしり込みしてやがる」
そう言うとヒョイッとミネルバの皿の黒いなぞの物体を口に入れると、青を通り越して紫の顔色をして
「どうよ、自信作よ」
「な、生臭くて油っぽくて苦い」
その一言に膝を付きうな垂れるミネルバ
ジャマーは誰も居ないテーブルの上にあったエールを煽ると、続いてニンニルの皿の蠢く物体に手を伸ばすと一気に口に入れた。
「新鮮だからその生命力を生かしてみたの、美味しいと思いますわ」
「ゴフ、ぅ動いて食いずらい、あじがない・・・」
「うそ」と残りに手を伸ばそうとすると、料理は猛スピードで逃げ出していった。
さらに震えつつヘーラの更に手を伸ばすといきなり鋭い牙に指を噛み付かれた。
「痛っ」
そのままかぶりつくと噛み合いになり暫く後に食べ終わった。
「どうじゃ?攻撃力を上げて生命力を強化したのじゃ」
「も、もう料理じゃねぇ、甘臭くて痛くて・・・」
今にも倒れそうなジャマーは、最後の気力を振り絞ってレオナの皿に手を伸ばす、その瞬間目を見開いて最後まで食べきる。
ジャマーはあまりの異次元のま不味さに、この苦行は自身への罰の一環だと思っていた、しかし次の料理はまさに至福の味で皿を持つレオナを見つめた
「め、女神だ、う、旨い」
あまりの美味さにジャマーの心はレオナに奪われてしまった。
惚れやすい、いや地獄で至福の味を味わえば惚れるのも無理がないのかもしてない。
レオナを見つめる熱を篭った目をさらりと交わすと
「やはり私の勝ちだな」
と、勝ち誇ったように笑い、三人は悔しそうに下を向く。
その間にトッポは必死にブラウンを起こしにかかっていた。
そのかいあって、ブラウンは寝ぼけ眼で起き上がると「はらへった」と言ってキッチンに向かい、鍋に残っていた全員の料理をたいらげると、「ご馳走さん」と四人の頭を撫でて出て行ってしまった。
四人ともぼーっと見送る中、倒れていたその場に居た者の思いは重なっていた。
「「「何故食って平気なんだ」」」
こうして第一回料理対決?は引き分け?に終ったのだった
35
あなたにおすすめの小説
慈愛と復讐の間
レクフル
ファンタジー
とある国に二人の赤子が生まれた。
一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。
慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。
これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。
だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。
大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。
そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。
そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。
慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。
想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……
逆行転生って胎児から!?
章槻雅希
ファンタジー
冤罪によって処刑されたログス公爵令嬢シャンセ。母の命と引き換えに生まれた彼女は冷遇され、その膨大な魔力を国のために有効に利用する目的で王太子の婚約者として王家に縛られていた。家族に冷遇され王家に酷使された彼女は言われるままに動くマリオネットと化していた。
そんな彼女を疎んだ王太子による冤罪で彼女は処刑されたのだが、気づけば時を遡っていた。
そう、胎児にまで。
別の連載ものを書いてる最中にふと思いついて書いた1時間クオリティ。
長編予定にしていたけど、プロローグ的な部分を書いているつもりで、これだけでも短編として成り立つかなと、一先ずショートショートで投稿。長編化するなら、後半の国王・王妃とのあれこれは無くなる予定。
私の生前がだいぶ不幸でカミサマにそれを話したら、何故かそれが役に立ったらしい
あとさん♪
ファンタジー
その瞬間を、何故かよく覚えている。
誰かに押されて、誰?と思って振り向いた。私の背を押したのはクラスメイトだった。私の背を押したままの、手を突き出した恰好で嘲笑っていた。
それが私の最後の記憶。
※わかっている、これはご都合主義!
※設定はゆるんゆるん
※実在しない
※全五話
王子様と過ごした90日間。
秋野 林檎
恋愛
男しか爵位を受け継げないために、侯爵令嬢のロザリーは、男と女の双子ということにして、一人二役をやってどうにか侯爵家を守っていた。18歳になり、騎士団に入隊しなければならなくなった時、憧れていた第二王子付きに任命されたが、だが第二王子は90日後・・隣国の王女と結婚する。
女として、密かに王子に恋をし…。男として、体を張って王子を守るロザリー。
そんなロザリーに王子は惹かれて行くが…
本篇、番外編(結婚までの7日間 Lucian & Rosalie)完結です。
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる