僕たちのこじれた関係

柏葉 結月

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僕たちのこじれた関係&君のPerfume(Spin-off)

白い想い人 ・前

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(side スヒョン)


    初めてミンジェに対面した時、白くてお餅のような頬が可愛いなと思った。方言のイントネーションが心地好い声質に、もっと沢山声が聞きたくて。仲良くなりたい、彼の特別な存在になりたいと、傍を離れなかった。

    その透き通るような白い肌は、自分の浅黒い肌と比べると本当に同じ年の男子だとは思えなかったが、腕にも腹にも相当な筋肉が付いていて、その身体能力は驚異的だった。

    ミンジェは勉強は優秀だったが人見知りな性格のため、学校で転校生として紹介された初日は、クラスの誰とも話せなかったようで。
    俺がホームルームを終えて迎えに行った時、教室の中でポツンとしていた。帰り支度は出来ているようなので、入り口から声をかけた。

「ミンジェ、一緒に帰ろ!」

「スヒョナ!」

    固まっていた表情が、花の蕾が綻ぶみたいに笑顔となり、嬉しそうに俺に駆け寄ってくる。
    生き別れの兄弟を見つけた、もしくは親鳥と再会した雛鳥。不安だったのだろう。それともクラスの中で不当な扱いでも受けたのか。

「ミンジェ、友だちは出来た?」

「きょ、今日は初日だし!僕、緊張してまだ誰とも……」

「……へ~ぇ?」

    俺は腕を広げてミンジェの肩を抱き、息を飲むクラスの連中に冷たい一瞥を送るとミンジェとともにその場を後にした。


    いつからだろう。
    俺の隣で笑うお前が、心の支えになったのは。

    俺の言葉を丁寧に聞いてくれ、声を上げて笑う。俺に構って欲しいのか、ちょっかいを出してくる。
    それが凄く嬉しくて、楽しくて……正直心臓がおかしくて。お前への恋情を抱えている事を自覚した。
    自覚はあったがミンジェの存在自体が大切過ぎて、俺の邪な気持ちは表に出す事は出来ない。

    しかしある日突然、そんなものはクローゼットの奥の箱に厳重にしまわなければならない時が来た。


「スヒョナ……僕、ヨングの事が凄く好きみたいなんだ。どうしよう、どうしたらいいかわかんないよ!」

「……、」

    大丈夫だよ。お前は俺みたいに邪な気持ちをクローゼットの奥にしまわなくても、純粋にぶつかってみたら良い。

    ミンジェはぶつかっては倒れ、ぶつかっては倒れていたが、諦めなかった。

    俺はそんなミンジェを見守って、時には慰め優しく抱き締めてやったが、そんな俺たちを、ヨングが熱い眼差しで見つめている事に気がついていた。

    あぁ、ヨング……お前。
    素直になれば良いのに。

    俺の天使が欲しいんだろ?

    お互いにどうしたら良いのかわからず擦れ違っている二人に、俺はどこかで安心していた。そして、油断していたのだ……。


    ある時、一人で練習室に籠ってダンスの練習をしているミンジェを迎えに行ったら。ヨングが床で眠るミンジェの頭を膝に乗せて、携帯を弄っている。

「ミンジェ、連れて帰るんだけど?」

「……ミンジェヒョンは、僕が連れて帰るので大丈夫です」

「……ふうん?」

    まだ子供だと思っていた末っ子のヨングが、いつの間にか男の顔で俺に対峙してきた。

    大切な親友と、可愛い弟。
    二人が幸せになってくれるならば、俺の出る幕はない。

    少しだけ寂しいのは未練だろうか。まだたった数年一緒に過ごしただけの関係なのに。実際は本当の家族よりも長い時間を共有して、同じ目的のために頑張ってきた『同志』。

    これからもずっと一緒に生きていける。
    じゃあ、一体何が寂しいのか。


「スヒョン、大丈夫か?」

「え?ユギヒョン……」

    目線は少し下。真っ白で眩しい。

「……ヒョン、太陽に当たってますか?」

「はぁ?」

    彼の口許から覗く、白くて小さな歯。規則正しく並んでいて、可愛らしい。

「大丈夫って何の事ですか?」

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