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僕と君のリング
2.温度差
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ヨングに押し倒されれば、Tシャツは魔法みたいに脱がされてしまう。肌と肌の間を遮る物がなくなれば、僕たちの本能は直ぐに首を抬げる。
ヨングは自分の唇をペロッっと舐めて、僕の唇を荒々しく塞いだ。差し込まれる舌には、有無を言わさない乱暴さ。かと思えば次の瞬間、優しく唇を挟むように喰んでくるから、胸がドキドキして苦しい。
「待って、あ……っ!」
昨夜の余韻が残る僕の身体は、気持ちとは裏腹にヨングに従順だ。
乳首を摘まみ上げられれば直ぐに硬く勃ち、下半身に手を伸ばされればお腹の奥が疼き始める。
「あなたが僕の…、だって証明したいだけなんです」
「ふ…、あ、あっ」
大事な話を、してたのに。
証明?ってなに。僕の身体がこんなになって、ヨングだけを受け入れて。
僕が心も身体もきみに愛を叫んでるのが、わからないの?
『ヨング!そこにミンジェもいる?2人とも携帯を確認して!!』
打ち合わせが30分早まったと、部屋のドアをドンドンと叩く音が聞こえてこなければ、僕はまた、ヨングにピアスを揺らされるような事になっていただろう。
身体のあちこちが、疼いて堪らなくなって。ヨングの名前を呼んで、愛してるって言いたくて仕方なくなったけど。
ヨングが結婚という大事な話を自分の欲情に負けたからと、無かった事にして?みたいな流れに持っていったのは。
僕には許せない出来事だった。
携帯を見たら、マネージャーから時間変更の連絡が来ていた。けれど既読が付かないから、メンバーが部屋まで呼びに来てくれたんだろう。
最悪。
「ヨング、仕事行くよ!」
「……なんでこのタイミング?」
2人で散らばっていた服をかき集めて身に付けていると、ヨングが不意に僕の手を取り、ぎゅっと握りしめながらポツリと呟いた。
「ミンジェの言う距離を置くって、具体的にどうすればいいんですか?」
「……しばらく同じベッドで寝ない。僕もこの部屋に来ないから、ヨングも僕のベッドに来ないで」
「それっていつまで?期限がありますか?」
「わかんない。今決められない。一回部屋戻って着替えなきゃ」
「僕の服着てけばいいのに」
「やだ。ヨングの服大きいから」
「………そう」
「お粥美味しかった!ごちそうさま。僕片付けながら部屋戻るね。また後で」
「うん、………また、後で」
ヨングの耳の垂れたウサギみたいな様子に胸が痛む。
打ち合わせが終わって、次の仕事に取りかかる隙間時間に、僕はスヒョンにこっそり近づいた。
囁くように内緒の話をする。
「ねぇ、スヒョン。 今夜からスヒョンのベッド 使っていい?」
「別にいいけど。俺は別の部屋に行くから好きに使っていいよ」
「ありがと……別の部屋って…え?ユギさん?」
「そうだけど?ヨングだって、様子おかしいし。何か有ったなってすぐに判るよ。ケンカでもした?」
「ん、そんなとこ。ごめんね、巻き込んで」
「いい口実になったから」
「……? そうなんだ…?」
スヒョンが最近ユギに懐いてるのは知ってたけど、もしかして、付き合ってるのかな?
仕事の間は、ヨングと自然としていられたと思う。
チリチリとした視線が僕に纏わりつくけど、ヨングの方を見ると、"別に見てないよ"って態度なので僕も何も言わずにいた。
僕は、考えなくちゃいけない。
僕と君の未来を。
朝、ヨングを突き放して夜ベッドに来ないでとは言ったけど、それを素直に守ってくれるか解らないから、スヒョンの部屋に避難してきた。
スヒョンは、もうユギの部屋に行ったらしい。ほんとはヨングとちゃんと話した方がいいとは思うけど……。
一人で眠るのはいつ振りだろう。
練習生になる為に、ソウルに引っ越してきて、気が付けばスヒョンの部屋か、ヨングの部屋で眠るようになり、時々僕の部屋に二人のどちらかが来たりもした。
最近はずっとヨングと眠っていたから、スヒョンのベッドの匂いはとても懐かしい感じがする。
ベッドが広く感じられ、ヨングの温もりが隣に無いという事が正直なところ寂しい……。
"ゆっくり考えるんだから、ちょうどいいじゃん"
僕は、部屋の明かりをサイドランプだけにすると、携帯を持って韓国の同性婚について調べてみた。
色々な記事を見て、予想道理。
僕たちの結婚は色々な壁が有って、その一つ一つに立ち向かって行ったら、僕たちの関係がもしかしたら違うものになってしまいそう。
僕はそれを望んでいなかった。
ヨングと話し合おう。
今すぐヨングの部屋に行く?そう思ったけど、身体が動かなかった。
……………眠い。
ヨングに押し倒されれば、Tシャツは魔法みたいに脱がされてしまう。肌と肌の間を遮る物がなくなれば、僕たちの本能は直ぐに首を抬げる。
ヨングは自分の唇をペロッっと舐めて、僕の唇を荒々しく塞いだ。差し込まれる舌には、有無を言わさない乱暴さ。かと思えば次の瞬間、優しく唇を挟むように喰んでくるから、胸がドキドキして苦しい。
「待って、あ……っ!」
昨夜の余韻が残る僕の身体は、気持ちとは裏腹にヨングに従順だ。
乳首を摘まみ上げられれば直ぐに硬く勃ち、下半身に手を伸ばされればお腹の奥が疼き始める。
「あなたが僕の…、だって証明したいだけなんです」
「ふ…、あ、あっ」
大事な話を、してたのに。
証明?ってなに。僕の身体がこんなになって、ヨングだけを受け入れて。
僕が心も身体もきみに愛を叫んでるのが、わからないの?
『ヨング!そこにミンジェもいる?2人とも携帯を確認して!!』
打ち合わせが30分早まったと、部屋のドアをドンドンと叩く音が聞こえてこなければ、僕はまた、ヨングにピアスを揺らされるような事になっていただろう。
身体のあちこちが、疼いて堪らなくなって。ヨングの名前を呼んで、愛してるって言いたくて仕方なくなったけど。
ヨングが結婚という大事な話を自分の欲情に負けたからと、無かった事にして?みたいな流れに持っていったのは。
僕には許せない出来事だった。
携帯を見たら、マネージャーから時間変更の連絡が来ていた。けれど既読が付かないから、メンバーが部屋まで呼びに来てくれたんだろう。
最悪。
「ヨング、仕事行くよ!」
「……なんでこのタイミング?」
2人で散らばっていた服をかき集めて身に付けていると、ヨングが不意に僕の手を取り、ぎゅっと握りしめながらポツリと呟いた。
「ミンジェの言う距離を置くって、具体的にどうすればいいんですか?」
「……しばらく同じベッドで寝ない。僕もこの部屋に来ないから、ヨングも僕のベッドに来ないで」
「それっていつまで?期限がありますか?」
「わかんない。今決められない。一回部屋戻って着替えなきゃ」
「僕の服着てけばいいのに」
「やだ。ヨングの服大きいから」
「………そう」
「お粥美味しかった!ごちそうさま。僕片付けながら部屋戻るね。また後で」
「うん、………また、後で」
ヨングの耳の垂れたウサギみたいな様子に胸が痛む。
打ち合わせが終わって、次の仕事に取りかかる隙間時間に、僕はスヒョンにこっそり近づいた。
囁くように内緒の話をする。
「ねぇ、スヒョン。 今夜からスヒョンのベッド 使っていい?」
「別にいいけど。俺は別の部屋に行くから好きに使っていいよ」
「ありがと……別の部屋って…え?ユギさん?」
「そうだけど?ヨングだって、様子おかしいし。何か有ったなってすぐに判るよ。ケンカでもした?」
「ん、そんなとこ。ごめんね、巻き込んで」
「いい口実になったから」
「……? そうなんだ…?」
スヒョンが最近ユギに懐いてるのは知ってたけど、もしかして、付き合ってるのかな?
仕事の間は、ヨングと自然としていられたと思う。
チリチリとした視線が僕に纏わりつくけど、ヨングの方を見ると、"別に見てないよ"って態度なので僕も何も言わずにいた。
僕は、考えなくちゃいけない。
僕と君の未来を。
朝、ヨングを突き放して夜ベッドに来ないでとは言ったけど、それを素直に守ってくれるか解らないから、スヒョンの部屋に避難してきた。
スヒョンは、もうユギの部屋に行ったらしい。ほんとはヨングとちゃんと話した方がいいとは思うけど……。
一人で眠るのはいつ振りだろう。
練習生になる為に、ソウルに引っ越してきて、気が付けばスヒョンの部屋か、ヨングの部屋で眠るようになり、時々僕の部屋に二人のどちらかが来たりもした。
最近はずっとヨングと眠っていたから、スヒョンのベッドの匂いはとても懐かしい感じがする。
ベッドが広く感じられ、ヨングの温もりが隣に無いという事が正直なところ寂しい……。
"ゆっくり考えるんだから、ちょうどいいじゃん"
僕は、部屋の明かりをサイドランプだけにすると、携帯を持って韓国の同性婚について調べてみた。
色々な記事を見て、予想道理。
僕たちの結婚は色々な壁が有って、その一つ一つに立ち向かって行ったら、僕たちの関係がもしかしたら違うものになってしまいそう。
僕はそれを望んでいなかった。
ヨングと話し合おう。
今すぐヨングの部屋に行く?そう思ったけど、身体が動かなかった。
……………眠い。
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