ゆうとの幻想物語 戦禍の残滓

すぶらー

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実験台にされる

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 ゴン!その音と頭の痛みで目が覚めた。
 ゆ「イッテー。なんだぁ?」
 梨「兄ちゃん。そこにいたの?」
 ゆ「あぁ、梨沙か。俺たち売られたみたいだな。」
 梨「そうみたい。まだトラックの荷台の中だよ。」
 ゆ「そうなんだ。俺達これからどうな……」
 荷台の鍵が開く音がしたので俺は口を閉じた。
 ?「あいつらを予定どうりの部屋に運べ。」
 俺は乱暴に持ち上げられた。
 ゆ「うわああああ。」
 幸い袋の中にいたので落ちずにすんだ。
 ゆ「あぁ、起きちゃった?ゆうとくん。なんで名前知ってるかなんて聞かないでくれよ。きみの妹がさんざん呼んでたからねぇ?」
 梨沙の声がしない。どうやら別の部屋に向かっているようだ。
 ?「今日からここが君の部屋だよ。」
 その瞬間俺は袋から逆さまに出された。
 ゆ「ぐふっ……くっそぉ……」
 頭を強打した。そして俺はまた気絶した。
 次に気づいたら朝だった。
 ?「おはよう、ゆうとくん?私はカイだ。これからはちょっとばかし薬の実験台になってもらうよ。」
 ゆ「実験台って梨沙もか?」
 カ「梨沙?あぁ、君の双子の妹か。もちろんだ。」
 ゆ「そんな!お願いだ!梨沙にだけは手を出さないでくれ!」
 カ「うん。いいだろう。君が二人分の薬を取ることになるだろうがな。」
 ゆ「それでも構わない。ありがとう。それにしても、何もない部屋だな。」
 カ「囚われの身がそんなこと気にするのか?まあ仕方なかろう。裕福だったらしいからな。じゃあ、また後でねぇ。」
 どんな薬なのだろう?この何もない部屋で耐えられるのだろうか?鉄格子の窓。ヒビの入った鏡。ただならぬ雰囲気……。
 数分後扉がもう一つあることに気がついた。さっきカイが出て行った扉ともう一つ。そっと開けてみる。
 ゆ「……トイ……レ……なのか?」
 誰もいない部屋でつぶやいた。薬を飲んだら吐いてしまえばよさそうだ。
 カ「おや?もう見つけたのか。他の人はみんなもっと遅くに気づくのだがね。ヘタすると死ぬまで気づかない奴もいる。」
 ゆ「それがなにか問題でも起こすのか?」
 カ「そういうわけではないんだがね。それよりも、最初、じゃないね。まぁいい。とりあえず薬だ。自分で注射する方がいいだろう。あいにくこちらもそんなことしている場合ではないのでね。何しろ薬の中の毒の研究が……おっと、少し喋りすぎたようだね。注射しなかったら分かるんだよ。嘘つかないほうが身のためだ。」
 ゆ「はぁ?まあいいか、梨沙に薬を投与しない約束だから。」
 言いながら針を刺して薬を注入した。
 カ「なかなか潔いじゃないか。他より手間が省けて楽だね。んじゃ、次はお昼ごろにまた来るからねぇ。」
 毒はそこまで強くないが気分が悪くなってきた。蓄積したらまずいことになりそうだ。
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