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-2- 俺には 分かる
くらえ!
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「何を根拠に…」
「レナリ、出発する前に預けたものを取り出してくれ」
「え?…あッ」
何故か村を出る前にルシスから預かったスタッフがあったが、そういうことだったのか。私は背中に負ったスタッフを手に持った。
「それはもしや…」
「一軒気になるお家があったものですから、つい」
まんざらでもなさそうに肩をすくめるルシス。
「困りますな勝手に持っていかれては…」
「すいません。保険と言うことで」
ルシスが何故その家が気になったのかは謎だが、これがもしその僧侶のものなら、ハイドラが退治される前にも関わらずこれを持ちださずに散策に出るのはおかしい。ということは村の外には出ていないということになる。ルシスは言葉を続ける。
「どういう事情かは存じませんが、こちらでお会いさせてただけませんか」
「…そうですな…退治もして頂いたことですし、そのようにさせて頂きましょう」
村人がざわついている中何やら村長が村の男と話をし始めた。
「ねぇルシス、どうして勝手にスタッフなんかくすねたの?控えめに言って泥棒だよ」
「うん?あーまあ、勇者は人の家を漁るものだろ?」
「えっ…」
そんな風にいわれると確かに何とも言えなくなる。
「確かにそういう部分はあるケド…」
「冗談だよ」
「冗談かい!」
「いやまあ一応理由はあったよ。ほら、村人たちの傷を見てみると、みんな浅いだろう?」
「え?うーん…?」
言われてみればそうかも…?
「回復魔法は使われてたってことだ、ごく最近までは。でも依頼にその関連の話はないし何かおかしいなーって見回ってたら、妙に片付いた家が一軒あってね。でそれが」
スタッフを顎で指すルシス。
「なるほど?」
「それに討伐に向かった人間を迎えるんなら癒し手は呼んでおかないか普通」
「ま、まあ確かに…」
それなりの根拠はあったようで私のルシス像がまたよく分からなくなった。こいつただの変態じゃないのか…?ただ強い脳筋でもない?うーん、わからん。
しばらくして奥からみすぼらしい布の服一枚着せられている金髪の薄汚れた姿の女性が両脇を抱えられて現れ私たちの前に座らされた。目隠しをされていて顔はよく見えない。
理由は分からないが、何か酷い扱いを受けていたことであろうことは分かる。
「こ、これは…っ!!」
さすがにルシスの目が見開かれた。続けて彼は言う。
「…そうですか、わかりました、なるほど…。彼女も報酬として頂きたいんですけど」
「い…いや!?ちょ、は!?急になに言ってるの!?」
「いいでしょう」
「いいのぉ!?」
村人たちはざわついていたが、その話が何らかの説明で収まると(村人たちは僧侶が軟禁されていたことを一部を除いて知らなかったらしい)その場はとりあえず解散となった。
ルシスが女性の目隠しをはらりと取ると、ゆっくりと女性が目を開ける。その子の瞳は青く輝いていた。
「ああ…思った通り美しい…」
「オイ」
今は軟禁によって薄汚れた格好をしているが元は美しかったであろうプラチナゴールドの髪から顔を覗かせ、おずおずとその女性は声を絞り出した。
「あの…もしかしてあなたは…勇者さま…?」
「いかにも俺は勇者です」
ルシスはここぞとばかりに胸を張る。
「まあそう…ですね、一応」
何か認めたくなかったが一応肯定しておく。
すると女性は両手を胸の前で組み合わせ、祈りを捧げるように目をキラキラと輝かせた。
「ああ、感謝致します我らが神よ…よもや勇者さまに救っていただけるなんて…」
釈然としないけど彼がこの人を救ったのは確か。変態だけど勇者に救われたことに感謝するのも分かる。けれど私の中で腑に落ちていないこともあった。
「あの…答えにくいかもしれないんですけど…どうして捕まることになったんでしょう…?」
すると女性は目線を落とす。
「それは…ですね…」
ルシスが代わりに答えた。
「理由はこれかな」
「レナリ、出発する前に預けたものを取り出してくれ」
「え?…あッ」
何故か村を出る前にルシスから預かったスタッフがあったが、そういうことだったのか。私は背中に負ったスタッフを手に持った。
「それはもしや…」
「一軒気になるお家があったものですから、つい」
まんざらでもなさそうに肩をすくめるルシス。
「困りますな勝手に持っていかれては…」
「すいません。保険と言うことで」
ルシスが何故その家が気になったのかは謎だが、これがもしその僧侶のものなら、ハイドラが退治される前にも関わらずこれを持ちださずに散策に出るのはおかしい。ということは村の外には出ていないということになる。ルシスは言葉を続ける。
「どういう事情かは存じませんが、こちらでお会いさせてただけませんか」
「…そうですな…退治もして頂いたことですし、そのようにさせて頂きましょう」
村人がざわついている中何やら村長が村の男と話をし始めた。
「ねぇルシス、どうして勝手にスタッフなんかくすねたの?控えめに言って泥棒だよ」
「うん?あーまあ、勇者は人の家を漁るものだろ?」
「えっ…」
そんな風にいわれると確かに何とも言えなくなる。
「確かにそういう部分はあるケド…」
「冗談だよ」
「冗談かい!」
「いやまあ一応理由はあったよ。ほら、村人たちの傷を見てみると、みんな浅いだろう?」
「え?うーん…?」
言われてみればそうかも…?
「回復魔法は使われてたってことだ、ごく最近までは。でも依頼にその関連の話はないし何かおかしいなーって見回ってたら、妙に片付いた家が一軒あってね。でそれが」
スタッフを顎で指すルシス。
「なるほど?」
「それに討伐に向かった人間を迎えるんなら癒し手は呼んでおかないか普通」
「ま、まあ確かに…」
それなりの根拠はあったようで私のルシス像がまたよく分からなくなった。こいつただの変態じゃないのか…?ただ強い脳筋でもない?うーん、わからん。
しばらくして奥からみすぼらしい布の服一枚着せられている金髪の薄汚れた姿の女性が両脇を抱えられて現れ私たちの前に座らされた。目隠しをされていて顔はよく見えない。
理由は分からないが、何か酷い扱いを受けていたことであろうことは分かる。
「こ、これは…っ!!」
さすがにルシスの目が見開かれた。続けて彼は言う。
「…そうですか、わかりました、なるほど…。彼女も報酬として頂きたいんですけど」
「い…いや!?ちょ、は!?急になに言ってるの!?」
「いいでしょう」
「いいのぉ!?」
村人たちはざわついていたが、その話が何らかの説明で収まると(村人たちは僧侶が軟禁されていたことを一部を除いて知らなかったらしい)その場はとりあえず解散となった。
ルシスが女性の目隠しをはらりと取ると、ゆっくりと女性が目を開ける。その子の瞳は青く輝いていた。
「ああ…思った通り美しい…」
「オイ」
今は軟禁によって薄汚れた格好をしているが元は美しかったであろうプラチナゴールドの髪から顔を覗かせ、おずおずとその女性は声を絞り出した。
「あの…もしかしてあなたは…勇者さま…?」
「いかにも俺は勇者です」
ルシスはここぞとばかりに胸を張る。
「まあそう…ですね、一応」
何か認めたくなかったが一応肯定しておく。
すると女性は両手を胸の前で組み合わせ、祈りを捧げるように目をキラキラと輝かせた。
「ああ、感謝致します我らが神よ…よもや勇者さまに救っていただけるなんて…」
釈然としないけど彼がこの人を救ったのは確か。変態だけど勇者に救われたことに感謝するのも分かる。けれど私の中で腑に落ちていないこともあった。
「あの…答えにくいかもしれないんですけど…どうして捕まることになったんでしょう…?」
すると女性は目線を落とす。
「それは…ですね…」
ルシスが代わりに答えた。
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