11 / 11
街を出る前の挨拶
しおりを挟む
街を出る決断をした、翌日にサナと会うことにした。
一応、お客さん第2号だし、あまり雑な扱いをして変な噂を広げられるのも勘弁だからな。
目の前に立っているサナはなぜ呼ばれたのか分かっていないだろうから、少しそわそわしているように映る。
「サナ、申し訳ありません」
「どうしたんですか?」
「いえ、急ぎで引っ越すことになってしまいまして、サナさんとのデートができる日程の確保がどうしてもできなくなってしまいました」
他人の奴隷を奪って、匿っているなんてバレたらどんな罪になるか分かったものじゃない。特にあいつの所有者が金持ちだったり、国の中枢を支えているような人間だったら極刑になる可能性だって全然あるしな。
俺としては奴隷のことで引っ越すだけなのだが、サナにはどうやら自分とデートをしたくないから言い訳をしているように聞こえてしまっているようだった。
「そ、そうですか……やっぱり我にデートなんて…っ…」
「いえ、そんなことありません。俺もサナさんとデートができるのを楽しみにしていたんです。ですが、どうしてもすぐにこの街を出なくてはいけなくて」
新たな街でもレンタル彼氏として活動していく予定だ。正直、俺は魔法も肉体労働も出来そうにないので、レンタル彼氏で生計を立てるしかない。
一つの信用失墜が、二度と利用してくれなくなる可能性もある。只でさえ、お客様に二号なのだ。ここでサナに悲しい想いだけさせて終わったら、サナは悪いイメージを同族や周りの人間に伝えるかもしれない。
となるとここで俺が取るべき行動は一つだ。
俺はサナの頭を優しく撫でながら、ケモ耳に呟く。
「俺は本当にサナとデートをしたかったんだ。この気持ちは本気だから、信じて欲しい」
少しでもこれでサナの心から悲しい気持ちや俺のことを憎む気持ちがなくなればいい。
そしてあとしっかりと念のため、俺の居場所を書いた紙を渡しておく。
「もし、サナがよければ俺はこの街にいるはずだから、良かったら訪ねてきてよ。そしたら今回は俺の所為でデートがダメになっちゃったから、無料でデートをさせてもらいますよ」
俺が奴隷を連れ去っている犯人だとバレた時のため、あんまり居場所の開示はしたくない。だが、ここで貴重なお客さんを手放すのは本当にもったない。
なので、タダでデートをしてあげるという餌を吊るしておくことにした。サナは掲示板を見て、レンタル彼氏をして欲しいと言って来た。そしてサナはそれなりに顔立ちも整っている獣なので、この世界でオスを求めている部類だ。
そういう獣に無料でデートをしてあげるという餌はそれなりに良いもののはずだ。これで釣れなかったら仕方ないので諦めることにする。
「…今度は本当に我とデートをしてくれるんですか?」
「もちろん。俺もサナとのデートを楽しみにしていたんだから」
「絶対に?」
「絶対ですよ。俺はサナとデートをします」
これで押し切れればお客さんを逃さないで済むのはありがたい。只でさえ、お客様は貴重な存在なのだから。
「…わかりました。我、絶対にヒロさんのところにいきます!」
「お待ちしていますね。その時はサナさんに夢のような時間を提供することを約束します」
「楽しみにしています」
これでお客様の引き留め完了。絶対にサナが次に滞在する街に来てくれるかは分からないものの、出来ることはした。これでダメであれば諦めが付く。
そして僕はサナと別れた。
一応、お客さん第2号だし、あまり雑な扱いをして変な噂を広げられるのも勘弁だからな。
目の前に立っているサナはなぜ呼ばれたのか分かっていないだろうから、少しそわそわしているように映る。
「サナ、申し訳ありません」
「どうしたんですか?」
「いえ、急ぎで引っ越すことになってしまいまして、サナさんとのデートができる日程の確保がどうしてもできなくなってしまいました」
他人の奴隷を奪って、匿っているなんてバレたらどんな罪になるか分かったものじゃない。特にあいつの所有者が金持ちだったり、国の中枢を支えているような人間だったら極刑になる可能性だって全然あるしな。
俺としては奴隷のことで引っ越すだけなのだが、サナにはどうやら自分とデートをしたくないから言い訳をしているように聞こえてしまっているようだった。
「そ、そうですか……やっぱり我にデートなんて…っ…」
「いえ、そんなことありません。俺もサナさんとデートができるのを楽しみにしていたんです。ですが、どうしてもすぐにこの街を出なくてはいけなくて」
新たな街でもレンタル彼氏として活動していく予定だ。正直、俺は魔法も肉体労働も出来そうにないので、レンタル彼氏で生計を立てるしかない。
一つの信用失墜が、二度と利用してくれなくなる可能性もある。只でさえ、お客様に二号なのだ。ここでサナに悲しい想いだけさせて終わったら、サナは悪いイメージを同族や周りの人間に伝えるかもしれない。
となるとここで俺が取るべき行動は一つだ。
俺はサナの頭を優しく撫でながら、ケモ耳に呟く。
「俺は本当にサナとデートをしたかったんだ。この気持ちは本気だから、信じて欲しい」
少しでもこれでサナの心から悲しい気持ちや俺のことを憎む気持ちがなくなればいい。
そしてあとしっかりと念のため、俺の居場所を書いた紙を渡しておく。
「もし、サナがよければ俺はこの街にいるはずだから、良かったら訪ねてきてよ。そしたら今回は俺の所為でデートがダメになっちゃったから、無料でデートをさせてもらいますよ」
俺が奴隷を連れ去っている犯人だとバレた時のため、あんまり居場所の開示はしたくない。だが、ここで貴重なお客さんを手放すのは本当にもったない。
なので、タダでデートをしてあげるという餌を吊るしておくことにした。サナは掲示板を見て、レンタル彼氏をして欲しいと言って来た。そしてサナはそれなりに顔立ちも整っている獣なので、この世界でオスを求めている部類だ。
そういう獣に無料でデートをしてあげるという餌はそれなりに良いもののはずだ。これで釣れなかったら仕方ないので諦めることにする。
「…今度は本当に我とデートをしてくれるんですか?」
「もちろん。俺もサナとのデートを楽しみにしていたんだから」
「絶対に?」
「絶対ですよ。俺はサナとデートをします」
これで押し切れればお客さんを逃さないで済むのはありがたい。只でさえ、お客様は貴重な存在なのだから。
「…わかりました。我、絶対にヒロさんのところにいきます!」
「お待ちしていますね。その時はサナさんに夢のような時間を提供することを約束します」
「楽しみにしています」
これでお客様の引き留め完了。絶対にサナが次に滞在する街に来てくれるかは分からないものの、出来ることはした。これでダメであれば諦めが付く。
そして僕はサナと別れた。
10
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら
普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。
そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
転生したら4人のヤンデレ彼氏に溺愛される日々が待っていた。
aika
恋愛
主人公まゆは冴えないOL。
ある日ちょっとした事故で命を落とし転生したら・・・
4人のイケメン俳優たちと同棲するという神展開が待っていた。
それぞれタイプの違うイケメンたちに囲まれながら、
生活することになったまゆだが、彼らはまゆを溺愛するあまり
どんどんヤンデレ男になっていき・・・・
ヤンデレ、溺愛、執着、取り合い・・・♡
何でもありのドタバタ恋愛逆ハーレムコメディです。
美醜逆転世界でお姫様は超絶美形な従者に目を付ける
朝比奈
恋愛
ある世界に『ティーラン』と言う、まだ、歴史の浅い小さな王国がありました。『ティーラン王国』には、王子様とお姫様がいました。
お姫様の名前はアリス・ラメ・ティーラン
絶世の美女を母に持つ、母親にの美しいお姫様でした。彼女は小国の姫でありながら多くの国の王子様や貴族様から求婚を受けていました。けれども、彼女は20歳になった今、婚約者もいない。浮いた話一つ無い、お姫様でした。
「ねぇ、ルイ。 私と駆け落ちしましょう?」
「えっ!? ええぇぇえええ!!!」
この話はそんなお姫様と従者である─ ルイ・ブリースの恋のお話。
異世界転生したら宇宙の帝王になった件~俺は今日も最強ハーレム部隊を作ってる~
こうたろ
ファンタジー
現代日本の平凡な高校生だったアヤトは、事故死後に神の手で異世界転生を果たす。目覚めるとそこは宇宙全域で戦争が繰り広げられる世界で、彼は帝国皇帝一族の10男だった。超高速思考や無限魔力といったチート能力を駆使し、個性豊かな美女たちによる秘書や艦隊を率いて銀河の危機に立ち向かう。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
作者繋がりでこの作品も発見して一気読みしました
逆転ものでありそうでなかったジャンルなので続く可能性があるのなら楽しみにしてます