神様のミスで死んでしまった少女、お詫びに異世界転生しました!

鏡矢 蓮

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第一章 腐樹の森と呼ばれた地

第十三話 契約とは

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 ……んっ…んぅ…?……なんか…頭…撫でられて…る?
 そう感じた私は、目をゆっくりと開けた。そしたら…アストさんに頭を撫でられてて、アリスさんに膝枕されてた
 …えっ?どう言う、状況?どう言う状況?
「……えっと、アストさん、アリスさん…なにが…?」
 確か…アストさんに胸…胸!?
 私は咄嗟に服を脱いで、傷確認しようとしたが、アストさんに必死に止められた。
「待て待て待て待て待て!安心しろ!アリスタが確認して、傷は残ってないからな!」
「……そ、そうなんだ…。はぁ…びっくりしたぁ…」
「いや、それこっちのセリフなんだよなぁ…」
 アストさん……。
「報告っと…」
「おいぃぃぃ!」
 私はアストさんをイジりながら、周囲を見渡した。あっ、男の子…生きてたんだ…。殺されてなくて良かった…。……で、なんで私の膝には狐耳の少女が寝てるの?
「……おーい、ミヅキ起きろー」
「……ふぇ…?……あっ、え、えっと…」
 狐の少女は私が起きていることに気づくとすぐに離れて、咳払いをする。
「こ、コホン。そ、それじゃ、自己紹介させてもらうわ。私の名前はミヅキ、こんな見た目だけど子狐族だからあまり舐めないでね?…子狐族が弱いとか考えるやつもいるけど、そんなことはないから安心してほしい」
 ……私は狐の少女、ミヅキを疑うような目で見てた。理由は簡単なのだが…とても、分かりやすい。無茶して、演じているようにしか見えないのだ。
「なにかしら、疑っているのかしら?」
「言いにくそうだね」
 私がそう指摘すると図星だったようでビクってした。
「……な、なにを言っているのかしらぁー…あはは、面白い冗談ねー…」
「目が泳いでるんだよなぁ…ミヅキ、やっぱりお前にそんなキャラは向いてない」
 とアストさんが、図星をついたミヅキさん…言いにくいな。ミヅキちゃんでいいや、ミヅキちゃんにそう言った。
「あっ、やっぱり演技ですよね。ここまで分かりやすいのは初めてですけど」
「…ミヅキちゃん、やっぱり向いてないのよ。そのキャラ、流石に分かりやすいわ」
「……そうですか…そうですよね。やっぱり私なんて頭領の器じゃな…「「誰もそこまで言ってない(わよ)」」」
 私とアリスさんが発言して、なんかミヅキちゃん、ネガティブ発言しだしたから、思わずツッコんでしまった。それにアリスさんと被ったし。
「……ミヅキは頭領の器はしっかりとあるから安心しろ。って言うかそのネガティブ思考を直せ」
「……はい、すいま…「謝るな。お前は頭領なんだろ?謝りすぎるのは頭領としてはいけないぞ」……はい」
 うわ、アストさんが真面目な事、言ってる!怖っ!
「なんだろう。クレア、とんでもなく失礼な事考えてるよな?」
「あはは、正解。よく分かりますね。アストさん」
「……いや、もう…お前の心情はなんとなく分かったんだよな。この短い間にある程度は理解できるようにはなったぞ」
「えっ…キモい。それはキモいよ。アストさん」
「やっぱり素晴らしいほど失礼だな。クレアくん、単位期待しときなさい」
「やだ、単位は貰う」
「失礼なやつにやる単位はありません」
「おーい、アストロ、クレアちゃん。話がズレてない?」
 アリスさんが私たちの話を遮った。……話?なんの話?
「……あぁ、すまんすまん。それじゃあ、まず、この損傷の修整の方法が分かったぞ。だが、その前に…」
「はい、それじゃ、授業を始めまーす」
 …アストさん、修整の前に必要な授業ってなに?てかアリスさんも授業する気だし…。
「それじゃあ、今回の授業は【契約】についてよ。まず、【契約】には二種類あるの【譲渡契約】と【血盟契約】の二種あるの。それぞれ違いがあって【譲渡契約】は10名と契約が可能なの、そして、渡す魔力量によって契約の質が変化するの【対等】【優劣】【加護】【従属】【支配】【傀儡化】の六個になるわ。【対等】はその通り、対等の契約になるわ。【優劣】は優勢、劣勢の契約、基本的に魔力を渡した方が優勢の契約ね。【加護】はその名の通り、加護になるわ。もちろん、渡した人が渡された人に加護を付与する感じね。次は【従属】は魔力を渡した人物を従属させるわ。ただし【支配】とは違い、自分の意見をしっかりと言えるの。【支配】…これは契約の中では嫌な契約よ。する…と言うかできる人なんてほぼいない。支配主の意見は絶対、心ではどんなに反感を持っていようが意見することはできないわ。【傀儡化】…そもそも、その渡した人物の感情を殺して、人形にする契約よ。そもそもこの契約をする人物は史実上、傀儡の王しか利用した経歴がないわ。命令にのみ従い、無感情に動く者となるの。……そして【血盟契約】は異性のみと契約できるの…そして、一人しか契約ができないの、この契約を結んで、初めて夫婦になるのよ。つまりは結婚とかに使われる契約ね。ついでに言っとくとこの世界は一夫多妻制とかじゃないわ。王族すら一人の妻を愛すの、浮気も起きないわ。契約による縛りがあるから、ついでに片方が契約を破棄したい場合、相方に向かって契約の破棄を申請することで可能よ」
 ……でなんで私に…と思ったが…まさか…。
「まさか…私に【譲渡契約】をしろ…と?」
「よく分かったな!その通りだ!」
「アストさんがやればいいじゃん」
 私は思ったことを素直に言った。
「……あー、それは無理なんだ。ほら【譲渡契約】には人数に限界があるだろ?」
「…あー、なるほど、既に10名埋まってると…言いたいわけで?」
「そう言うわけです」
 あー、素晴らしいね。多分この雰囲気だとアリスさんも埋まってるね。
「でもさ。ミヅキちゃんは空いてると思うんだけど…」
「確かに空いていますが…申しにくいのですが…。同族とは【譲渡契約】はできないのです…」
「あー…」
 なるほどー…。
「あっ、それって元同族でも駄目なんだな」
 アストさん?それってどう言う意味で…。
「はい駄目みたいです。確かに天狐に進化しましたが…元々子狐だったからか…【譲渡契約】はできないみたいです」
「あっ、そもそも子狐じゃないんだね」
「はい、そうです。でも子狐族はあまり天狐に進化しないので、天狐に進化した子狐はすぐに子狐の頭領になるのです。……なので1の子供でも天狐になったら頭領になる…そんな感じなのです」
 あー、それは嫌だなぁ…。なんで1歳で頭領とかやらないといけないんだろう。謎ルール過ぎない?
「……嫌ですね。そのルールは嫌ですね」
 私の一言にミヅキちゃんは同意する。
「あはは、そうですね。私はそもそも嫌でしたから…いつか、ルール改定して、こんなルール破棄してやる…って思ってるから」
「……子狐族の頭領…なんだよね?」
「そうですね。一応、妖狐子狐共存同盟の最重要契約者でもあるけどね」
「その妖狐子狐共存同盟ってなに?」
 妖狐と子狐って仲が悪いんじゃ…。
「あっ、ほら、妖狐族と子狐族は仲が悪いじゃないですか?でも、子狐族の集落が襲撃されて…妖狐族の集落に匿ってもらったの、その時に、仲良くなる為に組んだ同盟らしい…?」
「なぜに疑問系?」
「知るわけないです。だって1000年も前の話ですから」
 わぁ…すごい前の話…てかアリスさんの話からすると…そんな同盟結んだって知識はなかった気するけど…。
「……まるで、私の授業にそんな情報なかったって顔してるね。……私も知らなかったわよ。そんな情報…そもそも妖狐と子狐の集落の位置は不明なのよ。あるのすら疑われてたレベルよ」
 私って…顔にでてる…?
「……まぁ、あん…まり…出てませんよ。うん、出てませんよ」
 ミヅキちゃん…それって出てるよね?しかも、読まれてるよね?
「普通の人間じゃ見抜けないぞ。安心しろ…まぁ、獣人族、リアトカルズぐらいは見抜くだろうが、他族には見抜けないだろうな」
「……リアトカルズってなに?」
「あー…簡単に言うと人族だ」
「えっ?この世界って人族ってそんな呼び方なの?」
 そうなんだ?えっ、そんな知識ないような気がする…。
「アストロ、流石に簡単過ぎよ。リアトカルズは古代人よ。……まず、古代人は魔法を使う事が出来ないの、私たち…古代人と違う人の名称はヒューマン…と呼ばれるわ…こっちはあるわよね?」
「流石にあります」
 ない方がおかしい…くないか。私、神人だし無くてもおかしくないのかな?……てか話ズレてるな。
「……話ズレてるので修整しますね?えっと、そこの彼と【譲渡契約】すればいいんですよね?」
「彼ではなく、僕の名前はカゲ…「チハルちゃんだよー」…ちょ、頭領様!?」
 えっと、チハルちゃんか。……てか一瞬カゲなんとかって名乗ろうとしなかった…?あれ、そもそも名前が女の子…。
「言いましたよね!?僕、信用してない人に本名教えたくないって!ひどいですよ、頭領様!」
「僕とか言っちゃってー、チル演技上手いよねぇ…。本当にどっからそんな声出てるのー?って言うか、頭領様やめなよー、私たち親友じゃーん?」
 ミヅキちゃん…軽々しいなぁ…あれが、素なんだなぁ…。
「あのねぇ…他種族の目の前よ!?…ミヅキがいくら丁寧にされるのが嫌いだからってね。他者の前でも気軽に話しかけちゃ駄目でしょ?」
「やーだー、だってさぁ…ミヤマさんさぁ…この仕事引き受けるべきだったのに、面倒くさいからって私に投げてきたのよ?…すこしぐらいいいじゃんか」
「駄目よ。仕事と日常を一緒にするな馬鹿」
「……むぅー…てかさ。最近見なかったけど、どうだったの?……イジメられたりとかしてない?」
「心配いらない」
「そっか、じゃあ、心配するね」
「なんで!?」
「チルが心配いらないとか言った時点でイジメられてるわ。これ絶対だから、親友だから分かるんだよね。声色とか表情とかでね」
「……はぁ、敵わないなぁ…そんなこと出来るのミヅキだけよ。子狐族は特にこう言うの隠すの上手いのに完全に見抜くし…本当になんなの…?」
「……見抜かれる様な動作してるから見抜いてるだよなぁ…」
 ……あれ?まったく関係ない話になりかけてる?
「……そもそもチルは契約するんだから騙っても意味ないじゃない」
 あっ、言ったわ。やっと契約に関する話になった気分な…気がしないな?……駄目だ。まだ、話を続けてるわ…。…はぁ、待ちますかぁ…。
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