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冒険の始まり!
6話 異世界で生きるということ
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この世界では身分証─マイナンバーカードのようなもの─を国民全員が持っており、僕らにも発行してもらえること。
1ヶ月間は衣食住をギルドが保証してくれるが、それ以降は自力で何とかしなくてはいけないこと。
もちろん自立のサポートもギルドが行っており、冒険者になると手っ取り早く儲けられるということ。
要約するとそのようなことを説明されたのだが、後半までちゃんと聞いていたのは崇一郎くらいだ。 僕はまだ気持ちの整理がついていないし、三戸さんに至ってはまた泣き出してしまった。
見かねたマテューさんが、今日はもう休むように言った。ここのもう1つ上の階に簡易的な宿泊設備があるそうだ。
広間を挟んで部屋が2つ。片方の部屋の奥にはトイレや風呂、倉庫があり、反対側には下へ降りる階段がある。広間の壁にも扉があり、バルコニーへと続いている。
日が暮れ始めた頃、広間で夕飯を食べ、部屋で休む流れになった。階段側が僕と崇一郎、お風呂のある方が志摩さんと三戸さんだ。
部屋に入ってベッドでしばらく横になっているとようやく落ち着いてきた。隣のベッドには崇一郎が腰かけており、考え事をしているようだ。
「帰れないんだな」
たまらず僕は話し掛けた。
「ああ。少しは期待してたんだけどね」
そう言って彼は苦笑いをした。
再び沈黙。会話が続かなくなることを天使が通ると言うらしい。何かの本で読んだ。
3人くらい天使が通り過ぎた頃、崇一郎が口を開いた。
「帰れないと分かった以上、ここでどうやって生きていくかを考えなくてはいけない。悲しいとか、そういうのは後だ」
無論そのつもりではあるが。具体的にどうする?
「冒険者になるべきだ」
「冒険者?」
「ああ。最初は魔物と対峙しなくても儲ける手段はあるらしいし、何より本気で帰ろうとするならこの街に籠っていてはだめだ」
冒険者なら身分証があれば他の街に入るのも容易だ。情報収集のために様々な地へ足を運ぶのは理に適っている。
「確かに…。僕も賛成だ。問題はあの2人が頷くか、だね。志摩さんは魔物に襲われたし」
「なんだと?」
僕は昼間に起こったことを話した。自分のせいで彼女が魔物に襲われてしまったこと。治癒魔法のこと。
「…そうか。色々と考えるべきことはあるな。三戸さんも断りそうだしな」
冒険者になるということは怪我は避けては通れない。最悪命を落とす。僕はぶっちゃけ何も見えていなかったが、志摩さんにとってあの出来事はトラウマになっているかもしれない。
異世界で生きるということは、今までとは明らかに異質なところに足を突っ込むということなのだ。
期限まであと1ヶ月ある。この世界のことについてもっと学んでからどうするか決めよう。僕ら2人はその結論に至り、今日のところは風呂に入ってもう寝ることにした。
明日時間があったらキャロルさんのところを訪ねようかな。そんなことを考えながら僕は眠りについた。
1ヶ月間は衣食住をギルドが保証してくれるが、それ以降は自力で何とかしなくてはいけないこと。
もちろん自立のサポートもギルドが行っており、冒険者になると手っ取り早く儲けられるということ。
要約するとそのようなことを説明されたのだが、後半までちゃんと聞いていたのは崇一郎くらいだ。 僕はまだ気持ちの整理がついていないし、三戸さんに至ってはまた泣き出してしまった。
見かねたマテューさんが、今日はもう休むように言った。ここのもう1つ上の階に簡易的な宿泊設備があるそうだ。
広間を挟んで部屋が2つ。片方の部屋の奥にはトイレや風呂、倉庫があり、反対側には下へ降りる階段がある。広間の壁にも扉があり、バルコニーへと続いている。
日が暮れ始めた頃、広間で夕飯を食べ、部屋で休む流れになった。階段側が僕と崇一郎、お風呂のある方が志摩さんと三戸さんだ。
部屋に入ってベッドでしばらく横になっているとようやく落ち着いてきた。隣のベッドには崇一郎が腰かけており、考え事をしているようだ。
「帰れないんだな」
たまらず僕は話し掛けた。
「ああ。少しは期待してたんだけどね」
そう言って彼は苦笑いをした。
再び沈黙。会話が続かなくなることを天使が通ると言うらしい。何かの本で読んだ。
3人くらい天使が通り過ぎた頃、崇一郎が口を開いた。
「帰れないと分かった以上、ここでどうやって生きていくかを考えなくてはいけない。悲しいとか、そういうのは後だ」
無論そのつもりではあるが。具体的にどうする?
「冒険者になるべきだ」
「冒険者?」
「ああ。最初は魔物と対峙しなくても儲ける手段はあるらしいし、何より本気で帰ろうとするならこの街に籠っていてはだめだ」
冒険者なら身分証があれば他の街に入るのも容易だ。情報収集のために様々な地へ足を運ぶのは理に適っている。
「確かに…。僕も賛成だ。問題はあの2人が頷くか、だね。志摩さんは魔物に襲われたし」
「なんだと?」
僕は昼間に起こったことを話した。自分のせいで彼女が魔物に襲われてしまったこと。治癒魔法のこと。
「…そうか。色々と考えるべきことはあるな。三戸さんも断りそうだしな」
冒険者になるということは怪我は避けては通れない。最悪命を落とす。僕はぶっちゃけ何も見えていなかったが、志摩さんにとってあの出来事はトラウマになっているかもしれない。
異世界で生きるということは、今までとは明らかに異質なところに足を突っ込むということなのだ。
期限まであと1ヶ月ある。この世界のことについてもっと学んでからどうするか決めよう。僕ら2人はその結論に至り、今日のところは風呂に入ってもう寝ることにした。
明日時間があったらキャロルさんのところを訪ねようかな。そんなことを考えながら僕は眠りについた。
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