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番外編
大祓1
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ステンドグラスを通して差しこむ日のひかりが。
鮮やかにゆかを彩る大聖堂で。
ギャルロンさん率いる第一大隊の。
中隊長以上がベンチに座って見守る中。
前を見すえてまっすぐ進む。
視線の先。
司祭であるケーレブさんの前に進む。
そこまでたどり着くと。
立ち止まる。
気分は校長先生に表彰状をもらう時だ。
衽に挟んだ大祓詞のカンペを取り出し。
リック君たちに着付けてもらった狩衣を正して。
二礼二拍手。
背筋を伸ばし。
『ヌーメナテネが神使、豊見勢が奏上す』
俺が話しますよ。
と宣言して始める。
すると。
目の前の男の笑みが変わる。
キラキラとしたものから。
ニコニコとしたものへ。
『高天原に神留り坐す神漏美の命以ちて』
訳せば。
高天原に居る女神さまが命令した。
といったところだろうか。
大祓詞の一節だ。
大祓詞とは。
祝詞の一つだ。
おもに年2回の大祓の際に上げる祝詞で。
罪や穢を祓うための祝詞だ。
本当は男性の神さまにも呼びかけるのだが。
これはあの白髪の女性向けにアレンジした大祓詞だから女性のみに限定している。
『豊葦原ブリーズベリー國を安國と平けく知ろし食せと事依さし奉りき』
天界と黄泉の間にあるブリーズベリーを平和で安心できる国にしてこい。
って放り出しやがったな。
と。
まあ。
放り出しやがったは俺の心情であって。
意訳とは関係ないけど。
これだけを聞けば。
アレンジした大祓詞を只々となえているだけだろう。
俺だって普通にカンペ持って読み上げるだけにしたかった。
目の前でニコニコと相づちを打つ薄桃色の髪の男なんて見ながらじゃなくて。
まるで子供の参観にきた保護者のような笑顔で相づちを打つ男の中身は。
この男ではなく白髪の女性だろう。
このガンバレガンバレと言わんばかりの笑顔。
子供扱いされてる感じがして。
は ら 立 つ!
あ。
そうそう。
カンペ持ってんのは。
ブリーズベリー向けにアレンジしすぎて間違えそうだったから。
ほら。
神主さんも祝詞上げるとき持ってるだろ。
白い紙。
あれのマネだよ。
マネ。
なんで年越しの大祓をやってるかと言うと。
1週間ぐらい前にジェラード君から。
年末の儀式をやってほしいとお願いされたからだ。
つか。
ほんっと合わないな。
大祓と大聖堂。
鮮やかにゆかを彩る大聖堂で。
ギャルロンさん率いる第一大隊の。
中隊長以上がベンチに座って見守る中。
前を見すえてまっすぐ進む。
視線の先。
司祭であるケーレブさんの前に進む。
そこまでたどり着くと。
立ち止まる。
気分は校長先生に表彰状をもらう時だ。
衽に挟んだ大祓詞のカンペを取り出し。
リック君たちに着付けてもらった狩衣を正して。
二礼二拍手。
背筋を伸ばし。
『ヌーメナテネが神使、豊見勢が奏上す』
俺が話しますよ。
と宣言して始める。
すると。
目の前の男の笑みが変わる。
キラキラとしたものから。
ニコニコとしたものへ。
『高天原に神留り坐す神漏美の命以ちて』
訳せば。
高天原に居る女神さまが命令した。
といったところだろうか。
大祓詞の一節だ。
大祓詞とは。
祝詞の一つだ。
おもに年2回の大祓の際に上げる祝詞で。
罪や穢を祓うための祝詞だ。
本当は男性の神さまにも呼びかけるのだが。
これはあの白髪の女性向けにアレンジした大祓詞だから女性のみに限定している。
『豊葦原ブリーズベリー國を安國と平けく知ろし食せと事依さし奉りき』
天界と黄泉の間にあるブリーズベリーを平和で安心できる国にしてこい。
って放り出しやがったな。
と。
まあ。
放り出しやがったは俺の心情であって。
意訳とは関係ないけど。
これだけを聞けば。
アレンジした大祓詞を只々となえているだけだろう。
俺だって普通にカンペ持って読み上げるだけにしたかった。
目の前でニコニコと相づちを打つ薄桃色の髪の男なんて見ながらじゃなくて。
まるで子供の参観にきた保護者のような笑顔で相づちを打つ男の中身は。
この男ではなく白髪の女性だろう。
このガンバレガンバレと言わんばかりの笑顔。
子供扱いされてる感じがして。
は ら 立 つ!
あ。
そうそう。
カンペ持ってんのは。
ブリーズベリー向けにアレンジしすぎて間違えそうだったから。
ほら。
神主さんも祝詞上げるとき持ってるだろ。
白い紙。
あれのマネだよ。
マネ。
なんで年越しの大祓をやってるかと言うと。
1週間ぐらい前にジェラード君から。
年末の儀式をやってほしいとお願いされたからだ。
つか。
ほんっと合わないな。
大祓と大聖堂。
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