一振りの刃となって

なんてこった

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64.重傷者

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「兄さん!なんですかその姿は!」
 これがニコルと合流した俺たちにニコルが最初に放った言葉だった。
 まぁ気持ちは分かる、何せ体中包帯でぐるぐる巻きで顔は見えてるがミイラ男にされているからな・・・


 戦闘が終わり森に静寂が取り戻される頃には既に日が落ち始めていた。
 夜の森は道に迷い易いそうなのでサンダーエッジの背に全員で乗りさっさと森から抜け出した。
 そのころには傷口に入り込んだ木片も取り出せたので傷口を軽く洗ってからこの体にかけられる回復魔法である”リペアゴーレム”を無詠唱で使う。
 この体はフレッシュゴーレム、死肉で構成されている為下手に治癒系の魔法を使われると怖いな~っていう気持ちがあったので故障したり損傷したゴーレムを修理する方の魔法を使う、効果は普通の回復魔法に比べると弱いがまぁ安全第一ってことで。
 でシーフォートに着く前にサンダーエッジと分かれる、一緒にいたらろくでもない事になりそうだし、町の門をくぐるときに門番が心配してくれる・・・と言うこともなく、まぁすんなり通れたからいいかな?
 因みにサラとライカは一応着替えている、まぁ理由は気持ち悪かったからってことらしい。
 取り敢えずオーガの角を回収してすでに回収していたゴブリンの耳を20匹分を冒険者ギルドに持っていく。

「よくEやFのランクで一匹だったとはいえオーガを倒せましたね!・・・ですが相当無理をされたようですね」
 報告すると受け付けた職員が驚き俺を見て何やら納得に近い雰囲気を出す、
「取り敢えず、この辺のゴブリンを狩りにオーガが出てくる可能性があるみたいだから、しばらくはこの依頼を受けるFランクの冒険者に注意を促しておいたほうがいいと思うわ」
 雪鱗と一緒に報告してくれてるサラが職員にそう提案している、
「はい、おそらくギルドもそのように何らかの対応をすると思います、ところで彼はその状態のままでいいのですか?」
 と職員は俺の方に手を向けて訪ねてくる、まぁ見た感じ大けがっぽく見えるしね・・・実際大怪我なんだけど・・・
「宜しければ包帯などを安く提供させていただけますがどうでしょうか?」
 と職員がセールスしてくる、
「んじゃあ頼むよ」
 断るのもめんどくさいので頼むと「こちらです」と案内される、どうやら医務室があったようだ。
 中には医者みたいに白鬚に白衣を着たじいちゃんが座っていた、みたいじゃなく医者か。
「君これ大丈夫なの?」
 爺さんの第一声がこれである、
「やせ我慢中だ、大丈夫に見えるなら引退考えるべきだな」
「だよね~これは痛いとか言ってられない怪我だよね~」
 呑気な爺さんだなと思いつつ
「取り敢えず傷口は軽く洗って弱めの治癒魔法をかけてある・・・昔から回復魔法が効かない体質で特殊なタイプの魔法しか効果がないんだ」
「ほう、そんな体で無茶をしたもんだEランクでオーガに向かうなんて正気とは思えんよ」
「まぁいきなり出くわしちまって、しょうがなかったからな・・・それよりどう処置してくれるんだ?」
 と話題がそれつつあったので話を戻す、
「そうじゃの、背中の傷口は消毒してから傷口に薬を塗ってその肩の穴は縫うしかないのう」
 ということになった、実は砕けた拳と飛び出た骨なんかは”リペアゴーレム”で早々と治ったのだ、関節部や骨なんかの修理はすぐに済まされるらしい。
 というわけで医務室から一人の包帯男が姿を現すこととなった。

「無茶しましたね・・・」
 と今日ニコルたちと別れてから起きたことを説明しておく、
「しかし、これで帰りの憂いは無くなりましたね」
「ん?なんのことだ?」
 ニコルが安心した顔で呟いた言葉が気になって訊いてみる。
「気づいて無かったんですか?ここに来る途中にあのサンダーエッジとニアミスしたということは帰り同じ道を行くなら今度こそ”出会う”可能性があったんですよ?」
「おお!なるほど、ニコルは賢いな」
「え?いや・・・そうですか?」
 褒めたらニコルが照れる顔が真っ赤だ、
「明日は雪鱗にEランクの昇格依頼をしてもらうんだが俺はこんな状態だからニコル、お前に任せるぞ」
「分かりました、兄さんは明日は大事を取って寝ててくださいね」
「まぁ、この体で休養に意味があるかわからないが分かった」
 と明日の打ち合わせをしつつ一日が終わる。

 フレッシュゴーレムの体はどうやら紙粘土の人形で例えるとにベースとなる割りばしがこの体の骨にあたるモノのようだ、だから”リペアゴーレム”で真っ先に骨が修復されたんだと思う、じゃあ肉はどうしたらいいのか・・・明日は肉料理でも食べればいいかな?
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