一振りの刃となって

なんてこった

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73.アジト2

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 配下の盗賊ファイルの名前を思い出し一人でテンションをあげているとファイルが、
「このエルフはレインという名でここを取り仕切ってたアベルの・・・」
「あー『ここのボス』でいいもしくは『頭』だ、イチイチ名前を覚えておくのも面倒だ・・・死んでるんだし」
 正確には殺したんだしかな?まぁどうでもいいことだが。
「失礼しました、ここのボスのお気に入りでした。ただここのボスの異常な性欲の対象になっていた事と長期間それが続いたことで今は若干回復の兆しが見えてますがしばらく療養が必要になるでしょう」
 こいつ、ちゃんと診断とかできる奴とは思ってなかったな、
「分かった・・・まぁ今回このアジトにいた連中を処分する気は無いからそんな心配そうな顔はしないでいいぞ?」
 ファイルの表情は説明中ずっと辛そうにしていたのでこいつが懸念しているだろうことを先に否定しておく、
「ご配慮感謝いたします」
 やっぱ処分する気だと思っていたらしい、まぁいいんだけどさ。
「それでは次の部屋に向かいます」
 と次の部屋に案内される、隣の部屋だ・・・鍵をかけていたようでファイルは俺が預けた道具袋から取り出したカギを鍵穴に差し込む、
「こちらに入ってもらっている者は武芸者でしたが、ここのボスに罠にかけられてさらに数の暴力で捕まったもので・・・ボスはすぐに飽きてしまった為配下の者たちにいいように弄ばれたため心を壊してしまい、自由にしておくことができなかったのです・・・」
 と鍵を開けると中には、ベッドの上で服も着ないでひどく息を荒げて、なんというか一人で大人な行為にふけってるビーストの女性がいた。
 このままではいろいろまずい気がしたので声もかけずにファイルと部屋を後にする、
「ああいうのってほんとに起こるもんなんだな・・・」
 つい呟くと、
「ああならないと耐えられな、いえ、耐えられないからああなっていくんです。まだああなった方が幸せだったでしょう・・・さんざん玩具にされた挙句大概は衰弱死か冗談まじりでこのアジトの近くに放り捨てて魔物のエサにされたものもいます」
「まぁ捕らえた男たちは、ほとんどがエサコースだったようだしな」
 その辺は”ライブラリ”で確認している、内容までは知りたくもないので見てないが、
「次の部屋にいる者達で捕らえられていた者は最後です」
 と扉を開く、鍵はかけてなかったようだ。
 部屋の中にいた者たちは、一言でいうとひどい状態だった。
 この部屋にいたのは3人、今までの部屋の者もベッドに一応横たわっていたがこの部屋にいた者は基本的に足がない、腕もない・・・切り取られていた。
 他にも多数の人為的につけられたであろう傷や欠損が目立つ。
 ”ライブラリ”では、後2人ほどいたと思うのだがここ数日で力尽きたのだろう。
「何人か死んだみたいだな?」
「はっ申し訳ありません!私の知識や医療の技術ではあの子らを救うことができませんでした」
 あの子らね、”ライブラリ”で確認した人間で今欠けている者達は・・・子供だ。
「まぁ、仕方ないな。こいつらもダメだろうと思っていたくらいだったし、よくここまで持ったものだなと感心しているくらいだ」
「それだけこの者たちの生きる意志が強かったのです」
 さっきから思ってたんだけどファイルもこいつらに酷い事していた一員なのによくここまで他人事みたいに喋れるな?・・・”マインドハック”って記憶を魔力で刻み込むだけのはずだけど、そん時色々削り取っちゃったのかな・・・まぁいいけど。
「まぁいい、こいつらを治療することにする・・・死にたくないんなら治しても問題ないよな?」
 ベッドに横たわる者たちが顔をこちらに向けるのもやっとなのだろうがそれでもこちらに向けて口をパクパクさせる・・・喉元にも切り傷があるのすでに潰されてるんだろう・・・まぁ何言ってても治療という名の改造を施すつもりだけどな。
 俺は”ライブラリ”で俺をこの世界から呼び出しやがった爺さんのとある術を行使する。
「”カスタマイズ”」
 ”カスタマイズ”魔力を行使して対象を作り替える錬金術師が何かを作り替える時によく使う魔術を使う、これを人などに使うのは禁忌とされてるらしいが俺にはどうでもいいことだし、こんな場面でも力を発揮するのならいくらでも使うべきだと俺は思うので遠慮はしない。

 どうやらうまく欠損部が創れたようだ。
そう、創ったのだ・・・さすがに”カスタマイズ”では0から何かを作り出すことができないため道具袋の中にあった何らかの肉や骨などを彼女たちの手足に作り替えつなげていく。
 欠損部との結合が終わり手足が戻るという面白い経験をした彼女たち、だが生えた手足がうまく動かないらしい。
「今の術はなんでしょうか?」
 術の行使が終わるとファイルが訊いてくる、
「”カスタマイズ”という錬金術師が用いて対象を作り替える術だ・・・うまくいったと思うんだが何故か動かんらしいな?まぁ何が悪いか予想はつくが”ソウルスキャン”」
 とSPを確認してみると案の定SPが減っていた・・・まぁ魂がすり減ってしまうような経験してたようだししょうがないか。
「エス・・・魂の魔力量が減ってるようだ、それで体に魂が馴染まず感覚すらないのだろう。」
 と俺はファルシオンを抜き手足の動かない彼女たちに向ける、
「なにをなさるのですか!?」
「動くなよ?”ソウルブリーダー”」
 剣先から限りなく細くした棘を三人の肩に順番に差していく、一度に3人のSP供給をするのは正直難しいので一人ずつだ。
「あっ・・・てっ」
 一人がうめき声のような物を上げる、うん、感覚が繋がってきたようだ。
 あとは新しくできた手足や欠損していた部分に魂が馴染めばこんな目に合う前のように動けるようになるだろう。
 実はついでに”マインドハック”で既に配下にしてあったりする・・・ファイルの様子を見てトラウマとか消えてたらいいなって思って試してみたけどうまくいってるといいな。
「んじゃあ次はさっきの二人にも試しておくかな」
「試すとはどういうことでしょうか、何か危険なことをなさるのですか?」
 ・・・まぁいいや、こいつも加害者側だったはずなんだけどなぁ?
 何とも言えない気持ちを持ちつつ先の二人に”マインドハック”を施した、先の三人はまだうまく喋れないためにどうなったか分からなかったので、こっちで効果が見れたらうまくいっているだろうという腹積もりだったんだが。
 
 簡単にいうとビーストの娘には襲われかけた・・・精神は少し治ったようなのだが体がいうことを聞かないで発情状態が止まらなかったらしい・・・仕方なしに取り押さえて”カスタマイズ”で体の調子を無理やり抑えた、レインは特に問題もなく意識がはっきりと戻った。
 戻ってファイルに罵詈雑言の嵐・・・俺に縋りつき泣きはじめここのボスやファイルにされたこと等つらつらと伝えてくる、まぁここのボスとファイルの記憶は持って無いから知らないこともあるよ。
 ここで衝撃の事実になるのだがファイルはここにいた盗賊団の参謀だったりする。
 参謀とはいえ俺からしたら軽くつぶした盗賊団の参謀だったので少し頭がいいくらいだろうと思っていたんだけどなかなか使えそうなやつでラッキー。
 そしてレインにがっしり掴まれて涙や鼻水まみれにされたのもファイルのせいだと考えればアンラッキーってとこかな?
 ”マインドハック”でも恨みやらなんやらは消えないようだな~、俺に向けられたもの以外は・・・ 
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