一振りの刃となって

なんてこった

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90.タークの昇格依頼

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 朝ニコルたち”ファルシオン”とガデムたち”ハモニアの剣”の2パーティが冒険者ギルドに顔を出す、と言うのも。


 昨日の晩。
「お前らはこれからどうするつもりなんだ?」
 というガデムの問いに、
「これから国境を越える予定なんです」
 というニコルの答えを聞いたガデムが、
「おいおいおい、国境を越えるって言っても越境の許可証とか貰えたのか?こういっちゃあ悪いと思うが身内に犯罪者が出たのによく貰えたな」
 越境の許可証?なにそれうまいの?
「許可証ですか?」
「おいおいおい!許可証も持って無いで関所に行ったら無駄に金とられてから『調べて許可証が無かったのでおかえりください』とか言われて追い返されるぞ?」
 何それどんな追いはぎ?
「その許可証とはどうすれば手に入るのか分かりますか?」
 ニコルは許可証の存在を話してくれたガデムに聞いてみた・・・まぁ他の連中は必要なことすら知らなかったからしょうがない・・・
「国に申請したら貰えたりするんだがな、お前たちの場合パーティリーダーが犯罪者として処刑されたせいで多分国外に出る許可証を国から貰うのは無理だ、最悪関所を使わんでも国境線を越えること自体はできるんだがリスクがな・・・まぁ方法がないこともないか、ギルドカードを見て見ろ」
 ニコルは自分のギルドカードを取り出す。
「ここに発行された国名なんかが記載されてるんだが今のお前たちはDランクだろ?」
「はい」
「Bランク以上になると国境を越えるのもタダになる、もちろんギルドカードの提示は必要だがな」
「それはギルドからのサービスのような物ですか?」
「大体はそうなる、国内に強力な冒険者を引き入れるのはリスク以上に恩恵が大きいから国からも歓迎されるってのもある」
 まぁ大体わかったのだが、問題はやっぱり。
「ですが僕たちはまだDランクです、Bランクまで上げるとなると少し時間がかかりすぎますね」
「そうなんだよ、こればかりはどうしようもない・・・それにBランクからの依頼はこれまでの依頼と比べると桁が違ってくるそうだしな」
 そう、CからBのランクの壁は今までの難易度の比ではなくなるらしい。
 らしいというのは実際Bランク以上の冒険者から聞いたり仕事を斡旋している職員から聞いたりする程度にしか知らないからだ・・・先にことだし興味がなかったんだ。
 というわけでとりあえずCランクを目指すことにしたのでタークの冒険者ギルドに来たのだ。


「ではこちらの品を受け取らせていただきます」
 とりあえずシーフォートで預かった搬送依頼のアイテムなどを受付に渡す、
「そろそろCランクの昇格依頼を受けたいと思うのですが可能でしょうか?」
 ニコルが職員に質問する。
「えーと・・・はい、今回の依頼達成でパーティ内の雪鱗さんも含めて昇格依頼を受けれるようになっております」
 何気に雪鱗だけ一つ分の依頼達成数が足りて無かったからね、これでCランクには成れるようだ。
「では次は昇格依頼を受けさせてください」
「かしこまりました、では職員の準備などもありますので明日から依頼を開始していただきますが宜しいでしょうか?」
 あっちにも都合があるんだね。
「構いません」
「ではこちらから依頼を選んでいただいていいでしょうか?」
 と受付の職員は拍子にCと書かれたファイルを取り出しニコルに広げて渡す。
 受け取ったニコルがパラパラめくるととあるページでニコルが止まる。
 そのページの依頼は。
 ・ロックリザードの討伐・・・ターク北にあるオタク山に生息しているロックリザードの討伐をしてもらいたい、とにかく数を減らしたほうがいいので規定数を超えて討伐をすればその分上乗せして報酬を払います、規定討伐数3匹、討伐証明部位は尾の先端部分にある棘・・・報酬3000ナル+超過討伐数で加算
「これを受けます」
[承りました、では明日の出発前に一度ギルドまで試験官を迎えに来てください」
「分かりました、では明日また来ます」
 短く挨拶をしてギルドを後にする、オタク山って・・・まぁいいや、オタク山はタークの北に見える山脈の1つでここからだと馬車で半日くらいの距離になる。
 しかもその後山登りとなるので到着後は麓で一泊してから登ることにしたほうがいいらしい。
 今日の所はそういった装備や必要になるアイテムの買い物を済ませ明日からの依頼に備えることにした。

 翌朝、試験管を迎えに冒険者ギルドに行くと昨日の受付さんが試験官となる人達を紹介してくれる。
「紹介します”ハモニアの剣”の方々です」
「初めまして”ファルシオン”リーダーを務めますニコルと申します」
「おいおいおい!俺たちに初めましてってそりゃないだろう!」
 いや、試験官が知り合いってまずくない?てか試験官は職員じゃないのか?
「今回の試験官は職員の方ではないんですね?」
 ニコルが訊くと、
「討伐依頼系の試験官はその危険度から試験官に該当ランクの冒険者に依頼されることが多いです、今回のように」
「なるほど、ではよろしくお願いしますね?」
「お前らなら心配するようなこと自体無いだろうから安心してるぞ、よろしくな」
 ニコルにケインが挨拶をしてくる、ガデムは後ろでミラにちょっとお説教されているようだ。
「ではさっそく出発しますがケインさん方は馬車の方は?」
「僕らは自前で行けるよ、じゃあ出発としよう」
 と簡単なやり取りを交わしさっそく出発する2つのパーティ。
 せっかくなので何かトラブルでも起きたらいいのにな~って思う俺。
 楽しみなハイキングになるといいな。
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