一振りの刃となって

なんてこった

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91.オタク山

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 タークを出発して北にあるオタク山の麓にある村オタク村で一晩過ごす。
 オタク村はその名の通り・・・という感じの特徴などは特に無く、なぜこのような名前になったのかは村人に訊いてもよくわからないとの事。
 まぁちょっと気になっただけだしどうでもいいんだけどね。
 そういやこの村の近くになんかの神様を祭ってる神殿があったそうな、今は廃れて人も寄り付かないそうだから無理に観に行く必要もないかな。


 翌朝登山開始となる。
 何やら”ファルシオン”メンバーに比べて”ハモニアの剣”のメンツの装備というか持ち物の量が異様に多い気がするが・・・そんなに持ち物持ってて戦闘とか大丈夫なんだろうか?
「おいおいおい!お前たちちゃんと登山用の準備してきてないのか?」
 ガデムが質問してくる。
「いえ、僕達は1人2袋ずつ兄さんが容量拡大をかけた道具袋を所持してますので・・・手荷物は少なくて済むんですよ」
「彼は魔道具を自前で創ってたのか!しかも一人二つということは12袋も!」
 ケインが驚きながら数を数える、因みにテレ-ズはオタク村で留守番してもらってる。
「そうですよ?兄さんの保有魔力は尋常ではなかったですから」
 ニコルがケインにそう返答する。
「彼は剣士だと思っていたが」
「実際にほとんど剣での戦闘しかしてませんでしたしね、態々魔法で戦うより剣で斬ったほうが早いって人でしたから」
 まぁファルシオンで切った方がお得だからね。
「魔倫会は勿体ないことを平気でしてしまったようだな、もし国が彼の価値を知っていれば・・・いや、もう遅いか」
 ケインが首を振って溜息を吐く、その荷物重そうだもんね。
「とりあえず登っていきましょう、どのあたりからロックリザードが出るんでしょうか?」
「ギルドで軽く調べたけど、一時間くらい登れば生息域に着くらしいわね」
「そうですか、では最後に確認しておきますが、ロックリザードは岩などに擬態しその硬さも岩並だそうです。そんな体に似合わず敏捷性が高く油断していい相手ではないので気を付けてください」
「了解」×4
 返事を耳にしたニコルを先頭に登山が開始される。
 ニコル先頭って絵的に子供を囮にしてるように見えてやばいな。
 因みにオタク山の標高は?って聞いたら標高って何でしょう?って返されたので聞くことを諦めたことを報告しておこう。
 富士山より低いと思うよってことだけ言っておく、ついでに山脈みたいに山と山が連なってる感じの山だね。


『ニコル』
 しばらく一行が歩いていたのだが、不意に俺がニコルにだけ聞こえるように声をかける。
「はい、どうしました?」
 ニコルも小声で話す。
『そこの岩、多分標的だ』
 進行先にある少し大きめの岩をニコルが凝視する。
「分かりました」
 と一言返事をしたニコルが腰に差したファルシオンを抜き駆け出す。
 因みにファルシオンをもって”抜刀”と唱えなくてもファルシオンを使うだけなら普通に鞘から抜くだけで使えたりする。
 と説明してる間にニコルが岩に擬態していたロックリザードを真っ二つにしていた、じっとしていてくれるならタダの的だなこいつら。
「おいおいおい!よく見破ったな」
「はい、何となく違和感を感じたので斬ってみました」
 違和感感じて岩をきる・・・話だけなら頭おかしい人だな。
「この調子ならすぐ終わりそうね、というかニコルだけで充分なんじゃないかしら」
 パーティ内で最も体力のないサラが愚痴るニナたちがフォローを入れているが確かにこれならニコルだけで充分だよね。
 討伐証明の部位を回収してロックリザードの死体を回収しておく、いつ使うかわかんないし、肉はおいしいらしいし。
 ある程度歩いていくとロックリザードとは別の魔物に出くわす、というより見つける。
 額に一本の刃物のような角を持つ大型犬、遠目にはブレードドックかと思ってたけどそれよか一回り大きいそいつが10匹ほどの群れでこちらに向かってきていた。
「おいおいおい!ブレードウルフの群れかよ」
 ブレードウルフ・・・個体としてのランクはDランクであるが常に群れを作っており群れの大きさによってC~Bにまで変動することまである魔物である、今回の群れは割かし少ない方のようなのでCランク相当だろう。
 慌ててみんなが構える、ニコルも。
「”抜刀”」
 全身を赤い鎧で覆う。
 この時点で蹂躙されることが決まったブレードウルフに俺は健闘を祈ることにした・・・
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