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92.オタク山2
しおりを挟む「おいおいおい!一方的な展開だったじゃねえか!」
ガデムが興奮しているのか無駄にうるさい。
「しかし坊主がさっき着てた鎧はなんだ?着脱が異常に早かったな?」
「兄の形見です」
短く返事するニコル、ガデムは空気を読むかのように黙る。
と見せかけて、
「あんな重そうな鎧着てながら一瞬で3匹の首を飛ばすとか、坊主はこないだの盗賊どもを片付けたときもそうだが、見た目に完全に騙されるな!」
がっはっはっはっとつなげるガデム、まぁ見た目で騙された連中は次の瞬間には・・・次の無い状態になってるなきっと。
因みにブレードウルフの群れは最初に跳びかかってきた3匹をニコルが一太刀で首を飛ばし返す刃で2匹仕留めた時点でリーダーなのだろう個体の一吠えで逃げていった。
「さて、進みましょうか?」
事も無げにニコルが進み始める、まぁ今のニコルからしたら大したことじゃないしね。
「これで8匹目ですね、皆さんの方はどうなっているのでしょうか?」
そのご開けた石切り場のような場所に出たのでロックリザードを探すとそこら辺いたる所にいたので手分けして狩ることにしたのだが。
「ウチらは今さっき4匹目~」
「硬いけど~雪鱗ちゃんの~槍なら~簡単に貫けるみたいで~楽だったよ~」
雪鱗・ライカペアは問題なく狩れてたようだ、因みに雪鱗の槍は雷凄から貰った素材で強化してある、おかげですごく鋭くなっている上に魔力を送ると強いわけではないが電撃を放つことができる。
「あたしたちは3匹~サラがばてちゃった」
「ニナの攻撃が通らないから私が頑張ったのにその言い用は無いんじゃないかしら?」
「うっ・・・ごめんにゃさい」
ニア・サラペアはなんとか3匹仕留めてきたようだ、これで合計15匹になったのでとっくに依頼自体は終了である。
「それにしても、ロックリザードってこうやって擬態してほとんど動かないから別に害があるって感じでもないよね?」
雪鱗が疑問を口にすると。
「それがね、ロックリザードって数が増え過ぎると近くの岩とか鉱物が多いところにある程度の数が移動して住処を移すの」
サラが説明し始める
「ふんふん」
雪鱗が相槌を打つ、
「それで、麓のオタク村の壁にもたくさんの岩を使用しているから、いつの間にか壁がロックリザードで溢れてることがあったんだそうよ」
「ふえっ!」
そいつぁ大変だ!ニコルよ、根こそぎ狩ってしまおう!
「でも狩りすぎて山の生態崩してもいけないから、今回はこのくらいにしてかえらない?」
とサラが提案する、実際山を下ったら丁度日が落ちるくらいかな?って時間ではあるのでいいタイミングの提案ではあるな。
「そうですね、この辺りで切り上げて明日ギルドに報告しておきましょう」
とニコルの言葉に全員賛成し下山を始める。
俺はふと上を見て考える。
あの飛んでるでっかいのって何なんだろうかなって。
『ニコルさん、ニコルさん』
「なんですか?サン付けなんかして」
『あのでっかいのって何だろね、上上』
ニコルはそれを聞いて上を見る。
「なんでしょうね?そこまで高く飛んでるわけじゃないみたいですけど」
「どうしたの~ニコル君~」
上を見上げ立ち止まるニコルに後ろにいたライカが話しかける。
「いえ、今空を見上げたら見慣れない飛行物を見つけたのでなんだろうと思い見ていたのです」
「あれのこと~?なんだろうね~」
ライカも見つけたようで見上げていると、みんなしてそれを見上げる。
”ハモニアの剣”のミシェルが顔色を変える。
「・・・あれ、竜・・・赤い竜」
と呟く、”ハモニアの剣”のメンバーとニコルを除いた”ファルシオン”メンバーの顔色が変わる。
「おや?火を噴いたみたいですね、何かと闘ってるんでしょうか?」
一人冷静なニコルが実況を始めようとしている、あっほんとだなんかちっこいのが竜の周りを旋回してる・・・鳥かな?
「とりあえず関わっても得することもなさそうですしさっさと下りましょう」
というニコルの提案に全員が賛成しニコルを急かす様に下山していった。
オタク村に着いた一行は村の責任者に山で竜を見たとだけ報告し不安に駆られながらもオタク村で一夜を明かすことにしたのだった。
『それにしても』
「どうしました?兄さん」
『あの竜を追い詰めてた奴の方が気にならないのかね?皆は』
「ああ、”ブレス”外してましたね」
そう、竜は例外なく口から放たれる属性攻撃、総称”ブレス”が最強の攻撃で切り札にあたりその攻撃は外した時のリスクが大きいために使うのはとどめの一撃かよほど追い詰められているときにしか使わない。
そして、この”ブレス”が外れたということはそれだけ追い詰められていたのか、若い個体が調子に乗って外したのか。
いずれにしても相手が余裕を持っている状態で撃たされた以上あの竜がどうなったのかは、まぁどうでもいいかな・・・そんな事。
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