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1話
しおりを挟む私はテイマー、今日は町の外でいいモンスターをティムしていい気分だ。
そんな私が夕方に町に帰ると安っぽいローブを頭から羽織った不審者がこちらにぴょこぴょこ駆けてくる。
「ちょいとそこ行くお兄さん後ろにいるのはもしやお兄さんの従魔かしらね?」
不審者が話しかけてきた、声からして女の子のようだ。
私は不審者少女に頷いてそうだと答える。
「お兄さん無口ですね?」
不審者少女の新たな質問に私はそうだと頷いて答える。
すると少女は。
「お兄さん運営に興味ないですか?」
と話し始める、私はこのあからさまに怪しい質問にそうだと頷いて答える。
「お!脈ありですね?ではちょっとこっちに来てもらえますか?」
と不審者少女は私の腕を掴んで路地裏に引っ張っていこうとする。
不審者少女の力はそこまで強くなかったが私は何となく流れに任せて連れていかれた。
「じゃあここで話の続きをしますね?」
私は気が付くと見知らぬ部屋に連れ込まれていた、まぁ人の部屋の中を見知っていたら恐らく犯罪者か人の家でも物怖じしないと噂の勇者と言う者くらいだろう。
「お兄さん、偉く落ち着いてますけどこういう事ってよくやってる感じですか?」
不審者少女の言っていることがいまいち分からないが敢えてここはそうだと頷いておいた。
「おお!では話が早いです、こちらにある紙にお名前とお歳、後は連絡先としてご住所をお願いします」
私はやられた!と思ったがここで何か抗ってもいいことないと思って素直に頷いて記入を済ませる。
「お兄さんあたしが言うのもなんだけど流されるままだと取り返しがつかないことになるよ?こんな風に!」
不審者少女は紙を私に向けてそう叫ぶ、私は分かってると頷いたところで意識を失った。
「このお兄さんチョロいな~・・・話聞いてくれたテイマーがこのお兄さんだけだったから話進めちゃったけど大丈夫かな?」
そんな声が意識が無いはずの私の耳に響いた。
「・・さ~ん、そろそろ起きようか~?」
私は耳元に聞こえる女の子の声にて目を覚ます、目の前にいたのは・・・。
「お!起きましたね、おはよー」
予想通りローブを頭から羽織った不審者少女だった・・・無意識に顔が歪む。
「うわ!めっちゃ嫌そうな顔!あたしなんか悪い事したっけ?」
私はそうだと頷いて答える。
「何したかな?・・・まぁどうでもいいや、それじゃあさっきの契約について話を進めるね?」
不審者少女は私の気持ちも理解しようとせずに話を進める、しかも何やら先ほどの署名は何かの契約書だったようだ・・・どうせこうなると思っていたが。
はたして今度はいったい何を奪われるのか・・・今まで家や有り金や酷いときは私の純情までも奪われた、今のところ無事なのは純潔くらいだ・・・まさか私の純潔を狙っているのか!
「その顔は何かに気づいたみたいですけど今更遅いですよ~」
私は不審者少女の言葉にたどたどしく頷いて答える、優しくお願いしますと。
「顔を蒼くするならともかくなぜに赤く?・・・ああ!あたしの正体がバレたかな?」
不審者少女はそういうとかぶっていたローブを脱ぎその姿を見せる。
髪は金色で目は・・・金色で服はボンテージと言うのかな?何らかの革で出来ているようだ、そして頭にねじれた二本の角と背中に蝙蝠の翼お尻に先の尖った尻尾があった・・・どうやら彼女は。
「そう、あたしはサキュバスよ!サキと呼んでね、よろしく!」
なんて事だ、私の純潔はサキュバスに奪われることになるようだ・・・だが彼女はよろしくと言ったので無理やりな感じではないようだ。
そう思いほっとした私にサキが。
「あたしは自己紹介したけどお兄さんは・・・まぁ契約書に名前書いてるし勝手に呼ぶかな?・・・えーと・・・テイマさん?」
彼女が私の名前をかってに呼ぶ、そう私の名前はテイマだ、なんだ?悪いか?そう思いながらそうだと頷いて答える。
「まぁいいや、んじゃああたしはお兄さんの事をこれからテイマーさんって呼ぶね」
勝手にしてくれと言う意味で頷いて答える。
「それじゃあ脱線したけど契約内容について話すね!と言っても大したことじゃないよ。
まずは内容だけど大まかにテイマーさんにダンジョンを造ってほしいんだ!しかも今までに存在している既存の物じゃなくってあたしのマスターが作ったダンジョンコアを用いた新ダンジョン!」
私は予想外な契約内容に首を傾げたがどうやらいろいろ勘違いしていたのは自分のようだと思い、考えるのがめんどくさくなったことを隠す様に頷いて答える。
「理解してくれたみたいだね!それで新ダンジョンを造るにあたってとりあえず必要なものがあるんだ!」
どうやら来たようだ、やはり思わせぶりなことを言って私から何かを奪う気だったんだなこのサキ嬢は・・・さぁ何を奪う気だというつもりで睨みながら頷いて答える。
「おっ!真面目な顔になったね!それじゃあ必要なモノなんだけど・・・ズバリそれはモンスター!それもテイミングされている上に下位個体が存在する所謂上位個体って奴です!もしくは特殊個体や得意個体って言われてる奴!」
そう言われた私はとっさに私の横でずっと私を助けることもなくただ佇んでいた今日ティムした赤いスライム・・・コメットスライムに視線を送る。
「そうです!あたしがテイマーさんに声をかけたのはその通常のスライムの3倍は強そうな赤いスライムを連れていたからです!どうです?そのスライムをフロアボスにしてみませんか?」
私はフロアボス?と疑問に思ったが分かったと頷いて答えた。
「ではさっそく・・・ポチっとな」
サキ嬢が何やら目の前に浮かび上がった透明な板を指でトントンすると私の横にいたコメットスライムが消えていった。
これで私にはサキ嬢にとって何の価値も無くなったんだろうと落胆するがよく考えたら私はいまだに何もしていないのに料金だけ取られた状態だと気づき・・・後が怖いので事の成り行きを見守ることにした。
「ふんふん、コメットスライムって言うんだ~、え~とポイントは500ポイントね~、まだ始まったばかりだし多いのか少ないのかわかんないね~」
サキ嬢が透明な板を増やしてまた指先でトントンしていると何やらよくわからない事を喋り出す・・・ポイント?
「えー!通路100メートル10ポイント!500メートル作ったらもう終わりじゃん!」
私はサキ嬢が何を言っているのかが分からなかった、100メートル10ポイントなら500ポイントで5000メートルだと思うんだが・・・どうやら彼女はおつむが残念らしい。
そう思いうんうん頷いているとサキ嬢が私の横まで来て。
「というわけでこのダンジョンの運営はテイマーさんに丸投げするね!使い方はこの紙に書いてあるから、じゃねー」
そう言ってサキ嬢は私の前から去っていった・・・ところでここはどこなんだろう・・・。
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