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辺境にて
044話
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パーティ会場となっている中庭。
そんな中庭の中でも、端の方……もし何かあっても、パーティの参加者たちに被害が及ばないような場所に移動したあとで、アランは懐からカロを取り出す。
横目で見れば、レオノーラもまた自分の心核を取り出していた。
「カロ、好きに話せないようにさせてしまって悪いな」
「ぴ!」
アランの言葉に、その通りだと言いたげにカロが鳴き声を上げる。
カロにしてみれば、出来れば自分が好きなときに喋りたいと、そう思っているのだろう。
明確に言葉を発することは出来ないが、それでもカロは雲海や黄金の薔薇の面々と喋るのが好きなのだ。
(まぁ、カロの中に隠れている人格が姿を現せれば、また違うんだろうけど)
手の中のカロを見ながら、アランはしみじみとそう思う。
スタンピードのときに出て来た、もう一つのカロの人格。
心核についてや、それどころかアランについても色々と知っていそうなその人格は、あれから一切出て来ることはない。
色々と試してはみたのだが、結局どれも意味がなかった。
最終的には、取りあえず今は放っておくしかないということになり、今はカロの好きなようにさせているというのが、正直なところだ。
「アラン? どうしたのよ」
カロを見て動きを止めたアランに対し、レオノーラが不思議そうな視線を向ける。
それに対し、アランは何でもないと首を横に振ってから、口を開く。
「じゃあ、まずはレオノーラからでいいんだよな?」
「そうね。ゼオンのようなロボットは、この世界の人間にとっては、私のドラゴンよりも衝撃が大きいもの。……まぁ、日本でならそこまで驚くことはないんでしょうけど」
「いや、日本でもロボットを瞬時に生み出すことが出来れば、当然のように驚かれるぞ」
アランが日本にいたときの記憶を追体験したからこそ、レオノーラは若干からかいの交じった口調でそう告げるが、日本にいたときの記憶があるアランにしたところで、二足歩行の人型機動兵器というのは、空想の中にしか存在しなかった。
アランが知っているそれらしいロボットといえば、それこそ機械で出来た犬のような動きをするロボットや、ラジコンのパワーアップ版とも言えるドローン、もしくはロボットではないが、荷物の積み込み作業をするときにアシストしてくれる、パワードアーマーの祖先的な存在といったところか。
「そうね。でも、そういうのが色々と知ることが出来る時点で凄いと思うわよ」
そう言いながら笑みを浮かべると、レオノーラはアランから離れていく。
そして、黄金のドラゴンに変身しても問題がないと判断したところで、心核を起動する。
周囲に煌めくのは、レオノーラの身体から放たれる、眩い光。
パーティの参加者たちがいる場所からはかなり離れているのだが、それでも思わず手で目を覆う者が続出する程度には、その光は眩かった。
そして眩い光が収まると……そこには、巨大な黄金のドラゴンが立っている。
それこそ、見ただけで存在感に圧倒されるかのような、そんな黄金のドラゴン。
参加者の中には、そんな黄金のドラゴンを見てあまりのショックに気絶する者すらいた。
『いいのかしら、あれ』
アランの頭の中に、レオローラの言葉が響く。
レオノーラが変身した黄金のドラゴンは、何故か人の言葉を話すことが出来ない。
人の言葉を聞くことは、当然のように出来るのだが。
そんなレオノーラだが、何故か……いや、同じ場所にあった心核を使っているからなのか、アランにだけは自分の声をテレパシーや念話のように届けることが出来た。
「いいんじゃないか? 元々、俺たちは心核を使って欲しいって理由でこのパーティに呼ばれた訳だし」
『……で、この状況から何をすればいいの?』
レオノーラが変身した黄金のドラゴンが得意とするのは、レーザーブレスだ。
だが、まさかこのような場所でそのようなことをする訳にもいかず、かといってその巨体から自由に動くといったことをしても、それこそパーティに参加している者の多くが悲鳴を上げて倒れるようにことにもなりかねない。
今日のパーティに参加しているのは、ザラクニアが強い影響力を持っている者たちであって、それは別に軍人や騎士のように戦場に身を置くような者ばかりではない。
いや、貴族や商人といったように、直接戦場に出ない者の方が多いだろう。
だからこそ、今のような騒ぎになっているのだから。
「取りあえず、手でも振っておけばいんじゃないか?」
そうアランに告げられたレオノーラは、自分に危険はないという意味を込めて、パーティの参加者たちに手を振るのだった。
「全く……私が心核を使った理由はあったのかしら」
心核を解除して人の姿に戻ったレオノーラは、不満そうに言う。
黄金のドラゴンを間近で――それでもある程度の距離はあったが――見た者の多くは、驚き、中には気絶した者もいた。
もちろん、その黄金のドラゴンはレオノーラが心核で変身した姿であるというのは分かっていたのだが、それでもやはり戦場に出たことのないような者たち……特に貴族や商人の妻や娘といった者たちには刺激が強すぎたのだろう。
「まぁ、ドラゴンだしな」
アランが日本にいたときに読んだファンタジー小説においても、多くの作品ではドラゴンはその世界の中でも最強に近い存在だった。
それはこの世界においても同様であり、ドラゴンというのは力の象徴にも近しい存在なのだ。
「取りあえず、そう思っておくとするわ。……さて、それじゃあ次はアランの番よ。頑張ってね」
「はいはい」
レオノーラの言葉に軽く返し、アランは手の中にカロに話しかける。
「カロ、今度は俺たちの番だ。行くぞ」
「ぴ!」
カロの鳴き声が聞こえるのと同時に、アランは心核を起動する。
すると次の瞬間、アランの姿はゼオンコックピットの中にあった。
映像モニタに映し出されたパーティ会場では、多くの者たちがゼオンに驚愕の視線を向けている。
その中に黄金のドラゴンを見て気絶していたような者もいる辺り、すでに目を覚ましていたのだろう。
『ゴーレムか? いや、だが……心核でゴーレム?』
『以前からそういう噂は聞いていたが、何と素晴らしい。ゴーレムというよりは、一種の芸術品と言っても間違いではない』
『うわぁ……何て言えばいいのか分からないから、うわぁ……としか言えないわね』
そんな声がコックピットの中に響く。
それを聞いたアランは、当然のように嬉しくなる。
心核というのは、自分の本質とでも呼ぶべき存在に姿を変えるマジックアイテムだ。
その心核で呼び出されたゼオンが褒められるとうのは、アランにとっては嬉しいことだった。
何よりも、アラン自身がこのゼオンというロボットを格好良いと思っているので、その価値観が共有出来て不満を感じることはない。
薄紫をベース色としているその機体は、曲線を多用したようシャープな外見だ。
背中には翼を模したようなウィングバインダーがあり、手にはビームライフルを持っているその様子は、普通のゴーレムと比べると一線を画している。
ゴーレムは知っていても、ロボットを見たことのない者にしてみれば、ゼオンの姿は明らかに驚きを覚えるのだろう。
ましてや、これは偶然ではあったがレオノーラの黄金のドラゴンをその目にしたと直後というのも大きい。
「うん、取りあえず全員が喜んでくれてるみたいだな。パーティの催し物としては……」
成功だ。
そう言おうとしたらアランだったが、皆が驚きの表情でゼオンを見ている中、一人だけ……本当に一人だけがどこか狂おしいまでの表情を浮かべ、ゼオンを見ていることに気が付く。
向こうは、ゼオンをゴーレムの一種だと思っているためか、映像モニタで自分がそのような表情を浮かべているのを、アランに見られているとは思ってもいないのだろう。
あるいは、アランがゼオンのコックピットから下りた状態であれば、向こうもアランの視線を感じることが出来たかもしれないが。
だが、今のアランはゼオンの中にいて、直接その人物を見ている訳ではなく、あくまでもゼオンのカメラが捉えた光景が映像モニタに映し出されているにすぎない。
だからこそ、向こうもアランの視線に気が付くといったことがなかったのだろう。
「……嫌な予感がするな。イルゼンさんに言って、早くここを出た方がいいかも」
そうアランが呟いたのは、狂おしいまでの視線をゼオンに向けているのが、このパーティの主催者であるザラクニアだったからだろう。
このラリアントを治めている領主たるザラクニアがそのような視線をゼオンに向けているのだから、ここに残るのは色々な意味で不味いことになるのではないかと、そう思えた。
とはいえ、ゼオンに意識を集中していたザラクニアも、周囲にいた者たちから話しかけられると、一瞬前まで浮かべていた表情を綺麗に消し去り、領主という立場に相応しい様子で受け答えしている。
何気なく声を拾うような真似をしてみれば、パーティに参加していた者たちからゼオンについての賛辞を受け取っている様子だった。
アランとしては、ゼオンは別にザラクニアの所有物ではないのだから、そのような態度を取られるのは面白くなかったが。
もっとも、ザラクニアやその周辺にいる者たちも、まさか自分たちの会話がアランに聞こえているとは思ってもいないのだろう。
「取りあえず、俺も何かした方がいいか。飛ぶのはやめておくとして」
ここがラリアントの外であれば、ゼオンで空を飛んでも問題はないだろう。
だが、街中でそのようなことをすれば……しかも領主の住んでいる場所でそのような真似をすれば、前もってそういうことをやると周知させていない限り、騒動になるのは確実だった。
いや、むしろ空を飛べるというのを知られると、より執着を抱かれる可能性が高いと思い直す。
もっとも、スタンピードの一件についてすでに知られている以上、ゼオンが空を飛ぶというのも知られていてもおかしくはないのだが。
「一番威力が弱いのは頭部バルカンだけど、これも止めた方がいいよな」
ゼオンの武器の中で頭部バルカンの威力が一番弱いのは事実だが、その一番弱い頭部バルカンであっても、人に当たれば一発で殺してしまう威力があるのだ。
……あくまでも普通の人であって、探索者や冒険者の類であれば、話は別だが。
ともあれ、アランはレオノーラと同様にゼオンに軽く手を振らせて、場を誤魔化すのだった。
そんな中庭の中でも、端の方……もし何かあっても、パーティの参加者たちに被害が及ばないような場所に移動したあとで、アランは懐からカロを取り出す。
横目で見れば、レオノーラもまた自分の心核を取り出していた。
「カロ、好きに話せないようにさせてしまって悪いな」
「ぴ!」
アランの言葉に、その通りだと言いたげにカロが鳴き声を上げる。
カロにしてみれば、出来れば自分が好きなときに喋りたいと、そう思っているのだろう。
明確に言葉を発することは出来ないが、それでもカロは雲海や黄金の薔薇の面々と喋るのが好きなのだ。
(まぁ、カロの中に隠れている人格が姿を現せれば、また違うんだろうけど)
手の中のカロを見ながら、アランはしみじみとそう思う。
スタンピードのときに出て来た、もう一つのカロの人格。
心核についてや、それどころかアランについても色々と知っていそうなその人格は、あれから一切出て来ることはない。
色々と試してはみたのだが、結局どれも意味がなかった。
最終的には、取りあえず今は放っておくしかないということになり、今はカロの好きなようにさせているというのが、正直なところだ。
「アラン? どうしたのよ」
カロを見て動きを止めたアランに対し、レオノーラが不思議そうな視線を向ける。
それに対し、アランは何でもないと首を横に振ってから、口を開く。
「じゃあ、まずはレオノーラからでいいんだよな?」
「そうね。ゼオンのようなロボットは、この世界の人間にとっては、私のドラゴンよりも衝撃が大きいもの。……まぁ、日本でならそこまで驚くことはないんでしょうけど」
「いや、日本でもロボットを瞬時に生み出すことが出来れば、当然のように驚かれるぞ」
アランが日本にいたときの記憶を追体験したからこそ、レオノーラは若干からかいの交じった口調でそう告げるが、日本にいたときの記憶があるアランにしたところで、二足歩行の人型機動兵器というのは、空想の中にしか存在しなかった。
アランが知っているそれらしいロボットといえば、それこそ機械で出来た犬のような動きをするロボットや、ラジコンのパワーアップ版とも言えるドローン、もしくはロボットではないが、荷物の積み込み作業をするときにアシストしてくれる、パワードアーマーの祖先的な存在といったところか。
「そうね。でも、そういうのが色々と知ることが出来る時点で凄いと思うわよ」
そう言いながら笑みを浮かべると、レオノーラはアランから離れていく。
そして、黄金のドラゴンに変身しても問題がないと判断したところで、心核を起動する。
周囲に煌めくのは、レオノーラの身体から放たれる、眩い光。
パーティの参加者たちがいる場所からはかなり離れているのだが、それでも思わず手で目を覆う者が続出する程度には、その光は眩かった。
そして眩い光が収まると……そこには、巨大な黄金のドラゴンが立っている。
それこそ、見ただけで存在感に圧倒されるかのような、そんな黄金のドラゴン。
参加者の中には、そんな黄金のドラゴンを見てあまりのショックに気絶する者すらいた。
『いいのかしら、あれ』
アランの頭の中に、レオローラの言葉が響く。
レオノーラが変身した黄金のドラゴンは、何故か人の言葉を話すことが出来ない。
人の言葉を聞くことは、当然のように出来るのだが。
そんなレオノーラだが、何故か……いや、同じ場所にあった心核を使っているからなのか、アランにだけは自分の声をテレパシーや念話のように届けることが出来た。
「いいんじゃないか? 元々、俺たちは心核を使って欲しいって理由でこのパーティに呼ばれた訳だし」
『……で、この状況から何をすればいいの?』
レオノーラが変身した黄金のドラゴンが得意とするのは、レーザーブレスだ。
だが、まさかこのような場所でそのようなことをする訳にもいかず、かといってその巨体から自由に動くといったことをしても、それこそパーティに参加している者の多くが悲鳴を上げて倒れるようにことにもなりかねない。
今日のパーティに参加しているのは、ザラクニアが強い影響力を持っている者たちであって、それは別に軍人や騎士のように戦場に身を置くような者ばかりではない。
いや、貴族や商人といったように、直接戦場に出ない者の方が多いだろう。
だからこそ、今のような騒ぎになっているのだから。
「取りあえず、手でも振っておけばいんじゃないか?」
そうアランに告げられたレオノーラは、自分に危険はないという意味を込めて、パーティの参加者たちに手を振るのだった。
「全く……私が心核を使った理由はあったのかしら」
心核を解除して人の姿に戻ったレオノーラは、不満そうに言う。
黄金のドラゴンを間近で――それでもある程度の距離はあったが――見た者の多くは、驚き、中には気絶した者もいた。
もちろん、その黄金のドラゴンはレオノーラが心核で変身した姿であるというのは分かっていたのだが、それでもやはり戦場に出たことのないような者たち……特に貴族や商人の妻や娘といった者たちには刺激が強すぎたのだろう。
「まぁ、ドラゴンだしな」
アランが日本にいたときに読んだファンタジー小説においても、多くの作品ではドラゴンはその世界の中でも最強に近い存在だった。
それはこの世界においても同様であり、ドラゴンというのは力の象徴にも近しい存在なのだ。
「取りあえず、そう思っておくとするわ。……さて、それじゃあ次はアランの番よ。頑張ってね」
「はいはい」
レオノーラの言葉に軽く返し、アランは手の中にカロに話しかける。
「カロ、今度は俺たちの番だ。行くぞ」
「ぴ!」
カロの鳴き声が聞こえるのと同時に、アランは心核を起動する。
すると次の瞬間、アランの姿はゼオンコックピットの中にあった。
映像モニタに映し出されたパーティ会場では、多くの者たちがゼオンに驚愕の視線を向けている。
その中に黄金のドラゴンを見て気絶していたような者もいる辺り、すでに目を覚ましていたのだろう。
『ゴーレムか? いや、だが……心核でゴーレム?』
『以前からそういう噂は聞いていたが、何と素晴らしい。ゴーレムというよりは、一種の芸術品と言っても間違いではない』
『うわぁ……何て言えばいいのか分からないから、うわぁ……としか言えないわね』
そんな声がコックピットの中に響く。
それを聞いたアランは、当然のように嬉しくなる。
心核というのは、自分の本質とでも呼ぶべき存在に姿を変えるマジックアイテムだ。
その心核で呼び出されたゼオンが褒められるとうのは、アランにとっては嬉しいことだった。
何よりも、アラン自身がこのゼオンというロボットを格好良いと思っているので、その価値観が共有出来て不満を感じることはない。
薄紫をベース色としているその機体は、曲線を多用したようシャープな外見だ。
背中には翼を模したようなウィングバインダーがあり、手にはビームライフルを持っているその様子は、普通のゴーレムと比べると一線を画している。
ゴーレムは知っていても、ロボットを見たことのない者にしてみれば、ゼオンの姿は明らかに驚きを覚えるのだろう。
ましてや、これは偶然ではあったがレオノーラの黄金のドラゴンをその目にしたと直後というのも大きい。
「うん、取りあえず全員が喜んでくれてるみたいだな。パーティの催し物としては……」
成功だ。
そう言おうとしたらアランだったが、皆が驚きの表情でゼオンを見ている中、一人だけ……本当に一人だけがどこか狂おしいまでの表情を浮かべ、ゼオンを見ていることに気が付く。
向こうは、ゼオンをゴーレムの一種だと思っているためか、映像モニタで自分がそのような表情を浮かべているのを、アランに見られているとは思ってもいないのだろう。
あるいは、アランがゼオンのコックピットから下りた状態であれば、向こうもアランの視線を感じることが出来たかもしれないが。
だが、今のアランはゼオンの中にいて、直接その人物を見ている訳ではなく、あくまでもゼオンのカメラが捉えた光景が映像モニタに映し出されているにすぎない。
だからこそ、向こうもアランの視線に気が付くといったことがなかったのだろう。
「……嫌な予感がするな。イルゼンさんに言って、早くここを出た方がいいかも」
そうアランが呟いたのは、狂おしいまでの視線をゼオンに向けているのが、このパーティの主催者であるザラクニアだったからだろう。
このラリアントを治めている領主たるザラクニアがそのような視線をゼオンに向けているのだから、ここに残るのは色々な意味で不味いことになるのではないかと、そう思えた。
とはいえ、ゼオンに意識を集中していたザラクニアも、周囲にいた者たちから話しかけられると、一瞬前まで浮かべていた表情を綺麗に消し去り、領主という立場に相応しい様子で受け答えしている。
何気なく声を拾うような真似をしてみれば、パーティに参加していた者たちからゼオンについての賛辞を受け取っている様子だった。
アランとしては、ゼオンは別にザラクニアの所有物ではないのだから、そのような態度を取られるのは面白くなかったが。
もっとも、ザラクニアやその周辺にいる者たちも、まさか自分たちの会話がアランに聞こえているとは思ってもいないのだろう。
「取りあえず、俺も何かした方がいいか。飛ぶのはやめておくとして」
ここがラリアントの外であれば、ゼオンで空を飛んでも問題はないだろう。
だが、街中でそのようなことをすれば……しかも領主の住んでいる場所でそのような真似をすれば、前もってそういうことをやると周知させていない限り、騒動になるのは確実だった。
いや、むしろ空を飛べるというのを知られると、より執着を抱かれる可能性が高いと思い直す。
もっとも、スタンピードの一件についてすでに知られている以上、ゼオンが空を飛ぶというのも知られていてもおかしくはないのだが。
「一番威力が弱いのは頭部バルカンだけど、これも止めた方がいいよな」
ゼオンの武器の中で頭部バルカンの威力が一番弱いのは事実だが、その一番弱い頭部バルカンであっても、人に当たれば一発で殺してしまう威力があるのだ。
……あくまでも普通の人であって、探索者や冒険者の類であれば、話は別だが。
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