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逆襲
148話
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巨大な鷲の頭部をビームサーベルで切断したゼオンは、当然のようにそのまま巨大な鷲の下に移動する。
その近くでは、黄金ドラゴンが待っていて、そこで二人――心核を使っている今は一機と一匹という表現が正しいのかもしれないが――揃って上を飛ぶ巨大な鷲を見る。
『……妙ね。頭部を切断されたら、普通はもう死んで、バランスを崩して地上に向かって落ちていってもおかしくはないと思うんだけど』
レオノーラのその言葉に、アランも疑問を抱く。
だが、巨大な鷲はまだ空を飛んでいる。
それこそ、頭部がなくなったのは何の意味もなかったと、そう言いたくなるような感じで。
「消えろ! 貴様らがこれ以上進むことは許さん!」
と、不意にそんな声が響く。
それが誰の出している声なのかというのは、考えるまでもなく明らかだ。
鷲の背中に乗っていた、布を顔に巻き付けた相手。
そんな相手が、強い苛立ちを含ませた様子でそう叫んだのだ。
アランとレオノーラの二人は、突然そんな声をかけられたことに驚く。
まさか、自分たちと同じ言葉を口にするとは思ってもいなかったのだ。
(もしかして、この遺跡で生まれ育った奴じゃないのか?)
そんな疑問を抱くアランだったが、その疑問を口にするよりも前に、巨大な鷲はこの場から離脱していく。
頭部でしっかりと周囲の様子を確認しながら。
……そう、先程ゼオンがビームサーベルで切断したはずの頭部で、だ。
「え?」
慌てて地上の様子を映像モニタで映し出すが、そこには巨大な鷲の頭部はどこにもない。
「これは、一体……もしかして、俺が切断したのは幻だったとか、そういうのか?」
そう呟くアランだったが、砂漠には鷲の頭部が落ちた痕跡が残っているし、そこから流れた血も砂漠の砂の上にある。
もっとも、その血はそう遠くないうちに砂漠の砂に染みこんで見えなくなるだろうが。
確固とした痕跡が残っている以上、頭部を切断したのは間違いなく自分だった。
だとすれば、切断された頭部が何故元に戻ってるのか。
考えられる可能性としては、やはりあの鷲のモンスターか、もしくはアランに向かって叫んできた者が使った何らかのマジックアイテムの効果というのが、一番納得しやすいだろう。
『アラン、取りあえず向こうは引いたんだし、こちらも砂漠に降ろした人たちを乗せて地下九階の階段に進むわよ。……さっきの声の主が気になるのは分かるけど』
レオノーラの言葉に、アランは不承不承といった様子で頷く。
アランにしてみれば、出来るのならあの鷲を追って詳しい事情を聞きたいというのが正直なところだ。
だが、先程砂漠に降ろした面々をそのままにする訳にはいかないというのは、当然のようにアランにも理解出来る。
また、地下九階に向かう階段や、オアシスでもそれぞれアランとレオノーラが来るのを待っているのだ。
そう考えれば、あの巨大な鷲とその背に乗っていた相手を追うような真似は出来なかった。
レオノーラの変身した黄金のドラゴンと共に、先程降ろした面々のいる場所に向かう。
『おい、アラン! 大丈夫だったのか!?』
『レオノーラ様、お怪我はありませんか!?』
砂漠に着地するや否や、ゼオンの下には雲海の面々が、レオノーラの下には黄金の薔薇の面々がそれぞれ近付いていって、心配そうな声をかける。
「大丈夫です。結構手強かったですけど、相手が逃げてくれたので何とかなりました。……ただ、首を切断したのに、無事だったのは疑問ですが」
外部スピーカーでアランがそう告げると、他の面々もその光景は見ていたの納得したように頷く。
『あの鷲の首、砂漠に落ちたと思ったら、次の瞬間にはまるでそこにあったのが幻だったかのように消えたんだよな』
「なるほど。やっぱりそんな感じですか」
頭部が消えたという言葉に疑問を感じると同時に納得もする。
ともあれ、今は砂漠を越える方が先だと、そう判断する。
「今はここにいてはどうしようもないですし、移動しましょう。あの巨大な鷲がまた襲ってくる可能性もありますし」
アランのその言葉は誰も異論はなく、皆がゼオンと黄金のドラゴンに乗る。
そうして再び地下九階に続く階段に向かい……幸いなことに、再度巨大な鷲が襲ってくるようなことはく、無事に到着する。
地下九階に続く階段の近くでは、現在のところは襲われるといったようなことはなく、最初に運ばれてきた者たちが周囲の様子を警戒している。
だからこそ、ゼオンと黄金ドラゴンの姿に一足早く気が付くことが出来たのだろう。
嬉しそうに叫びながら手を振っている者たちを眺めつつ、アランは目的地に無事到着出来たことを喜ぶ。
「何とか無事に到着出来た、か。……問題なのは、やっぱりあの巨大な鷲だよな。また襲ってくるなんてことがないといいんだけど」
その巨体と高い再生能力、そして風のブレス。そして何より、切断したはずの首がいつの間にか消えて元に戻るという、再生能力では説明の出来ない力。
少し戦っただけでそれだけの能力が判明しており、本格的に戦った場合には一体どうなるのかというのは、アランにもはっきりとは分からなかった。
特にあの巨体が最大の問題で、もしこの場にあの巨大な鷲がやってくれば、それこそどうなるかと心配になるのは当然だった。
もちろん、この場にも信頼出来る戦力はいるし、二度目の運搬でも戦力になる者は連れてきている。
だが、それでも完全に安心出来るといったことは出来ないのだ。
そうなると、アランやレオノーラに出来ることはそう多くはない。
「すぐに最後の人たちを連れてくるので、ここに到着したらすぐに地下九階に行きましょう。その準備をお願いします」
運ばれてきた面々に事情を聞いたのだろう。
その場にいる者たちは全員がアランのその言葉に頷き、それぞれすぐに動き出す。
『じゃあ、私たちも行きましょうか。……出来ればあの巨大な鷲には出会わない方がいいけど、どうせ遭遇するのなら他の人を運んでいるときじゃなくて、オアシスに向かっている途中に遭遇するといいわね』
レオノーラの言葉に、アランは同意するように頷く。
最善なのは、あの巨大な鷲に遭遇しないことだ。
だが、どうしても遭遇するのなら、そのときは残りの人員を運んでいるときではなく、他の者を運んでいないときが最善だというのは、アランも本気でそう思う。
自分とレオノーラの二人だけなら、巨大な鷲と突然遭遇してもどうにかなるのだから。
ともあれ、アランとレオノーラは運んできた探索者達を降ろすと、すぐにその場から飛び立つ。
オアシスに向かい、そこで残っている面々を……人数的に若干無理をして、ここまで運んでくる必要があった。
そう、強い決意を抱いて飛んでいたアランだったが……
「何も起きないな。てっきりさっきの巨大な鷲が襲ってくるかもしれないと思ってたんだけど」
『それは別にいいんじゃない? 敵が来ないのなら、それこそ私達が楽を出来る……出来ないわね』
「え?」
突然言葉を変えたレオノーラに、ゼオンの首を黄金のドラゴンの方に向ける。
すると、黄金のドラゴンはゼオンが自分を見ているのだと判断したのか、そっと右手……もしくは右前足を前方に向ける。
その前方にあるのは、イルゼンたちが待っているオアシス。
それはいい。だが、問題なのは……その前方に、激しい砂嵐が存在していたことだ。
おまけに、その砂嵐は真っ直ぐオアシスの方に向かっている。
「マジか……」
『マジよ』
思わず出たアランの呟きに、アランの前世の記憶をある程度追体験したことのあるレオノーラが、そう答える。
二人にとっても、砂嵐……いや、砂の竜巻とも呼ぶべき存在は驚きだった。
そういうのがあるというのは、アランやレオノーラも知っている。
だが、それでも本物を見るのは初めてである以上、今回の一件については驚くしかない。
驚くしかないが……その砂嵐がオアシスに向かっている以上、いつまでもこのままただ空中で驚いている訳にもいかない。
「行くぞ!」
それだけを告げ、アランはゼオンをオアシスに向かって進める。
砂嵐の影響なのか、ゼオンを飛ばすアランも結構な抵抗を感じていたが、今はとにかくオアシスに到着するのが最優先だと判断して、ゼオンのスラスターを全開にする。
オアシスの近付くにつれ、土……いや、砂のドームのようなものが存在しているのが映像モニタ地に表示された。
それが何なのかというのは、アランにはすぐに分かった。
あの中で砂嵐をやりすごすつもりなのだろうと。
とはいえ、具体的に砂嵐がどれくらいの威力か分からない以上、砂のドームを見て完全に安心するような真似は出来ない。
であれば、アランのやるべきことは決まっていた。
少しでも砂嵐の被害が少なくなるようにと、砂のドームの前にゼオンを着地させたのだ。
レオノーラが変身した黄金のドラゴンも、アランと同様に砂のドームを庇うようにゼオンと同じように砂のドームの前に立つ。
砂のドームに隠れている者たちは、まさかこのように都合よく姿を現すとは思っていなかった以上、二人の存在に気が付いてはいないだろうが。
『私の方はドラゴンだから、砂嵐程度は問題ないけど、そっちは大丈夫なの?』
「人型機動兵器だから、問題ない。……と、思いたいんだけどな。砂が詰まったりする可能性があるから、この騒動が終わったら一度カロに戻すよ」
そう言いながらも、アランも装甲そのものについては心配していなかった。
だが、この場合問題なのは関節部分に砂が詰まったりしないかということだろう。
……最悪、砂嵐をやりすごしてから、一度心核をカロに戻してから再びゼオンを呼び出せばいいかと、そう考える。
『そういうのが出来るのは便利よね。……来たわよ!』
レオノーラの言葉がアランの頭の中に響いた瞬間、バチッという音がコックピットの中に響く。
それが一体何なのかというのは、それこそ考えるまでもなく明らかだ。
そう……砂嵐が、とうとうゼオンと黄金のドラゴン、そして砂のドームを襲ったのだ。
最初の衝撃がコックピットの響き……それが次の瞬間には、絶え間なく砂がゼオンの装甲に当たる音が響き続けるのだった。
その近くでは、黄金ドラゴンが待っていて、そこで二人――心核を使っている今は一機と一匹という表現が正しいのかもしれないが――揃って上を飛ぶ巨大な鷲を見る。
『……妙ね。頭部を切断されたら、普通はもう死んで、バランスを崩して地上に向かって落ちていってもおかしくはないと思うんだけど』
レオノーラのその言葉に、アランも疑問を抱く。
だが、巨大な鷲はまだ空を飛んでいる。
それこそ、頭部がなくなったのは何の意味もなかったと、そう言いたくなるような感じで。
「消えろ! 貴様らがこれ以上進むことは許さん!」
と、不意にそんな声が響く。
それが誰の出している声なのかというのは、考えるまでもなく明らかだ。
鷲の背中に乗っていた、布を顔に巻き付けた相手。
そんな相手が、強い苛立ちを含ませた様子でそう叫んだのだ。
アランとレオノーラの二人は、突然そんな声をかけられたことに驚く。
まさか、自分たちと同じ言葉を口にするとは思ってもいなかったのだ。
(もしかして、この遺跡で生まれ育った奴じゃないのか?)
そんな疑問を抱くアランだったが、その疑問を口にするよりも前に、巨大な鷲はこの場から離脱していく。
頭部でしっかりと周囲の様子を確認しながら。
……そう、先程ゼオンがビームサーベルで切断したはずの頭部で、だ。
「え?」
慌てて地上の様子を映像モニタで映し出すが、そこには巨大な鷲の頭部はどこにもない。
「これは、一体……もしかして、俺が切断したのは幻だったとか、そういうのか?」
そう呟くアランだったが、砂漠には鷲の頭部が落ちた痕跡が残っているし、そこから流れた血も砂漠の砂の上にある。
もっとも、その血はそう遠くないうちに砂漠の砂に染みこんで見えなくなるだろうが。
確固とした痕跡が残っている以上、頭部を切断したのは間違いなく自分だった。
だとすれば、切断された頭部が何故元に戻ってるのか。
考えられる可能性としては、やはりあの鷲のモンスターか、もしくはアランに向かって叫んできた者が使った何らかのマジックアイテムの効果というのが、一番納得しやすいだろう。
『アラン、取りあえず向こうは引いたんだし、こちらも砂漠に降ろした人たちを乗せて地下九階の階段に進むわよ。……さっきの声の主が気になるのは分かるけど』
レオノーラの言葉に、アランは不承不承といった様子で頷く。
アランにしてみれば、出来るのならあの鷲を追って詳しい事情を聞きたいというのが正直なところだ。
だが、先程砂漠に降ろした面々をそのままにする訳にはいかないというのは、当然のようにアランにも理解出来る。
また、地下九階に向かう階段や、オアシスでもそれぞれアランとレオノーラが来るのを待っているのだ。
そう考えれば、あの巨大な鷲とその背に乗っていた相手を追うような真似は出来なかった。
レオノーラの変身した黄金のドラゴンと共に、先程降ろした面々のいる場所に向かう。
『おい、アラン! 大丈夫だったのか!?』
『レオノーラ様、お怪我はありませんか!?』
砂漠に着地するや否や、ゼオンの下には雲海の面々が、レオノーラの下には黄金の薔薇の面々がそれぞれ近付いていって、心配そうな声をかける。
「大丈夫です。結構手強かったですけど、相手が逃げてくれたので何とかなりました。……ただ、首を切断したのに、無事だったのは疑問ですが」
外部スピーカーでアランがそう告げると、他の面々もその光景は見ていたの納得したように頷く。
『あの鷲の首、砂漠に落ちたと思ったら、次の瞬間にはまるでそこにあったのが幻だったかのように消えたんだよな』
「なるほど。やっぱりそんな感じですか」
頭部が消えたという言葉に疑問を感じると同時に納得もする。
ともあれ、今は砂漠を越える方が先だと、そう判断する。
「今はここにいてはどうしようもないですし、移動しましょう。あの巨大な鷲がまた襲ってくる可能性もありますし」
アランのその言葉は誰も異論はなく、皆がゼオンと黄金のドラゴンに乗る。
そうして再び地下九階に続く階段に向かい……幸いなことに、再度巨大な鷲が襲ってくるようなことはく、無事に到着する。
地下九階に続く階段の近くでは、現在のところは襲われるといったようなことはなく、最初に運ばれてきた者たちが周囲の様子を警戒している。
だからこそ、ゼオンと黄金ドラゴンの姿に一足早く気が付くことが出来たのだろう。
嬉しそうに叫びながら手を振っている者たちを眺めつつ、アランは目的地に無事到着出来たことを喜ぶ。
「何とか無事に到着出来た、か。……問題なのは、やっぱりあの巨大な鷲だよな。また襲ってくるなんてことがないといいんだけど」
その巨体と高い再生能力、そして風のブレス。そして何より、切断したはずの首がいつの間にか消えて元に戻るという、再生能力では説明の出来ない力。
少し戦っただけでそれだけの能力が判明しており、本格的に戦った場合には一体どうなるのかというのは、アランにもはっきりとは分からなかった。
特にあの巨体が最大の問題で、もしこの場にあの巨大な鷲がやってくれば、それこそどうなるかと心配になるのは当然だった。
もちろん、この場にも信頼出来る戦力はいるし、二度目の運搬でも戦力になる者は連れてきている。
だが、それでも完全に安心出来るといったことは出来ないのだ。
そうなると、アランやレオノーラに出来ることはそう多くはない。
「すぐに最後の人たちを連れてくるので、ここに到着したらすぐに地下九階に行きましょう。その準備をお願いします」
運ばれてきた面々に事情を聞いたのだろう。
その場にいる者たちは全員がアランのその言葉に頷き、それぞれすぐに動き出す。
『じゃあ、私たちも行きましょうか。……出来ればあの巨大な鷲には出会わない方がいいけど、どうせ遭遇するのなら他の人を運んでいるときじゃなくて、オアシスに向かっている途中に遭遇するといいわね』
レオノーラの言葉に、アランは同意するように頷く。
最善なのは、あの巨大な鷲に遭遇しないことだ。
だが、どうしても遭遇するのなら、そのときは残りの人員を運んでいるときではなく、他の者を運んでいないときが最善だというのは、アランも本気でそう思う。
自分とレオノーラの二人だけなら、巨大な鷲と突然遭遇してもどうにかなるのだから。
ともあれ、アランとレオノーラは運んできた探索者達を降ろすと、すぐにその場から飛び立つ。
オアシスに向かい、そこで残っている面々を……人数的に若干無理をして、ここまで運んでくる必要があった。
そう、強い決意を抱いて飛んでいたアランだったが……
「何も起きないな。てっきりさっきの巨大な鷲が襲ってくるかもしれないと思ってたんだけど」
『それは別にいいんじゃない? 敵が来ないのなら、それこそ私達が楽を出来る……出来ないわね』
「え?」
突然言葉を変えたレオノーラに、ゼオンの首を黄金のドラゴンの方に向ける。
すると、黄金のドラゴンはゼオンが自分を見ているのだと判断したのか、そっと右手……もしくは右前足を前方に向ける。
その前方にあるのは、イルゼンたちが待っているオアシス。
それはいい。だが、問題なのは……その前方に、激しい砂嵐が存在していたことだ。
おまけに、その砂嵐は真っ直ぐオアシスの方に向かっている。
「マジか……」
『マジよ』
思わず出たアランの呟きに、アランの前世の記憶をある程度追体験したことのあるレオノーラが、そう答える。
二人にとっても、砂嵐……いや、砂の竜巻とも呼ぶべき存在は驚きだった。
そういうのがあるというのは、アランやレオノーラも知っている。
だが、それでも本物を見るのは初めてである以上、今回の一件については驚くしかない。
驚くしかないが……その砂嵐がオアシスに向かっている以上、いつまでもこのままただ空中で驚いている訳にもいかない。
「行くぞ!」
それだけを告げ、アランはゼオンをオアシスに向かって進める。
砂嵐の影響なのか、ゼオンを飛ばすアランも結構な抵抗を感じていたが、今はとにかくオアシスに到着するのが最優先だと判断して、ゼオンのスラスターを全開にする。
オアシスの近付くにつれ、土……いや、砂のドームのようなものが存在しているのが映像モニタ地に表示された。
それが何なのかというのは、アランにはすぐに分かった。
あの中で砂嵐をやりすごすつもりなのだろうと。
とはいえ、具体的に砂嵐がどれくらいの威力か分からない以上、砂のドームを見て完全に安心するような真似は出来ない。
であれば、アランのやるべきことは決まっていた。
少しでも砂嵐の被害が少なくなるようにと、砂のドームの前にゼオンを着地させたのだ。
レオノーラが変身した黄金のドラゴンも、アランと同様に砂のドームを庇うようにゼオンと同じように砂のドームの前に立つ。
砂のドームに隠れている者たちは、まさかこのように都合よく姿を現すとは思っていなかった以上、二人の存在に気が付いてはいないだろうが。
『私の方はドラゴンだから、砂嵐程度は問題ないけど、そっちは大丈夫なの?』
「人型機動兵器だから、問題ない。……と、思いたいんだけどな。砂が詰まったりする可能性があるから、この騒動が終わったら一度カロに戻すよ」
そう言いながらも、アランも装甲そのものについては心配していなかった。
だが、この場合問題なのは関節部分に砂が詰まったりしないかということだろう。
……最悪、砂嵐をやりすごしてから、一度心核をカロに戻してから再びゼオンを呼び出せばいいかと、そう考える。
『そういうのが出来るのは便利よね。……来たわよ!』
レオノーラの言葉がアランの頭の中に響いた瞬間、バチッという音がコックピットの中に響く。
それが一体何なのかというのは、それこそ考えるまでもなく明らかだ。
そう……砂嵐が、とうとうゼオンと黄金のドラゴン、そして砂のドームを襲ったのだ。
最初の衝撃がコックピットの響き……それが次の瞬間には、絶え間なく砂がゼオンの装甲に当たる音が響き続けるのだった。
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