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ザッカラン防衛戦
172話
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「うーん……やっぱりさっきのは違ったのか? 偶然兵士と会っただけ? けど……」
ゼオンのコックピットの中で、アランは映像モニタに表示されているダラスターたちの姿を眺めていた。
兵士と話したあとはすぐに別れ、再び歩き出し……やがて走り出す。
何か重要な連絡事項でもあったのか? という思いを抱くと共に、本当にそれだけなのか? という思いもある。
「あ、とうとう息切れしてきた」
全力疾走をしてから二十分ほどで、ダラスターたちは走るのを止める。
……この場合は、むしろ二十分ほど全力疾走したのを驚くべきか。
普通なら、全力疾走を二十分近くも続けるといったことは出来ない……訳ではないが、そう簡単に出来る訳ではない。
ましてや、ダラスターたちは太っている者もいるし、とても鍛えているようには思えない。
そのような状況であってもここまで全力疾走出来たのは、やはり上空にゼオンが存在しているという恐怖からだろう。
実際にゼオンの撃ったビームライフルの威力を見て、自分で受けたからこそ、ゼオンを死の象徴のように思えたのだ。
そこまでは、ゼオンの中にいるアランには分からなかったが、取りあえずもう少しは追ってみるかと考える。
見たところ、このままでは敵の本陣に辿り着くよりも前に息切れをして動けなくなってしまうような気もしていたが。
「どうなんだろうな。……あ」
アランがそう呟いたのは、ダーラットたちが森に入っていったためだ。
ゼオンの姿が上空にある以上、当然のように映像モニタに表示されているのは森の上が映し出されている映像だ。
つまり、森に生えている木々が邪魔になって森の中をしっかりと確認することは出来ない。
「厄介な真似をしてくれるな。……もしかして、やっぱりさっきの一件でゼオンのことを悟ったのか?」
兵士と話していたとき、ダーラットたちは空を見上げた。
そのときは、てっきり天気がどうなっているのかというのを見ているのだろと思っていたのだが。
何しろ、あのときのゼオンはかなり高度を上げていて、とてもではないが地上から見て、それがゼオンだとは気がつけなかった筈なのだから。
だが……何にしても絶対ということはない。
ゼオンの存在に気がついていれば、上空から監視されても見つからない場所に移動して追跡を撒くといったような真似をするのは当然だった。
「さて、これはどうするべきか。……ん?」
森の様子を見ていたアランは、ふと森の中で動く存在がいるのに気が付く。
もちろんここが森である以上、動物の類とかは当然のようにいてもおかしくはない。
それでもアランが気になったのは、森の中で動いているのがどう見ても人間だったためだ。
一瞬……本当に一瞬だったが、もしかしてこの森が本拠地だったのか? と思うも、すぐにそれを否定した。
何故なら、ゼオンの映像モニタに表示された動いている者の姿は、とても兵士には思えなかったからだ。
動物かモンスターかは分からないが、何らかの毛皮をそのまま身につけており、手には斧の類を持っているその様子は、どこからどう見ても軍人ではなく盗賊の類なのだから。
そんな者達がダーラットたちとの距離を詰めているのが、森に生えている木々の隙間から見てとることが出来る。
「これは……一体どうすればいいんだ? まさか、あの様子で実はガリンダミア帝国軍の連中って訳じゃないだろうし」
アランが見た限りでは、とてもではないが味方――あくまでもガリンダミア帝国軍のという意味だが――のようには思えない。
であれば、当然のように敵になる訳だが、このまま放っておけばいいのか、それとも直接手を出した方がいいのか。
アランとしては、出来ればガリンダミア帝国軍の本陣の位置を確認しておきたい。
だが、こうして見る限りでは、とてもではないが森の中に入っていった連中が、素直にその場所まで案内してくれるとは思えなかった。
だとすれば、それこそここでそれを見ているのもどうかと思うのだから、放っておいた方がいいのでは? とも思う。
ダラスターたちがどうなろうと、アランとしてはそこまで興味はない。
……実際にはガリンダミア帝国における貴族の者たちではあるのだが。
ただし、ガリンダミア帝国軍からも捨て駒として扱われるような者たち。
その辺りの事情はアランにも分からなかったが、先程の兵士とのやり取りを思い出せば、決してガリンダミア帝国軍の中で好意的に扱われている訳ではないというのは、理解出来る。
「とはいえ、敵の本拠地は……いや、あの様子を見る限り、もう期待は出来ないか。あの兵士の様子から考えると、多分捨て駒か何かだったんだろうな。……なら、このまま見ている必要はないか。助けるのも……あ、でも助けたら何らかの情報を持ってるか? ……ないな」
ガリンダミア帝国軍が捨て駒として使っている以上、そのような相手に重要な機密を教えたりといったような真似はしないだろう。
なら、助ける価値はないのか? と少しだけ思ったアランだったが、偉そうにしていることや、身につけていた服装から貴族の可能性が高いというのは明らかだ。
だとすれば、リーダー格と思しき相手を捕らえておけば、何らかの役に立つという可能性は決して否定出来ない。
せっかく偵察に出てきたのだから、何らかの成果は持ち帰りたい。
そう判断し、見捨てるつもりだった少し前の判断を一変して森の上から様子を見る。
森とはいえ、そこにある木々は完全に地上を隠している訳ではない。
実際に木々の隙間から、盗賊と思しき相手を発見したのだから。
そして、現在もまた上空から木々の隙間を映像モニタに表示する。
すると、そこではやはり盗賊達が森の中に入った貴族と思しき者たちを襲っていた。
「行くか」
小さく呟き、地上に向かって降下していくゼオン。
大体の場所は分かるが、それでもしっかりと敵や目標としている場所を確認は出来ない。
だからこそ、直接森の中に突っ込んで自分の目でしっかりと確認する必要があった。
そして……木の枝を折りながら、地面に着地する。
「どこだ?」
周囲に生えている木が邪魔になって、しっかりと目標としている相手の位置が把握出来ない。
周囲を見回すゼオンだったが……盗賊たちは、いきなり空から振ってきたゼオンにただ驚き……そして貴族たちは、恐怖から動けなくなる。
ビームライフルの攻撃により、恐怖を心の底まで刻み込まれているのだ。
そうして理由は違えども、双方共に動けなくなったのを見て……
「いた」
それなりに大きな木に身体の半分程を隠しているダラスターの姿を見つけ、ゼオンの手を伸ばす。
当然のようにダラスターは自分に向かって近付いてくる手から逃げようとしたのだが、動きという点では当然のようにゼオンの方が素早く……そのままダラスターの身体を鷲掴みにすると、ウィングバインダーを全開にしてその場から飛び去るのだった。
ゼオンのコックピットの中で、アランは映像モニタに表示されているダラスターたちの姿を眺めていた。
兵士と話したあとはすぐに別れ、再び歩き出し……やがて走り出す。
何か重要な連絡事項でもあったのか? という思いを抱くと共に、本当にそれだけなのか? という思いもある。
「あ、とうとう息切れしてきた」
全力疾走をしてから二十分ほどで、ダラスターたちは走るのを止める。
……この場合は、むしろ二十分ほど全力疾走したのを驚くべきか。
普通なら、全力疾走を二十分近くも続けるといったことは出来ない……訳ではないが、そう簡単に出来る訳ではない。
ましてや、ダラスターたちは太っている者もいるし、とても鍛えているようには思えない。
そのような状況であってもここまで全力疾走出来たのは、やはり上空にゼオンが存在しているという恐怖からだろう。
実際にゼオンの撃ったビームライフルの威力を見て、自分で受けたからこそ、ゼオンを死の象徴のように思えたのだ。
そこまでは、ゼオンの中にいるアランには分からなかったが、取りあえずもう少しは追ってみるかと考える。
見たところ、このままでは敵の本陣に辿り着くよりも前に息切れをして動けなくなってしまうような気もしていたが。
「どうなんだろうな。……あ」
アランがそう呟いたのは、ダーラットたちが森に入っていったためだ。
ゼオンの姿が上空にある以上、当然のように映像モニタに表示されているのは森の上が映し出されている映像だ。
つまり、森に生えている木々が邪魔になって森の中をしっかりと確認することは出来ない。
「厄介な真似をしてくれるな。……もしかして、やっぱりさっきの一件でゼオンのことを悟ったのか?」
兵士と話していたとき、ダーラットたちは空を見上げた。
そのときは、てっきり天気がどうなっているのかというのを見ているのだろと思っていたのだが。
何しろ、あのときのゼオンはかなり高度を上げていて、とてもではないが地上から見て、それがゼオンだとは気がつけなかった筈なのだから。
だが……何にしても絶対ということはない。
ゼオンの存在に気がついていれば、上空から監視されても見つからない場所に移動して追跡を撒くといったような真似をするのは当然だった。
「さて、これはどうするべきか。……ん?」
森の様子を見ていたアランは、ふと森の中で動く存在がいるのに気が付く。
もちろんここが森である以上、動物の類とかは当然のようにいてもおかしくはない。
それでもアランが気になったのは、森の中で動いているのがどう見ても人間だったためだ。
一瞬……本当に一瞬だったが、もしかしてこの森が本拠地だったのか? と思うも、すぐにそれを否定した。
何故なら、ゼオンの映像モニタに表示された動いている者の姿は、とても兵士には思えなかったからだ。
動物かモンスターかは分からないが、何らかの毛皮をそのまま身につけており、手には斧の類を持っているその様子は、どこからどう見ても軍人ではなく盗賊の類なのだから。
そんな者達がダーラットたちとの距離を詰めているのが、森に生えている木々の隙間から見てとることが出来る。
「これは……一体どうすればいいんだ? まさか、あの様子で実はガリンダミア帝国軍の連中って訳じゃないだろうし」
アランが見た限りでは、とてもではないが味方――あくまでもガリンダミア帝国軍のという意味だが――のようには思えない。
であれば、当然のように敵になる訳だが、このまま放っておけばいいのか、それとも直接手を出した方がいいのか。
アランとしては、出来ればガリンダミア帝国軍の本陣の位置を確認しておきたい。
だが、こうして見る限りでは、とてもではないが森の中に入っていった連中が、素直にその場所まで案内してくれるとは思えなかった。
だとすれば、それこそここでそれを見ているのもどうかと思うのだから、放っておいた方がいいのでは? とも思う。
ダラスターたちがどうなろうと、アランとしてはそこまで興味はない。
……実際にはガリンダミア帝国における貴族の者たちではあるのだが。
ただし、ガリンダミア帝国軍からも捨て駒として扱われるような者たち。
その辺りの事情はアランにも分からなかったが、先程の兵士とのやり取りを思い出せば、決してガリンダミア帝国軍の中で好意的に扱われている訳ではないというのは、理解出来る。
「とはいえ、敵の本拠地は……いや、あの様子を見る限り、もう期待は出来ないか。あの兵士の様子から考えると、多分捨て駒か何かだったんだろうな。……なら、このまま見ている必要はないか。助けるのも……あ、でも助けたら何らかの情報を持ってるか? ……ないな」
ガリンダミア帝国軍が捨て駒として使っている以上、そのような相手に重要な機密を教えたりといったような真似はしないだろう。
なら、助ける価値はないのか? と少しだけ思ったアランだったが、偉そうにしていることや、身につけていた服装から貴族の可能性が高いというのは明らかだ。
だとすれば、リーダー格と思しき相手を捕らえておけば、何らかの役に立つという可能性は決して否定出来ない。
せっかく偵察に出てきたのだから、何らかの成果は持ち帰りたい。
そう判断し、見捨てるつもりだった少し前の判断を一変して森の上から様子を見る。
森とはいえ、そこにある木々は完全に地上を隠している訳ではない。
実際に木々の隙間から、盗賊と思しき相手を発見したのだから。
そして、現在もまた上空から木々の隙間を映像モニタに表示する。
すると、そこではやはり盗賊達が森の中に入った貴族と思しき者たちを襲っていた。
「行くか」
小さく呟き、地上に向かって降下していくゼオン。
大体の場所は分かるが、それでもしっかりと敵や目標としている場所を確認は出来ない。
だからこそ、直接森の中に突っ込んで自分の目でしっかりと確認する必要があった。
そして……木の枝を折りながら、地面に着地する。
「どこだ?」
周囲に生えている木が邪魔になって、しっかりと目標としている相手の位置が把握出来ない。
周囲を見回すゼオンだったが……盗賊たちは、いきなり空から振ってきたゼオンにただ驚き……そして貴族たちは、恐怖から動けなくなる。
ビームライフルの攻撃により、恐怖を心の底まで刻み込まれているのだ。
そうして理由は違えども、双方共に動けなくなったのを見て……
「いた」
それなりに大きな木に身体の半分程を隠しているダラスターの姿を見つけ、ゼオンの手を伸ばす。
当然のようにダラスターは自分に向かって近付いてくる手から逃げようとしたのだが、動きという点では当然のようにゼオンの方が素早く……そのままダラスターの身体を鷲掴みにすると、ウィングバインダーを全開にしてその場から飛び去るのだった。
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