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囚われの姫君?
207話
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ビッシュはアランが首を横に振ったのを見て……何も言わない。
それこそ、数秒どころか数十秒、数分と時間が経過していく。
そして時間が経てば経つほど、部屋の中の空気は重圧を増していく。
首を振ってビッシュの誘いを明確に拒否したアランだったが、そんなアランでさえ部屋の中に漂う重圧に何かを言うべきなのかと迷う。
とはいえ……実際にアランは何かを口にしたりといったような真似は出来ない。
今の状況で何かを言えば、それこそ張り詰めた風船を針で突くような、そんな感じすらしていたためだ。
部屋の空気の重さに耐えかねていたのは、アランだけではない。
それこそ、アランの監視兼ビッシュの護衛としてここにいる二人の騎士も……そして扉の側で控えているメローネも、また同様だった。
やがて、そんな沈黙を破るにように口を開いたのは、やはりビッシュ。
無邪気な子供の笑み――あくまでもそう見えるだけだが――を浮かべながら、口を開く。
「僕としては、アランには是非仲間になって欲しいんだ。だからこそ、こうして厚遇してるんだしね。けど……もし僕たちの仲間にならないというのなら、君の力は少し危険すぎる。それは分かるよね?」
子供に見えるビッシュが、子供に言い聞かせるようにアランに話しかけるのは、見ている方には若干の違和感がある。
だが、それは今のような状況ではとてもではないが口に出すことが出来ない。
代わりに、アランは首を横に振る。
「ビッシュ様がどう言おうと、私は雲海の裏切るつもりはありま……っ!?」
裏切るつもりはありせん。
そう言おうとしたアランだったが、不意に舌がそれ以上動かなくなったことに気がつき、混乱する。
何があったのかと混乱したアランだったが、動かなくなったのは舌だけではない。
からだ全体が動かなくなっていたのだ。
唯一動かせることが出来る眼球で一体何があったのか周囲の様子を探る……よりも前に、誰がこのような状況を起こしたのかというのは、それこそ考えるまでもなく明らかだった。
何故なら、アランの前に座っているビッシュがその目を髪の色と同じように青く輝かせ、口には笑みが浮かんでいたからだ。
そのようなアランを見れば、一体誰が現在の自分のような状況にしたのかというのは、考えるまでもない。
(これは、一体!?)
いきなり動かなくなった身体に、アランは混乱する。
……不幸中の幸いだったのは、身体が動かないためにみっともなく狼狽した姿を周囲に晒す必要がなかったことだろう。
もし今の状況で身体が自由に動いていれば、それこそアランは一体何が起こったのかと、混乱していただろう。
もっとも、アランが混乱することになったのは、あくまでも身体が動かなくなったからであって、だとすれば身体が動かせる状況であれば、混乱するようなこともなかったのだろうが。
「ふふっ、急に黙り込んでどうしたのかな? やっぱり僕に協力する気になった? だとしたら嬉しいんだけど」
目を青く輝かせたまま、ビッシュはそう告げる。
それこそ、自分は全く何もしていないと、そう言いたいかのような態度で。
アランは混乱する中でそんなビッシュを眺めていたが、それでも身体が動かせないという状況に慣れてくると、多少なりとも現在の状況を考えることが出来るようになる。
そうして……気がつけば、そんなビッシュを恐れているのは、自分だけではなく二人の騎士も同様なのだと理解した。
メローネはどうなのかと、そうアランは疑問に思ったのだが、残念ながら今の状況では自分の後ろ……部屋の扉の側に控えているメローネの様子までは確認出来ない。
(これは……魔眼……?)
アランも探索者の一人として、魔眼の存在は知っている。
魔眼と一口に言っても、その効果はそれこそ多種多様だ。
今のビッシュのように相手を動かせなくするような魔眼もあれば、強力なものになると一目見ただけで相手を殺す魔眼といったものがあったりする。
そういう意味では、ビッシュの魔眼はまだそこまで強力ではないのだろう。
探索者として……そして何より、前世で楽しんだ漫画やアニメ、ゲームといったサブカルチャーから、アランは自分が魔眼に対してそれなりに深く知っているという自負がある。
……実際には、魔眼について知っていてもこうしてあっさりと動きを止められているので、あまり意味がなかったのだが。
そんなアランの様子に、ビッシュは少しだけ驚く。
「あれ? あまり驚いてないみたいだね。てっきり動揺してると思ったんだけど」
身動きが出来ない自分を見て、何故そのように思ったのかは、アランも分からない。
現在の状況で唯一動かせる目だけを見て、混乱している様子もないと、そう判断したのか。
ともあれ、厄介な相手に自分が動揺していないことを見抜かれたのは、少しだけ残念だった。
「うーん、そこまで驚いてないようだと、僕が魔眼を使った甲斐がないね。そうだ、じゃあこれだけは教えてあげよう。アランの身体は現在僕の魔眼で動けなくなってるけど、それは僕が魔眼を解除しない限り回復しないよ?」
ぎくり、と。
アランはビッシュのその言葉に身体を動かせないまでも、一瞬息を止める。
ビッシュの言葉が真実かどうかは、アランには分からない。
もしかしたら、アランを脅して自分の思い通りに動かすために、意図的に嘘を口にしている可能性もあった。
だが、これがもし真実なら?
ビッシュが護衛も連れず――アランの監視役の二人はいるが――に、こうしてアランと会っていた理由も納得出来るだろう。
それこそ、ソファに座っている自分の前にアランがいるというのは、アランが魔眼について知らなければ、いつでも魔眼を使えるということを意味しているのだから。
(厄介だな)
そう思いながらも、何故か自分の中にあった動揺が時間が経つに連れて消えていくことに疑問を抱くアラン。
その正確な理由は分からなかったが、この場でビッシュの魔眼によって動きを止められている現状では、下手に暴れるよりも落ち着く必要があるのは、間違いなかった。
アランは気が付かなかったが、そんなアランの態度にビッシュの護衛兼アランの監視のためにこの部屋にいる二人の騎士を驚かせる。
この騎士二人は、ビッシュとアランの面会に立ち会っていることからも分かるように、ビッシュの力を十分に知っている者たちだ。
それこそ、自分たちもビッシュの魔眼によって身体を動かせなくされたことがある。
だからこそ、自分の意思はあるのに自分の身体が全く動かせないというこの状況はがどれだけ辛いのかというの、十分に理解していた。
だというのに、アランは……生身での戦いに限っては圧倒的に自分たちよりも下のはずのアランは、身体が動かなくても決して折れていないことに驚いたのだ。
特にアランを見下し、何故このような相手にここまで厚遇するのかといったことを口にしていた騎士は、自分ですら耐えるのが難しい状況にあるとういのに、全く折れた様子がないアランに驚きの視線すら向けていた。
まさか、アランがここまでビッシュの魔眼に耐えられるとは、思ってもいなかったのだろう。
……実際には、あくまでもアランの場合は前世での経験があってことなのだが、その辺は騎士たちにも、そして魔眼を使っているビッシュ本人にすら分からない。
「ふぅん……」
ビッシュはアランが混乱していない様子を見て、面白くなさそうに呟く。
ビッシュの経験から、大抵の相手は魔眼によって身体が動かなくなれば混乱し……中には恐慌状態になるような者もいた。
それこそ、かなりの強さを持つ者であってもだ。
それだけに、アランの反応はかなり予想外なのは事実だった。
やがて、ビッシュは軽く指を鳴らす。
次の瞬間、一瞬前まで身体が動かなかったアランは、あっさりと身体の自由を取り戻す。
ずっと自分の身体の動きを止めていることが出来るビッシュが、何を考えて急に自分の身体を自由にしたのかは、アランも分からない。
普通に考えれば、自分たちの味方にならないアランを自由にしておくというのは、百害あって一利なしなのだから。
(もしかして、実は自分の前にいる相手にしか魔眼は効果を発揮しない?)
これは漫画やアニメ、ゲームといったものではありふれた設定ではある。
魔眼……眼を使って相手に何らかの効果を与える以上、その魔眼の届かない場所に対象がいれば、魔眼の効果は発揮しない。
もちろん、実際にそれを試した訳でもない以上、それが絶対確実にそういうものだとは限らないが。
「さて、取りあえずアランの意思の強さは分かったよ。これは嬉しい誤算といったところだけどね」
「その誤算に免じて、さっさと私を解放してくれると、嬉しいんですが?」
「あははは。まさか、そんなことをする訳がないだろう? 君は……異質だ」
その最後の一言だけは、とても子供だとは思えないような鋭い視線をアランに向けるビッシュ。
視線が、アランを異質だと心の底から考えていると、そう示していた。
ビッシュの視線を正面から受け止めたアランは、掌に汗が滲み出る。
とてもではないが、子供から発せられる視線の圧力ではない。
とはいえ、だからといって今の状況でそれを知られるのは面白くない以上、出来るだけそれを悟られる訳にはいかなかった。
だが、アランに向けられている強力な視線は、やがてすぐに消える。
「取りあえず、アランには城にいてもらうよ。いずれ気が変わることもあるだろうし。ただ……分かってると思うけど、アランはあくまでも捕虜だ。自由に出歩けるとは思わないでね。それと、逃げ出すなんて真似も……いや、心核をこっちで預かってる限り、それはないか」
「ぐっ……」
ビッシュの言葉に、アランは何も言えなくなる。
実際、心核……カロが向こうに握られている以上、それを置いていくといった真似は出来ないのだから。
これが、カロが自意識のないただの心核なら、もしかしたらそのような手段を選んだ可能性もあるのだが。
だが、カロという自意識を持ってしまった以上、それを放っておくような真似は出来なかった。
それこそ、数秒どころか数十秒、数分と時間が経過していく。
そして時間が経てば経つほど、部屋の中の空気は重圧を増していく。
首を振ってビッシュの誘いを明確に拒否したアランだったが、そんなアランでさえ部屋の中に漂う重圧に何かを言うべきなのかと迷う。
とはいえ……実際にアランは何かを口にしたりといったような真似は出来ない。
今の状況で何かを言えば、それこそ張り詰めた風船を針で突くような、そんな感じすらしていたためだ。
部屋の空気の重さに耐えかねていたのは、アランだけではない。
それこそ、アランの監視兼ビッシュの護衛としてここにいる二人の騎士も……そして扉の側で控えているメローネも、また同様だった。
やがて、そんな沈黙を破るにように口を開いたのは、やはりビッシュ。
無邪気な子供の笑み――あくまでもそう見えるだけだが――を浮かべながら、口を開く。
「僕としては、アランには是非仲間になって欲しいんだ。だからこそ、こうして厚遇してるんだしね。けど……もし僕たちの仲間にならないというのなら、君の力は少し危険すぎる。それは分かるよね?」
子供に見えるビッシュが、子供に言い聞かせるようにアランに話しかけるのは、見ている方には若干の違和感がある。
だが、それは今のような状況ではとてもではないが口に出すことが出来ない。
代わりに、アランは首を横に振る。
「ビッシュ様がどう言おうと、私は雲海の裏切るつもりはありま……っ!?」
裏切るつもりはありせん。
そう言おうとしたアランだったが、不意に舌がそれ以上動かなくなったことに気がつき、混乱する。
何があったのかと混乱したアランだったが、動かなくなったのは舌だけではない。
からだ全体が動かなくなっていたのだ。
唯一動かせることが出来る眼球で一体何があったのか周囲の様子を探る……よりも前に、誰がこのような状況を起こしたのかというのは、それこそ考えるまでもなく明らかだった。
何故なら、アランの前に座っているビッシュがその目を髪の色と同じように青く輝かせ、口には笑みが浮かんでいたからだ。
そのようなアランを見れば、一体誰が現在の自分のような状況にしたのかというのは、考えるまでもない。
(これは、一体!?)
いきなり動かなくなった身体に、アランは混乱する。
……不幸中の幸いだったのは、身体が動かないためにみっともなく狼狽した姿を周囲に晒す必要がなかったことだろう。
もし今の状況で身体が自由に動いていれば、それこそアランは一体何が起こったのかと、混乱していただろう。
もっとも、アランが混乱することになったのは、あくまでも身体が動かなくなったからであって、だとすれば身体が動かせる状況であれば、混乱するようなこともなかったのだろうが。
「ふふっ、急に黙り込んでどうしたのかな? やっぱり僕に協力する気になった? だとしたら嬉しいんだけど」
目を青く輝かせたまま、ビッシュはそう告げる。
それこそ、自分は全く何もしていないと、そう言いたいかのような態度で。
アランは混乱する中でそんなビッシュを眺めていたが、それでも身体が動かせないという状況に慣れてくると、多少なりとも現在の状況を考えることが出来るようになる。
そうして……気がつけば、そんなビッシュを恐れているのは、自分だけではなく二人の騎士も同様なのだと理解した。
メローネはどうなのかと、そうアランは疑問に思ったのだが、残念ながら今の状況では自分の後ろ……部屋の扉の側に控えているメローネの様子までは確認出来ない。
(これは……魔眼……?)
アランも探索者の一人として、魔眼の存在は知っている。
魔眼と一口に言っても、その効果はそれこそ多種多様だ。
今のビッシュのように相手を動かせなくするような魔眼もあれば、強力なものになると一目見ただけで相手を殺す魔眼といったものがあったりする。
そういう意味では、ビッシュの魔眼はまだそこまで強力ではないのだろう。
探索者として……そして何より、前世で楽しんだ漫画やアニメ、ゲームといったサブカルチャーから、アランは自分が魔眼に対してそれなりに深く知っているという自負がある。
……実際には、魔眼について知っていてもこうしてあっさりと動きを止められているので、あまり意味がなかったのだが。
そんなアランの様子に、ビッシュは少しだけ驚く。
「あれ? あまり驚いてないみたいだね。てっきり動揺してると思ったんだけど」
身動きが出来ない自分を見て、何故そのように思ったのかは、アランも分からない。
現在の状況で唯一動かせる目だけを見て、混乱している様子もないと、そう判断したのか。
ともあれ、厄介な相手に自分が動揺していないことを見抜かれたのは、少しだけ残念だった。
「うーん、そこまで驚いてないようだと、僕が魔眼を使った甲斐がないね。そうだ、じゃあこれだけは教えてあげよう。アランの身体は現在僕の魔眼で動けなくなってるけど、それは僕が魔眼を解除しない限り回復しないよ?」
ぎくり、と。
アランはビッシュのその言葉に身体を動かせないまでも、一瞬息を止める。
ビッシュの言葉が真実かどうかは、アランには分からない。
もしかしたら、アランを脅して自分の思い通りに動かすために、意図的に嘘を口にしている可能性もあった。
だが、これがもし真実なら?
ビッシュが護衛も連れず――アランの監視役の二人はいるが――に、こうしてアランと会っていた理由も納得出来るだろう。
それこそ、ソファに座っている自分の前にアランがいるというのは、アランが魔眼について知らなければ、いつでも魔眼を使えるということを意味しているのだから。
(厄介だな)
そう思いながらも、何故か自分の中にあった動揺が時間が経つに連れて消えていくことに疑問を抱くアラン。
その正確な理由は分からなかったが、この場でビッシュの魔眼によって動きを止められている現状では、下手に暴れるよりも落ち着く必要があるのは、間違いなかった。
アランは気が付かなかったが、そんなアランの態度にビッシュの護衛兼アランの監視のためにこの部屋にいる二人の騎士を驚かせる。
この騎士二人は、ビッシュとアランの面会に立ち会っていることからも分かるように、ビッシュの力を十分に知っている者たちだ。
それこそ、自分たちもビッシュの魔眼によって身体を動かせなくされたことがある。
だからこそ、自分の意思はあるのに自分の身体が全く動かせないというこの状況はがどれだけ辛いのかというの、十分に理解していた。
だというのに、アランは……生身での戦いに限っては圧倒的に自分たちよりも下のはずのアランは、身体が動かなくても決して折れていないことに驚いたのだ。
特にアランを見下し、何故このような相手にここまで厚遇するのかといったことを口にしていた騎士は、自分ですら耐えるのが難しい状況にあるとういのに、全く折れた様子がないアランに驚きの視線すら向けていた。
まさか、アランがここまでビッシュの魔眼に耐えられるとは、思ってもいなかったのだろう。
……実際には、あくまでもアランの場合は前世での経験があってことなのだが、その辺は騎士たちにも、そして魔眼を使っているビッシュ本人にすら分からない。
「ふぅん……」
ビッシュはアランが混乱していない様子を見て、面白くなさそうに呟く。
ビッシュの経験から、大抵の相手は魔眼によって身体が動かなくなれば混乱し……中には恐慌状態になるような者もいた。
それこそ、かなりの強さを持つ者であってもだ。
それだけに、アランの反応はかなり予想外なのは事実だった。
やがて、ビッシュは軽く指を鳴らす。
次の瞬間、一瞬前まで身体が動かなかったアランは、あっさりと身体の自由を取り戻す。
ずっと自分の身体の動きを止めていることが出来るビッシュが、何を考えて急に自分の身体を自由にしたのかは、アランも分からない。
普通に考えれば、自分たちの味方にならないアランを自由にしておくというのは、百害あって一利なしなのだから。
(もしかして、実は自分の前にいる相手にしか魔眼は効果を発揮しない?)
これは漫画やアニメ、ゲームといったものではありふれた設定ではある。
魔眼……眼を使って相手に何らかの効果を与える以上、その魔眼の届かない場所に対象がいれば、魔眼の効果は発揮しない。
もちろん、実際にそれを試した訳でもない以上、それが絶対確実にそういうものだとは限らないが。
「さて、取りあえずアランの意思の強さは分かったよ。これは嬉しい誤算といったところだけどね」
「その誤算に免じて、さっさと私を解放してくれると、嬉しいんですが?」
「あははは。まさか、そんなことをする訳がないだろう? 君は……異質だ」
その最後の一言だけは、とても子供だとは思えないような鋭い視線をアランに向けるビッシュ。
視線が、アランを異質だと心の底から考えていると、そう示していた。
ビッシュの視線を正面から受け止めたアランは、掌に汗が滲み出る。
とてもではないが、子供から発せられる視線の圧力ではない。
とはいえ、だからといって今の状況でそれを知られるのは面白くない以上、出来るだけそれを悟られる訳にはいかなかった。
だが、アランに向けられている強力な視線は、やがてすぐに消える。
「取りあえず、アランには城にいてもらうよ。いずれ気が変わることもあるだろうし。ただ……分かってると思うけど、アランはあくまでも捕虜だ。自由に出歩けるとは思わないでね。それと、逃げ出すなんて真似も……いや、心核をこっちで預かってる限り、それはないか」
「ぐっ……」
ビッシュの言葉に、アランは何も言えなくなる。
実際、心核……カロが向こうに握られている以上、それを置いていくといった真似は出来ないのだから。
これが、カロが自意識のないただの心核なら、もしかしたらそのような手段を選んだ可能性もあるのだが。
だが、カロという自意識を持ってしまった以上、それを放っておくような真似は出来なかった。
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