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囚われの姫君?
240話
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「うわぁ……これは……」
目的地の中庭に到着したアランは、そこに広がっていた光景にそんな言葉を口にすることしか出来ない。
そこには、二十匹を超えるモンスターが倒れていた。
見るからに死体となっている者もいれば、気絶しているだけの思しき者もいる。
帝都の中心である帝城にモンスターがいるはずもない以上、中庭に倒れているモンスターは、その全てが心核使いの変身した姿だろうと、理解出来た。
本来なら、心核使いが死ねばモンスターではなく人の死体と心核に戻るのが一般的なのが……それも絶対ではない。
ともあれ、アランは目の前に広がっている光景にビッシュを見た驚きや、テレパシーを使われた驚きを掻き消されてしまう。
「これは、凄いわね」
アランの隣で、リアもまた驚きながらそう呟く。
当然だろう。心核使いというのは、基本的に一軍に一人いるだけで戦局を引っ繰り返すことが出来るだけの実力を持っている。
ましてや、ここにいる心核使いたちは、帝城を守るために用意された心核使いであり、普通の心核使いよりも強いことは確実だった。
そんな心核使いを二十人ほどを相手にして、たった一人で倒したのだ。
それこそ、レオノーラがいればガリンダミア帝国が相手だろうと、どうとでも出来るのではないか。
そのように思うのは当然だろう。
『あら、遅かったわね。随分とゆっくりとしたバカンスだったみたいだけど』
アランの頭の中に、レオノーラの言葉が響く。
本来なら、久しぶりに使われたテレパシーなのだが、ビッシュのことがあった以上、アランとしては微妙な表情になってしまう。
「そうだな。取りあえずゆっくりと身体を休めることは出来たよ」
そう告げるアランの言葉は、決して嘘ではない。
実際に貴族が使うような部屋を与えられ、有能で癒やし系美人なメイドのメローネが世話を焼いてくれたのだから、それで身体を休められないなどということは、まずなかった。
『ふーん。……まぁ、いいけど。それより、いつまでもここにいると面倒な相手が来そうだし、そろそろ脱出したいんだけど』
アランの言葉が気にくわなかったのか、若干拗ねた口調で告げるレオノーラに、アランは何故機嫌が悪くなっているのが疑問に思いつつも、今はとにかく帝城を……いや、帝都を脱出する方が先だというレオノーラの言葉には同意する。
今でこそ、中庭での戦いはもうなくなっているが、ここが帝城である以上はいつまた敵が……心核使いが来ないとも限らない。
幸いにして、レオノーラの変身した黄金のドラゴンの圧倒的な強から心核使い以外の者が中庭に来るという選択肢はなくなっているようだったが、それだって絶対ではない。
……もっとも、ここにいるのは基本的に雲海と黄金の薔薇の精鋭だ。
それこそ、その辺の騎士や兵士が来ても、負けるということは基本的にない。
アランは別だが。
「そうだな。ここでじっとしている訳にもいかないか。じゃあ、俺もゼオンを召喚する」
そう言い、アランはリアやニコラスたちから離れた場所まで移動し……そして、カロを手に取り。意識を集中する。
「来い、ゼオン」
小さく呟かれるその言葉。
いつもであれば、ゼオンを召喚する時にそのような言葉は口にしない。
だが、今回は色々な意味で特別だった。
特に、手に入れてからずっと一緒だったカロを奪われたというのが大きい。
ずっとアランと一緒だったカロが、初めてこれだけ長期間アランから離されたのだ。
その間に一体何があったのかは分からないが、それでも研究対象にされていたのだろうことは予想出来る。
だからこそ、アランはそんなカロに気を遣うように、ゼオンの名を呼んだ。
それがよかったのか、それとも単純にカロは元々その辺を気にしていなかったのか。
それはアランにも分からなかったが、次の瞬間にはすぐにゼオンは姿を現す。
全高十八メートルの、人型機動兵器。
この世界においては明らかに異端の存在で、見る者によっては何とかゴーレムといった印象を抱くだろう、そんなオーバースペックと呼ぶに相応しい存在。
『おおおおおおお』
ゼオンの姿を見た者たちの口から、揃って感嘆の声が上がる。
今まで何度もゼオンは見てきたが、アランがガリンダミア帝国に捕まってから結構な時間が経っているということから、こうして改めてゼオンを見て感嘆したのだろう。
そしてアランは、そんなゼオンのコックピットに乗り込む。
「よし、準備出来た。……母さん、帝城に侵入した人達ってもう全員集まった?」
『えーと……そうだね。どうやら全員集ま……』
集まったようだ。
そう言おうとしたのだろう、不意に中庭に続く扉の一つが破壊され、何かが飛び出してくる。
この状況でやって来るのだから、当然敵だろう。
そう判断したアランは、半ば反射的にゼオンのビームライフルを撃つ。
……撃ってから、それがもしかしたら味方だったら……それこそ、敵と遭遇した味方が逃げ出そうとして扉を破ったらと思ったが、幸いにして扉を突き破って出て来たのは熊だった。
当然だが、ただの動物の熊ではなく、身体から四本の腕が生えている熊……なのだが、その熊のモンスターは飛び出してき次の瞬間にはゼオンの撃ったビームライフルによって下半身が消滅し、そのまま死んでしまう。
腕が四本あったということは、足も四本あった可能性があるのだが……その足はすでに消滅してしまっており、数えるような真似は出来ない。
「ふぅ」
そんな熊のモンスターの死体を見てアランが安堵したのは、そのモンスターが雲海や黄金の薔薇の心核使いではないと、理解したためだ。
……実際には、アランがいない間に新たに心核を入手した者がいないとも限らないのだが。
ただ、周囲の様子を映像モニタで確認する限り、驚きはしつつも悲しんでいる者がいないので、それはないとアランは判断する。
それ以外にも、先程リアがもう全員ここに集まっているといったようなことを言っていたのを思い出す。
「あー……取りあえず、これ以上敵が来ないうちに、さっさとここを脱出しないか? レオノーラ、黄金の薔薇の連中はそっちに任せてもいいんだよな?」
『ええ、問題ないわ』
外部スピーカーでアランの言葉を聞いたレオノーラから、テレパシーで返事がくる。
それを確認したアランは、掌の上や、それ以外にもゼオンの身体の中で掴まれる場所に捕まらせ、黄金のドラゴンの方を見る。
するとそこでは、すでに黄金のドラゴンの背中に十人を乗せている光景があった。
「さて、準備はいいか。……このまま、帝城じゃなくて帝都を脱出するんだよね?」
後半言葉は、掌の中にいる雲海の面々に尋ねた言葉だったが、それを聞いた者たちはそれぞれ頷く。
それを確認すると、アランは翼を羽ばたかせようとしている黄金のドラゴンを確認し、スラスターとウイングバインダーを使ってその場から浮かび上がる。
帝城の周辺にいた者たちにしてみれば、帝城に突っ込んでいった黄金のドラゴンはともかく、ゼオンの存在には度肝を抜かれただろう。
とはいえ、アランについて知っている者にしてみれば、ゼオンの存在を知っていてもおかしくはないのだが……知ってる者と知らない者、どちらが多いかと言われれば、それは当然のように後者だった。
ただでさえ、いきなり帝都の中に黄金のドラゴンが姿を現して混乱していた状況である以上、当然のように新たに現れたゼオンが帝城から出て来たのを見ると、帝都の混乱はより一層増す。
中には、もしかしたらゼオンはガリンダミア帝国軍の心核使いではないかと、そんな期待を抱く者もいたが……ゼオンが黄金のドラゴンの隣を飛びながら移動しているのを見れば、そんな考えを否定せざるをえない。
「本当なら、手当たり次第に帝城を破壊した方が、脱出するためには便利なんだろうけど」
映像モニタに表示される帝城を見て呟くアランだったが、軟禁生活の経験はアランに躊躇いを覚えさせるには十分だった。
これで、軟禁生活の間中アランが不当な扱いを受けていたのなら、それこそ帝城を破壊するという行為に何の躊躇も覚えなかっただろう。
だが、アランは軟禁こそされていたが、その部屋は貴族が泊まるような一流の部屋で、美人で有能なメイドをつけられ、見張りの騎士たちとは友人関係を築いた。……いや、築いてしまったという方が正しい。
その結果として、ガリンダミア帝国そのものに対しては面白くないと思いつつも、そこにいる人々の中には友好的な存在が出来てしまった。
結果として、迂闊に帝城を破壊するような真似が出来なくなってしまったのだ。
最初からガリンダミア帝国の上層部がそれを狙っていたのかどうかは、アランにも分からない。
だが、今の状況を考えるとあるいはそれも込みでアランを軟禁していたのではないかと、そう思えるのも事実。
そうだろうと予想しながらも、アランは攻撃をする様子もなく空を飛び……
「レオノーラ、帝都の結界を破壊するのは俺にやらせてくれないか?」
『それはいいけど……今の状況で派手には動けないんじゃない?』
「……そっちで少し引き受けてくれ」
そんなアランの言葉に、レオノーラはしょうがないわねといった様子で、ゼオンに近付いてくる。
アランが外部スピーカーで黄金のドラゴンの背中に移るように頼み、ゼオンに乗ったままの者は反動でふきとばされないようにしっかりと装甲に掴まっておくように言う。
そして……全ての準備が出来たところで、アランは意識を集中して口を開く。
「フェルス!」
その言葉と共に、ゼオンの周辺の空間に複数の波紋が浮かび……その波紋の中から、三角錐の紫色の物体が姿を現す。
その数は三十。
そのうち十基は先端にビームソードを展開して結界の一点に集中攻撃をし、それ以外のフェルスはビームソードで攻撃されている場所に集中してビーム砲を撃ち込む。
ガリンダミア帝国の帝都を守る結界だけに、その結界は非常に強固だ。
普通なら、そう簡単に破壊出来るようなものではないのだが……フェルス三十基による攻撃は、その普通を容易に突破する。
そして結界の穴から、ゼオンと黄金のドラゴンは悠々と飛び去るのだった。
目的地の中庭に到着したアランは、そこに広がっていた光景にそんな言葉を口にすることしか出来ない。
そこには、二十匹を超えるモンスターが倒れていた。
見るからに死体となっている者もいれば、気絶しているだけの思しき者もいる。
帝都の中心である帝城にモンスターがいるはずもない以上、中庭に倒れているモンスターは、その全てが心核使いの変身した姿だろうと、理解出来た。
本来なら、心核使いが死ねばモンスターではなく人の死体と心核に戻るのが一般的なのが……それも絶対ではない。
ともあれ、アランは目の前に広がっている光景にビッシュを見た驚きや、テレパシーを使われた驚きを掻き消されてしまう。
「これは、凄いわね」
アランの隣で、リアもまた驚きながらそう呟く。
当然だろう。心核使いというのは、基本的に一軍に一人いるだけで戦局を引っ繰り返すことが出来るだけの実力を持っている。
ましてや、ここにいる心核使いたちは、帝城を守るために用意された心核使いであり、普通の心核使いよりも強いことは確実だった。
そんな心核使いを二十人ほどを相手にして、たった一人で倒したのだ。
それこそ、レオノーラがいればガリンダミア帝国が相手だろうと、どうとでも出来るのではないか。
そのように思うのは当然だろう。
『あら、遅かったわね。随分とゆっくりとしたバカンスだったみたいだけど』
アランの頭の中に、レオノーラの言葉が響く。
本来なら、久しぶりに使われたテレパシーなのだが、ビッシュのことがあった以上、アランとしては微妙な表情になってしまう。
「そうだな。取りあえずゆっくりと身体を休めることは出来たよ」
そう告げるアランの言葉は、決して嘘ではない。
実際に貴族が使うような部屋を与えられ、有能で癒やし系美人なメイドのメローネが世話を焼いてくれたのだから、それで身体を休められないなどということは、まずなかった。
『ふーん。……まぁ、いいけど。それより、いつまでもここにいると面倒な相手が来そうだし、そろそろ脱出したいんだけど』
アランの言葉が気にくわなかったのか、若干拗ねた口調で告げるレオノーラに、アランは何故機嫌が悪くなっているのが疑問に思いつつも、今はとにかく帝城を……いや、帝都を脱出する方が先だというレオノーラの言葉には同意する。
今でこそ、中庭での戦いはもうなくなっているが、ここが帝城である以上はいつまた敵が……心核使いが来ないとも限らない。
幸いにして、レオノーラの変身した黄金のドラゴンの圧倒的な強から心核使い以外の者が中庭に来るという選択肢はなくなっているようだったが、それだって絶対ではない。
……もっとも、ここにいるのは基本的に雲海と黄金の薔薇の精鋭だ。
それこそ、その辺の騎士や兵士が来ても、負けるということは基本的にない。
アランは別だが。
「そうだな。ここでじっとしている訳にもいかないか。じゃあ、俺もゼオンを召喚する」
そう言い、アランはリアやニコラスたちから離れた場所まで移動し……そして、カロを手に取り。意識を集中する。
「来い、ゼオン」
小さく呟かれるその言葉。
いつもであれば、ゼオンを召喚する時にそのような言葉は口にしない。
だが、今回は色々な意味で特別だった。
特に、手に入れてからずっと一緒だったカロを奪われたというのが大きい。
ずっとアランと一緒だったカロが、初めてこれだけ長期間アランから離されたのだ。
その間に一体何があったのかは分からないが、それでも研究対象にされていたのだろうことは予想出来る。
だからこそ、アランはそんなカロに気を遣うように、ゼオンの名を呼んだ。
それがよかったのか、それとも単純にカロは元々その辺を気にしていなかったのか。
それはアランにも分からなかったが、次の瞬間にはすぐにゼオンは姿を現す。
全高十八メートルの、人型機動兵器。
この世界においては明らかに異端の存在で、見る者によっては何とかゴーレムといった印象を抱くだろう、そんなオーバースペックと呼ぶに相応しい存在。
『おおおおおおお』
ゼオンの姿を見た者たちの口から、揃って感嘆の声が上がる。
今まで何度もゼオンは見てきたが、アランがガリンダミア帝国に捕まってから結構な時間が経っているということから、こうして改めてゼオンを見て感嘆したのだろう。
そしてアランは、そんなゼオンのコックピットに乗り込む。
「よし、準備出来た。……母さん、帝城に侵入した人達ってもう全員集まった?」
『えーと……そうだね。どうやら全員集ま……』
集まったようだ。
そう言おうとしたのだろう、不意に中庭に続く扉の一つが破壊され、何かが飛び出してくる。
この状況でやって来るのだから、当然敵だろう。
そう判断したアランは、半ば反射的にゼオンのビームライフルを撃つ。
……撃ってから、それがもしかしたら味方だったら……それこそ、敵と遭遇した味方が逃げ出そうとして扉を破ったらと思ったが、幸いにして扉を突き破って出て来たのは熊だった。
当然だが、ただの動物の熊ではなく、身体から四本の腕が生えている熊……なのだが、その熊のモンスターは飛び出してき次の瞬間にはゼオンの撃ったビームライフルによって下半身が消滅し、そのまま死んでしまう。
腕が四本あったということは、足も四本あった可能性があるのだが……その足はすでに消滅してしまっており、数えるような真似は出来ない。
「ふぅ」
そんな熊のモンスターの死体を見てアランが安堵したのは、そのモンスターが雲海や黄金の薔薇の心核使いではないと、理解したためだ。
……実際には、アランがいない間に新たに心核を入手した者がいないとも限らないのだが。
ただ、周囲の様子を映像モニタで確認する限り、驚きはしつつも悲しんでいる者がいないので、それはないとアランは判断する。
それ以外にも、先程リアがもう全員ここに集まっているといったようなことを言っていたのを思い出す。
「あー……取りあえず、これ以上敵が来ないうちに、さっさとここを脱出しないか? レオノーラ、黄金の薔薇の連中はそっちに任せてもいいんだよな?」
『ええ、問題ないわ』
外部スピーカーでアランの言葉を聞いたレオノーラから、テレパシーで返事がくる。
それを確認したアランは、掌の上や、それ以外にもゼオンの身体の中で掴まれる場所に捕まらせ、黄金のドラゴンの方を見る。
するとそこでは、すでに黄金のドラゴンの背中に十人を乗せている光景があった。
「さて、準備はいいか。……このまま、帝城じゃなくて帝都を脱出するんだよね?」
後半言葉は、掌の中にいる雲海の面々に尋ねた言葉だったが、それを聞いた者たちはそれぞれ頷く。
それを確認すると、アランは翼を羽ばたかせようとしている黄金のドラゴンを確認し、スラスターとウイングバインダーを使ってその場から浮かび上がる。
帝城の周辺にいた者たちにしてみれば、帝城に突っ込んでいった黄金のドラゴンはともかく、ゼオンの存在には度肝を抜かれただろう。
とはいえ、アランについて知っている者にしてみれば、ゼオンの存在を知っていてもおかしくはないのだが……知ってる者と知らない者、どちらが多いかと言われれば、それは当然のように後者だった。
ただでさえ、いきなり帝都の中に黄金のドラゴンが姿を現して混乱していた状況である以上、当然のように新たに現れたゼオンが帝城から出て来たのを見ると、帝都の混乱はより一層増す。
中には、もしかしたらゼオンはガリンダミア帝国軍の心核使いではないかと、そんな期待を抱く者もいたが……ゼオンが黄金のドラゴンの隣を飛びながら移動しているのを見れば、そんな考えを否定せざるをえない。
「本当なら、手当たり次第に帝城を破壊した方が、脱出するためには便利なんだろうけど」
映像モニタに表示される帝城を見て呟くアランだったが、軟禁生活の経験はアランに躊躇いを覚えさせるには十分だった。
これで、軟禁生活の間中アランが不当な扱いを受けていたのなら、それこそ帝城を破壊するという行為に何の躊躇も覚えなかっただろう。
だが、アランは軟禁こそされていたが、その部屋は貴族が泊まるような一流の部屋で、美人で有能なメイドをつけられ、見張りの騎士たちとは友人関係を築いた。……いや、築いてしまったという方が正しい。
その結果として、ガリンダミア帝国そのものに対しては面白くないと思いつつも、そこにいる人々の中には友好的な存在が出来てしまった。
結果として、迂闊に帝城を破壊するような真似が出来なくなってしまったのだ。
最初からガリンダミア帝国の上層部がそれを狙っていたのかどうかは、アランにも分からない。
だが、今の状況を考えるとあるいはそれも込みでアランを軟禁していたのではないかと、そう思えるのも事実。
そうだろうと予想しながらも、アランは攻撃をする様子もなく空を飛び……
「レオノーラ、帝都の結界を破壊するのは俺にやらせてくれないか?」
『それはいいけど……今の状況で派手には動けないんじゃない?』
「……そっちで少し引き受けてくれ」
そんなアランの言葉に、レオノーラはしょうがないわねといった様子で、ゼオンに近付いてくる。
アランが外部スピーカーで黄金のドラゴンの背中に移るように頼み、ゼオンに乗ったままの者は反動でふきとばされないようにしっかりと装甲に掴まっておくように言う。
そして……全ての準備が出来たところで、アランは意識を集中して口を開く。
「フェルス!」
その言葉と共に、ゼオンの周辺の空間に複数の波紋が浮かび……その波紋の中から、三角錐の紫色の物体が姿を現す。
その数は三十。
そのうち十基は先端にビームソードを展開して結界の一点に集中攻撃をし、それ以外のフェルスはビームソードで攻撃されている場所に集中してビーム砲を撃ち込む。
ガリンダミア帝国の帝都を守る結界だけに、その結界は非常に強固だ。
普通なら、そう簡単に破壊出来るようなものではないのだが……フェルス三十基による攻撃は、その普通を容易に突破する。
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