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逃避行
263話
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アランが前に出たのを見たグヴィスは、クロスと共にそれを迎えるように前に出る。
当然、お互いの距離が近付けばそれだけ緊張感も高まっていく訳で……まさに一触即発といった状態になっていた。
「いいのか? お前の本領は心核を使った攻撃だろ?」
近づき、あと数歩でお互いの長剣の間合いに入るといったとこで、グヴィスがそう告げる。
そうして喋りながらも、グヴィスは……そしてクロスもまた、アランの隙を窺っていた。
「それは事実だが、グヴィスたちを攻撃するには……少し威力が強すぎてな」
「へぇ。なら、その武器で俺たちを倒すと? ……一人でも俺に勝てなかったのに?」
「あら、それならそっちのもう一人は私が貰おうかしら」
グヴィスの言葉を遮るように、レオノーラが鞭を手にアランの横に並ぶ。
気の強そうな美貌……攻撃的な美貌を持つレオノーラが、鞭という特殊な武器を持っているのだ。
それを見て、色々と思うところはあったが……それでも、クロスはレオノーラに長剣の切っ先を向ける。
「ふんっ、そっちの女はクロスが相手をするとして……今まで俺に勝ったことがないアランが俺と戦うと? 本気か?」
「残念ながら本気だよ。それに訓練と実戦は違う」
それは事実ではあったが、同時にアランにとって決して有利になるということではない。
騎士のグヴィスは、当然のようにこれまでにも実戦は多数経験している。
そもそも、ガリンダミア帝国は周辺諸国に攻め込んでは従属国を増やしてきたのだ。
グヴィスも当然のようにそれらの戦いに参加したことはあり、実戦経験は豊富だ。
世の中には騎士ではあっても一度も実戦を経験したことがない……どころか、模擬戦すらやったことがないような名前だけの騎士もいるのだが、ガリンダミア帝国においてそのような騎士は存在しない。
それこそ、たとえ貴族の子供であっても騎士となるのであれば実戦から逃れるといったことはない。
「そうか。なら……行くぞ!」
その言葉と共に、グヴィスはアランに向かって襲いかかる。
また、レオノーラとクロスの戦いも始まり、それ以外でもアランと一緒に遺跡を探索していた面々が、グヴィスの部下たちと戦いを始める。
……そんな中で最も目立っていたのは、オーガに変身したロッコーモだ。
ゼオンや黄金のドラゴンと違って、オーガは高い攻撃力を持っているが、手加減が出来ないほど極端に高い攻撃力を持っている訳ではない。
また、ロッコーモも熟練の心核使いである以上、相手を殺さずに気絶させるといったくらいにの真似は容易に出来た。……手足の骨の一本や二本は折れている者もいたが。
アランたちを捕らえるための部隊である以上、当然だがそれなりに強い者が集まっている。
しかし、それはあくまでも人間を相手にした場合の前提だ。
そうである以上、オーガに変身したロッコーモと戦うのは荷が重い。
本来であれば、ロッコーモが変身するよりも前に倒すべきだったのだが……グヴィスたちも、まさかこんな場所でアランたちと遭遇するとは思っておらず、一歩遅れた形だ。
それ以外にも、休憩していた場所から少し離れた場所にあった遺跡……それも小さな遺跡を発見したという報告を聞いてやってきたので、戦力的にも十分とは言えない。
そんな訳で、今の状況は総合的に見てグヴィスたちの方が不利だった。
「けどなぁっ!」
そんな言葉と共に長剣が振るわれる。
帝城でアランを相手に模擬戦をしていたときとは、明らかに攻撃が鋭い。
アランがこれは模擬戦ではなく実戦だと言っていたが、それはアランだけではなくグヴィスにも当て嵌まることだ。
模擬戦というのは、あくまでも相手を殺すといったようなことは勿論、可能な限り相手を傷つけないで行うというのが前提だ。
勿論、それはあくまでも出来ればの話であって、実際に模擬戦ではアランが軽い怪我をするといったことは頻繁にあったのだが。
それでもグヴィスが可能な限りアランに怪我をさせないようにしていたというのは、間違いない。
それに対し、この戦いではあくまでもアランを捕らえることは目的としているが、模擬戦ではなく実戦だ。
そうである以上、当然のようにグヴィスの攻撃も模擬戦の時よりも鋭く、威力のあるものになる。
「ぐぅっ!」
横薙ぎに振るわれた一撃を長剣で弾くアランだったが、その一撃の威力に呻く。
その声を聞いたグヴィスは、ここが勝機と判断したのか連続して攻撃を行う。
斬り、突き、斬り、斬り、斬り、突き……そして蹴り。
「ぐわぁっ!」
長剣を使った攻撃は何とか全て防いだアランだったが、まさか蹴りが来るとは思わずまともに食らって吹き飛ぶ。
とはいえ、グヴィスも連撃の中に無理矢理加えた蹴りだけに、その一撃はそこまで威力は高くない。
吹き飛んだアランは、グヴィスの追撃が来る前にと慌てて立ち上がる。
だが、そんなアランに対してすでにグヴィスは近くまでやって来ており、長剣を振り下ろそうとして……
「なぁっ!?」
長剣を振り下ろすよりも前に、足に鞭を巻き付けられたクロスがレオノーラによって吹き飛ばされ、グヴィスに当たる。
もちろん、それは偶然そのような形になったという訳ではなく、アランがピンチになったのを察したレオノーラが、援護のために放った一撃だ。
「助かった!」
そう言いながら、立ち上がるアラン。
「気をつけなさい。向こうはかなり腕が立つわよ」
アランの隣に、鞭を手にしたレオノーラが並び、そう告げる。
……そんな言葉を聞いたアランは、グヴィスと同等の実力を持つクロスを相手に、圧倒しているレオノーラは一体何なんだと、そう言いたくなる。
アランはグヴィスとの戦いで精一杯だったので、実際にレオノーラとクロスの戦いをその目で確認した訳ではない。
だが、それでも今の状況を見れば、レオノーラがクロスよりも強いのは明らかだった。
そのようなレオノーラに、嫉妬を抱かないと言えば嘘になる。
しかし今の自分の出来ることをするべきだと思い直して視線をグヴィスたちの方に向ける。
当然の話だが、グヴィスもクロスも特に怪我らしい怪我はしていない。
いや、大の男二人がそれぞれぶつかったのだから、軽い打撲くらいはしているだろう。
それが戦闘不能になるような傷かと言われれば、その答えは当然否だったが。
(俺がグヴィスに勝つのは難しいけど、レオノーラならクロスに勝てる。そうなると、俺がするのはグヴィスを倒すのではなく、少しでも時間を稼ぐことか)
アランとしては、自分がグヴィスに勝つことが出来ないのは非常に残念だ。
だからといって無茶をするような真似は、全く考えていなかったが。
自分が勝つことよりも、集団としての自分たちが勝つこと。
そちらの方が重要なのは、間違いない。
そして……個ではなく集団としての勝利という意味なら、現在の自分たちはかなり有利だ。
オーガの変身したロッコーモがいるという時点で、自分ちの方が過剰戦力であると言ってもいい。
現に、視線の先では兵士たいを相手にロッコーモが蹂躙している。
それでも殺さないようにしているのは、グヴィスとクロスがアランの友人であると理解しており、後々しこりを残さないようにするためだろう。
粗暴な性格のロッコーモだが……いや、そのような性格だからなのか、他人の友人関係には敏感だ。
ましてや、アランはロッコーモにとって弟分と言ってもいいような相手だ。
そんな相手の友人だけに、多少手加減をする程度のことをするのは難しい話ではない。
「アラン、もう少しよ」
「ああ、分かっている。けど……グヴィスたちを倒してどうする? 今の状況で倒しても、色々と不味いことになるんじゃないか?」
アランとしては、ここでグヴィスたちと戦って勝つのは構わない。
だが同時に、敵であると同時に友人でもあるグヴィスを殺したいとも、到底思えないのだ。
出来れば、ここで気絶させてさっさと遺跡を通って、野営地のある遺跡に戻りたい。
……そう思っていたのだが、グヴィスたちは遺跡からアランが出て来るのを見ている以上、もしそのようなことになったら間違いなく遺跡に入って追ってくるだろう。
そうなれば、当然グヴィスたちも転移して追ってく。
唯一の救いとしては、人形の製造設備に通じている通路は隠し通路になっており、騎士で戦闘力は高くても、罠や隠し扉を発見する能力を持たないだろうということだ。
だが、遺跡の中に入ったアランたちがいなければ、当然どこにいったのかと捜すことになり……最終的に隠し通路を見つける可能性は十分にあった。
もちろん、最善なのはアランの説得をグヴィスたちが受け入れることなのだが、それは今までの感じからして半ば不可能だとアランにも理解出来る。
「クロス、行くぞ!」
「分かっている!」
グヴィスとクロスがそう言いながら、アランとレオノーラに向かって攻撃を開始する。
グヴィスにしてみれば、明らかにアランよりも強いレオノーラの方に攻撃を集中させたいところだったが、だからといってアランを放っておく訳にもいかない。
自分よりも弱いとはいえ、アランも探索者だ。その辺の兵士よりは明らかに強いのだから。
そんな相手を自由にするというのは、論外だった。
それでもこの状況で戦いを止めないのは、こうして戦っている騒動が離れた場所で休憩してる仲間達に聞こえて、すぐこっちに応援として やって来ると理解していたためだ。
このまま援軍が来れば自分たちにも勝ち目はあるが、来なければ勝ち目はない。
そんな思いでアランに攻撃をすると、アランはその攻撃を回避しながら距離を取ろうとする。
今はとにかく距離を開けて時間を稼ぐと、そのようなつもりなのだろう。
ぞしてグヴィスがアランを倒すのに時間がかかれば、それだけ他の探索者たちが兵士を倒してグヴィスたちに対処出来るようになる。
「うおおおおおっ! いい加減、倒れろ!」
そんな声と共に振るわれる長剣。
だが、アランはその長剣の一撃を防御に徹することで回避し……
「あ」
次の瞬間、アランに集中したグヴィスの後頭部をレオノーラの鞭が激しく叩き……そのままグヴィスは気絶するのだった。
当然、お互いの距離が近付けばそれだけ緊張感も高まっていく訳で……まさに一触即発といった状態になっていた。
「いいのか? お前の本領は心核を使った攻撃だろ?」
近づき、あと数歩でお互いの長剣の間合いに入るといったとこで、グヴィスがそう告げる。
そうして喋りながらも、グヴィスは……そしてクロスもまた、アランの隙を窺っていた。
「それは事実だが、グヴィスたちを攻撃するには……少し威力が強すぎてな」
「へぇ。なら、その武器で俺たちを倒すと? ……一人でも俺に勝てなかったのに?」
「あら、それならそっちのもう一人は私が貰おうかしら」
グヴィスの言葉を遮るように、レオノーラが鞭を手にアランの横に並ぶ。
気の強そうな美貌……攻撃的な美貌を持つレオノーラが、鞭という特殊な武器を持っているのだ。
それを見て、色々と思うところはあったが……それでも、クロスはレオノーラに長剣の切っ先を向ける。
「ふんっ、そっちの女はクロスが相手をするとして……今まで俺に勝ったことがないアランが俺と戦うと? 本気か?」
「残念ながら本気だよ。それに訓練と実戦は違う」
それは事実ではあったが、同時にアランにとって決して有利になるということではない。
騎士のグヴィスは、当然のようにこれまでにも実戦は多数経験している。
そもそも、ガリンダミア帝国は周辺諸国に攻め込んでは従属国を増やしてきたのだ。
グヴィスも当然のようにそれらの戦いに参加したことはあり、実戦経験は豊富だ。
世の中には騎士ではあっても一度も実戦を経験したことがない……どころか、模擬戦すらやったことがないような名前だけの騎士もいるのだが、ガリンダミア帝国においてそのような騎士は存在しない。
それこそ、たとえ貴族の子供であっても騎士となるのであれば実戦から逃れるといったことはない。
「そうか。なら……行くぞ!」
その言葉と共に、グヴィスはアランに向かって襲いかかる。
また、レオノーラとクロスの戦いも始まり、それ以外でもアランと一緒に遺跡を探索していた面々が、グヴィスの部下たちと戦いを始める。
……そんな中で最も目立っていたのは、オーガに変身したロッコーモだ。
ゼオンや黄金のドラゴンと違って、オーガは高い攻撃力を持っているが、手加減が出来ないほど極端に高い攻撃力を持っている訳ではない。
また、ロッコーモも熟練の心核使いである以上、相手を殺さずに気絶させるといったくらいにの真似は容易に出来た。……手足の骨の一本や二本は折れている者もいたが。
アランたちを捕らえるための部隊である以上、当然だがそれなりに強い者が集まっている。
しかし、それはあくまでも人間を相手にした場合の前提だ。
そうである以上、オーガに変身したロッコーモと戦うのは荷が重い。
本来であれば、ロッコーモが変身するよりも前に倒すべきだったのだが……グヴィスたちも、まさかこんな場所でアランたちと遭遇するとは思っておらず、一歩遅れた形だ。
それ以外にも、休憩していた場所から少し離れた場所にあった遺跡……それも小さな遺跡を発見したという報告を聞いてやってきたので、戦力的にも十分とは言えない。
そんな訳で、今の状況は総合的に見てグヴィスたちの方が不利だった。
「けどなぁっ!」
そんな言葉と共に長剣が振るわれる。
帝城でアランを相手に模擬戦をしていたときとは、明らかに攻撃が鋭い。
アランがこれは模擬戦ではなく実戦だと言っていたが、それはアランだけではなくグヴィスにも当て嵌まることだ。
模擬戦というのは、あくまでも相手を殺すといったようなことは勿論、可能な限り相手を傷つけないで行うというのが前提だ。
勿論、それはあくまでも出来ればの話であって、実際に模擬戦ではアランが軽い怪我をするといったことは頻繁にあったのだが。
それでもグヴィスが可能な限りアランに怪我をさせないようにしていたというのは、間違いない。
それに対し、この戦いではあくまでもアランを捕らえることは目的としているが、模擬戦ではなく実戦だ。
そうである以上、当然のようにグヴィスの攻撃も模擬戦の時よりも鋭く、威力のあるものになる。
「ぐぅっ!」
横薙ぎに振るわれた一撃を長剣で弾くアランだったが、その一撃の威力に呻く。
その声を聞いたグヴィスは、ここが勝機と判断したのか連続して攻撃を行う。
斬り、突き、斬り、斬り、斬り、突き……そして蹴り。
「ぐわぁっ!」
長剣を使った攻撃は何とか全て防いだアランだったが、まさか蹴りが来るとは思わずまともに食らって吹き飛ぶ。
とはいえ、グヴィスも連撃の中に無理矢理加えた蹴りだけに、その一撃はそこまで威力は高くない。
吹き飛んだアランは、グヴィスの追撃が来る前にと慌てて立ち上がる。
だが、そんなアランに対してすでにグヴィスは近くまでやって来ており、長剣を振り下ろそうとして……
「なぁっ!?」
長剣を振り下ろすよりも前に、足に鞭を巻き付けられたクロスがレオノーラによって吹き飛ばされ、グヴィスに当たる。
もちろん、それは偶然そのような形になったという訳ではなく、アランがピンチになったのを察したレオノーラが、援護のために放った一撃だ。
「助かった!」
そう言いながら、立ち上がるアラン。
「気をつけなさい。向こうはかなり腕が立つわよ」
アランの隣に、鞭を手にしたレオノーラが並び、そう告げる。
……そんな言葉を聞いたアランは、グヴィスと同等の実力を持つクロスを相手に、圧倒しているレオノーラは一体何なんだと、そう言いたくなる。
アランはグヴィスとの戦いで精一杯だったので、実際にレオノーラとクロスの戦いをその目で確認した訳ではない。
だが、それでも今の状況を見れば、レオノーラがクロスよりも強いのは明らかだった。
そのようなレオノーラに、嫉妬を抱かないと言えば嘘になる。
しかし今の自分の出来ることをするべきだと思い直して視線をグヴィスたちの方に向ける。
当然の話だが、グヴィスもクロスも特に怪我らしい怪我はしていない。
いや、大の男二人がそれぞれぶつかったのだから、軽い打撲くらいはしているだろう。
それが戦闘不能になるような傷かと言われれば、その答えは当然否だったが。
(俺がグヴィスに勝つのは難しいけど、レオノーラならクロスに勝てる。そうなると、俺がするのはグヴィスを倒すのではなく、少しでも時間を稼ぐことか)
アランとしては、自分がグヴィスに勝つことが出来ないのは非常に残念だ。
だからといって無茶をするような真似は、全く考えていなかったが。
自分が勝つことよりも、集団としての自分たちが勝つこと。
そちらの方が重要なのは、間違いない。
そして……個ではなく集団としての勝利という意味なら、現在の自分たちはかなり有利だ。
オーガの変身したロッコーモがいるという時点で、自分ちの方が過剰戦力であると言ってもいい。
現に、視線の先では兵士たいを相手にロッコーモが蹂躙している。
それでも殺さないようにしているのは、グヴィスとクロスがアランの友人であると理解しており、後々しこりを残さないようにするためだろう。
粗暴な性格のロッコーモだが……いや、そのような性格だからなのか、他人の友人関係には敏感だ。
ましてや、アランはロッコーモにとって弟分と言ってもいいような相手だ。
そんな相手の友人だけに、多少手加減をする程度のことをするのは難しい話ではない。
「アラン、もう少しよ」
「ああ、分かっている。けど……グヴィスたちを倒してどうする? 今の状況で倒しても、色々と不味いことになるんじゃないか?」
アランとしては、ここでグヴィスたちと戦って勝つのは構わない。
だが同時に、敵であると同時に友人でもあるグヴィスを殺したいとも、到底思えないのだ。
出来れば、ここで気絶させてさっさと遺跡を通って、野営地のある遺跡に戻りたい。
……そう思っていたのだが、グヴィスたちは遺跡からアランが出て来るのを見ている以上、もしそのようなことになったら間違いなく遺跡に入って追ってくるだろう。
そうなれば、当然グヴィスたちも転移して追ってく。
唯一の救いとしては、人形の製造設備に通じている通路は隠し通路になっており、騎士で戦闘力は高くても、罠や隠し扉を発見する能力を持たないだろうということだ。
だが、遺跡の中に入ったアランたちがいなければ、当然どこにいったのかと捜すことになり……最終的に隠し通路を見つける可能性は十分にあった。
もちろん、最善なのはアランの説得をグヴィスたちが受け入れることなのだが、それは今までの感じからして半ば不可能だとアランにも理解出来る。
「クロス、行くぞ!」
「分かっている!」
グヴィスとクロスがそう言いながら、アランとレオノーラに向かって攻撃を開始する。
グヴィスにしてみれば、明らかにアランよりも強いレオノーラの方に攻撃を集中させたいところだったが、だからといってアランを放っておく訳にもいかない。
自分よりも弱いとはいえ、アランも探索者だ。その辺の兵士よりは明らかに強いのだから。
そんな相手を自由にするというのは、論外だった。
それでもこの状況で戦いを止めないのは、こうして戦っている騒動が離れた場所で休憩してる仲間達に聞こえて、すぐこっちに応援として やって来ると理解していたためだ。
このまま援軍が来れば自分たちにも勝ち目はあるが、来なければ勝ち目はない。
そんな思いでアランに攻撃をすると、アランはその攻撃を回避しながら距離を取ろうとする。
今はとにかく距離を開けて時間を稼ぐと、そのようなつもりなのだろう。
ぞしてグヴィスがアランを倒すのに時間がかかれば、それだけ他の探索者たちが兵士を倒してグヴィスたちに対処出来るようになる。
「うおおおおおっ! いい加減、倒れろ!」
そんな声と共に振るわれる長剣。
だが、アランはその長剣の一撃を防御に徹することで回避し……
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