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逃避行
264話
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「何とかなったわね」
レオノーラはそう呟きながら周囲を見る。
クロスと戦っている間に、相手の隙を突いてグヴィスの意識を奪い、そしてクロスも倒した。
他の探索者たちも、全員が相手を倒している。
人数では圧倒的に負けていたアランたちだったが、それでも質の差でその不利を覆したのだ。
……戦闘に特化しているロッコーモがいたというのも、この場合は大きいだろう。
結果として、アランたちは誰一人欠けることなく……致命的な怪我をした者もおらず、勝利を得ることが出来た。
とはいえ、全員が全員喜んでいる訳ではない。
(俺も、もう少し強かったならな。……結局足を引っ張ったようなものだし)
気絶しているグヴィスを見て、アランは自分の不甲斐なさを悔しく思う。
グヴィスは友人であり、ライバル――というには実力差がありすぎたが――でもあった。
そんなグヴィスを殺さずにすんだのはアランにとっても嬉しかったのだが、それでも自分だけで対処したかったという思いがあったのは間違いない。
しかし、結果としてグヴィスを倒したのは、クロスとの戦いの中で隙を突く一撃を放ったレオノーラだが。
それがアランとしては、悔しく思ってしまう理由だった。
もちろん、それが自分の我が儘であるというのは知っている。
また、自分のそんな我が儘によって仲間が死んだり怪我をしたりといったようなことになるよりは、今の結果は間違いなく良好だ。
「アラン、どうするの? 今回はアランが指揮を執ってるんだから、これからどうするか決めなさい」
レオノーラの指示に、アランは我に返る。
そう、今の自分はこの部隊――という表現が正しいかどうかは分からなかったが――の指揮官なのだ。
そうである以上、今は自分のやるべきことをやる必要があった。
力不足を嘆くのなら、それはいつでも出来る。
ならば、今はまず指揮としての責務を果たす必要あった。
「戻ろう。そしてイルゼンさんにこの件を知らせる。……出来れば、あの転移の通路を封じたいんだが、それは今のところ出来ないしな」
具体的にどのようにして転移しているのか。
アランはそれが分からない以上、転移を止めるといったようなことは出来なかった。
もしそれが出来れば、グヴィスたちが気が付いて遺跡の中に入って追ってきても対処出来るのだが。
だが、それが分からない以上、無駄なことを考えても意味はなかった。
「分かったわ。……倒した人たちはこのままでいいのよね?」
「ああ。甘いと言われるかもしれないけど……友達だからな」
ふぅ、と。
そんなアランの言葉を聞いたレオノーラは、仕方がないといったように溜息を吐く。
「怪我をした人は治療をするために運ぶ必要があるわ。そうなれば、必要な人手は増えるはずよ」
レオノーラのその言葉に、アランは前世の知識を思い出す。
何で知ったのかは忘れたが、軍隊において敵の数を減らしたり動きを鈍くするためには、兵士を殺すのではなく怪我をさせればいいと。
死んでいれば戦力は落ちても普通に動けるのだが、生きているとなれば怪我人を後方に運んで治療する必要がある。
また、当然ながら怪我人になれば本来の動きが出来ずに軍隊や部隊そのものの動きが鈍くなる。
それが敵対している相手にとってどれだけのメリットとなるのか……それは、考えるまでもないだろう。
「そうだな。……じゃあ、戻るか」
「ええ」
そうして、グヴィスをその場に残してアランたちは遺跡に戻っていく。
他の者たちもアランの判断に不満を言う様子もない。
今の状況を考えると、少しでも敵の動きを鈍くする方が先決だと、そう判断したのだろう。
アランにとっては、幸運なことではあった。
そうしてアランたちが遺跡に戻ってから五分ほど経過し……やがて、グヴィスの仲間たちがここに姿を現す。
報告があってから急いで来たのだが、それでも少し離れた場所に遺跡があったため……そして何より、休憩中だったということもあってか、兵士たちはそれぞれが好き勝手に行動していたこともあり、戦力を集結させるのに時間が掛かった形だ。
だが、当然だがすでにアランたちはもう遺跡に中に姿を消しており、その場に残っているのはグヴィスたちのみだった。
不幸中の幸いだったのは、骨の一本や二本は折られている者がいても、死んでいる者はいなかったということか。
「ぐ……畜生……」
そんな中で真っ先に目を覚ましたのは、グヴィスだった。
骨を折ったりはしていないが、後頭部がもの凄く痛い。
触っても……いや、触らなくても激痛が走るくらいには。
それでも頭蓋骨が骨折した訳でもないので、何とか痛みを我慢することは出来た。
痛みを堪えながら起き上がり、周囲の様子を確認する。
だが、そこには当然の話だがアランたちの姿はない。
どこに消えたのか……それは、考えるまでもなかった。
「グヴィス様、大丈夫ですか!?」
この場にやってきた兵士の一人が、そんなグヴィスに気が付いき、慌てて声をかける。
そんな兵士に、グヴィスは自分は大丈夫だから他の連中を見てやれと指示を出してから、視線が遺跡に向けられる。
「……アランたちは、あの遺跡に隠れていたのか? そうなると……どういうことだ? この状況で遺跡の中に逃げ込んでも、俺たちが追えばそれだけでもう捕まってしまうだろうに」
アランたちが出て来た以上、目の前の遺跡に隠れていたのは間違いない。
しかし、それでも今の状況でこんな遺跡の中に逃げ込んでどうにかなるのか? といった疑問を抱いてしまう。
外見から遺跡の規模は大体予想出来る。
もちろん、中には外見からは全く理解出来ないくらいに広い遺跡だという可能性も否定は出来ないのだが。
それでも、そのような例外は本当に少数だ。
グヴィスの目から見て、目の前にある遺跡がそのような遺跡だとは思えない。
「それでもこうしている暇はないか。おい、どうだ?」
気絶した兵士たちを起こし、怪我をしている者は治療をしている援軍の兵士たちに声をかけるグヴィス。
だが、兵士たちから返ってきた言葉は、やはりと言うべきか決していいものではなかった。
気絶していたものの大半が、すぐに戦力として使うのは無理だと、そのように言われたのだ。
「どうする?」
グヴィスの背中にそう声がかけられる。
声のした方に視線を向けると、そこには相棒のクロスの姿。
「お前もあの女にやられたのか?」
アランと戦っている最中に気絶させられたこともあり、クロスが何故自分と同じように気絶していたのかは、グヴィスにも分からない。
だが、クロスの技量を知っている身としては、恐らくアランではなく自分と同じ女……レオノーラにやられたのだろうと、想像は出来た。
それでも一応聞いたのは、アランの強さが模擬戦のときと比べても上がっていたので、もしかしたらと思ったらだろう。
「ああ。あの鞭は厄介だが、鞭がなくても厄介だった」
腹部……正確には鳩尾を押さえながら告げるクロスに、恐らくは接近することには成功したものの、格闘戦か何かでやられたのだろうと予測する。
「それで、どうする? 追うか?」
クロスの言葉に、グヴィスは当然だと頷く。
アランを捕らえるという任務を受けて行動しているのだ。
そのアランを見つけたのに、ここで追わないという選択肢は存在しない。
クロスもそれは同感だったが、それでもグヴィスの言葉を素直に肯定出来ない自分がいる。
「もし追っても……アランを捕らえられると思うか? あの戦力だけでも、向こうは全力という訳ではないんだろう?」
「それは……」
クロスにそう言われると、グヴィスも素直に頷くことは出来ない。
実際に負けたのだから当然だろう。
「それに……アランたちを追うにしても、俺たちで追えると思うか?」
「ぐ……」
クロスの言葉に対し、グヴィスは何も言えなくなる。
当然だろう。自分たちはあくまでも騎士や兵士であって、探索者ではない。
先程のアランたちとの戦いでは、アラン以外の者たちが腕利きだったので負けたが、その辺の探索者を相手にしても、勝てると思うだけの自信が十分にあった。
だが……逆に、遺跡の探索が可能かと言われると、素直に頷くことは出来ない。
戦闘であれば問題がないので、遺跡で敵が出て来てもその辺の探索者になったばかりの者たちよりも戦うことは出来るだろう。
また、兵士の中には以前は探索者や冒険者をしていたという者もおり、そのような者たちであればこの小さな遺跡なら何とかなる可能性も決して否定は出来ない。
だが……それでも、今の状況を考えると即決が出来ないのは事実。
(どうする? どこかから本職の探索者を呼んでくるか? いや、そんな時間はないし、そもそもそこまで熟練の探索者は多くない)
元々、ガリンダミア帝国はその性質上探索者の数は多くない。
いや、正確には探索者として活動する者はそれなりにいるのだが、それでもガリンダミア帝国軍に入ることになる者が多いのだ。
心核を入手して心核使いになった者は、特にその辺が顕著だろう。
だからこそ、このような状況においても現役の探索者を連れてくるのは難しい。
元探索者はいるのだろうが、この場合問題なのは元であって現役ではなく……それだけ探索者としての技量は現役時代に比べて落ちてしまっているということか。
とはいえ、他に手段もない以上……
「しょうがない。兵士の中で元探索者を集めるしかないか」
色々と考えたグヴィスだったが、結局そのような選択肢しか残っていない。
実際には、もっと時間をかければ本職の探索者を呼んできたりといったような真似も出来るだろう。
だが、今は時間こそが全てだ。
ここでこうして考えている間にも、アランたちは遺跡の中を逃げているのだ。
そうである以上、今のグヴィスたちに出来るのは少しでも早く遺跡に潜り、アランたちを追うこと。
それが出来るかどうかは、非常に難しいところではあったが……今はとにかく、時間を無駄にしたくないというのがグヴィスの考えで、クロスもそれに同意したのから、決定が覆るはずもなかった。
レオノーラはそう呟きながら周囲を見る。
クロスと戦っている間に、相手の隙を突いてグヴィスの意識を奪い、そしてクロスも倒した。
他の探索者たちも、全員が相手を倒している。
人数では圧倒的に負けていたアランたちだったが、それでも質の差でその不利を覆したのだ。
……戦闘に特化しているロッコーモがいたというのも、この場合は大きいだろう。
結果として、アランたちは誰一人欠けることなく……致命的な怪我をした者もおらず、勝利を得ることが出来た。
とはいえ、全員が全員喜んでいる訳ではない。
(俺も、もう少し強かったならな。……結局足を引っ張ったようなものだし)
気絶しているグヴィスを見て、アランは自分の不甲斐なさを悔しく思う。
グヴィスは友人であり、ライバル――というには実力差がありすぎたが――でもあった。
そんなグヴィスを殺さずにすんだのはアランにとっても嬉しかったのだが、それでも自分だけで対処したかったという思いがあったのは間違いない。
しかし、結果としてグヴィスを倒したのは、クロスとの戦いの中で隙を突く一撃を放ったレオノーラだが。
それがアランとしては、悔しく思ってしまう理由だった。
もちろん、それが自分の我が儘であるというのは知っている。
また、自分のそんな我が儘によって仲間が死んだり怪我をしたりといったようなことになるよりは、今の結果は間違いなく良好だ。
「アラン、どうするの? 今回はアランが指揮を執ってるんだから、これからどうするか決めなさい」
レオノーラの指示に、アランは我に返る。
そう、今の自分はこの部隊――という表現が正しいかどうかは分からなかったが――の指揮官なのだ。
そうである以上、今は自分のやるべきことをやる必要があった。
力不足を嘆くのなら、それはいつでも出来る。
ならば、今はまず指揮としての責務を果たす必要あった。
「戻ろう。そしてイルゼンさんにこの件を知らせる。……出来れば、あの転移の通路を封じたいんだが、それは今のところ出来ないしな」
具体的にどのようにして転移しているのか。
アランはそれが分からない以上、転移を止めるといったようなことは出来なかった。
もしそれが出来れば、グヴィスたちが気が付いて遺跡の中に入って追ってきても対処出来るのだが。
だが、それが分からない以上、無駄なことを考えても意味はなかった。
「分かったわ。……倒した人たちはこのままでいいのよね?」
「ああ。甘いと言われるかもしれないけど……友達だからな」
ふぅ、と。
そんなアランの言葉を聞いたレオノーラは、仕方がないといったように溜息を吐く。
「怪我をした人は治療をするために運ぶ必要があるわ。そうなれば、必要な人手は増えるはずよ」
レオノーラのその言葉に、アランは前世の知識を思い出す。
何で知ったのかは忘れたが、軍隊において敵の数を減らしたり動きを鈍くするためには、兵士を殺すのではなく怪我をさせればいいと。
死んでいれば戦力は落ちても普通に動けるのだが、生きているとなれば怪我人を後方に運んで治療する必要がある。
また、当然ながら怪我人になれば本来の動きが出来ずに軍隊や部隊そのものの動きが鈍くなる。
それが敵対している相手にとってどれだけのメリットとなるのか……それは、考えるまでもないだろう。
「そうだな。……じゃあ、戻るか」
「ええ」
そうして、グヴィスをその場に残してアランたちは遺跡に戻っていく。
他の者たちもアランの判断に不満を言う様子もない。
今の状況を考えると、少しでも敵の動きを鈍くする方が先決だと、そう判断したのだろう。
アランにとっては、幸運なことではあった。
そうしてアランたちが遺跡に戻ってから五分ほど経過し……やがて、グヴィスの仲間たちがここに姿を現す。
報告があってから急いで来たのだが、それでも少し離れた場所に遺跡があったため……そして何より、休憩中だったということもあってか、兵士たちはそれぞれが好き勝手に行動していたこともあり、戦力を集結させるのに時間が掛かった形だ。
だが、当然だがすでにアランたちはもう遺跡に中に姿を消しており、その場に残っているのはグヴィスたちのみだった。
不幸中の幸いだったのは、骨の一本や二本は折られている者がいても、死んでいる者はいなかったということか。
「ぐ……畜生……」
そんな中で真っ先に目を覚ましたのは、グヴィスだった。
骨を折ったりはしていないが、後頭部がもの凄く痛い。
触っても……いや、触らなくても激痛が走るくらいには。
それでも頭蓋骨が骨折した訳でもないので、何とか痛みを我慢することは出来た。
痛みを堪えながら起き上がり、周囲の様子を確認する。
だが、そこには当然の話だがアランたちの姿はない。
どこに消えたのか……それは、考えるまでもなかった。
「グヴィス様、大丈夫ですか!?」
この場にやってきた兵士の一人が、そんなグヴィスに気が付いき、慌てて声をかける。
そんな兵士に、グヴィスは自分は大丈夫だから他の連中を見てやれと指示を出してから、視線が遺跡に向けられる。
「……アランたちは、あの遺跡に隠れていたのか? そうなると……どういうことだ? この状況で遺跡の中に逃げ込んでも、俺たちが追えばそれだけでもう捕まってしまうだろうに」
アランたちが出て来た以上、目の前の遺跡に隠れていたのは間違いない。
しかし、それでも今の状況でこんな遺跡の中に逃げ込んでどうにかなるのか? といった疑問を抱いてしまう。
外見から遺跡の規模は大体予想出来る。
もちろん、中には外見からは全く理解出来ないくらいに広い遺跡だという可能性も否定は出来ないのだが。
それでも、そのような例外は本当に少数だ。
グヴィスの目から見て、目の前にある遺跡がそのような遺跡だとは思えない。
「それでもこうしている暇はないか。おい、どうだ?」
気絶した兵士たちを起こし、怪我をしている者は治療をしている援軍の兵士たちに声をかけるグヴィス。
だが、兵士たちから返ってきた言葉は、やはりと言うべきか決していいものではなかった。
気絶していたものの大半が、すぐに戦力として使うのは無理だと、そのように言われたのだ。
「どうする?」
グヴィスの背中にそう声がかけられる。
声のした方に視線を向けると、そこには相棒のクロスの姿。
「お前もあの女にやられたのか?」
アランと戦っている最中に気絶させられたこともあり、クロスが何故自分と同じように気絶していたのかは、グヴィスにも分からない。
だが、クロスの技量を知っている身としては、恐らくアランではなく自分と同じ女……レオノーラにやられたのだろうと、想像は出来た。
それでも一応聞いたのは、アランの強さが模擬戦のときと比べても上がっていたので、もしかしたらと思ったらだろう。
「ああ。あの鞭は厄介だが、鞭がなくても厄介だった」
腹部……正確には鳩尾を押さえながら告げるクロスに、恐らくは接近することには成功したものの、格闘戦か何かでやられたのだろうと予測する。
「それで、どうする? 追うか?」
クロスの言葉に、グヴィスは当然だと頷く。
アランを捕らえるという任務を受けて行動しているのだ。
そのアランを見つけたのに、ここで追わないという選択肢は存在しない。
クロスもそれは同感だったが、それでもグヴィスの言葉を素直に肯定出来ない自分がいる。
「もし追っても……アランを捕らえられると思うか? あの戦力だけでも、向こうは全力という訳ではないんだろう?」
「それは……」
クロスにそう言われると、グヴィスも素直に頷くことは出来ない。
実際に負けたのだから当然だろう。
「それに……アランたちを追うにしても、俺たちで追えると思うか?」
「ぐ……」
クロスの言葉に対し、グヴィスは何も言えなくなる。
当然だろう。自分たちはあくまでも騎士や兵士であって、探索者ではない。
先程のアランたちとの戦いでは、アラン以外の者たちが腕利きだったので負けたが、その辺の探索者を相手にしても、勝てると思うだけの自信が十分にあった。
だが……逆に、遺跡の探索が可能かと言われると、素直に頷くことは出来ない。
戦闘であれば問題がないので、遺跡で敵が出て来てもその辺の探索者になったばかりの者たちよりも戦うことは出来るだろう。
また、兵士の中には以前は探索者や冒険者をしていたという者もおり、そのような者たちであればこの小さな遺跡なら何とかなる可能性も決して否定は出来ない。
だが……それでも、今の状況を考えると即決が出来ないのは事実。
(どうする? どこかから本職の探索者を呼んでくるか? いや、そんな時間はないし、そもそもそこまで熟練の探索者は多くない)
元々、ガリンダミア帝国はその性質上探索者の数は多くない。
いや、正確には探索者として活動する者はそれなりにいるのだが、それでもガリンダミア帝国軍に入ることになる者が多いのだ。
心核を入手して心核使いになった者は、特にその辺が顕著だろう。
だからこそ、このような状況においても現役の探索者を連れてくるのは難しい。
元探索者はいるのだろうが、この場合問題なのは元であって現役ではなく……それだけ探索者としての技量は現役時代に比べて落ちてしまっているということか。
とはいえ、他に手段もない以上……
「しょうがない。兵士の中で元探索者を集めるしかないか」
色々と考えたグヴィスだったが、結局そのような選択肢しか残っていない。
実際には、もっと時間をかければ本職の探索者を呼んできたりといったような真似も出来るだろう。
だが、今は時間こそが全てだ。
ここでこうして考えている間にも、アランたちは遺跡の中を逃げているのだ。
そうである以上、今のグヴィスたちに出来るのは少しでも早く遺跡に潜り、アランたちを追うこと。
それが出来るかどうかは、非常に難しいところではあったが……今はとにかく、時間を無駄にしたくないというのがグヴィスの考えで、クロスもそれに同意したのから、決定が覆るはずもなかった。
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