275 / 422
逃避行
274話
しおりを挟む
アランたちがどうするべきか悩んでいる間にも、ダーズラ率いるガリンダミア帝国軍は進み続ける。
ゼオンの攻撃によってそれなりに被害は出たが、今はもうその動揺も回復して、真っ直ぐ敵のいる遺跡に向かって進んでいた。
今の状況で自分たちが取るべき最善の行動は何か。
それを、考えるまでもなく理解しているのだ。
「敵に動きは……ないな」
馬の上から自分たちが向かっている場所……雲海と黄金の薔薇が拠点としている野営地を眺めながら、ダーズラが呟く。
まだかなりの距離があるのだが、それでも平原である以上、馬に乗っているダーズラからは野営地をしっかりと確認出来る距離までは近付いていた。
だからこそ、野営地に何の動きもないことを疑問に思う。
「何故動きがない?」
ダーズラが前もって聞いている情報によれば、雲海も黄金の薔薇も、こんなところで行動するのを諦めるような者たちではない。
そもそもこの程度で諦めるのなら、帝城を襲撃などといった真似はまずしないだろう。
だからこそ、今回も何らかの行動をしてくるとばかり思っていた。
いや、実際に自分たちが近付いたところで、向こうは上空からこちらを襲ってきたのだから、すでに行動は行っていたのだが。
しかし、その行動も死の瞳というマジックアイテムによって無効化された。
それによって、たった一人でも戦局を変えることが出来る心核使いが複数いるという向こうの利点を消したのは事実。
そうである以上、反撃の手段はないと普通なら思うだろう。
だが……雲海と黄金の薔薇は、とてもではないが普通の存在ではない。
現在の状況であっても、何らかの反撃をしてくる可能性は十分にあった。
……問題なのは、ダーズラたちがその攻撃手段に思い当たらないことか。
だからこそ、今は少しでも敵の攻撃があったときに対処出来るようにしておく必要がある。
「くれぐれも油断はするなよ。連中は帝城を襲撃して、その上で目的のアランを助け出したあと、誰一人脱落者を出さずに撤退に成功した者たちだ。その上……まさか、ドットリオン王国方面ではなく、このような正反対の場所に隠れているとはな。決して油断出来る相手ではない」
そんなダーズラの言葉に、周囲の者たちは頷く。
しかし……そんな中で、一人の男が口を開く。
「ですが、ダーズラ様。俺が聞いた話によると、帝城では襲ってきた相手を結構な数、捕らえたり殺したりしたと聞いていますが?」
「……馬鹿もんが」
その言葉に、ダーズラは呆れた様子でそう告げる。
それだけではなく、他の面々も同様に呆れの視線を向けていた。
「ちょっ、おい、何だよ。俺、何か間違ったか?」
「間違ってないわ。けど、あの襲撃で捕まったり殺されたりしたのは、全てレジスタンスの連中よ」
その言葉に、男はようやく自分が何を言ったのかを理解して恥ずかしそうな表情を浮かべた。
「そ、そうなのか。……それでも、レジスタンスを囮にした連中ってことだろ? なら、レジスタンスに手を回してこっちの手駒に出来なかったのか? 自分たちを利用した相手なら、レジスタンスたちだってそう簡単に許せるものじゃないだろ」
「馬鹿ね。レジスタンスも自分たちが囮になっているのは知ってるままで帝城を襲撃したのよ」
仲間にそう言われると、男もそれ以上は何も言い返せなくなる。
もちろん、言い返せないからといって、何も思っていない訳ではない。
レジスタンスは自分たちが囮になってもいいのかといったような疑問を抱いてはいたのだが。
「そうか……」
そんな風に言いながらも、ガリンダミア帝国軍の進軍は続くのだった。
ガリンダミア帝国軍が近付いてくる野営地……そこでは、イルゼンがどう対処するのかを決めていた。
つまり、遺跡の転移装置を使って逃げるか、ガリンダミア帝国軍と戦うか、この場から逃げ出すか。
どの対応も一長一短だった。
当初は心核使いたちの実力もあって、正面から戦っても勝てると、そう判断されていたのだが……それも、広範囲で心核を使用不能にする死の瞳というマジックアイテムによって心核使いたちは無力化されてしまっている。
特に、心核使いの中でも最強格のレオノーラは死の瞳の発動によって気絶し、未だに意識が戻っていない。
そんな中で、イルゼンが選んだのは……
「戦いましょう」
「本気かよっ、イルゼンさん!」
イルゼンのその言葉に、真っ先に反応したのは雲海の探索者。
イルゼンとの付き合いが長いだけに、まさかここでイルゼンがそのようなことを言うとは思ってもいなかったのだろう。
他の者もそれは同様だ。
イルゼンは情報の取り扱いに高い手腕を持つが、攻撃か防御かと言われれば防御を選ぶような性格をしている。……正確には、防御を選びながらもカウンターを放つ隙を狙うといったような感じだが。
ともあれ、そのイルゼンがまさかここで攻撃をするといった手段を選ぶというのは、それだけに聞いていた者達を驚かした。
「本気です。死の瞳は、ここで消滅させる必要があります。基本的に死の瞳は一度使えばもう使えなくなるマジックアイテムですが、それはあくまでもその死の瞳は、ということです。他にも死の瞳があった場合……その上、それがガリンダミア帝国軍が所持してるとなると、問題でしょう」
「言いたいことは分かるけど、実際問題どうやってあの人数を相手にするってんだよ!」
それは他の者たちも十分に理解していた。
元々、数の差を心核使いの力で覆すというのが前提だったのに、その心核使いたちが封じられてしまったのだから。
ここにいる探索者たちは、皆が腕利きだ。
それこそ、倍、三倍、四倍……十倍くらいの数が相手なら、勝つことも出来るだろう。
負けないだけなら、二十倍でも何とかなるかもしれない。
だが……相手の数が二千人規模となると、さすがに数の差がありすぎる。
質が量を凌駕することは、この世界では心核を抜きにしても珍しい話ではない。
だが、それでも質を凌駕するだけの量を用意されれば、対処するのは難しくなるのは当然だった。
その上、攻めてくるのはガリンダミア帝国軍の中でも精鋭と呼ぶべき者たちなのだから、余計に難しいだろう。
新兵が相手であれば、現在の状況でも何とかなった可能性はあったのだが。
他の者たちも、皆がイルゼンに何故そのような選択をしたのかと、そんな視線を向ける。
イルゼンはそんな視線を受け……やがて口を開く。
「もちろん、僕も何の勝算もなくこのようなことを言ってる訳ではありません。皆さん、忘れているようですが、この遺跡の最下層には人形の製造設備があります」
「その、人形をこっちの戦力として使うってことですか?」
女の、恐る恐るといった言葉にイルゼンは頷く。
「はい、そうなりますね」
あっさり……それこそ、その辺の店にちょっと買い物に行くといったような感じでそう告げるイルゼンにその様子を見ていた者たちの何割かは、それこそイルゼンは本気なのか? 実は正気を失っているのではないか? と思ってしまう。
だが、イルゼンは自分がそのような視線で見られているのを理解しているだろうに、特に気にした様子もなく言葉を続ける。
「実は皆さんには話してませんでしたが、以前製造設備を調査したときに、人形に命令を下すための方法を発見しています。……ここで作られた人形だけですけどね」
そんなイルゼンの言葉を聞き、喋る体力はないものの、しっかりと話を聞いていたアランは口には出さずに呟く。
(また……か)
そう、また。
イルゼンはこの野営地にある遺跡……正確にはそこにあった人形の製造設備から繋がっている他の遺跡の転移装置を止めるという方法を知っていた。
それも破壊して永久的に壊すという訳ではなく、一時的に停止し、また任意に使えるようにするといったような、そんな方法を。
その転移装置にかんしてだけなら、アランもイルゼンが説明した通り、偶然制御方法を見つけたということで納得出来た。
だが、その転移装置に続いて人形の命令についても判明したというのは……普通に考えて、疑問だろう。
(三度続けば偶然じゃないってのはあるけど、二度続いただけでも偶然じゃないとかあるのか? ……何だか、イルゼンさんだからで普通に納得してしまいそうな気がするんだよな)
実際、今回ほどではないにしろ、今までにも似たようなことは起きている。
だからこそ、自分を納得させることも出来た。
それは、命の危機が迫っているからこそ無理矢理自分を納得させたといった方が正しいが。
(今回の件が終わったら、何でそこまで古代魔法文明の遺跡について詳しいのか、聞いた方がいいのかもしれないな)
アランがこの一件を乗り越えてからのことを考えている間にも、イルゼンの話は続く。
「僕がこれから遺跡の地下に向かって、人形の製造設備を起動してしきます。そして人形を地上に運んでくるので……そうですね。三時間……いえ、二時間で何とかしますので、その間だけ耐えてください。皆さんなら出来るでしょう?」
普通であれば、二千人以上の戦力を相手にこの人数で戦えというのは無茶ぶりだ。
だが……ここにいるのは、雲海や黄金の薔薇といった探索者の中でも腕利きと言われている面々だ。
二千人規模の戦力を相手に殲滅しろと言われれば無理だが、防衛戦をやれと言われれば、何とかなる可能性が高いと判断出来る。
「こうなると、落とし穴とかそういうのを用意しておかなかったのは、つくづく失敗だったよな」
そう呟く声が周囲に響くが、それを聞いた別の男は呆れたように言う。
「相手の数を考えろよ。俺たちがちょっと作った程度の落とし穴だと、十人、二十人殺したところであっさりと役立たずになるぞ」
「それでも、少しでも相手を警戒させられればいいだろ?」
不思議なことに、イルゼンの言葉で皆がやる気になっていた。
不可能を可能にする。
そんな不思議な説得力が、イルゼンにはあったのだ。
そうして、今はやるべきことをやる必要があり、皆がこの危機を乗り切ろうと決めるのだった。
ゼオンの攻撃によってそれなりに被害は出たが、今はもうその動揺も回復して、真っ直ぐ敵のいる遺跡に向かって進んでいた。
今の状況で自分たちが取るべき最善の行動は何か。
それを、考えるまでもなく理解しているのだ。
「敵に動きは……ないな」
馬の上から自分たちが向かっている場所……雲海と黄金の薔薇が拠点としている野営地を眺めながら、ダーズラが呟く。
まだかなりの距離があるのだが、それでも平原である以上、馬に乗っているダーズラからは野営地をしっかりと確認出来る距離までは近付いていた。
だからこそ、野営地に何の動きもないことを疑問に思う。
「何故動きがない?」
ダーズラが前もって聞いている情報によれば、雲海も黄金の薔薇も、こんなところで行動するのを諦めるような者たちではない。
そもそもこの程度で諦めるのなら、帝城を襲撃などといった真似はまずしないだろう。
だからこそ、今回も何らかの行動をしてくるとばかり思っていた。
いや、実際に自分たちが近付いたところで、向こうは上空からこちらを襲ってきたのだから、すでに行動は行っていたのだが。
しかし、その行動も死の瞳というマジックアイテムによって無効化された。
それによって、たった一人でも戦局を変えることが出来る心核使いが複数いるという向こうの利点を消したのは事実。
そうである以上、反撃の手段はないと普通なら思うだろう。
だが……雲海と黄金の薔薇は、とてもではないが普通の存在ではない。
現在の状況であっても、何らかの反撃をしてくる可能性は十分にあった。
……問題なのは、ダーズラたちがその攻撃手段に思い当たらないことか。
だからこそ、今は少しでも敵の攻撃があったときに対処出来るようにしておく必要がある。
「くれぐれも油断はするなよ。連中は帝城を襲撃して、その上で目的のアランを助け出したあと、誰一人脱落者を出さずに撤退に成功した者たちだ。その上……まさか、ドットリオン王国方面ではなく、このような正反対の場所に隠れているとはな。決して油断出来る相手ではない」
そんなダーズラの言葉に、周囲の者たちは頷く。
しかし……そんな中で、一人の男が口を開く。
「ですが、ダーズラ様。俺が聞いた話によると、帝城では襲ってきた相手を結構な数、捕らえたり殺したりしたと聞いていますが?」
「……馬鹿もんが」
その言葉に、ダーズラは呆れた様子でそう告げる。
それだけではなく、他の面々も同様に呆れの視線を向けていた。
「ちょっ、おい、何だよ。俺、何か間違ったか?」
「間違ってないわ。けど、あの襲撃で捕まったり殺されたりしたのは、全てレジスタンスの連中よ」
その言葉に、男はようやく自分が何を言ったのかを理解して恥ずかしそうな表情を浮かべた。
「そ、そうなのか。……それでも、レジスタンスを囮にした連中ってことだろ? なら、レジスタンスに手を回してこっちの手駒に出来なかったのか? 自分たちを利用した相手なら、レジスタンスたちだってそう簡単に許せるものじゃないだろ」
「馬鹿ね。レジスタンスも自分たちが囮になっているのは知ってるままで帝城を襲撃したのよ」
仲間にそう言われると、男もそれ以上は何も言い返せなくなる。
もちろん、言い返せないからといって、何も思っていない訳ではない。
レジスタンスは自分たちが囮になってもいいのかといったような疑問を抱いてはいたのだが。
「そうか……」
そんな風に言いながらも、ガリンダミア帝国軍の進軍は続くのだった。
ガリンダミア帝国軍が近付いてくる野営地……そこでは、イルゼンがどう対処するのかを決めていた。
つまり、遺跡の転移装置を使って逃げるか、ガリンダミア帝国軍と戦うか、この場から逃げ出すか。
どの対応も一長一短だった。
当初は心核使いたちの実力もあって、正面から戦っても勝てると、そう判断されていたのだが……それも、広範囲で心核を使用不能にする死の瞳というマジックアイテムによって心核使いたちは無力化されてしまっている。
特に、心核使いの中でも最強格のレオノーラは死の瞳の発動によって気絶し、未だに意識が戻っていない。
そんな中で、イルゼンが選んだのは……
「戦いましょう」
「本気かよっ、イルゼンさん!」
イルゼンのその言葉に、真っ先に反応したのは雲海の探索者。
イルゼンとの付き合いが長いだけに、まさかここでイルゼンがそのようなことを言うとは思ってもいなかったのだろう。
他の者もそれは同様だ。
イルゼンは情報の取り扱いに高い手腕を持つが、攻撃か防御かと言われれば防御を選ぶような性格をしている。……正確には、防御を選びながらもカウンターを放つ隙を狙うといったような感じだが。
ともあれ、そのイルゼンがまさかここで攻撃をするといった手段を選ぶというのは、それだけに聞いていた者達を驚かした。
「本気です。死の瞳は、ここで消滅させる必要があります。基本的に死の瞳は一度使えばもう使えなくなるマジックアイテムですが、それはあくまでもその死の瞳は、ということです。他にも死の瞳があった場合……その上、それがガリンダミア帝国軍が所持してるとなると、問題でしょう」
「言いたいことは分かるけど、実際問題どうやってあの人数を相手にするってんだよ!」
それは他の者たちも十分に理解していた。
元々、数の差を心核使いの力で覆すというのが前提だったのに、その心核使いたちが封じられてしまったのだから。
ここにいる探索者たちは、皆が腕利きだ。
それこそ、倍、三倍、四倍……十倍くらいの数が相手なら、勝つことも出来るだろう。
負けないだけなら、二十倍でも何とかなるかもしれない。
だが……相手の数が二千人規模となると、さすがに数の差がありすぎる。
質が量を凌駕することは、この世界では心核を抜きにしても珍しい話ではない。
だが、それでも質を凌駕するだけの量を用意されれば、対処するのは難しくなるのは当然だった。
その上、攻めてくるのはガリンダミア帝国軍の中でも精鋭と呼ぶべき者たちなのだから、余計に難しいだろう。
新兵が相手であれば、現在の状況でも何とかなった可能性はあったのだが。
他の者たちも、皆がイルゼンに何故そのような選択をしたのかと、そんな視線を向ける。
イルゼンはそんな視線を受け……やがて口を開く。
「もちろん、僕も何の勝算もなくこのようなことを言ってる訳ではありません。皆さん、忘れているようですが、この遺跡の最下層には人形の製造設備があります」
「その、人形をこっちの戦力として使うってことですか?」
女の、恐る恐るといった言葉にイルゼンは頷く。
「はい、そうなりますね」
あっさり……それこそ、その辺の店にちょっと買い物に行くといったような感じでそう告げるイルゼンにその様子を見ていた者たちの何割かは、それこそイルゼンは本気なのか? 実は正気を失っているのではないか? と思ってしまう。
だが、イルゼンは自分がそのような視線で見られているのを理解しているだろうに、特に気にした様子もなく言葉を続ける。
「実は皆さんには話してませんでしたが、以前製造設備を調査したときに、人形に命令を下すための方法を発見しています。……ここで作られた人形だけですけどね」
そんなイルゼンの言葉を聞き、喋る体力はないものの、しっかりと話を聞いていたアランは口には出さずに呟く。
(また……か)
そう、また。
イルゼンはこの野営地にある遺跡……正確にはそこにあった人形の製造設備から繋がっている他の遺跡の転移装置を止めるという方法を知っていた。
それも破壊して永久的に壊すという訳ではなく、一時的に停止し、また任意に使えるようにするといったような、そんな方法を。
その転移装置にかんしてだけなら、アランもイルゼンが説明した通り、偶然制御方法を見つけたということで納得出来た。
だが、その転移装置に続いて人形の命令についても判明したというのは……普通に考えて、疑問だろう。
(三度続けば偶然じゃないってのはあるけど、二度続いただけでも偶然じゃないとかあるのか? ……何だか、イルゼンさんだからで普通に納得してしまいそうな気がするんだよな)
実際、今回ほどではないにしろ、今までにも似たようなことは起きている。
だからこそ、自分を納得させることも出来た。
それは、命の危機が迫っているからこそ無理矢理自分を納得させたといった方が正しいが。
(今回の件が終わったら、何でそこまで古代魔法文明の遺跡について詳しいのか、聞いた方がいいのかもしれないな)
アランがこの一件を乗り越えてからのことを考えている間にも、イルゼンの話は続く。
「僕がこれから遺跡の地下に向かって、人形の製造設備を起動してしきます。そして人形を地上に運んでくるので……そうですね。三時間……いえ、二時間で何とかしますので、その間だけ耐えてください。皆さんなら出来るでしょう?」
普通であれば、二千人以上の戦力を相手にこの人数で戦えというのは無茶ぶりだ。
だが……ここにいるのは、雲海や黄金の薔薇といった探索者の中でも腕利きと言われている面々だ。
二千人規模の戦力を相手に殲滅しろと言われれば無理だが、防衛戦をやれと言われれば、何とかなる可能性が高いと判断出来る。
「こうなると、落とし穴とかそういうのを用意しておかなかったのは、つくづく失敗だったよな」
そう呟く声が周囲に響くが、それを聞いた別の男は呆れたように言う。
「相手の数を考えろよ。俺たちがちょっと作った程度の落とし穴だと、十人、二十人殺したところであっさりと役立たずになるぞ」
「それでも、少しでも相手を警戒させられればいいだろ?」
不思議なことに、イルゼンの言葉で皆がやる気になっていた。
不可能を可能にする。
そんな不思議な説得力が、イルゼンにはあったのだ。
そうして、今はやるべきことをやる必要があり、皆がこの危機を乗り切ろうと決めるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
【完結】剣聖と聖女の娘はのんびりと(?)後宮暮らしを楽しむ
O.T.I
ファンタジー
かつて王国騎士団にその人ありと言われた剣聖ジスタルは、とある事件をきっかけに引退して辺境の地に引き籠もってしまった。
それから時が過ぎ……彼の娘エステルは、かつての剣聖ジスタルをも超える剣の腕を持つ美少女だと、辺境の村々で噂になっていた。
ある時、その噂を聞きつけた辺境伯領主に呼び出されたエステル。
彼女の実力を目の当たりにした領主は、彼女に王国の騎士にならないか?と誘いかける。
剣術一筋だった彼女は、まだ見ぬ強者との出会いを夢見てそれを了承するのだった。
そして彼女は王都に向かい、騎士となるための試験を受けるはずだったのだが……
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる