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メルリアナへ
301話
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イルゼンたちと別れてから数日が経過する。
その間、いつ襲撃があってもおかしくないように、アランたちは村や街といった場所には寄らず、野営を繰り返していた。
もちろん、途中に村や街があった場合は、そこに入って食料を始めした各種物資を購入したりといった真似はしていたが。
だが……そんな野営を繰り返しても、敵が襲撃してくるといったことは全くなかった。
それこそ敵の本命と思われる獣牙衆や、それ以外の普通の獣人すらも襲ってくるようなことはない。
「これ、俺たちが必要だったのか?」
その日の野営の中、夕食を食べながらアランは呟く。
なお、クラリスを始めとした獣人たちも、現在はアランたちと一緒に来た探索者たちが纏めて作った食事を食べていた。
当初はクラリスにこのような料理を食べさせるのは……といった不満を露わにした獣人もいたのだが、そのような獣人は料理を任されている探索者によって肉体言語による話し合いで解決した。
獣人たちも、アランの仲間たちは腕の立つ探索者であるとは理解していたが、まさか料理を作る者たちまでもが、それだけの実力を持っているとは思いもしなかったのだろう。
しかし、料理を作る者たちも雲海や黄金の薔薇の探索者なのは間違いない。
そうである以上、リアやロッコーモのように戦闘を得意としている探索者には及ばないが、それでも十分な強さを持っているのは間違いのない事実だった。
そこまで考えが及ばなかったのは、獣人たちにとっても不運だったのだろう。
結果として、現在はこうして皆が一緒の食事を楽しむことになっていた。
もっとも、クラリス本人はこうして皆で楽しく食事出来るのを楽しみにしていたが。
「そうですね。私もてっきり、メルリアナに入ったらその日……ではないにしろ、その翌日くらいには襲ってくると思っていたのですが」
ゴドフリーがスープを味わいながら、アランの言葉にそう返す。
メルリアナに入ったその日であれば、狙われる心当たりのある者たちは当然警戒しているだろうが、それが翌日以降になると、その警戒心はどうしても弱まってしまう。
とはいえ、雲海や黄金の薔薇といったクランの集まりである以上、そのようなことになっても気軽に気を抜くといったような真似はしない。
(気を抜かないからこそ、獣牙衆は攻撃してこないのか? そうなれば、そうなったで納得出来るところはあるけど)
獣牙衆が獣人としては少数精鋭の部隊であっても、アランたち――正確には腕の立つ探索者たち――にしてみれば、そこまで警戒するべき相手ではない。
もちろん、警戒するべき相手ではないというのは、決して侮っている訳ではないのだが。
「出来れば、このまま獣牙衆が襲ってこなければいいんですけどね」
ゴドフリーがしみじみと告げる様子に、近くで話を聞いていたクラリスは心配そうな表情で口を開く。
「来ないのであれば、ずっとこのまま襲ってこなければいいんですけどね」
「無理でしょうね」
クラリスの言葉を即座に否定したのは、レオノーラ。
クラリスへの対抗心といった訳ではなく、黄金の薔薇というクランを率いてきた経験を持つだけに、この状況でクラリスたちを狙っている獣牙衆が攻撃をしてこないとは思えなかったのだろう。
「獣牙衆というのは、クラリスを狙っている相手にしてみれば、クラリスが少人数で行動している今のうちに攻撃しないという選択はないでしょうね」
「少人数って……俺たちは?」
現状、クラリスたちが少人数なのは間違いない。
しかし、そんなクラリスの護衛としてアランたちがいる。
それこそ、雲海と黄金の薔薇の戦力の八割がこちらに集中している。
それを考えると、とてもではないが人数が少ないとは言えない。
「だから、でしょうね。多分今は私たちが別行動をするのを待っているといったところかしら。けど、このままクラリスたちとずっと一緒に行動しているとなると、最後には攻撃をしてくるのは間違いないと思うわ」
「そうなると、クラリスが目的としている場所に到着するまでは、攻撃をしてこないと?」
「その可能性が高いというだけで、実際にそうなるかどうかは分からないけどね。敵のいる場所が分からない以上、こっちは待ち受けるしかないでしょ?」
「それは……」
敵の場所が分からないというのは事実だ。
しかし、探索者の中でもその手の技能が高い者であれば、獣牙衆を見つけることが出来るのでは?
そうアランは思ってレオノーラに視線を向けるが、こちらの部隊の指揮を任されているレオノーラは首を横に振る。
「止めておきましょう。大丈夫だとは思うけど、獣牙衆というのが具体的にどれだけの実力を持つのか分からないわ。そうである以上、まずは向こうから手を出させたいのよ。それに……もしかしたらだけど、こちらから手を出したことを問題にするかもしれないでしょう?」
「自分たちが何もしてないのに、俺たちが一方的に攻撃してきたと?」
「ええ。もちろん、向こうがそんなことを言っても、それを相手にしなければいいだけの話だけど。それでも、何かあったときに面倒なことになる可能性はあるわ」
そんなレオノーラの言葉に、ロルフの側で食事をしていた獣人の一人が不満そうに口を開く。
「なら、あの夜襲はどう説明するんだよ? 向こうから攻撃をしてきたんだぞ?」
レオノーラに対する言葉遣いに、黄金の薔薇の面々は若干面白くなさそうな表情を浮かべる。
だが、レオノーラの本人はそんなことは気にした様子もなく、口を開く。
「それはそれ、でしょうね。夜襲で襲ってきたのは、あくまでも普通の獣人。そして今回問題になっているのは、獣人の中でも精鋭と呼ばれている獣牙衆。私たちから見ればその繋がりは予想出来るけど、向こうが認めることはまずないでしょうね」
「はぁっ!? ちょっ、何だよその屁理屈!」
レオノーラに不満を口にした獣人は、そんなのは絶対に許せないといった様子を見せたが、そんな獣人の言葉にゴドフリーは頷く。
「向こうにしてみれば、そのような真似はそれこそこれ以上ないほど自分たちに有利なように言うでしょうね。そうすることで、少しでも自分たちの利益になるのなら」
「……ふん」
ロルフもゴドフリーの意見に言葉に出して賛成こそしなかったが、それでも今の状況を思えば向こうがそのような真似をしてくるという可能性は否定出来ないのだろう。
不機嫌そうに鼻を鳴らすが、それは無言でゴドフリーの意見を肯定していた。
結局それ以上は誰もその件に触れることなく、話題は変わっていくのだった。
夕食が終われば、あとは自由時間となる。
見張りの役目がある者はその仕事をすることになるが、幸いアランは今日の見張りの担当ではない。
そんな訳で、特に急ぎの仕事もないアランは野営地の人があまりいない場所でカロを手にして意識を集中していた。
「出ろ、出ろ、出ろ、出ろ」
集中しながら呟くも、カロはアランの手の中で特に何も変化がないまま転がっているだけだ。
「ピ!」
集中しているアランに、応援の声を発するような余裕まである。
だが、アランはそんなカロの声も聞こえないほどに集中し、何とかゼオンの武装だけを召喚しようとしていた。
なお、現在アランが召喚しようとしているのは、ビームサーベル。
これは単純に、ビームライフルよりもビームサーベルの方が小さいからというのが理由だ。
ビームサーベルは、手に持つ部分……柄の部分だけが物質として存在しており、その柄の部分からビームの刃が伸びるといった形だ。
つまり、ゼオンが握る部分だけしかない。
それに対して、ビームライフルはライフル全てが物質として存在している。
それだけに、ビームライフルを出すとなれば、それはかなり巨大になってしまう。
頭部バルカンと腹部拡散ビーム砲は、ゼオンに内蔵している武器なので別個に召喚出来るとは思えない。
そしてゼオンの象徴とも呼ぶべき武装のフェルスは……召喚したゼオンが、さらに別空間から召喚するといったような形のために、アランにはとてもではないが自分が召喚出来るとは思えなかった。
もちろん、最終的にアランが召喚したいのはフェルスなのだが。
何しろフェルスは数が多い。
その上で自由自在に飛び回り、ビームを撃ったりビームソードを展開して敵を斬り裂いたりといったような真似も出来る。
それでいて、フェルスは長さが一メートルほどという、まさに生身での戦闘には自信のないアランにとって、これ以上ないほどの武器となる。
そんなフェルスを召喚するためにも、まずは一つずつ召喚出来るようにしていく必要があった。
それに、ビームサーベルもビームライフルほどに強力ではない以上、それなりに使い道はある。
であれば、何かあったとき……それこそガリンダミア帝国軍や獣牙衆といった敵に襲われたときには、逆転の一手となる可能性は十分にあった。
もっとも、そのビームサーベルの召喚も今のところ上手くいっていないというのが正直なところなのだが。
「ぐぬぬぬぬ……出ろ、ビームサーベル……出ろ、出ろ、出ろ……うおわぁっ!」
心核のカロに集中していたアランの口から、不意に悲鳴が上がる。
その悲鳴の理由は、いきなり首筋に冷たい何かが触れたためだ。
いや、正確にはアランは最初それが冷たい何かだというのは、全く気が付かなかった。
ただ、いきなりの変化に驚き、そうして悲鳴を上げてからようやくそれが冷たい何かだったと、そう理解したのだ。
「あまり集中しすぎてもどうかと思うわよ? 少し休んだら?」
「レオノーラ……それだと休む云々よりも驚きの方が強いんだが」
声をかけてきたレオノーラに、不満そうにそう告げる。
しかし、レオノーラはそんなアランの声に何かを感じた様子もなく、持っていたコップ……アランの首に触れさせ、驚かせたコップを渡す。
レオノーラの魔法で冷やされたのか、そこには冷たい果実水があった。
(この果実水は、どこで手に入れたんだ? まぁ、レオノーラのことだから、実は樽に入れて持っていたとか言われても納得出来るけど)
そんな風に思いつつ、アランは果実水を楽しむのだった。
その間、いつ襲撃があってもおかしくないように、アランたちは村や街といった場所には寄らず、野営を繰り返していた。
もちろん、途中に村や街があった場合は、そこに入って食料を始めした各種物資を購入したりといった真似はしていたが。
だが……そんな野営を繰り返しても、敵が襲撃してくるといったことは全くなかった。
それこそ敵の本命と思われる獣牙衆や、それ以外の普通の獣人すらも襲ってくるようなことはない。
「これ、俺たちが必要だったのか?」
その日の野営の中、夕食を食べながらアランは呟く。
なお、クラリスを始めとした獣人たちも、現在はアランたちと一緒に来た探索者たちが纏めて作った食事を食べていた。
当初はクラリスにこのような料理を食べさせるのは……といった不満を露わにした獣人もいたのだが、そのような獣人は料理を任されている探索者によって肉体言語による話し合いで解決した。
獣人たちも、アランの仲間たちは腕の立つ探索者であるとは理解していたが、まさか料理を作る者たちまでもが、それだけの実力を持っているとは思いもしなかったのだろう。
しかし、料理を作る者たちも雲海や黄金の薔薇の探索者なのは間違いない。
そうである以上、リアやロッコーモのように戦闘を得意としている探索者には及ばないが、それでも十分な強さを持っているのは間違いのない事実だった。
そこまで考えが及ばなかったのは、獣人たちにとっても不運だったのだろう。
結果として、現在はこうして皆が一緒の食事を楽しむことになっていた。
もっとも、クラリス本人はこうして皆で楽しく食事出来るのを楽しみにしていたが。
「そうですね。私もてっきり、メルリアナに入ったらその日……ではないにしろ、その翌日くらいには襲ってくると思っていたのですが」
ゴドフリーがスープを味わいながら、アランの言葉にそう返す。
メルリアナに入ったその日であれば、狙われる心当たりのある者たちは当然警戒しているだろうが、それが翌日以降になると、その警戒心はどうしても弱まってしまう。
とはいえ、雲海や黄金の薔薇といったクランの集まりである以上、そのようなことになっても気軽に気を抜くといったような真似はしない。
(気を抜かないからこそ、獣牙衆は攻撃してこないのか? そうなれば、そうなったで納得出来るところはあるけど)
獣牙衆が獣人としては少数精鋭の部隊であっても、アランたち――正確には腕の立つ探索者たち――にしてみれば、そこまで警戒するべき相手ではない。
もちろん、警戒するべき相手ではないというのは、決して侮っている訳ではないのだが。
「出来れば、このまま獣牙衆が襲ってこなければいいんですけどね」
ゴドフリーがしみじみと告げる様子に、近くで話を聞いていたクラリスは心配そうな表情で口を開く。
「来ないのであれば、ずっとこのまま襲ってこなければいいんですけどね」
「無理でしょうね」
クラリスの言葉を即座に否定したのは、レオノーラ。
クラリスへの対抗心といった訳ではなく、黄金の薔薇というクランを率いてきた経験を持つだけに、この状況でクラリスたちを狙っている獣牙衆が攻撃をしてこないとは思えなかったのだろう。
「獣牙衆というのは、クラリスを狙っている相手にしてみれば、クラリスが少人数で行動している今のうちに攻撃しないという選択はないでしょうね」
「少人数って……俺たちは?」
現状、クラリスたちが少人数なのは間違いない。
しかし、そんなクラリスの護衛としてアランたちがいる。
それこそ、雲海と黄金の薔薇の戦力の八割がこちらに集中している。
それを考えると、とてもではないが人数が少ないとは言えない。
「だから、でしょうね。多分今は私たちが別行動をするのを待っているといったところかしら。けど、このままクラリスたちとずっと一緒に行動しているとなると、最後には攻撃をしてくるのは間違いないと思うわ」
「そうなると、クラリスが目的としている場所に到着するまでは、攻撃をしてこないと?」
「その可能性が高いというだけで、実際にそうなるかどうかは分からないけどね。敵のいる場所が分からない以上、こっちは待ち受けるしかないでしょ?」
「それは……」
敵の場所が分からないというのは事実だ。
しかし、探索者の中でもその手の技能が高い者であれば、獣牙衆を見つけることが出来るのでは?
そうアランは思ってレオノーラに視線を向けるが、こちらの部隊の指揮を任されているレオノーラは首を横に振る。
「止めておきましょう。大丈夫だとは思うけど、獣牙衆というのが具体的にどれだけの実力を持つのか分からないわ。そうである以上、まずは向こうから手を出させたいのよ。それに……もしかしたらだけど、こちらから手を出したことを問題にするかもしれないでしょう?」
「自分たちが何もしてないのに、俺たちが一方的に攻撃してきたと?」
「ええ。もちろん、向こうがそんなことを言っても、それを相手にしなければいいだけの話だけど。それでも、何かあったときに面倒なことになる可能性はあるわ」
そんなレオノーラの言葉に、ロルフの側で食事をしていた獣人の一人が不満そうに口を開く。
「なら、あの夜襲はどう説明するんだよ? 向こうから攻撃をしてきたんだぞ?」
レオノーラに対する言葉遣いに、黄金の薔薇の面々は若干面白くなさそうな表情を浮かべる。
だが、レオノーラの本人はそんなことは気にした様子もなく、口を開く。
「それはそれ、でしょうね。夜襲で襲ってきたのは、あくまでも普通の獣人。そして今回問題になっているのは、獣人の中でも精鋭と呼ばれている獣牙衆。私たちから見ればその繋がりは予想出来るけど、向こうが認めることはまずないでしょうね」
「はぁっ!? ちょっ、何だよその屁理屈!」
レオノーラに不満を口にした獣人は、そんなのは絶対に許せないといった様子を見せたが、そんな獣人の言葉にゴドフリーは頷く。
「向こうにしてみれば、そのような真似はそれこそこれ以上ないほど自分たちに有利なように言うでしょうね。そうすることで、少しでも自分たちの利益になるのなら」
「……ふん」
ロルフもゴドフリーの意見に言葉に出して賛成こそしなかったが、それでも今の状況を思えば向こうがそのような真似をしてくるという可能性は否定出来ないのだろう。
不機嫌そうに鼻を鳴らすが、それは無言でゴドフリーの意見を肯定していた。
結局それ以上は誰もその件に触れることなく、話題は変わっていくのだった。
夕食が終われば、あとは自由時間となる。
見張りの役目がある者はその仕事をすることになるが、幸いアランは今日の見張りの担当ではない。
そんな訳で、特に急ぎの仕事もないアランは野営地の人があまりいない場所でカロを手にして意識を集中していた。
「出ろ、出ろ、出ろ、出ろ」
集中しながら呟くも、カロはアランの手の中で特に何も変化がないまま転がっているだけだ。
「ピ!」
集中しているアランに、応援の声を発するような余裕まである。
だが、アランはそんなカロの声も聞こえないほどに集中し、何とかゼオンの武装だけを召喚しようとしていた。
なお、現在アランが召喚しようとしているのは、ビームサーベル。
これは単純に、ビームライフルよりもビームサーベルの方が小さいからというのが理由だ。
ビームサーベルは、手に持つ部分……柄の部分だけが物質として存在しており、その柄の部分からビームの刃が伸びるといった形だ。
つまり、ゼオンが握る部分だけしかない。
それに対して、ビームライフルはライフル全てが物質として存在している。
それだけに、ビームライフルを出すとなれば、それはかなり巨大になってしまう。
頭部バルカンと腹部拡散ビーム砲は、ゼオンに内蔵している武器なので別個に召喚出来るとは思えない。
そしてゼオンの象徴とも呼ぶべき武装のフェルスは……召喚したゼオンが、さらに別空間から召喚するといったような形のために、アランにはとてもではないが自分が召喚出来るとは思えなかった。
もちろん、最終的にアランが召喚したいのはフェルスなのだが。
何しろフェルスは数が多い。
その上で自由自在に飛び回り、ビームを撃ったりビームソードを展開して敵を斬り裂いたりといったような真似も出来る。
それでいて、フェルスは長さが一メートルほどという、まさに生身での戦闘には自信のないアランにとって、これ以上ないほどの武器となる。
そんなフェルスを召喚するためにも、まずは一つずつ召喚出来るようにしていく必要があった。
それに、ビームサーベルもビームライフルほどに強力ではない以上、それなりに使い道はある。
であれば、何かあったとき……それこそガリンダミア帝国軍や獣牙衆といった敵に襲われたときには、逆転の一手となる可能性は十分にあった。
もっとも、そのビームサーベルの召喚も今のところ上手くいっていないというのが正直なところなのだが。
「ぐぬぬぬぬ……出ろ、ビームサーベル……出ろ、出ろ、出ろ……うおわぁっ!」
心核のカロに集中していたアランの口から、不意に悲鳴が上がる。
その悲鳴の理由は、いきなり首筋に冷たい何かが触れたためだ。
いや、正確にはアランは最初それが冷たい何かだというのは、全く気が付かなかった。
ただ、いきなりの変化に驚き、そうして悲鳴を上げてからようやくそれが冷たい何かだったと、そう理解したのだ。
「あまり集中しすぎてもどうかと思うわよ? 少し休んだら?」
「レオノーラ……それだと休む云々よりも驚きの方が強いんだが」
声をかけてきたレオノーラに、不満そうにそう告げる。
しかし、レオノーラはそんなアランの声に何かを感じた様子もなく、持っていたコップ……アランの首に触れさせ、驚かせたコップを渡す。
レオノーラの魔法で冷やされたのか、そこには冷たい果実水があった。
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