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ガリンダミア帝国との決着
374話
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アランとレオノーラが一夜を明かしてから数日……その後もガリンダミア帝国の領土を飛び回っては、ガリンダミア帝国軍や心核使いに襲われているレジスタンスたちを助けるといったような鼓動をしていた。
『ねえ、アラン。あれってもしかして……』
ゼオンの隣を飛ぶ黄金のドラゴンから、頭の中にそんな声が響く。
その声が意味するところは、アランにも容易に理解出来た。
何しろ、ゼオンの映像モニタにもしっかりとその光景が映し出されていたのだから。
「ああ、多分……この先にある国の部隊だろうな。イルゼンさんとの約束をあっさり無視しやがって」
忌々しそうにアランが呟いたのは、街で略奪をしている兵士たちの姿があったためだ。
この先から少し行った場所は、もうガリンダミア帝国の国境……正確には、ガリンダミア帝国の従属国となっている国の国境だった。
ガリンダミア帝国の周辺国で連合軍を結成し、一気に反撃に出た……それはいいのだが、そうして反撃に出て、その結果として従属国を守っていたガリンダミア帝国軍は、全滅したか、もしくは逃げたか。
ともあれ、そうしていなくなったところでこの従属国と国境を接していた国は、進軍したのだろう。
それはいい。
アランにとっては、寧ろそれは望むところですらあったのだから。
だが……この場合の問題は、進軍してきた軍の兵士が街で略奪を行っていることだ。
イルゼンが連合軍を結成するとき、ガリンダミア帝国本国ならともかく、従属国に対しては略奪をしないようにといったように、話をつけたはずなのだ。
少なくても、アランはイルゼンにそう聞いている。
だというのに、現在はこうしてゼオンの映像モニタにはこれ以上ないほどにしっかりと略奪の原画が映っている。
……もちろん、アランも戦場というのは知っているので、戦いで興奮した者達が略奪をしたり、女を襲ったりといったようなことをしたがるのは知っていた。
だが、それでも……イルゼンが連合軍を結成するときにした約束を、こうもあっさりと無視されるというのは、面白いものではない。
『どうするの?』
「……止める」
レオノーラの言葉が、自分を試すようなものであるというのは知っていたし、もしこれが戦場での出来事だからといって止めるような真似をしなくても、責めるといったことはしなかっただろう。
それはアランも分かっていたが、だからといってそれを許容出来るかどうかと言われれば、それはまた別の話だ。
このまま略奪を許せば、それこそ連合軍の名誉に傷がつく。
それは同時に、連合軍を結成したイルゼンにも傷がつくということを意味していた。
(まぁ、イルゼンさんなら特に気にしないかもしれないけど。戦場ではそういうのが普通だって言いそうだし。……けど、それが許容出来るかどうかと言われれば、その答えは否だ)
そうである以上、アランとしてはこの場でやるべきことは一つだけだ。
「レオノーラ、あの連中を止めるぞ」
『それはいいけど……止められると思うの? 向こうは腐っても正規軍よ?』
正規軍というのは、当然だがプライドが高い。
傭兵、冒険者、探索者……それらを見下す者が多いのも事実だ。
もちろん、中にはそのような偏見を目を持っていない者もいるが、どちらかが多いのかと言われれば、アランはこれまでの経験からして、偏見の目を持っている者の方が多いと、そう口にするだろう。
これまでの経験から考えて、それは決して間違いないではない。
ましてや、普通ですらそのような状態であるのに対し、今はガリンダミア帝国軍を破ったということで、気分が昂ぶっている。
あれだけ強力だったガリンダミア帝国軍に勝ったのだから、自分たちは何でも出来る。
そのように思い込む者がいても、おかしくはない。
そんな状況で、気分よく略奪をしているところに、心核使いとはいえ、探索者のアランに街への襲撃を止めるように言われ……それで素直に聞くか。
ふざけるなと、探索者が正規軍の自分たちに向かって命令するなと、そのよう言うだけならいい。
興奮している現状では、お互いの戦力差をしっかりと理解することも難しいだろう。
であれば、最悪の結果として相手が心核使いであっても攻撃をしてくる可能性は十分にあった。
もちろん、そのような状況になってもアランたちが負けるといったことにはならない。
そもそも、周辺諸国が次々にガリンダミア帝国によって占領されていったのは、ガリンダミア帝国軍が精鋭で数も多かったという理由があるが、それ以上に心核使いの存在が大きい。
本来なら非常に希少な心核使いだが、ガリンダミア帝国は半ば強権で国に仕えさえ、あるいは他にも何らかの手段で心核使いを増やすといった真似をした。
その結果、一人でもいれば戦局を覆すことが出来ると言われる心核使いが、複数戦いに投入されたのだ。
攻められる国も、何とか心核使いを用意することは出来るだろうが、質でも量でもガリンダミア帝国軍の心核使いには敵わない。
そんな、周辺諸国にしてみれば悪夢の象徴とでも呼ぶべき心核使いを、アランやレオノーラは数え切れないほどに倒してきた。
戦いで勝って多少興奮しているからといはいえ、そのような相手と戦ってアランは自分たちが負けるとは思わなかった。
……もっとも、それはあくまでもアランが心核使いとしてゼオンに乗っていればの話で、生身での戦いとなれば……普通の兵士が数人ならともかく、十人、二十人が相手となると厳しいだろうが。
「とにかく、行こう。あの連中を止めないと、絶対に後々面倒なことになる」
そうアランが告げると、レオノーラも特に反対はせず、略奪の起きている街に向かって降下していくのだった。
そんなゼオンと黄金のドラゴンの姿に驚いたのは、当然ながら実際に街で略奪をしていた者たち。
最初こそは略奪や暴行に集中していたのだが、気が付けば上空からゼオンと黄金のドラゴンが降下してきていたのだから、驚くなという方が無理だ。
いくら略奪や暴行に酔っていたとはいえ、その中には何らかの理由で空を見上げるといった者も間違いなくいる。
そのような者たちが最初にゼオンと黄金のドラゴンの姿を発見し……それでも、声を上げない者も多かった。
何しろ、降下してくるのはゼオンと黄金のドラゴン……この世界の者にしてみれば、とてもではないが信じられない代物だ。
ゼオンは空を飛ぶ巨大なゴーレムと認識され、黄金のドラゴンにいたっては、ドラゴンというこの世界においても最強種の一つである存在……それも太陽の光がそのまま形になったかのような、黄金のドラゴンなのだから、驚くなという方が無理だった。
それでも、上を見たまま動きを止めた者の姿に気が付いた他の者が、どうした? といった様子で視線を空に向け……多くの者が唖然とするのは、止められなかった。
そんな風に驚き、唖然としている者のうち、今回の戦い……連合軍や内部でのレジスタンスの一斉蜂起について多少なりとも事情を知っている者にしてみれば、それは別の意味を持つ。
「何で……あの心核使いたちがこんな場所に……?」
そう呟いたのは、略奪をしている軍を率いている指揮官。
何故アランたちがこのような場所にいるのか、全く理解出来ないといった様子で呟く。
幸か不幸か、その指揮官の言葉は周囲にいる者たちの耳に届いた様子はなかった。
いや、正確には届いているのかもしれないが、いきなり姿を現した予想外の相手に度肝を抜かれており、とてもではないが指揮官の声を認識出来なかったというのが正しい。
そんな中、街の上空で動きを止めたゼオンと黄金のドラゴンは、そのまま街の中でも公園となっている場所に向かって降りてくる。
そこでは連れ込まれた女たちが服を破かれ乱暴されていたり、男が殴る蹴るといったような暴行を受けていたりといった真似をされていたのだが、そのような者たちも当然ながらいきなり姿を現したゼオンと黄金のドラゴンにそれ以上の暴行をやめ、驚きの表情で動きが止まっていた。
『何をしている!』
と、そんな中で不意にゼオンから周囲一帯に響き渡るような声が放たれた。
外部スピーカーにより、コックピットの内部にいるアランの声が放たれたのだが、ゼオンについて何も知らない者たちにしてみれば、アランではなくゼオンそのものが声を発したといったように思ってもおかしくはない。
ゼオン正体を知らない多くの者が、突然声を発したゼオンから逃げるように距離を取る。
……心核使いが変身したモンスターであれば、その多くが人間の言葉を喋ることが出来るのだが、この街にいる兵士たちはそれを知らないのか、それとも単純に空を飛ぶゴーレムといった様子のゼオンには常識が通じないと判断したのか。
あるいは、それ以外でもレオノーラが変身した黄金のドラゴンを見れば心核使いだと考える者がいてもおかしくはないのだが、生憎と今の混乱している状況でその辺に考えが及ぶ者は少ない。
そんな中、その数少ない事情を理解出来ている人物……この軍を指揮している五十代ほどの男が姿を現す。
「そちらは、雲海と黄金の薔薇の心核使いか!」
自分が驚き、怯えているのを知られないようするためだろう。
軍の指揮官は、お互いの間に存在する圧倒的な戦力差を理解しつつも、高圧的に尋ねる。
相手のそんな態度は、当然だがアランも気が付いた。
気が付いたが、現在の状況を思えばそういう態度を取るしかないというのも理解出来る。
何しろ、今回の件は本来なら明確に罰せられることなのだから。
イルゼンが連合軍を結成する上で手回しをしたとき、ガリンダミア帝国の領土にある村や街ならともかく、従属国では決して略奪をしないことになっていたのだ。
だというのに、この軍は略奪をしている。
この件が知られれば、この国――アランは具体的にどこの国の軍なのかは分からないが――が周辺諸国から責められ、信用を落とすことになるのは間違いない。
国同士の約束をこうもあっさりと破るのだから、周辺諸国から信頼されるはずもない。
今後、何かを約束したとしても、その国は約束を守るとは限らないのだから。
そんな風に思いつつ、アランは迷い……やがて、口を開くのだった。
『ねえ、アラン。あれってもしかして……』
ゼオンの隣を飛ぶ黄金のドラゴンから、頭の中にそんな声が響く。
その声が意味するところは、アランにも容易に理解出来た。
何しろ、ゼオンの映像モニタにもしっかりとその光景が映し出されていたのだから。
「ああ、多分……この先にある国の部隊だろうな。イルゼンさんとの約束をあっさり無視しやがって」
忌々しそうにアランが呟いたのは、街で略奪をしている兵士たちの姿があったためだ。
この先から少し行った場所は、もうガリンダミア帝国の国境……正確には、ガリンダミア帝国の従属国となっている国の国境だった。
ガリンダミア帝国の周辺国で連合軍を結成し、一気に反撃に出た……それはいいのだが、そうして反撃に出て、その結果として従属国を守っていたガリンダミア帝国軍は、全滅したか、もしくは逃げたか。
ともあれ、そうしていなくなったところでこの従属国と国境を接していた国は、進軍したのだろう。
それはいい。
アランにとっては、寧ろそれは望むところですらあったのだから。
だが……この場合の問題は、進軍してきた軍の兵士が街で略奪を行っていることだ。
イルゼンが連合軍を結成するとき、ガリンダミア帝国本国ならともかく、従属国に対しては略奪をしないようにといったように、話をつけたはずなのだ。
少なくても、アランはイルゼンにそう聞いている。
だというのに、現在はこうしてゼオンの映像モニタにはこれ以上ないほどにしっかりと略奪の原画が映っている。
……もちろん、アランも戦場というのは知っているので、戦いで興奮した者達が略奪をしたり、女を襲ったりといったようなことをしたがるのは知っていた。
だが、それでも……イルゼンが連合軍を結成するときにした約束を、こうもあっさりと無視されるというのは、面白いものではない。
『どうするの?』
「……止める」
レオノーラの言葉が、自分を試すようなものであるというのは知っていたし、もしこれが戦場での出来事だからといって止めるような真似をしなくても、責めるといったことはしなかっただろう。
それはアランも分かっていたが、だからといってそれを許容出来るかどうかと言われれば、それはまた別の話だ。
このまま略奪を許せば、それこそ連合軍の名誉に傷がつく。
それは同時に、連合軍を結成したイルゼンにも傷がつくということを意味していた。
(まぁ、イルゼンさんなら特に気にしないかもしれないけど。戦場ではそういうのが普通だって言いそうだし。……けど、それが許容出来るかどうかと言われれば、その答えは否だ)
そうである以上、アランとしてはこの場でやるべきことは一つだけだ。
「レオノーラ、あの連中を止めるぞ」
『それはいいけど……止められると思うの? 向こうは腐っても正規軍よ?』
正規軍というのは、当然だがプライドが高い。
傭兵、冒険者、探索者……それらを見下す者が多いのも事実だ。
もちろん、中にはそのような偏見を目を持っていない者もいるが、どちらかが多いのかと言われれば、アランはこれまでの経験からして、偏見の目を持っている者の方が多いと、そう口にするだろう。
これまでの経験から考えて、それは決して間違いないではない。
ましてや、普通ですらそのような状態であるのに対し、今はガリンダミア帝国軍を破ったということで、気分が昂ぶっている。
あれだけ強力だったガリンダミア帝国軍に勝ったのだから、自分たちは何でも出来る。
そのように思い込む者がいても、おかしくはない。
そんな状況で、気分よく略奪をしているところに、心核使いとはいえ、探索者のアランに街への襲撃を止めるように言われ……それで素直に聞くか。
ふざけるなと、探索者が正規軍の自分たちに向かって命令するなと、そのよう言うだけならいい。
興奮している現状では、お互いの戦力差をしっかりと理解することも難しいだろう。
であれば、最悪の結果として相手が心核使いであっても攻撃をしてくる可能性は十分にあった。
もちろん、そのような状況になってもアランたちが負けるといったことにはならない。
そもそも、周辺諸国が次々にガリンダミア帝国によって占領されていったのは、ガリンダミア帝国軍が精鋭で数も多かったという理由があるが、それ以上に心核使いの存在が大きい。
本来なら非常に希少な心核使いだが、ガリンダミア帝国は半ば強権で国に仕えさえ、あるいは他にも何らかの手段で心核使いを増やすといった真似をした。
その結果、一人でもいれば戦局を覆すことが出来ると言われる心核使いが、複数戦いに投入されたのだ。
攻められる国も、何とか心核使いを用意することは出来るだろうが、質でも量でもガリンダミア帝国軍の心核使いには敵わない。
そんな、周辺諸国にしてみれば悪夢の象徴とでも呼ぶべき心核使いを、アランやレオノーラは数え切れないほどに倒してきた。
戦いで勝って多少興奮しているからといはいえ、そのような相手と戦ってアランは自分たちが負けるとは思わなかった。
……もっとも、それはあくまでもアランが心核使いとしてゼオンに乗っていればの話で、生身での戦いとなれば……普通の兵士が数人ならともかく、十人、二十人が相手となると厳しいだろうが。
「とにかく、行こう。あの連中を止めないと、絶対に後々面倒なことになる」
そうアランが告げると、レオノーラも特に反対はせず、略奪の起きている街に向かって降下していくのだった。
そんなゼオンと黄金のドラゴンの姿に驚いたのは、当然ながら実際に街で略奪をしていた者たち。
最初こそは略奪や暴行に集中していたのだが、気が付けば上空からゼオンと黄金のドラゴンが降下してきていたのだから、驚くなという方が無理だ。
いくら略奪や暴行に酔っていたとはいえ、その中には何らかの理由で空を見上げるといった者も間違いなくいる。
そのような者たちが最初にゼオンと黄金のドラゴンの姿を発見し……それでも、声を上げない者も多かった。
何しろ、降下してくるのはゼオンと黄金のドラゴン……この世界の者にしてみれば、とてもではないが信じられない代物だ。
ゼオンは空を飛ぶ巨大なゴーレムと認識され、黄金のドラゴンにいたっては、ドラゴンというこの世界においても最強種の一つである存在……それも太陽の光がそのまま形になったかのような、黄金のドラゴンなのだから、驚くなという方が無理だった。
それでも、上を見たまま動きを止めた者の姿に気が付いた他の者が、どうした? といった様子で視線を空に向け……多くの者が唖然とするのは、止められなかった。
そんな風に驚き、唖然としている者のうち、今回の戦い……連合軍や内部でのレジスタンスの一斉蜂起について多少なりとも事情を知っている者にしてみれば、それは別の意味を持つ。
「何で……あの心核使いたちがこんな場所に……?」
そう呟いたのは、略奪をしている軍を率いている指揮官。
何故アランたちがこのような場所にいるのか、全く理解出来ないといった様子で呟く。
幸か不幸か、その指揮官の言葉は周囲にいる者たちの耳に届いた様子はなかった。
いや、正確には届いているのかもしれないが、いきなり姿を現した予想外の相手に度肝を抜かれており、とてもではないが指揮官の声を認識出来なかったというのが正しい。
そんな中、街の上空で動きを止めたゼオンと黄金のドラゴンは、そのまま街の中でも公園となっている場所に向かって降りてくる。
そこでは連れ込まれた女たちが服を破かれ乱暴されていたり、男が殴る蹴るといったような暴行を受けていたりといった真似をされていたのだが、そのような者たちも当然ながらいきなり姿を現したゼオンと黄金のドラゴンにそれ以上の暴行をやめ、驚きの表情で動きが止まっていた。
『何をしている!』
と、そんな中で不意にゼオンから周囲一帯に響き渡るような声が放たれた。
外部スピーカーにより、コックピットの内部にいるアランの声が放たれたのだが、ゼオンについて何も知らない者たちにしてみれば、アランではなくゼオンそのものが声を発したといったように思ってもおかしくはない。
ゼオン正体を知らない多くの者が、突然声を発したゼオンから逃げるように距離を取る。
……心核使いが変身したモンスターであれば、その多くが人間の言葉を喋ることが出来るのだが、この街にいる兵士たちはそれを知らないのか、それとも単純に空を飛ぶゴーレムといった様子のゼオンには常識が通じないと判断したのか。
あるいは、それ以外でもレオノーラが変身した黄金のドラゴンを見れば心核使いだと考える者がいてもおかしくはないのだが、生憎と今の混乱している状況でその辺に考えが及ぶ者は少ない。
そんな中、その数少ない事情を理解出来ている人物……この軍を指揮している五十代ほどの男が姿を現す。
「そちらは、雲海と黄金の薔薇の心核使いか!」
自分が驚き、怯えているのを知られないようするためだろう。
軍の指揮官は、お互いの間に存在する圧倒的な戦力差を理解しつつも、高圧的に尋ねる。
相手のそんな態度は、当然だがアランも気が付いた。
気が付いたが、現在の状況を思えばそういう態度を取るしかないというのも理解出来る。
何しろ、今回の件は本来なら明確に罰せられることなのだから。
イルゼンが連合軍を結成する上で手回しをしたとき、ガリンダミア帝国の領土にある村や街ならともかく、従属国では決して略奪をしないことになっていたのだ。
だというのに、この軍は略奪をしている。
この件が知られれば、この国――アランは具体的にどこの国の軍なのかは分からないが――が周辺諸国から責められ、信用を落とすことになるのは間違いない。
国同士の約束をこうもあっさりと破るのだから、周辺諸国から信頼されるはずもない。
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