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ガリンダミア帝国との決着
397話
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「うわああああああああああっ!」
夜の闇に、不意にそのような大きな声が……悲鳴が響き渡る。
野営をしている陣地の中だけに、その悲鳴はかなりの場所まで響き渡った。
ましてや、明日はガリンダミア帝国軍との全面対決……いや、最終対決が行われるということもあり、緊張や興奮で十分に眠れない者も多数いる。
そんな者たちにしてみれば、不意に周囲に響き渡った今の声に過敏に反応するなという方が無理だった。
「何だ! 何があった!」
「知るか! 何があったのかは分からねえが、今の悲鳴はただごとじゃねえぞ!」
「夜襲だ、ガリンダミア帝国軍の夜襲だ!」
「違う、ガリンダミア帝国軍に裏切ったレジスタンスがいるぞ! 注意しろ、隣にいるレジスタンスは、裏切り者かもしれないぞ!」
「ガリンダミア帝国の周辺国で結成された連合軍が俺たちを攻撃してきた! 気をつけろ!」
野営地の中に流れる、そんな叫び。
その叫びの多くは、レジスタンス連合にとって不利なものだった。
元々レジスタンスの中には、気の荒い者も多い。
そのような者たちは、レジスタンス連合の中にガリンダミア帝国に通じている裏切り者がいるという話を聞き、そこれこそ普段から気にくわないと思っている相手を疑い、殺し合いをしているような者たちもいた。
「やばいな、これは」
「ピ!」
テントから出たアランは、野営地にいる者の多くが混乱をしているのに気が付く。
誰がこのような真似をしたのかと言われれば、アランに気が付くのは当然ながらガリンダミア帝国軍しかいない。
帝都が見えるが、それでもかなり離れた場所で野営を行い、当然ながら見張りもしっかりと立てていた。
だというのに、いつの間にかこうして野営地の仲に侵入され、思う存分破壊工作を行われているのだ。
正直なとろ、アランにとってこれは完全に予想外だった
そもそも、このような混乱になった場合、ガリンダミア帝国軍にとって何が何でも捕らえるように命令されているだろうアランも、場合によってはその混乱の中で死んでしまいかねない。
そのような事情を思えば、アランとしてはガリンダミア帝国軍がそのような策を行うというのは完全に予想外だった。
それでも念のためにと見張りがいた訳だが。
「もしかして、俺を捕らえるじゃなくて殺すことにしたのか?」
そのような方針転換をしたと言われて、アランとしては納得出来てしまう。
今までアランを捕らえようとして、ガリンダミア帝国軍が受けた被害はかなりのものになる。
ガリンダミア帝国軍がアランに対し、具体的にどのような価値を見出しているのかというのは分からない。
分からないが、それでも場合によってはこれ以上は捕らえてもガリンダミア帝国の被害が大きすぎて、利益にならないと思ってもおかしくはなかった。
(ましてや、俺の場合は心核使い特化だしな)
もちろん、それはあくまでも探索者……それも雲海や黄金の薔薇に所属する探索者と比較しての話で、レジスタンス連合に所属するレジスタンスと比較した場合、アランは十分強者に入る。
……それでもレジタンスの中には、たまにとてつもなく強い者もおり、そのような者たちを相手にした場合、アランも苦戦するか、もしくは負けてしまう可能性が高いのだが。
「とにかく、今は……」
誰が腕の立つ者の側にいた方がいいだろう。
そう考え、仲間と合流しようとしてのだが……そんなアランの行動は、一歩遅かった。
「我らと来て貰おう」
そんな言葉と共に、三人の黒装束の人影がアランの前に姿を現す。
目の前の三人を見たアランは、やっぱり……という思いが強い。
こうして目の前にいる状況である以上、この男たち――体格から男だと判断した――はガリンダミア帝国の中でも破壊工作や敵地に潜入をしたりといったような、裏の存在だろう。
アランの前に姿を現したのは三人だけだったが、当然陣地の中には他にも多数潜んでいるはずだった。
いや、それどころか自分の前にいる三人以外にも、どこかで自分を狙っているような敵がいるというのは、アランにとっても容易に想像出来てしまう。
それだけに、この状況はかなり厳しいことになっているのは予想出来た。
「ビッシュの手の者か?」
今は少しでも時間を稼いで、仲間が来るのを待つべきだ。
そう判断したアランは、あえてここでビッシュの名前を出す。
ビッシュがガリンダミア帝国において、どのような存在なのかはアランにも分からない。
それでも外見通りの子供でないというのだけは、十分に理解出来た。
そして……事実、アランの前に立った三人の男たちは、ビッシュの名前を出したアランに驚愕し、中には自分でも知らないうちには数歩後退っている者すらいる。
そのような相手を見れば、やはりビッシュという存在に疑問を抱く。
(この隙にゼオンを……いや、駄目だな)
ゼオンを召喚するためにカロを使っても、瞬時にゼオンが召喚される訳ではない。
どうしても少しタイムラグが生まれてしまう。
そうである以上、もしここでアランがゼオンを召喚しようとした場合、黒装束の三人は間違いなくゼオンが召喚されるよりも前にアランを捕らえるといった真似をするだろう。
(一緒に来て貰うといったようなことを言ってる以上、殺すといった真似はしないだろうが……それでも、最悪の状況になればどうなるか分からないしな)
そんな相手で自分の状況を考えると、目の前の男たちに連れていかれる訳にはいかない。
「この夜襲もお前たちの仕事か。ガリンダミア帝国ともあろう者が、随分とみみっちい真似をするんだな」
そうアランが言ったのは、話をして少しでも時間を稼ぐといった目的があった。
ここで自分が捕まる訳にはいかない。
そして戦いを行うといった真似をした場合は、自分が勝てるかどうかは難しい。
そうである以上、今は少しでも時間を稼ぐ必要があるのは間違いない。
「そうか。では、行くぞ。準備はいいな?」
アランの言葉は全く気にした様子もなく、このままアランを連れていくというのを前提としたように口を開く。
そんな相手に、アランは時間稼ぎをするのは難しいと、そのように思ってしまう。
(どうする?)
長剣の鞘に手を伸ばし、いつでも相手に対処出来るように準備をし……そして、次の瞬間聞こえてきた声に安堵する。
「アラン、無事だったみたいだな」
その声が聞こえた瞬間、黒装束の男の一人が反射的に声の聞こえてきた方に向かって短剣を投擲する。
声を聞いて敵だと判断して攻撃した……訳ではなく、半ば反射的な行動。
その行動は決して間違っていない。
間違ってはいないのだが、声の主に対しては明らかに生温いと表現してもいいような、そんな対応だった。
とはいえ、もし声をかけてきた相手が普通の相手なら、十分に今の攻撃で殺すことが出来ただろう。
だが……放たれた短剣はあっさりと防がれる。
それも回避したり防いだり、もしくは武器で弾いたりといったような真似ではなく、自分に向かって飛んできた短剣を手で掴み取るといったような真似をして。
普通に考えれば、投擲された短剣を手で掴むというのは悪手でしかない。
そもそもそのような真似をするのに非常に高い技量が必要になるし、刀剣に毒が塗られていた場合、それは致命傷になりかねない。
にもかかわらずそのような真似をしたのは、そうしてもどうにでもなると、そう思っていたからだろう。
「誰だ!」
アランの前にいた黒装束の男が、動揺を隠しながらそう叫ぶ。
今の状況において、強敵が自分の前に姿を現したのは決して許容出来ることではない。
「誰と言われてもな。そっちこそ誰なんだ? まぁ、野営地の状況を思えば、敵なのは間違いないだろうけど」
黒装束の男に向けて告げる男……ロッコーモは、呆れた様子を見せる。
手にしているのは、オーガに変身した時に使うのよりは小さいが、棍棒。
片手で棍棒を手にしており、もう片方の手で短剣を掴んだ辺り、ロッコーモの実力を示していた。
「イルゼンさんから、アランが狙われるかもしれないって話を聞いていたから、まさかと思ってたが……どうやら、正解だったようだな」
「……やれ!」
黒装束の男の一人が叫ぶと、他の二人と、そして周囲に気配を殺して潜んでいた者達が行動を起こす。
それぞれ武器を手に、ロッコーモに攻撃を仕掛けたのだ。
このような状況で投入されるだけに、当然ながら黒装束達は皆が腕の立つ者達だ。
その辺の相手を前にしてみれば、倒すのは難しくない。
しかし、その相手がロッコーモであるというのは、黒装束達にとって圧倒的な不運だった。
黒装束達とロッコーモの戦いは、それこそ一分とかからずに戦いは終了する。
ロッコーモの振るう棍棒は、武器としては決して優れたものではない。
しかし、その棍棒は黒装束達を瞬く間に叩きのめす。
ロッコーモの実力が、それだけ黒装束達を上回っているということを示していた。
「な……馬鹿な……」
唯一残った黒装束の男は、自分の目の前に広がっている光景が信じられないといった様子を見せる。
(今だ!)
黒装束が驚きの声を発したその瞬間、アランにとっては絶好の好機。
鞘から引き抜いた長剣で黒装束に斬りつける。
「っ!?」
黒装束の男はそんなアランの行動に素早く反応したものの、それでも長剣の一撃を完全に回避するのは不可能だった。
黒装束の男は身体を斬り裂かれ、激しく血を流す。
そのような傷を負いつつも、黒装束の男はその場から跳び退り、アランやロッコーモと距離を取る。
かなりの重傷にも関わらず、このような真似が出来る辺り、精鋭と呼ぶのに相応しい人物なのは間違いないだろう。
「くっ!」
この時点で黒装束は自分の任務が失敗したと判断したのか、アランの存在に未練を残した様子もなく、即座にその場から逃げ出す。
アランの一撃によって身体に大きなダメージを負っているにもかかわらず、走る速度は速い。
万全の状態に比べれば速度は劣るが、それでも重傷とは思えないような速度だった。
黒装束たちにしてみれば、レジスタンス連合への夜襲は成功しているので、最低限の仕事は果たした……と、そういうことだったのだろう。
夜の闇に、不意にそのような大きな声が……悲鳴が響き渡る。
野営をしている陣地の中だけに、その悲鳴はかなりの場所まで響き渡った。
ましてや、明日はガリンダミア帝国軍との全面対決……いや、最終対決が行われるということもあり、緊張や興奮で十分に眠れない者も多数いる。
そんな者たちにしてみれば、不意に周囲に響き渡った今の声に過敏に反応するなという方が無理だった。
「何だ! 何があった!」
「知るか! 何があったのかは分からねえが、今の悲鳴はただごとじゃねえぞ!」
「夜襲だ、ガリンダミア帝国軍の夜襲だ!」
「違う、ガリンダミア帝国軍に裏切ったレジスタンスがいるぞ! 注意しろ、隣にいるレジスタンスは、裏切り者かもしれないぞ!」
「ガリンダミア帝国の周辺国で結成された連合軍が俺たちを攻撃してきた! 気をつけろ!」
野営地の中に流れる、そんな叫び。
その叫びの多くは、レジスタンス連合にとって不利なものだった。
元々レジスタンスの中には、気の荒い者も多い。
そのような者たちは、レジスタンス連合の中にガリンダミア帝国に通じている裏切り者がいるという話を聞き、そこれこそ普段から気にくわないと思っている相手を疑い、殺し合いをしているような者たちもいた。
「やばいな、これは」
「ピ!」
テントから出たアランは、野営地にいる者の多くが混乱をしているのに気が付く。
誰がこのような真似をしたのかと言われれば、アランに気が付くのは当然ながらガリンダミア帝国軍しかいない。
帝都が見えるが、それでもかなり離れた場所で野営を行い、当然ながら見張りもしっかりと立てていた。
だというのに、いつの間にかこうして野営地の仲に侵入され、思う存分破壊工作を行われているのだ。
正直なとろ、アランにとってこれは完全に予想外だった
そもそも、このような混乱になった場合、ガリンダミア帝国軍にとって何が何でも捕らえるように命令されているだろうアランも、場合によってはその混乱の中で死んでしまいかねない。
そのような事情を思えば、アランとしてはガリンダミア帝国軍がそのような策を行うというのは完全に予想外だった。
それでも念のためにと見張りがいた訳だが。
「もしかして、俺を捕らえるじゃなくて殺すことにしたのか?」
そのような方針転換をしたと言われて、アランとしては納得出来てしまう。
今までアランを捕らえようとして、ガリンダミア帝国軍が受けた被害はかなりのものになる。
ガリンダミア帝国軍がアランに対し、具体的にどのような価値を見出しているのかというのは分からない。
分からないが、それでも場合によってはこれ以上は捕らえてもガリンダミア帝国の被害が大きすぎて、利益にならないと思ってもおかしくはなかった。
(ましてや、俺の場合は心核使い特化だしな)
もちろん、それはあくまでも探索者……それも雲海や黄金の薔薇に所属する探索者と比較しての話で、レジスタンス連合に所属するレジスタンスと比較した場合、アランは十分強者に入る。
……それでもレジタンスの中には、たまにとてつもなく強い者もおり、そのような者たちを相手にした場合、アランも苦戦するか、もしくは負けてしまう可能性が高いのだが。
「とにかく、今は……」
誰が腕の立つ者の側にいた方がいいだろう。
そう考え、仲間と合流しようとしてのだが……そんなアランの行動は、一歩遅かった。
「我らと来て貰おう」
そんな言葉と共に、三人の黒装束の人影がアランの前に姿を現す。
目の前の三人を見たアランは、やっぱり……という思いが強い。
こうして目の前にいる状況である以上、この男たち――体格から男だと判断した――はガリンダミア帝国の中でも破壊工作や敵地に潜入をしたりといったような、裏の存在だろう。
アランの前に姿を現したのは三人だけだったが、当然陣地の中には他にも多数潜んでいるはずだった。
いや、それどころか自分の前にいる三人以外にも、どこかで自分を狙っているような敵がいるというのは、アランにとっても容易に想像出来てしまう。
それだけに、この状況はかなり厳しいことになっているのは予想出来た。
「ビッシュの手の者か?」
今は少しでも時間を稼いで、仲間が来るのを待つべきだ。
そう判断したアランは、あえてここでビッシュの名前を出す。
ビッシュがガリンダミア帝国において、どのような存在なのかはアランにも分からない。
それでも外見通りの子供でないというのだけは、十分に理解出来た。
そして……事実、アランの前に立った三人の男たちは、ビッシュの名前を出したアランに驚愕し、中には自分でも知らないうちには数歩後退っている者すらいる。
そのような相手を見れば、やはりビッシュという存在に疑問を抱く。
(この隙にゼオンを……いや、駄目だな)
ゼオンを召喚するためにカロを使っても、瞬時にゼオンが召喚される訳ではない。
どうしても少しタイムラグが生まれてしまう。
そうである以上、もしここでアランがゼオンを召喚しようとした場合、黒装束の三人は間違いなくゼオンが召喚されるよりも前にアランを捕らえるといった真似をするだろう。
(一緒に来て貰うといったようなことを言ってる以上、殺すといった真似はしないだろうが……それでも、最悪の状況になればどうなるか分からないしな)
そんな相手で自分の状況を考えると、目の前の男たちに連れていかれる訳にはいかない。
「この夜襲もお前たちの仕事か。ガリンダミア帝国ともあろう者が、随分とみみっちい真似をするんだな」
そうアランが言ったのは、話をして少しでも時間を稼ぐといった目的があった。
ここで自分が捕まる訳にはいかない。
そして戦いを行うといった真似をした場合は、自分が勝てるかどうかは難しい。
そうである以上、今は少しでも時間を稼ぐ必要があるのは間違いない。
「そうか。では、行くぞ。準備はいいな?」
アランの言葉は全く気にした様子もなく、このままアランを連れていくというのを前提としたように口を開く。
そんな相手に、アランは時間稼ぎをするのは難しいと、そのように思ってしまう。
(どうする?)
長剣の鞘に手を伸ばし、いつでも相手に対処出来るように準備をし……そして、次の瞬間聞こえてきた声に安堵する。
「アラン、無事だったみたいだな」
その声が聞こえた瞬間、黒装束の男の一人が反射的に声の聞こえてきた方に向かって短剣を投擲する。
声を聞いて敵だと判断して攻撃した……訳ではなく、半ば反射的な行動。
その行動は決して間違っていない。
間違ってはいないのだが、声の主に対しては明らかに生温いと表現してもいいような、そんな対応だった。
とはいえ、もし声をかけてきた相手が普通の相手なら、十分に今の攻撃で殺すことが出来ただろう。
だが……放たれた短剣はあっさりと防がれる。
それも回避したり防いだり、もしくは武器で弾いたりといったような真似ではなく、自分に向かって飛んできた短剣を手で掴み取るといったような真似をして。
普通に考えれば、投擲された短剣を手で掴むというのは悪手でしかない。
そもそもそのような真似をするのに非常に高い技量が必要になるし、刀剣に毒が塗られていた場合、それは致命傷になりかねない。
にもかかわらずそのような真似をしたのは、そうしてもどうにでもなると、そう思っていたからだろう。
「誰だ!」
アランの前にいた黒装束の男が、動揺を隠しながらそう叫ぶ。
今の状況において、強敵が自分の前に姿を現したのは決して許容出来ることではない。
「誰と言われてもな。そっちこそ誰なんだ? まぁ、野営地の状況を思えば、敵なのは間違いないだろうけど」
黒装束の男に向けて告げる男……ロッコーモは、呆れた様子を見せる。
手にしているのは、オーガに変身した時に使うのよりは小さいが、棍棒。
片手で棍棒を手にしており、もう片方の手で短剣を掴んだ辺り、ロッコーモの実力を示していた。
「イルゼンさんから、アランが狙われるかもしれないって話を聞いていたから、まさかと思ってたが……どうやら、正解だったようだな」
「……やれ!」
黒装束の男の一人が叫ぶと、他の二人と、そして周囲に気配を殺して潜んでいた者達が行動を起こす。
それぞれ武器を手に、ロッコーモに攻撃を仕掛けたのだ。
このような状況で投入されるだけに、当然ながら黒装束達は皆が腕の立つ者達だ。
その辺の相手を前にしてみれば、倒すのは難しくない。
しかし、その相手がロッコーモであるというのは、黒装束達にとって圧倒的な不運だった。
黒装束達とロッコーモの戦いは、それこそ一分とかからずに戦いは終了する。
ロッコーモの振るう棍棒は、武器としては決して優れたものではない。
しかし、その棍棒は黒装束達を瞬く間に叩きのめす。
ロッコーモの実力が、それだけ黒装束達を上回っているということを示していた。
「な……馬鹿な……」
唯一残った黒装束の男は、自分の目の前に広がっている光景が信じられないといった様子を見せる。
(今だ!)
黒装束が驚きの声を発したその瞬間、アランにとっては絶好の好機。
鞘から引き抜いた長剣で黒装束に斬りつける。
「っ!?」
黒装束の男はそんなアランの行動に素早く反応したものの、それでも長剣の一撃を完全に回避するのは不可能だった。
黒装束の男は身体を斬り裂かれ、激しく血を流す。
そのような傷を負いつつも、黒装束の男はその場から跳び退り、アランやロッコーモと距離を取る。
かなりの重傷にも関わらず、このような真似が出来る辺り、精鋭と呼ぶのに相応しい人物なのは間違いないだろう。
「くっ!」
この時点で黒装束は自分の任務が失敗したと判断したのか、アランの存在に未練を残した様子もなく、即座にその場から逃げ出す。
アランの一撃によって身体に大きなダメージを負っているにもかかわらず、走る速度は速い。
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