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ガリンダミア帝国との決着
407話
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ドクン、と。
その瞬間空間そのものが震動したような音が……いや、衝撃が戦場にいる全員の耳に入る。
しかし、そんな奇妙な現象に疑問を持ったのは、レジスタンス連合の者達だけだった。
何故なら……
「ぎゃあああああああ!」
「うがあああああああああ!」
「いやああああああああ!」
戦場の、いたる場所でそのような悲鳴が上がったためだ。
そして悲鳴を上げているのは、全員がガリンダミア帝国軍の兵士たち。
老若男女関係なく、純粋にガリンダミア帝国軍の兵士たちだけが絶叫と呼ぶべき悲鳴を上げていた。
それだけではなく、悲鳴を上げている者の身体から目で見えるような何かが立ち上がっており、それがガリンダミア帝国の帝都の方に向かって流れていく。
レジスタンス連合の者たちにしてみれば、一体何があったのかと、そう戸惑ってしまうのは当然の話だろう。
ガリンダミア帝国に対して強い敵意な憎悪を抱いているレジスタンス連合の者たちが、突然苦しみ始めた目の前の敵に攻撃をするのを躊躇ってしまうくらい、驚いていた。
……それでも何人かは苦しんでいる敵を殺すといったような真似をしたのは、それだけ憎んでいるという証だったのだろう。
当然ながら、苦しんでいた何らかの力を吸い取られていたのは、普通の兵士だけではない。
心核使いとしては弱いと言われていた、量産型の心核を使って変身した心核使いたち。
そのような心核使いたちもまた、他の兵士たち同様に……いや、明らかに兵士たち以上に苦悶の表情を浮かべたまま、地面に蹲り、もしくは倒れ込んですらいた。
「これは、一体何があったんだ?」
そう呟いたのは、ゼオンに乗っているアラン。
つい先程までは、空を飛ぶモンスターを相手に戦っていた。
だが、気が付けば空間そのものが震動するかのような、そんな感覚と共に、空を飛んでいたモンスターはその全てが地上に向かって降下していった。……いや、この場合は降下などではなく落下と表現すべきだろう。
ゼオンの攻撃でそのようなことになったのなら、アランも目の前の光景をそこまで気にするようなことはなかっただろう。
だが、違う。
アランが特に何かをした訳でもないのに、勝手に敵が地上に落下していっているのだ。
アランにも現在何が起きているのかは、全く分からない。
(どうする? 取りあえず地上に向かって落下していた連中を倒すか? いや、けどそれはな。……そもそも倒す云々以前に、もう全員死んでないか?)
人というのは、それこそ数メートル単位の高度から落ちた場合であっても、運が悪ければ死ぬ。
もちろん、それはあくまでも運が悪ければの話ではあるが。
しかし、今は違う。
ゼオンが飛んでいるのは、高度数十メートルといったような場所だ。
当然だが、そのような高度から落ちて無事ですむはずがない。
……それでも変身しているモンスターの種類によっては、地上に落ちた衝撃でダメージを受けつつも、まだ動いている者がいる。
とはいえ、それはあくまでも動いてるだけであって、大きなダメージを受けているのは間違いない。
このまま時間が経過すれば、間違いなく死んでしまうだろう。
であれば、ここで無理に手を出すといった必要はないと判断してもおかしくはない。
そして何よりも、現在のアランにとってもっと興味を惹かれる……あるいは注意をするべき現象は他にもあった。
地面に落下した心核使いのモンスターたちから立ち上っている何かが、空を飛んで帝都の方に向かっているのだ。
それが実際にどのような意味を持つのか、アランには分からない。分からないが、それでも今の状況を思えば、それがレジスタンス連合にとっていいことであるのは間違いない。
「とはいえ、だからといってここでどう行動するのが最善なんだ?」
今この状況で一体どう行動するのが最善なのか。
そう考え……そして考えている間にも、倒れているガリンダミア帝国軍の兵士や心核使いたちから何かが絞りとられては帝都のある方に向かって伸びていく。
「うげ」
アランの口からそんな声が漏れたのは、地面に倒れている兵士の一人を映像モニタで確認して見たためだ。
そこに表示されているのは、恐らく男。
恐らくという表現になったのは、その男の顔が骨と皮だけになっていたためだ。
顔だけではなく、鎧の隙間から見える手足も顔同様に骨と皮になってる。
それは、魔力や体力といったものではなく……いや、あるいはそれら全てを合わせた、生命力とでも呼ぶべき能力が吸い取られたかのような、そんな様子だった。
気になって他に倒れている者を映像モニタで確認してみるが、状況は様々だ。
アランが最初に見たように、すでに死んでいるのではないかと思えるような骨と皮だけの者もいれば、中には顔色は悪いがまだ普通の状態の者もいる。
「この違いは何だ? ……保持している生命力の違いとか?」
ゲーム的に考えれば、HPやMPの所持量の違いが、吸収された生命力によってこのようなことになっているのは? そんな風にアランは考える。
現実をゲームとして考えるのはどうかと思わないでもなかったが、剣と魔法のファンタジー世界、しかもそこには何故か自分だけが使えるゼオンという人型機砲兵器があるのだから、ある意味でゲーム的と表現しても決して間違ってはいないだろう。
とはいえ、これはあくまでもアランがそうなっているのではないかと、そう予想しているだけであり、実際に起きている現象が全く違う可能性も否定は出来ない。
「そうなると、やっぱりあの生命力が伸びている場所に攻撃をすればいいのか?」
ドクン。
アランがこれからどうするべきかを考えていると、再び空間が振動する。
その振動は、明らかに地面に倒れている者たちから吸収されているのだろう生命力が関係しているとは思うのだが、しかし、その振動が何を意味しているのかは分からない。
そう思っていると、後方から馬に乗って全速力で走ってくる何者かの姿を発見する。
「イルゼンさん?」
そう、それは間違いなく雲海を率いる者にして、レジスタンス連合を生み出した立役者たる、イルゼンだった。
イルゼンは実力こそあるものの、基本的に前線に出て来るといったようなことはない。
後方で指揮を執るのが一般的なのだ。
だというのに、何故か今この場では前に出て来ていた。
一体何故? とそうアランは疑問に思ったが、実際にこうして表に出てきているのを見れば、やはりここはしっかりと話を聞いておく必要があるのは間違いなかった。
面倒なことになりそうな予感を抱きながらも、アランはゼオンを地上に向かって降下させていく。
「イルゼンさん、一体どうしたんですか? こんなときに、何で前線に出て来るなんて真似を?」
『アラン君! 攻撃して下さい! この現象は……不味い! 生命力の集まっている場所を、ビームライフルで攻撃を! 早く!』
地上に近付いたアランに向かい、そう叫ぶイルゼン。
それはいつものイルゼンの飄々とした様子とは全く違い、心の底の……頼むから聞いて欲しいといったような、決死の叫び。
ここまで必死なイルゼン見るのは、アランもまた初めてだった。
だからこそ、今はとにかくそんなイルゼンの言葉を聞く必要もあるし判断し、訳を聞く間もなくビームライフルを生命力が吸収されている方に向かって構え、トリガーを引く。
一撃必殺。
そんな言葉が相応しい威力を持つ一条のビームは、倒れている者たちから吸収されている生命力の集まっている場所に向かい……
ドクン、と。
再び空間が振動する。
振動という意味では同じだったが、しかしその振動は規模が違った。
外にいる者たちだけではなく、それこそゼオンのコックピットにいるアランにとっても今までと圧倒的に違うと、そのように思える振動だったのは間違いない。
「これは一体……」
『遅かったですか。いえ、まだここで諦める訳には……アラン君、奴が出て来る前に、もっと攻撃を続けて下さい!!』
イルゼンに急かされたアランは、一瞬どうするか迷い……そして再度トリガーを引く。
いつもならもっとイルゼンに詳しい理由を聞かせて貰う必要があると考えるのだが、今のイルゼンの様子は普通ではない。
いつもは飄々としているイルゼンが、必死な顔つきでアランに向かって叫んでいるのだ。
そんなイルゼンの様子を見て、アランは今この場で攻撃をする必要があると、そう判断したのだろう。
トリガーが引かれ、放たれたビーム。
それも一条や二条ではなく、五条、十条といったビームが放たれる。
そのビームは、振動の中心点……生命力が吸い込まれている場所に向かって連続して着弾した。
「やったか!? ……あ」
次々に命中したビームに気分をよくしたのか、アランの口からはそんな声が漏れる。
そして自分でそのようなことを口にしたと理解した瞬間、それはフラグだろうと思う。
そして……そんなアランの様子を示すかのように、再び空間の振動する音が周囲に響き渡った。
ドクン、と。
それは先程の振動よりも明らかに高い振動。
すなわち、何かが起きようとしているというのは、この場にいる全ての者が理解出来ることだった。
とはいえ、ガリンダミア帝国軍の兵士たちはその大多数が地面に倒れ、酷い者になると生命力を完全に吸収されつくして骨と皮だけになって死んでしまっていたが。
「何だ……一体何が起きている?」
これ以上はビームライフルを撃っても無駄だと、そう判断したアランは、ゼオンの映像モニタで吸収された生命力の集まっている場所を拡大する。
すると、そんなアランの行動を待っていたかのように、次の瞬間には空間が割れた。
そう、空間が割れたとした表現出来ないような、そんな状況。
あるいは空間そのものを破壊した、という表現でもいいのかもしれないが。
そうして割れた空間の向こう側には……映像モニタ越しに見ても分かる、圧倒的な力の気配を持つ、何かが存在していた。
まだその姿を見ることは出来ない。
出来ないが、それでも空間の向こう側から発せられるその圧力は、圧倒的なものなのは間違いなかった。
その瞬間空間そのものが震動したような音が……いや、衝撃が戦場にいる全員の耳に入る。
しかし、そんな奇妙な現象に疑問を持ったのは、レジスタンス連合の者達だけだった。
何故なら……
「ぎゃあああああああ!」
「うがあああああああああ!」
「いやああああああああ!」
戦場の、いたる場所でそのような悲鳴が上がったためだ。
そして悲鳴を上げているのは、全員がガリンダミア帝国軍の兵士たち。
老若男女関係なく、純粋にガリンダミア帝国軍の兵士たちだけが絶叫と呼ぶべき悲鳴を上げていた。
それだけではなく、悲鳴を上げている者の身体から目で見えるような何かが立ち上がっており、それがガリンダミア帝国の帝都の方に向かって流れていく。
レジスタンス連合の者たちにしてみれば、一体何があったのかと、そう戸惑ってしまうのは当然の話だろう。
ガリンダミア帝国に対して強い敵意な憎悪を抱いているレジスタンス連合の者たちが、突然苦しみ始めた目の前の敵に攻撃をするのを躊躇ってしまうくらい、驚いていた。
……それでも何人かは苦しんでいる敵を殺すといったような真似をしたのは、それだけ憎んでいるという証だったのだろう。
当然ながら、苦しんでいた何らかの力を吸い取られていたのは、普通の兵士だけではない。
心核使いとしては弱いと言われていた、量産型の心核を使って変身した心核使いたち。
そのような心核使いたちもまた、他の兵士たち同様に……いや、明らかに兵士たち以上に苦悶の表情を浮かべたまま、地面に蹲り、もしくは倒れ込んですらいた。
「これは、一体何があったんだ?」
そう呟いたのは、ゼオンに乗っているアラン。
つい先程までは、空を飛ぶモンスターを相手に戦っていた。
だが、気が付けば空間そのものが震動するかのような、そんな感覚と共に、空を飛んでいたモンスターはその全てが地上に向かって降下していった。……いや、この場合は降下などではなく落下と表現すべきだろう。
ゼオンの攻撃でそのようなことになったのなら、アランも目の前の光景をそこまで気にするようなことはなかっただろう。
だが、違う。
アランが特に何かをした訳でもないのに、勝手に敵が地上に落下していっているのだ。
アランにも現在何が起きているのかは、全く分からない。
(どうする? 取りあえず地上に向かって落下していた連中を倒すか? いや、けどそれはな。……そもそも倒す云々以前に、もう全員死んでないか?)
人というのは、それこそ数メートル単位の高度から落ちた場合であっても、運が悪ければ死ぬ。
もちろん、それはあくまでも運が悪ければの話ではあるが。
しかし、今は違う。
ゼオンが飛んでいるのは、高度数十メートルといったような場所だ。
当然だが、そのような高度から落ちて無事ですむはずがない。
……それでも変身しているモンスターの種類によっては、地上に落ちた衝撃でダメージを受けつつも、まだ動いている者がいる。
とはいえ、それはあくまでも動いてるだけであって、大きなダメージを受けているのは間違いない。
このまま時間が経過すれば、間違いなく死んでしまうだろう。
であれば、ここで無理に手を出すといった必要はないと判断してもおかしくはない。
そして何よりも、現在のアランにとってもっと興味を惹かれる……あるいは注意をするべき現象は他にもあった。
地面に落下した心核使いのモンスターたちから立ち上っている何かが、空を飛んで帝都の方に向かっているのだ。
それが実際にどのような意味を持つのか、アランには分からない。分からないが、それでも今の状況を思えば、それがレジスタンス連合にとっていいことであるのは間違いない。
「とはいえ、だからといってここでどう行動するのが最善なんだ?」
今この状況で一体どう行動するのが最善なのか。
そう考え……そして考えている間にも、倒れているガリンダミア帝国軍の兵士や心核使いたちから何かが絞りとられては帝都のある方に向かって伸びていく。
「うげ」
アランの口からそんな声が漏れたのは、地面に倒れている兵士の一人を映像モニタで確認して見たためだ。
そこに表示されているのは、恐らく男。
恐らくという表現になったのは、その男の顔が骨と皮だけになっていたためだ。
顔だけではなく、鎧の隙間から見える手足も顔同様に骨と皮になってる。
それは、魔力や体力といったものではなく……いや、あるいはそれら全てを合わせた、生命力とでも呼ぶべき能力が吸い取られたかのような、そんな様子だった。
気になって他に倒れている者を映像モニタで確認してみるが、状況は様々だ。
アランが最初に見たように、すでに死んでいるのではないかと思えるような骨と皮だけの者もいれば、中には顔色は悪いがまだ普通の状態の者もいる。
「この違いは何だ? ……保持している生命力の違いとか?」
ゲーム的に考えれば、HPやMPの所持量の違いが、吸収された生命力によってこのようなことになっているのは? そんな風にアランは考える。
現実をゲームとして考えるのはどうかと思わないでもなかったが、剣と魔法のファンタジー世界、しかもそこには何故か自分だけが使えるゼオンという人型機砲兵器があるのだから、ある意味でゲーム的と表現しても決して間違ってはいないだろう。
とはいえ、これはあくまでもアランがそうなっているのではないかと、そう予想しているだけであり、実際に起きている現象が全く違う可能性も否定は出来ない。
「そうなると、やっぱりあの生命力が伸びている場所に攻撃をすればいいのか?」
ドクン。
アランがこれからどうするべきかを考えていると、再び空間が振動する。
その振動は、明らかに地面に倒れている者たちから吸収されているのだろう生命力が関係しているとは思うのだが、しかし、その振動が何を意味しているのかは分からない。
そう思っていると、後方から馬に乗って全速力で走ってくる何者かの姿を発見する。
「イルゼンさん?」
そう、それは間違いなく雲海を率いる者にして、レジスタンス連合を生み出した立役者たる、イルゼンだった。
イルゼンは実力こそあるものの、基本的に前線に出て来るといったようなことはない。
後方で指揮を執るのが一般的なのだ。
だというのに、何故か今この場では前に出て来ていた。
一体何故? とそうアランは疑問に思ったが、実際にこうして表に出てきているのを見れば、やはりここはしっかりと話を聞いておく必要があるのは間違いなかった。
面倒なことになりそうな予感を抱きながらも、アランはゼオンを地上に向かって降下させていく。
「イルゼンさん、一体どうしたんですか? こんなときに、何で前線に出て来るなんて真似を?」
『アラン君! 攻撃して下さい! この現象は……不味い! 生命力の集まっている場所を、ビームライフルで攻撃を! 早く!』
地上に近付いたアランに向かい、そう叫ぶイルゼン。
それはいつものイルゼンの飄々とした様子とは全く違い、心の底の……頼むから聞いて欲しいといったような、決死の叫び。
ここまで必死なイルゼン見るのは、アランもまた初めてだった。
だからこそ、今はとにかくそんなイルゼンの言葉を聞く必要もあるし判断し、訳を聞く間もなくビームライフルを生命力が吸収されている方に向かって構え、トリガーを引く。
一撃必殺。
そんな言葉が相応しい威力を持つ一条のビームは、倒れている者たちから吸収されている生命力の集まっている場所に向かい……
ドクン、と。
再び空間が振動する。
振動という意味では同じだったが、しかしその振動は規模が違った。
外にいる者たちだけではなく、それこそゼオンのコックピットにいるアランにとっても今までと圧倒的に違うと、そのように思える振動だったのは間違いない。
「これは一体……」
『遅かったですか。いえ、まだここで諦める訳には……アラン君、奴が出て来る前に、もっと攻撃を続けて下さい!!』
イルゼンに急かされたアランは、一瞬どうするか迷い……そして再度トリガーを引く。
いつもならもっとイルゼンに詳しい理由を聞かせて貰う必要があると考えるのだが、今のイルゼンの様子は普通ではない。
いつもは飄々としているイルゼンが、必死な顔つきでアランに向かって叫んでいるのだ。
そんなイルゼンの様子を見て、アランは今この場で攻撃をする必要があると、そう判断したのだろう。
トリガーが引かれ、放たれたビーム。
それも一条や二条ではなく、五条、十条といったビームが放たれる。
そのビームは、振動の中心点……生命力が吸い込まれている場所に向かって連続して着弾した。
「やったか!? ……あ」
次々に命中したビームに気分をよくしたのか、アランの口からはそんな声が漏れる。
そして自分でそのようなことを口にしたと理解した瞬間、それはフラグだろうと思う。
そして……そんなアランの様子を示すかのように、再び空間の振動する音が周囲に響き渡った。
ドクン、と。
それは先程の振動よりも明らかに高い振動。
すなわち、何かが起きようとしているというのは、この場にいる全ての者が理解出来ることだった。
とはいえ、ガリンダミア帝国軍の兵士たちはその大多数が地面に倒れ、酷い者になると生命力を完全に吸収されつくして骨と皮だけになって死んでしまっていたが。
「何だ……一体何が起きている?」
これ以上はビームライフルを撃っても無駄だと、そう判断したアランは、ゼオンの映像モニタで吸収された生命力の集まっている場所を拡大する。
すると、そんなアランの行動を待っていたかのように、次の瞬間には空間が割れた。
そう、空間が割れたとした表現出来ないような、そんな状況。
あるいは空間そのものを破壊した、という表現でもいいのかもしれないが。
そうして割れた空間の向こう側には……映像モニタ越しに見ても分かる、圧倒的な力の気配を持つ、何かが存在していた。
まだその姿を見ることは出来ない。
出来ないが、それでも空間の向こう側から発せられるその圧力は、圧倒的なものなのは間違いなかった。
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