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ガリンダミア帝国との決着
409話
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アランの意思に従い、フェルスの一基が三つ首のドラゴンに向かって突っ込んでいく。
ビーム砲で攻撃をするのではなく、ビームソードを展開していない状態のままで。
三つ首のドラゴンが持つバリアに対処する必要があり、攻撃ではなくフェルスが移動することによって三つ首のドラゴンの展開しているバリアを突破出来るかどうかを確認するための攻撃。
……いや、実際には攻撃をする訳ではない以上、攻撃ではなく行動と表現するべきか。
アランの意思に従い、進むフェルス。
三つ首のドラゴンは、当然ながら自分に近付いてきている小さな何かについては気が付いているのだろうが、それに対して何か反応する様子はない。
アランが……いや、正確にはゼオンのビームライフルを使われてもバリアによって一切の効果がなかったことを思えば、フェルスが近付いてくるのに気が付いても、それが自分に危害を加えることは出来ないと、そう判断したのだろう。
自分やゼオンが侮られているというのは、アランにとっても面白くはない。
だからこそ……そう、だからこそフェルスによる一撃であの三つ首のドラゴンの度肝を抜いてやろうという気になる。
正確にはそうやって常に自分を鼓舞していないと、映像モニタ越しに感じられる圧倒的な威圧感に屈しそうになっているからこその行動なのだが。
空中を飛び、真っ直ぐ三つ首のドラゴンに向かって突っ込んでいくフェルス。
ただし、出来るだけ見つからないようにだ。
三つ首のドラゴンは、全長五十メートル近い大きさを持つ。
それだけの巨体だけに、たとえ顔が三つあったとしても、死角の全てを消すのは不可能だ。
特に空を飛んでいる以上、下というの巨体の影響もあって完全な死角となる。
そうして三つ首のドラゴンの死角から回り込んだフェルスは……
「よしっ!」
アランが予想したように、フェルスは三つ首のドラゴンの展開しているバリアの中に侵入することに成功する。
それも一つが偶然成功したといった訳ではなく、複数のフェルスがバリア中に入ることに成功したのだ。
当然だが、アランはバリアの内側に入ったフェルスで三つ首のドラゴンを攻撃……するような真似はせず、すぐにバリアからフェルスを出す。
もしかしたら……本当にもしかしたらだが、バリアの内部に入ることは出来ても、そこから出るような真似は出来ないのではないかと、そう思ったのだ。
しかし、そんなアランの心配とは裏腹に、フェルスはあっけなくバリアから出ることに成功した。
「よしっ!」
数秒前と同じ言葉を発するアランだったが、今は実際にやり遂げたという気持ちが強い。
そのおかげで、何とか三つ首のドラゴンを殺せるかもしれないのだから。
「あれが心核使い……とは思えない。だとすれば、多分この世界の存在とは全く違うものなんだろうな」
俺みたいに。
最後の言葉は口にしなかったが、三つ首のドラゴンのが空間を破壊して出て来たのを見たとき、もしかしたらあの空間の穴を通って地球に戻れるのでは? と一瞬思ってしまったのも事実だ。
もちろん、今のこの姿で地球に戻ったところで、外見は前世とは全く違う。
そうである以上、家族や友人と会っても自分であるとは思われないだろう。
そう分かってはいたが、それでもやはり地球……日本は、アランにとっては魂の故郷と呼ぶべき場所なのだ。
(いや、今はそういうことを考えている場合じゃないな。とにかく、あの三つ首のドラゴンを倒す目処はついたんだ。そうである以上、ここでただ眺めているといった訳にはいかない)
ふぅ、はぁ……と。意識を集中するために深く深呼吸し…・・やがてゼオンは一気に前に出た。
スラスターやウィングバインダーを全開にして、可能な限り三つ首のドラゴンのとの間合いを詰める。
三つ首のドラゴンは当然のように接近するゼオンの姿に気が付いてはいたのだろうが、それでも特に何か行動をする様子はない。
「こっちを甘く見ているようだが、それを後悔させてやるよ!」
自分を奮い立たせるように、無理矢理叫び……そして、アランはゼオンでのその力を最大限に発揮させるように意識を集中させる。
そうし三つ首のドラゴンとの間合いが近付いたところで、ようやく向こうは動きを見せた。
ただし、それはゼオンに向かって何らかの反撃をするといったような行動ではなく、三つある首の一つがゼオンの方を向いたという、ただそれだけのものだったが。
その程度の反応しかしなかったのを後悔させてやる。
そんな思いから、アランはゼオンをバリアに突っ込ませ……
「行けぇっ!」
叫びと共に、バリアに接触し……そして突き抜けた。
「よし!」
バリアを突き抜けたのを確認した瞬間、アランの口からは快哉の声が出る。
しかし、バリアを突破したということは、三つ首のドラゴンにしてみれば自分を傷つけるべき何かが突っ込んできたということを意味していた。
それもフェルスのような小さな何かではなく、ゼオンのような全高十八メートルと、三つ首のドラゴンの半分以下の大きさではあるが、それでも自分にとっては厄介な相手だろう存在が。
「グガアアアアアアア!」
三つある首のうちの一つが、バリアの中に入ってきたゼオンに向かって声を上げ……その口から、風のブレスが放たれる。
風のブレスとはいえ、それはいわゆる風の刃を放つようなブレスではなく、竜巻をそのまま放つようなブレスだった。
「うおっ!」
半ば反射的にそんな風のブレスを回避するアラン。
だが、当然ながらアランもそのまま一方的に攻撃をされている訳ではない。
敵のバリアの中に入った以上、今度こそはと、そんな意味を込めてビームライフルのトリガーを引く。
銃口から離れたビームは、そのまま三つ首のドラゴンの胴体に向かい……
「嘘だろっ!?」
三つ首のドラゴンは、全長五十メートルほどの巨体だ。
それはアランにも分かっていたが、それでもビームライフルの威力があれば、一撃で倒すといったようなことは出来なくても、相応のダメージは与えられると思っていたのだ。
だが……そんなアランの予想は、あまりに楽観的だった。
放たれたビームが三つ首のドラゴンの胴体に命中したのは、間違いのない事実。
しかし、ゼオンの持つ最強の射撃兵器がもたらしたのは……胴体の鱗を数枚焼け焦げさせるといった程度のダメージだけだった。
当然、三つ首のドラゴンの大きさを思えば、その程度のダメージが致命傷になるとは思えない。
……幸いにもと言うべきか、強力な再生能力の類はないらしく、ビームライフルでつけた傷がすぐに再生するといったようなことはなかったが。
とはいえ、相手はドラゴンだ。
それもただのドラゴンではなく、三つ首で巨大なドラゴン。
急激な再生能力のようなものはなくても、その体格に見合った治癒能力は普通に持っているはずだった。
その治癒能力が具体的にどのくらいの速度で回復をするのか……というのは、アランにも分からない。
分からないが、今はとにかく何とかして敵にダメージを与える必要があるのは間違いなかった。
「くそっ、あの巨体を相手にどうしろってんだ!」
ゼオンのコックピットの中で、現在の状況に苛立ちを込めて告げるアラン。
すると……そのタイミングを待っていたかのように、頭の中に声が響いた。
『ふふふ。僕をどうにかしようとしてるのかい? 可愛い抵抗だね。だけど……それはあまり面白くないのも事実なんだよ』
頭の中に声が響くというのは、それこそレオノーラが変身した黄金のドラゴンのと念話を何度も行っているので、このような行為に違和感の類はない。
そして何より、誰がそのような真似をしたのか……それは頭の中に響いた声に聞き覚えがあったために、しっかりと分かった。
何より、この三つ首のドラゴンを見たとき、その人物の名前が思い浮かんだというのも大きいだろう。
「ビッシュ」
そう、アランは口にする。
レオノーラと念話をするときは、向こうに声を届けようと思わなければ、念話で意思疎通は出来ない。
考えたこと全てが相手に筒抜けになるよりは、そちらの方が便利なのでいいのだが。
『おや、やっぱり僕だと分かったのかい?』
だからこそ、アランは呆然と名前を呟いたその声をビッシュが聞き取ったことに驚く。
「ビッシュ! やっぱりお前が!」
『ふぅん。以前僕と会ったときは随分と大人しかったのに、ゼオンに乗っていると随分と強気だね』
ビッシュがゼオンの名前を知ってる程度のことは、アランにとっても特に驚くようなことではない。
今までアランやゼオンの情報を集めてきたのだ。
その名前くらい知っているのは、むしろ当然のことだった。
それよりも、念話を返そうとは思わず呟いただけなのに、それを向こうが聞き取ったという方がアランにとっては驚きだ。
「あの時と今では、状況が違う」
『そうかな? 僕にしてみれば、そう違わないけどね』
「……お前がその三つ首のドラゴンをこの世界に呼び出すのに、ガリンダミア帝国軍の兵士の多くを犠牲にした。結果として、今は戦力的にはこっちが有利だ」
そう言いながらも、アランは自分の言葉に無理があると理解していた。
実際にガリンダミア帝国軍そのものは、それこそ心核使いを含めて全て使い物にならなくなったのは事実だ。
だが、ガリンダミア帝国軍が使い物にならなくなっても、ここには圧倒的な力を持つ三つ首のドラゴンがいる。
心核使いは一人で戦局を変えるだけの力を持つと評されることが多いが、三つ首のドラゴンはそんな心核使いの集団と戦っても圧倒出来るだけの力を持っているのは間違いなかった。
『本気でそう思っているなら、お目出度いね。さすがに僕が求めたアランは、そのような愚者じゃないと思うけど』
「……何故そこまで俺を狙う?」
『何故って? もちろん、君が必要だからさ。ルーダー……いや、君にはこう言った方がいいかな。古代魔法文明をこの世界に蘇らせるためにはね』
ビッシュの口から出た――念話だが――言葉に、アランは完全に意表を突かれるのだった。
ビーム砲で攻撃をするのではなく、ビームソードを展開していない状態のままで。
三つ首のドラゴンが持つバリアに対処する必要があり、攻撃ではなくフェルスが移動することによって三つ首のドラゴンの展開しているバリアを突破出来るかどうかを確認するための攻撃。
……いや、実際には攻撃をする訳ではない以上、攻撃ではなく行動と表現するべきか。
アランの意思に従い、進むフェルス。
三つ首のドラゴンは、当然ながら自分に近付いてきている小さな何かについては気が付いているのだろうが、それに対して何か反応する様子はない。
アランが……いや、正確にはゼオンのビームライフルを使われてもバリアによって一切の効果がなかったことを思えば、フェルスが近付いてくるのに気が付いても、それが自分に危害を加えることは出来ないと、そう判断したのだろう。
自分やゼオンが侮られているというのは、アランにとっても面白くはない。
だからこそ……そう、だからこそフェルスによる一撃であの三つ首のドラゴンの度肝を抜いてやろうという気になる。
正確にはそうやって常に自分を鼓舞していないと、映像モニタ越しに感じられる圧倒的な威圧感に屈しそうになっているからこその行動なのだが。
空中を飛び、真っ直ぐ三つ首のドラゴンに向かって突っ込んでいくフェルス。
ただし、出来るだけ見つからないようにだ。
三つ首のドラゴンは、全長五十メートル近い大きさを持つ。
それだけの巨体だけに、たとえ顔が三つあったとしても、死角の全てを消すのは不可能だ。
特に空を飛んでいる以上、下というの巨体の影響もあって完全な死角となる。
そうして三つ首のドラゴンの死角から回り込んだフェルスは……
「よしっ!」
アランが予想したように、フェルスは三つ首のドラゴンの展開しているバリアの中に侵入することに成功する。
それも一つが偶然成功したといった訳ではなく、複数のフェルスがバリア中に入ることに成功したのだ。
当然だが、アランはバリアの内側に入ったフェルスで三つ首のドラゴンを攻撃……するような真似はせず、すぐにバリアからフェルスを出す。
もしかしたら……本当にもしかしたらだが、バリアの内部に入ることは出来ても、そこから出るような真似は出来ないのではないかと、そう思ったのだ。
しかし、そんなアランの心配とは裏腹に、フェルスはあっけなくバリアから出ることに成功した。
「よしっ!」
数秒前と同じ言葉を発するアランだったが、今は実際にやり遂げたという気持ちが強い。
そのおかげで、何とか三つ首のドラゴンを殺せるかもしれないのだから。
「あれが心核使い……とは思えない。だとすれば、多分この世界の存在とは全く違うものなんだろうな」
俺みたいに。
最後の言葉は口にしなかったが、三つ首のドラゴンのが空間を破壊して出て来たのを見たとき、もしかしたらあの空間の穴を通って地球に戻れるのでは? と一瞬思ってしまったのも事実だ。
もちろん、今のこの姿で地球に戻ったところで、外見は前世とは全く違う。
そうである以上、家族や友人と会っても自分であるとは思われないだろう。
そう分かってはいたが、それでもやはり地球……日本は、アランにとっては魂の故郷と呼ぶべき場所なのだ。
(いや、今はそういうことを考えている場合じゃないな。とにかく、あの三つ首のドラゴンを倒す目処はついたんだ。そうである以上、ここでただ眺めているといった訳にはいかない)
ふぅ、はぁ……と。意識を集中するために深く深呼吸し…・・やがてゼオンは一気に前に出た。
スラスターやウィングバインダーを全開にして、可能な限り三つ首のドラゴンのとの間合いを詰める。
三つ首のドラゴンは当然のように接近するゼオンの姿に気が付いてはいたのだろうが、それでも特に何か行動をする様子はない。
「こっちを甘く見ているようだが、それを後悔させてやるよ!」
自分を奮い立たせるように、無理矢理叫び……そして、アランはゼオンでのその力を最大限に発揮させるように意識を集中させる。
そうし三つ首のドラゴンとの間合いが近付いたところで、ようやく向こうは動きを見せた。
ただし、それはゼオンに向かって何らかの反撃をするといったような行動ではなく、三つある首の一つがゼオンの方を向いたという、ただそれだけのものだったが。
その程度の反応しかしなかったのを後悔させてやる。
そんな思いから、アランはゼオンをバリアに突っ込ませ……
「行けぇっ!」
叫びと共に、バリアに接触し……そして突き抜けた。
「よし!」
バリアを突き抜けたのを確認した瞬間、アランの口からは快哉の声が出る。
しかし、バリアを突破したということは、三つ首のドラゴンにしてみれば自分を傷つけるべき何かが突っ込んできたということを意味していた。
それもフェルスのような小さな何かではなく、ゼオンのような全高十八メートルと、三つ首のドラゴンの半分以下の大きさではあるが、それでも自分にとっては厄介な相手だろう存在が。
「グガアアアアアアア!」
三つある首のうちの一つが、バリアの中に入ってきたゼオンに向かって声を上げ……その口から、風のブレスが放たれる。
風のブレスとはいえ、それはいわゆる風の刃を放つようなブレスではなく、竜巻をそのまま放つようなブレスだった。
「うおっ!」
半ば反射的にそんな風のブレスを回避するアラン。
だが、当然ながらアランもそのまま一方的に攻撃をされている訳ではない。
敵のバリアの中に入った以上、今度こそはと、そんな意味を込めてビームライフルのトリガーを引く。
銃口から離れたビームは、そのまま三つ首のドラゴンの胴体に向かい……
「嘘だろっ!?」
三つ首のドラゴンは、全長五十メートルほどの巨体だ。
それはアランにも分かっていたが、それでもビームライフルの威力があれば、一撃で倒すといったようなことは出来なくても、相応のダメージは与えられると思っていたのだ。
だが……そんなアランの予想は、あまりに楽観的だった。
放たれたビームが三つ首のドラゴンの胴体に命中したのは、間違いのない事実。
しかし、ゼオンの持つ最強の射撃兵器がもたらしたのは……胴体の鱗を数枚焼け焦げさせるといった程度のダメージだけだった。
当然、三つ首のドラゴンの大きさを思えば、その程度のダメージが致命傷になるとは思えない。
……幸いにもと言うべきか、強力な再生能力の類はないらしく、ビームライフルでつけた傷がすぐに再生するといったようなことはなかったが。
とはいえ、相手はドラゴンだ。
それもただのドラゴンではなく、三つ首で巨大なドラゴン。
急激な再生能力のようなものはなくても、その体格に見合った治癒能力は普通に持っているはずだった。
その治癒能力が具体的にどのくらいの速度で回復をするのか……というのは、アランにも分からない。
分からないが、今はとにかく何とかして敵にダメージを与える必要があるのは間違いなかった。
「くそっ、あの巨体を相手にどうしろってんだ!」
ゼオンのコックピットの中で、現在の状況に苛立ちを込めて告げるアラン。
すると……そのタイミングを待っていたかのように、頭の中に声が響いた。
『ふふふ。僕をどうにかしようとしてるのかい? 可愛い抵抗だね。だけど……それはあまり面白くないのも事実なんだよ』
頭の中に声が響くというのは、それこそレオノーラが変身した黄金のドラゴンのと念話を何度も行っているので、このような行為に違和感の類はない。
そして何より、誰がそのような真似をしたのか……それは頭の中に響いた声に聞き覚えがあったために、しっかりと分かった。
何より、この三つ首のドラゴンを見たとき、その人物の名前が思い浮かんだというのも大きいだろう。
「ビッシュ」
そう、アランは口にする。
レオノーラと念話をするときは、向こうに声を届けようと思わなければ、念話で意思疎通は出来ない。
考えたこと全てが相手に筒抜けになるよりは、そちらの方が便利なのでいいのだが。
『おや、やっぱり僕だと分かったのかい?』
だからこそ、アランは呆然と名前を呟いたその声をビッシュが聞き取ったことに驚く。
「ビッシュ! やっぱりお前が!」
『ふぅん。以前僕と会ったときは随分と大人しかったのに、ゼオンに乗っていると随分と強気だね』
ビッシュがゼオンの名前を知ってる程度のことは、アランにとっても特に驚くようなことではない。
今までアランやゼオンの情報を集めてきたのだ。
その名前くらい知っているのは、むしろ当然のことだった。
それよりも、念話を返そうとは思わず呟いただけなのに、それを向こうが聞き取ったという方がアランにとっては驚きだ。
「あの時と今では、状況が違う」
『そうかな? 僕にしてみれば、そう違わないけどね』
「……お前がその三つ首のドラゴンをこの世界に呼び出すのに、ガリンダミア帝国軍の兵士の多くを犠牲にした。結果として、今は戦力的にはこっちが有利だ」
そう言いながらも、アランは自分の言葉に無理があると理解していた。
実際にガリンダミア帝国軍そのものは、それこそ心核使いを含めて全て使い物にならなくなったのは事実だ。
だが、ガリンダミア帝国軍が使い物にならなくなっても、ここには圧倒的な力を持つ三つ首のドラゴンがいる。
心核使いは一人で戦局を変えるだけの力を持つと評されることが多いが、三つ首のドラゴンはそんな心核使いの集団と戦っても圧倒出来るだけの力を持っているのは間違いなかった。
『本気でそう思っているなら、お目出度いね。さすがに僕が求めたアランは、そのような愚者じゃないと思うけど』
「……何故そこまで俺を狙う?」
『何故って? もちろん、君が必要だからさ。ルーダー……いや、君にはこう言った方がいいかな。古代魔法文明をこの世界に蘇らせるためにはね』
ビッシュの口から出た――念話だが――言葉に、アランは完全に意表を突かれるのだった。
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